文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
古代哲学演習 III
講義題目:感覚と真理
准教授岩田 圭一
前期・通常

月曜5限
授業の概要 古代ギリシアの哲学者たちが唱えた説のうち、人間は万物の尺度であるというプロタゴラスの説は、一般によく知られている。プラトンやアリストテレスもこの説を取り上げて検討しているように、この説は、当時の哲学者たちが知識や存在の問題を考える上で無視することのできないものであった。例えば甘いという性質についてプロタゴラスの説に従って考えると、甘いと感覚されていることと甘いこととは同じことである。甘いと感覚されているものは甘く、甘いものは甘いと感覚されている。しかし同じものをある人は甘いと感覚するが他の人はそのように感覚しないとか、同じ人でも同じものを時によって甘いと感覚したりそのように感覚しなかったりすることがある。この事実を考慮すると、感覚を真理とみなすプロタゴラスの説によれば、同じものが甘いと同時に甘くないというような矛盾が生じることになる。この授業では、主としてプラトンの『テアイテトス』を読みながら、プロタゴラス説の問題について考察することにしたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
プラトンのテクストに沿って感覚と真理の問題がどのようなものかを把握する。

(2) 個別の学習目標:
プラトンのテクストだけでなく、関連するアリストテレスのテクストも踏まえて、プロタゴラス説がどのように批判されているかを確認し、感覚と真理の問題について理解を深める。
授業の進め方 テクストを精読し、その解釈について議論する。
教科書等 <教科書>
授業中に指示する。

<参考図書>
そのつど指示する。
成績評価方法 授業での議論、発表、出席状況によって総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーは月曜13:20-14:50に設定する。
その他 対象学年:2年生以上