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第三八回角川源義賞を受賞しました(川平敏文准教授)

九州大学大学院人文科学研究院准教授 川平敏文

このたび、拙著『徒然草の十七世紀―近世文芸思潮の形成―』(岩波書店、二〇一五年)が、文学・歴史学分野の研究業績に対して与えられる、第三八回角川源義賞〔文学研究部門〕(角川文化振興財団)を受賞しました(写真は二〇一六年一二月六日に東京飯田橋で行われた授賞式の模様)。今年三月の、第二四回やまなし文学賞〔研究・評論部門〕(山梨文学館)に続く受賞で、たいへん名誉なことだと感激しております。

拙著は、鎌倉時代末期(十四世紀)に書かれた『徒然草』が、その後どのように「古典」となり、現代まで継承されているのかという問題について考察したものです。とくに重要なのは江戸前期(十七世紀)で、『徒然草』はこの時期に「古典」としての評価が定まってきます。ではなぜ、十七世紀なのか。この問題を考えることは、西鶴や芭蕉や近松らが活躍した「元禄文学」の背景を考えることともつながってきます。

私の師匠は、このたび文化勲章を受章された中野三敏・九州大学名誉教授(江戸文学)です。じつは、中野先生も私と同じ四十七歳のときに、本賞を受賞されておられます。まったくの偶然ですが、その後の先生のお仕事の大きさを考えると、襟を正さざるをえません。

写真1:川平准教授(左)受賞の模様(提供:角川文化振興財団)

 

写真2:川平准教授著書『徒然草の十七世紀―近世文芸思潮の形成―』(岩波書店、二〇一五年)

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