文学部 哲学コース インド哲学史 専攻 専門科目 (2単位) |
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前期・通常 木曜3限 |
授業の概要 | この授業はサンスクリット中級を履修した学生が継続して受講する科目として設定している。一般に語学修得には辞書の使用が不可欠だが,サンスクリットの場合には辞書を使いこなせるようになるまでには相当の文法知識を必要とする。そのためサンスクリット中級ではランマン著『サンスクリット読本』(Lanman : Sanskrit Reader)を利用し、「ナラ王物語」を購読したはずである。 この「インド文献学基礎演習 I 」では、サンスクリットの読解力を段階的に発展させるためLanman : Sanskrit Readerを使用した購読を継続する。説話物語「ヒトーパデーシャ」、「カターサリットサーガラ」、ダルマ文献の代表「マヌ法典」、さらに可能であればヴェーダ文献まで読み進み、参考書としてあげた2冊とともに利用することでサンスクリット語の読解力を養成していく。 |
学習目標 | (1) 全般的な教育目標: この授業では基本的サンスクリット文法の習得者を対象に,実際のテキストの講読を通じて,細かい文法事項と語彙、統語法を学ぶ。英語・ドイツ語などによる翻訳・研究文献を参照しながら、種々の分野のサンスクリット文献に関する基本的知識、インド思想史全般に関わる知識などを身につけていく。 最終的に実際のサンスクリット文献を辞書を使って独力で読解するために必要な能力の獲得を目標とする。 (2) 個別の学習目標: 授業での使用テキストは語彙や語註を含むものだが、中級で学んだ「ナラ王物語」以降の撰文はかなり難易度が上がっており、サンスクリット文献の読解力養成のためには非常に優れた読本である。実際の文献読解につながる基礎力を養成するため、このテキストを自分で読み進める中で生じた疑問点を、いくつかの文法書を利用しながら解決し、独力で読み進められるようになることを目標とする。 |
授業の進め方 | 毎回の授業は受講生がテキストを読み進め、それに解説を加える形で進める。毎回かなりの量の予習が必要となるが,その過程がまさにサンスクリット語読解の作業そのものであり、古代インドの文化を自分の力で直接読みとる醍醐味でもある。「原典研究」の基本的な方法と取り組み姿勢を習得して欲しい。 なお使用するテキスト類は、すべて英語であるが、授業は日本語で行う。 |
教科書等 | <教科書> Charles Rockwell Lanman: A Sanskrit Reader, Text and Vocabulary and Notes, 1996(1884 1st), Delhi. <参考図書> J. S. Speijer: Sanskrit Syntax, Delhi 1998(1886 1st). William Dwight Whitney: Sanskrit Grammar, Delhi 1997(reprint of 1924, 1879 1st). |
成績評価方法 | 筆記試験は行わない。毎回の予習実施状況、授業中の取り組み、その成果を元に成績評価する。 |
学習相談 | 電子メールで受け付ける。下記アドレスへ連絡して欲しい。 guccie[at]ariake-nct.ac.jp (NETではなくNCT = National College of Technology) [at]を@に変更して送信すること。 |
その他 | 初回から購読を進めていくので,受講希望者は「開講前に」インド哲学史研究室に連絡すること。 対象学年:3年生 4年生 履修条件:サンスクリット中級を履修した者。あるいは同等の学力を有する者。 教職(社会)(公民) |