国内史的分野とともに国際交流史研究の伝統が特色である。学生は全時代を見通しつつ、各自選択したテーマについて、歴史の「読み手」から「書き手」にまわることが要請される。そのため、講義・演習のほか、所蔵の史・資料操作の実習や、史料収集・整理などのフィールドワークが課され、すでに30年以上続いている熊本大学との自主的な合同ゼミや春秋の構想発表会などを通じて卒論作成のコツを身につける。成績面では卒論が最も重視される。卒業生は企業・官公庁をはじめ、教師・マスコミ・博物館学芸員・研究職など、多彩な分野で活躍している。
大学院生は、少人数で濃密な議論を闘わせる授業や論文指導を通して、高度の専門的知識と洗練された技倆を身につける。博士後期課程に進学した者は、博士(文学)の学位取得を目指して研究に没頭するが、修士課程を終えて高等学校その他に就職する者も多い。学府教育を終えて博物館・文書館や、大学などの高等教育機関に就職し、持てる能力を存分に発揮している卒業生は、100名を下らない。
当研究室に事務局をおく九州史学研究会は創刊60周年を迎えた。機関誌『九州史学』は184号を超え、各部会の活動もさかんである。刊行物には、『境界のアイデンティティ』『境界からみた内と外』(ともに岩田書院,2008年)がある。