文学部 哲学コース 哲学 専攻 専門科目 (2単位) |
|
後期・通常 月曜3限 |
授業の概要 | 本講義では、もっとも哲学的な問いの一つである「存在」についての問いを取り上げ、「存在」についてどのようなことが問題になるのか、そこからどのような方向に向かって思考が展開されうるのか、敢えて勇気をもって取り組んでみたい。 私たちは自然的なものであれ人工的なものであれ、たくさんのものに囲まれ、それらを利用しながら生きている。さらには、科学の法則や社会の法律や芸術作品も認識したり、基準にしたり、鑑賞したりしている。しかし、それら多種多様な「存在するもの」を等しく「存在する」として理解できているということは、驚くべき事実である。「存在する」というのは、「存在するもの」に共通する性質ではないからである。それでは、それは何か。ここに「存在の意味への問い」が始まるが、この問いは古代から現代に至るまで哲学の根本的な問いであった。 現代において存在論を取り上げるとすればハイデッガー哲学がまず参照にされなければならないが、存在論を初めから考えるためには、そのハイデッガー哲学も距離を置いて批判的に考え直すことが必要である。また、フッサールに始まる現象学からする存在論ばかりではなく、現代英米哲学における存在論の議論についても、できれば取り上げることにしたい。 |
学習目標 | (1) 全般的な教育目標: 具体的な問題の分析と解釈から哲学的思考の重要性と必要性を経験する。 (2) 個別の学習目標: 哲学的な問題を体系的に歴史的に広く学び考えることを学ぶ。 |
授業の進め方 | 講義形式で行なうが、授業で取り上げられたテキストを自分でも読み考え、哲学的な思索の展開に自ら参加することを期待する。 |
教科書等 | <参考図書> ハイデガー『存在と時間』(全3冊)中公クラシックス。ハイデッガー『ニーチェ』(全2冊)平凡社ライブラリー。 |
成績評価方法 | 出席率(50%)とレポート(50%)とを総合して評価する。 |
学習相談 | 金曜日1時−3時、教官研究室。 |
その他 | 現実に潜む哲学的な問いのあれこれについては、webサイトの「観察と感想」を参照。 対象学年:3年生以上 履修条件:限定なし 教職(社会)(公民) |