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同窓会

研究室便り(最新版)

2021年度春号 研究室便り

 卒業生、修了生の皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 2020年度の西洋史学研究室の近況をご報告させていただきます。

 2020年度は、開始当初から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大に見舞われ、西洋史学研究室でも授業の遠隔化や各種行事の中止など、大きな変化を経験することになりました。
  教員スタッフに関しましては、岡崎敦教授(フランス中世史・アーカイブズ学・資料学)、今井宏昌講師(ドイツ現代史)に加え、非常勤講師として、学内より野々村淑子先生(教育文化史)を、学外では福岡大学より森丈夫先生(アメリカ植民地時代史)と渡邉裕一先生(ドイツ中近世史・環境史)を、島根大学より清原和之先生(イギリス近代史・アーカイブズ学)をお招きし、様々なテーマの演習が開講されました。ただ残念ながら、当初予定していた静岡県立大学の剣持久木先生(フランス現代史・公共史)による集中講義は、コロナ禍の影響で延期する運びとなりました。こちらは2021年度に改めて開講予定です。
 学生に関しては、2020年度も、例年通り10名の進学生を迎えましたが、2021年度は、10名の2年生が進学してきた上に、合計5名の修士院生が入学しました。また、博士後期課程には、修士論文で人文科学府長賞を受賞した平田哲也君が進学し、さらに賑やかさを増した研究室となっています。
 2020年度はコロナ禍の影響で、対面での活動を制限せざるを得ない状況が続きました。夏の恒例行事となっているオープンキャンパスも、全面オンラインへの変更を余儀なくされました。そうしたなか、本研究室では学生有志の手で紹介動画を作成し、YouTubeにアップロードしました。伊都キャンパスでの研究室の様子や現役学生の研究テーマについてまとめた16分ほどの動画です。
     
 本研究室にかかわる学会・研究会につきましても、2020年度はコロナ禍の影響で開催延期・中止を余儀なくされました。そうしたなか、歴史を振り返りながら目下の問題を考えるという意図のもと、9月に開催された九州大学(Q-AOS)シンポジウム「感染症と生きる:コロナから学ぶ持続可能な社会とは」の異分野融合セッションBにおいて、今井講師が「「不浄なるもの」との闘争:20世紀ドイツにおける感染症の恐怖と敵の像」と題する報告を行いました。また11月にはオンラインにて、2020年度九州西洋史学会秋季大会を開催することができました。非常勤講師としてお招きしている渡邉裕一先生を中心に、福岡・山口の若手研究者により企画された「ヨーロッパ史における水の資源化とその管理・統制」と題するシンポジウムで、最新の研究成果を踏まえた報告ののち、活発な議論が交わされました。
 最後に名誉教授の故馬場典明先生のご遺稿『ローマ大土地所有制研究』が、2020年11月30日(馬場先生のお誕生日)に、九大附属図書館のリポジトリで公開されました。お弟子筋にあたる山本晴樹別府大学名誉教授の編集によるもので、馬場先生の長年のご研究の集大成となるものです。
https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_detail_md/?lang=0&amode=MD100000&bibid=4103493

 以上、簡単ながら2020年度の西洋史学研究室の近況をご報告致しました。大変な状況ではありますが、卒業生・修了生の皆様のご健勝、ならびに益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

会員近著
上垣豊編/小山啓子ほか『はじめて学ぶフランスの歴史と文化』 ミネルヴァ書房 二〇二〇年
藤井崇ほか編/大峰真理・山田雅彦ほか『論点・西洋史学』 ミネルヴァ書房 二〇二〇年


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