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中野三敏・本学名誉教授(国文学)が、平成22年度の文化功労者に!

中野三敏・本学名誉教授(国文学)が、平成22年度の文化功労者に選出され、去る11月4日、その顕彰式が東京都内のホテルで行われました。

●略歴
 昭和10年11月24日、福岡県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業、同大学院修士課程修了。文学博士。
 愛知淑徳短期大学助教授を経て、昭和47年4月、本学文学部助教授として赴任。同57年、教授に昇任。平成4年~同6年まで文学部長を務め、同11年3月、定年退官。同年4月、本学名誉教授の称号を授与されました。
 平成10年、紫綬褒章受章。同年、西日本文化賞受賞。
 本学退官後は、平成11年4月より、福岡大学人文学部教授に就任。平成18年3月、同大学を退職し、今日に至っています。現在も著述活動のほか、海外における日本古典籍の調査、講演、後進の指導など、旺盛な研究・教育活動を続けておられます。

●学風と業績
 中野名誉教授の学風は、書物の内容のみならず、書物の外形的特徴についての綿密な調査観察から出発する、厳密な実証を一方の柱とし、他方、近世の諸風俗に対する貪欲な好奇心と江戸時代の文物・人間への無限の敬愛にもとづく、硬軟織りまぜた自由自在を特徴としています。
 特に従来、近世前期から後期への単なる過渡期として、本格的には研究の対象とされなかった享保期を中心とする近世中期文化に照明を当て、その近世中期こそが「雅」(伝統)と「俗」(新興)の理想的に融和した近世文化の開花期であることを立証したことは、研究史上特筆されるべき業績と言え、多くの後進に影響を与えています。

●主な著述
◇単著
「戯作研究」(昭和56年、中央公論社) ※サントリー学芸賞、角川源義賞受賞
「江戸文化評判記」(平成4年、中公新書)
「江戸の板本」(平成7年、岩波書店)
「十八世紀の江戸文芸」(平成11年、岩波書店)
「江戸狂者傳」(平成19年、中央公論新社)
「写楽」(平成19年、中公新書)
「和本の海へ」(平成21年、角川選書)
など
◇編著
「新日本古典文学大系」全100巻
「洒落本大成」全29巻
「大田南畝全集」全20巻
「甲子夜話」全20巻
「近世子どもの絵本集」 ※毎日出版文化賞特別賞受賞

など

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