文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
近現代哲学演習 XIII
講義題目:メルロ=ポンティを読む
本務なし田中 美穂
前期・通常

火曜3限
授業の概要 フランスの哲学者モーリス・メルロ=ポンティ(1908-61)の思想に触れ、その主題や問題意識について、彼の著作や各種論文を通じ学んでいきます。

現象学から出発し、その発展に尽くしたメルロ=ポンティの思想は、狭義での「哲学」「哲学史」の世界に閉じることなく、芸術論や身体論、空間論等、様々な領域に広く影響を及ぼしています。

「哲学」というと、難解で、非現実的かつ抽象的な学問として捉えられがちです。しかし、メルロ=ポンティの思想や概念、また、その出発点を読み解いていけば、今まで遠くに感じていた「哲学」というものが、実は、我々の生きるこの日常の内に深く根を下ろし、我々を取り巻くこの世界で、静かに、かつ活き活きと息づいていることを感じるでしょう。身体・絵画・政治・映画等、多岐に渡るメルロ=ポンティの思想は、我々の「まなざし」をより鮮やかに彩ってくれることと思います。

生きるとは何か、芸術とは、他者とは、まなざしとは、意味とは、時間とは・・・等々、研究テーマや関心は人それぞれです。故に、各自が抱えるテーマに対する「解答」もまた、人それぞれであるでしょう。この授業を通じ、メルロ=ポンティ思想の射程の広さやその奥行きの深さに触れることで、その「解答」を見つけるヒントをぜひ手に入れて欲しいと思っています。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
メルロ=ポンティの哲学を学び、その特徴を理解する。

(2) 個別の学習目標:
哲学書を読むことに慣れ、そこでの主張を読み解く力をつける。加えて、自分の研究テーマに関して様々な観点から(今回はメルロ=ポンティ哲学という観点から)考え、伝えることを学ぶ。
授業の進め方 毎回担当者と特定質問者を決めますが、原則、全員が議論に参加できるようにします。受講生の積極的な参加を期待しますが、「正解」のない授業ですので、楽しく授業を進めていきましょう。また講師の側としても、受講生のみなさんの理解、興味、関心が深まるよう説明等に気を配り努力したいと思います。まったくメルロ=ポンティのことを知らないという方の参加も大歓迎です。
教科書等 <教科書>
必要に応じてプリント(邦訳)を配布します。
テキストについては、授業を進める中で指示を出します。

<参考図書>
そのつど紹介していきます。
成績評価方法 平常点(出席、意欲、学習態度)70% レポート30%
学習相談 ゼミ終了後に受け付けますが、メールにても随時受け付けます。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生