本特集「環シナ海世界と古琉球」は、古琉球の時代(一六○九年以前)に時期を限定して、日本と琉球の交流史を中心に、琉球をめぐる交流史を多面的に検討し、環シナ海世界の中における琉球の位置づけを明確にしようとするものである。本特集は、二 ○ ○ 四年一二月一一日(土)の九州史学会(九州大学)において、九州大学二一世紀 cOE プログラム「東アジアと日本:交流と変容」の主催で、同名のシンポジウムを開催したことに端を発している。(中略)
また、本シンポジウムを行うにあたって、日本学術振興会研究費補助金・基盤研究( B ) [朝鮮書籍から見た中世の日本と国際関係](研究代表者:佐伯弘吹)と共催で、「環シナ海と琉球」研究会を開催した。
上記シンポジウムから伊藤・池田両報告、一環シナ海と琉球」研究会から荒木・新名両報告、さらに佐伯の古地図に関する別稿を加えて、計五本の論考によって本特集を組むことにした。(中略)
五編の論考は、主張において決して同じ方向性を有するものではないが、それぞれが日琉関係史や環シナ海世界の中での琉球史を考える際に新たな論点を提示している。本特集が、こうした分野の研究の進展に寄与すれば幸いである。
(佐伯弘次「特集にあたって」より部分抜粋)
《内容紹介》
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