『伊福部臣古志』として知られる、因幡国の郡領氏族であった伊福部臣氏の系図。序文末尾の記述(「于時延暦三年歳次甲子也」)より、延暦三年(784)の時点で系図の旧い箇所については原型が存在したと考えてよく、古代地方氏族のあり方を理解する上で貴重な一素材となる史料である。九州大学付属図書館所蔵本には「享保八年四月十六日書之(花押)」の奥書があり、18世紀の写本であることが理解できる。
・参考文献
佐伯有清「古代氏族の系図」(学生社、1975年)