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会長挨拶

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未来につながる同窓会

文学部同窓会長 倉富 史枝

会報第六十六号をお届けするにあたり、ひとことご挨拶を申し上げます。

新型コロナウィルス感染症の影響は依然として続いておりますが、イベント開催の制限などは緩和されつつあります。文学部同窓会の皆様におかれましては、如何お過ごしでしょうか。

二〇二二年度文学部同窓会総会におきまして、二期目の同窓会会長を拝命いたしました。ご退任された佐藤基治前副会長、遠城明雄前副会長のこれまでのご尽力に心より感謝申し上げます。また、副会長につきましては、村山由香里副会長に継続いただき、新たに北九州市立大学学長の松尾太加志さん(心理学、一九八〇年卒業)、九州大学の山本健太郎さん(心理学、二〇一三年博士修了)にご就任いただきました。新しい副会長をお迎えした文学部同窓会のこれからの四年間をよろしくお願いします。

四月の入学式では、三年ぶりに九州大学文学部の入学式後のオリエンテーションで新入生に同窓会の案内をすることができました。入学したばかりの希望にあふれる学生の皆様を前に、これから生まれる文学部でのつながりを語るうちにこちらも高揚し、対面ならではの共鳴を体感しました。

九月二十一日は文学部同窓会の創立記念日でした。この日に、『九州大学文学部同窓会60年の歩み』の通史篇・資料篇が文学部同窓会のホームページに公開されました。二〇一九年より「文学部同窓会史編纂委員会」が資料を収集し同窓会の歴史をまとめたものです。委員会へは心より感謝申し上げます。戦争や学生運動などの社会の情勢と同窓会との関わりを振り返ることで、今現在の問題が浮かび上がっています。特に、戦後二十五年たって会報通信にご家族から同窓生の戦死を告げるお便りが寄せられた逸話には心を打たれました。入学式の新入生の輝きを思い出すと、「学徒出陣」への無残さに今ある現実のような強い恐怖を感じました。学生の未来のためにも平和な世の中を守っていかなければならないと肝に銘じています。どうか、皆様も『九州大学文学部同窓会60年の歩み』をお目通しいただければと存じます。今後は、「写真篇」と「文集篇」も公開されますのでご期待ください。

十月には、二〇二二年度の文学部同窓会総会が、昨年に引き続いて対面とオンラインのハイブリッド形式で開催されました。総会終了後に、同窓会奨学金授与式を行い、優秀研究賞六名を選出し、表彰されました。奨学金受賞後、それぞれ、研究についての報告がありました。受賞された皆さんが今後とも一層の研鑽を積まれることを期待します。また、『九州大学文学部同窓会60年の歩み』の公開を記念して、「文学部同窓会史編纂委員会」の柴田篤委員長(中国哲学史、一九七四年卒業)にご講演いただきました。先人が積み上げてこられた同窓会の歴史を伺いながら、文字通りその末席を汚している身としては恐縮の限りとなりました。その後は、椎木講堂において九州大学大学文書館の藤岡健太郎教授(国史学、一九九四年卒業)の解説で、常設展「九州大学の歴史」を観覧しました。常設展には、中国哲学史講座・楠本正繼名誉教授の旧蔵品が「楠本家資料」として展示されています。そのご縁で、桜美林大学文化人類学准教授で楠本名誉教授のお孫さんの楠本和佳子氏に同窓会にご臨席いただいたことを報告します。

今年度の同窓会では、新型コロナウィルス感染拡大防止のために懇親会は前年に引き続き中止したことは残念でした。来年度はなんとかお顔を見ながらの歓談が実現できたらと願っています。総会担当の哲学・哲学史、イスラム文明学、独文学の三研究室におかれましては、オンライン用機材の設置に加えて、換気や消毒などの感染対策にご尽力いただきありがとうございました。なお、総会及び授与式については後の同窓会活動報告をご覧ください。

また、同窓会の取組みとして、昨年度好評だった「文学部就職支援セミナー」を引き続き実施しました。十一月から一月にかけて五回オンラインで開催し、福岡県、福岡市、県内大手企業の同窓生や採用担当者が就活生と就職活動や仕事のやりがいなどについて自由に対話しました。広い人脈を生かした同窓会ならではの企画を立案し実行していただいた長井政典さん(仏文学、一九七九年卒業)には二年続けてお世話になりました。改めて感謝申し上げます。

また、二〇二三年度に「九州大学法文学部創立百周年記念プロジェクト」が始まります。人文社会科学系四部局の前身となる「九州帝国大学法文学部」の創立から二〇二四(令和六)年で百周年を迎えるため、四部局が共同で記念事業を実施することとなったものです。このプロジェクトへのご支援もよろしくお願いします。

さて、同窓会の入会数については、昨年に引き続き厳しい状況にあります。同窓生の皆様におかれまして、周りに未入会の方がおられましたら、お声かけの程お願いします。

なお、今回の会報の作成にあたって、会報担当の考古学研究室と事務局の板野さんに感謝申し上げます。

最後になりましたが、文学部同窓会の皆様のご健勝と安心して平常の生活ができる日が来ることを祈念いたします。

(くらとみ ふみえ 一九八〇年卒業 社会学)

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