九州大学文学部・大学院人文科学府・大学院人文科学研究院

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日本史学研究室

世界史的規模の斬新な構想と堅実な実証

国内史的分野とともに国際交流史研究の伝統が特色である。学生は全時代を見通しつつ、各自選択したテーマについて、歴史の「読み手」から「書き手」にまわることが要請される。そのため、講義・演習のほか、所蔵の史・資料操作の実習や、史料収集・整理などのフィールドワークが課され、すでに30年以上続いている熊本大学との自主的な合同ゼミや春秋の構想発表会などを通じて卒論作成のコツを身につける。成績面では卒論が最も重視される。卒業生は企業・官公庁をはじめ、教師・マスコミ・博物館学芸員・研究職など、多彩な分野で活躍している。

大学院生は、少人数で濃密な議論を闘わせる授業や論文指導を通して、高度の専門的知識と洗練された技倆を身につける。博士後期課程に進学した者は、博士(文学)の学位取得を目指して研究に没頭するが、修士課程を終えて高等学校その他に就職する者も多い。学府教育を終えて博物館・文書館や、大学などの高等教育機関に就職し、持てる能力を存分に発揮している卒業生は、100名を下らない。

当研究室に事務局をおく九州史学研究会は創刊60周年を迎えた。機関誌『九州史学』は189号を超え、各部会の活動もさかんである。刊行物には、『境界のアイデンティティ』『境界からみた内と外』(ともに岩田書院,2008年)がある。

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教員

岩崎 義則 (IWASAKI Yoshinori) 日本史学講座/准教授

  • 専門
    日本近世史
  • 専門分野
    大坂銅座の沿革と意義を柱とする近世の銅流通、および秋田・別子等の鉱山、更には貿易都市長崎の研究をすすめている。また、平戸藩の政治と文化について、楽歳堂文庫の書籍類を中心に研究を進めている。
  • 主要業績
    『長崎県内の多様な集落が形成する文化的景観保存調査報告書 資料編3 藩政資料』(長崎県、2013年)
    “THE AKITA DOMAIN AND OSAKA MERCHANT HOUSES AT THE TIME OF THE ESTABLISHMENT OF THE MEIWA COPPER AGENCY ”,
    『Trade and Commerce in the Eastern Chinese Sea: Early Modern Sino-Japanese Copper Trade 1650-1850』, Keiko Nagase-Reimer, Brill, 2015.

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国分 航士 (KOKUBU Koji) 日本史学講座/講師

  • 専門
    日本近現代史
  • 専門分野
    明治期以降の天皇・皇室制度について、法と政治という観点から研究を進めている。特に、明治後期・大正期に行われた皇室制度改革、議会制と天皇・皇室制度の関係、東アジア社会における恩赦制度などに関心を持っている。
  • 主要業績
    「明治立憲制と「宮中」」(『史学雑誌』124編9号、2015 年)
    「大正初期の「剰余金支出」問題」(『史林』98巻3号、2015年)
    「大正期皇室制度改革と「会議」」(御厨貴編著『天皇の近代』、千倉書房、2018年)

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荒木 和憲(ARAKI kazunori)日本史学講座/准教授

  • 専門
    日本中世史
  • 専門分野
    中世日本と東アジア諸地域との交流史を研究している。特に朝鮮半島との交流史について、対馬の地域史と結びつけて理解するよう努めている。また、九州政治史、海上交通史、東アジア比較古文書学などにも取り組んでいる。
  • 主要業績
    『中世対馬宗氏領国と朝鮮』(山川出版社、2007年)
    『対馬宗氏の中世史』(吉川弘文館、2017年)
    『中世日本の国際交流における海上交通に関する研究』(国立歴史民俗博物館研究報告223、編著、2021年)