閑山子LAB
九州大学大学院人文科学研究院教授・川平敏文のページです。
『徒然草:無常観を超えた魅力』サポートページ
中公新書 2020/03/18 ISBN978-4-12-102585-2
◆引用文典拠一覧
◆正誤表
◆関連コラム:拙著閑談
1. ダイジェスト版の功罪
2. B面1曲目としての第137段
3. 「つれづれ」ってどんな意味?
4. 「徒然(トゼン)」と「つれづれ」
5. 兼好は「つれづれ」を愛していたのか
6. テクスト(文字列)という遺伝子
7. 話芸としての徒然草
8. デマの恐怖
9. サポートページについて
10. 国語教育の現場で
◆目次
はしがき
序 章 徒然草の誕生
1 起源を問い直す――筆者・成立・ジャンル
2 古典の「発見」――中世から近世へ
第一章 「つれづれ」とは何か
1 「退屈」と「寂寥」のあいだ――序段を掘り下げる
2 「静寂の境地」という理想――十七世紀の読者たち
コラム 「徒然」と「つれづれ」
第二章 教科書に載らない章段
1 兼好の遁世論――隠者の理想と現実
2 恋の指南書として?――「玉の巵」の衝撃
第三章 兼好の巧みな話芸
1 噺家の元祖――「猫また」の恐怖
2 教訓か? 滑稽か?――「鼎」の悲喜劇
第四章 黙読だけではない楽しみ方
1 徒然草の講釈――何が、どう語られたのか
2 秘伝の正体は?――「しろうるり」の謎
第五章 古典としてのポテンシャル
1 近世文学の母体――パロディ・模倣・潜在
2 漢文への翻訳――「乾き砂子」の故実
終 章 再び「つれづれ」とは何か
1 「退屈」な近代――思想から文学へ
2 新「静寂の境地」説の誕生――大正期の転換
3 「つれづれ」問題の意味
あとがき
参考文献 / 関連年表