文学部長・人文科学府長
遠城 明雄
文学部長・人文科学府長
遠城 明雄
今、私たちは混沌とした世界と時代に生きています。混沌でない時などなかった、とも言えますが、現在の地球規模の諸問題は、私たちが従来とは異なる困難な状況に直面していることを示しているように思われます。
こうした状況において、人文学を学ぶことの意味はどこにあるでしょうか。文学部・人文科学府には多様な専門分野があり、それぞれに個性がありますが、その共通点を求めるとすれば、「根源」への志向とでも呼ぶべき知的態度ではないかと思います。
答えが容易に見つからない問題が山積していますが、そもそも人文学が探求する問いにただ一つの正解などありません。この意味で、人文学そのものが混沌とした世界なのかもしれません。
皆さんが、瑞々しい感性と荒々しい知性をもって、学問と社会の諸問題の根源を探り、そこから新たな光を見いだす知的冒険に加わっていただければ幸いです。