2021年度行事開催記録

【報告】九州大学人間環境学研究院多分野連携遊びと洗練「九州大学と水俣」
【発表】
司会:岡幸江(人間環境学研究院教授)
■■■事件の構造■■■
磯谷明徳(経済学研究院名誉教授)「チッソの企業体質とその特異性」
黒木俊秀(人間環境学研究院教授)「水俣病の医学論争史-”奇病”を誰がいかに診断したのか?-」
■■■事件と表現■■■
高橋勤(言語文化研究院教授)「『苦海浄土』と棒踊り-石牟礼道子における南九州の風土」
古賀徹(芸術工学研究院教授)「石牟礼道子における想起と事実」
■■■事件からの学び■■■
飯嶋秀治(人間環境学研究院准教授)「村の生存-事件と日常に臨んで-」
中山裕文(工学研究院准教授)「環境ストラテジスト教育における水俣病問題の学習について」
■■■事件の黙示■■■
出水薫(法学研究院教授)「『国策民営』の下での有機水銀汚染事件と原発事故-二つの『自由主義』の行方」

【日時】日時:2021年7月10日15時30分~17時30分
場所:Zoomオンライン
参加人数:58人

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【報告】(クローズド)コロナ留学体験研究会
【発表】
北野真帆(徳島大学)「予測不可能な世界を前に:エピデミックからパンデミックを体験する過程において」
神村結花(横浜市立大学)「YOU NEVER WALK ALONE:帰国までの1週間」
岩崎真夕(横浜市立大学)「情報が生死を分ける:マレーシア緊急帰国報告」
椋下すみれ(徳島大学)「It’s up to me:最後に信じるのは自分だけ」
高橋知里(創価大学)「一期一会への感謝で危機を乗り越える:コロナ禍の留学録」
諏訪未来(横浜市立大学)「パンデミック下のスペイン」
佐田栞(中央大学)「(クロアチアでの交換留学)」
須藤ひかる(創価大学)「迫る空港閉鎖 社会主義国で究極の決断」
濱岡桜(九州大学大学院)「前例のない危機で何を信じるのか」
田中志歩(広島大学大学院)「(バングラデッシュでのフィールドワーク)」
【コメント】
清水展(関西大学)
飯嶋秀治(九州大学)
関根久雄(筑波大学)
西真如(広島大学)
飯田玲子(金沢大学)
内藤直樹(徳島大学)

日時:2021年4月24日13時~16時
場所:Zoomオンライン開催
参加人数:計16人

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【報告】第30回日本ナイル・エチオピア学会学術大会 公開シンポジウム
「アフリカと日本を世界農業遺産でむすぶ:人新世におけるアグロエコロジーの保全にむけた対話」

時間:2021年4月17日 14:00-16:45
会場:ZOOMによる遠隔形式。
使用言語:日本語

趣旨
このシンポジウムでは、世界農業遺産(GIAHS)の登録・保全・利用に関わる可能性がある市民社会とアカデミアが一堂に会します。そして、ナイル・エチオピア地域の在来農業に関する知見の蓄積と、世界第二位の世界農業遺産登録地数を有する日本が、この地域のアグロエコロジーを保全するためにとりうる新たなアプローチについて考えます。
2002年に開始したGIAHSとは、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり形づくられてきた農業上の土地利用、伝統的な農業とそれに関わって育まれた文化、景観、生物多様性などが一体となった世界的に重要な農業システムを国連食糧農業機関(FAO)が認定する仕組みです。GIAHSは世界遺産制度や野生生物保全制度とは異なる複合的な概念で、生きた、変化するシステムを重視しています。それゆえ、伝統農業をそのまま保全するのではなく、農業に関する知識の刷新を重視したダイナミックな保全戦略がとられています。
こうした世界農業遺産の理念や実践は、ナイル・エチオピア地域を対象にした在来農業研究の知見とも親和性が高い部分があります。この地域では、数え切れないほどのユニークな在来農業が、環境や社会経済的な変化のなかでダイナミックに展開してきました。しかしながら、これまでのところナイル・エチオピア地域を対象にした在来農業研究と世界農業遺産の推進との間に強いつながりはありません。また、食を通じたまちづくりを原点に、市民が主体となって文化的多様性と生物多様性の保全をおこなうスローフード運動と世界農業遺産の親和性も高いのですが、日本においては両者の協働は進んでいませんでした。
これらの問題意識を背景に、今回はFAO、Slow Food、地域研究者、農家そしてシンポジウムに参加するさまざまな方と共に、GIAHSを介して日本とナイル・エチオピア地域をむすぶ可能性についての自由な対話をおこないます。

プログラム
14:00-14:15 趣旨説明
内藤直樹(徳島大学・准教授)「アフリカ在来農業研究と日本の世界農業遺産をひらく」14:15-14:45 基調講演
遠藤芳英(FAO・CBE・GIAHS Coordinator)「FAO世界農業遺産事業の概要と東アフリカとの関連」14:50-15:35 パネルディスカッション
渡邉めぐみ(Slow Food Nippon・代表理事)「消費を通じた食文化の保全:味の箱船とプレシディオについて」
藤本武(富山大学・教授)「アフリカにおける農業遺産の可能性:エチオピア西南部のエンセーテ栽培」
内藤直樹(徳島大学・准教授)「地域の農業遺産をむすぶ:日本における世界農業遺産の特徴と課題」15:35-15:45 休憩
15:45-16:45 総合討論
コメンテーター 林浩昭(国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会・会長)

遠藤芳英 国際連合食糧農業機関 気候変動・生物多様性・環境問題対策室・世界農業遺産コーディネーター
渡邉めぐみ Slow Food Nippon・代表理事
林浩昭 国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会・会長
藤本武 富山大学 学術研究部人文科学系・教授
内藤直樹 徳島大学大学院社会産業理工学研究部・准教授

主催:日本ナイル・エチオピア学会
共催:科学研究費補助金 挑戦的研究(萌芽)(2020728)「ゾミア的空間の地球史にむけたプレリサーチ:非人間中心主義的転回への人類学的応答」研究代表者:内藤直樹
科学研究費補助金 基盤研究A(16H01968)「応答の人類学:フィールド、ホーム、エデュケーションにおける学理と技法の探求」研究代表者:清水展
トヨタ財団2020年度国内助成プログラム しらべる助成「雑穀と若者のつながりで豊かになる地域社会をつくる」申請代表者:内藤直樹