文学部 歴史学コース 東洋史学 専攻 専門科目 (2単位) |
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前期・通常 金曜2限 |
授業の概要 | 17・18世紀を近世(近代初期)ととらえ、この時期に東南アジアを含め海域アジア全般で活動を行ったオランダ東インド会社に焦点をあて、近世東南アジア史を考えるためのひとつの手掛かりを提供する。 講義では、まず、オランダ東インド会社について概説し、その後、現在のベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア等とオランダ東インド会社の関係史をそれぞれ考察する。オランダ東インド会社というひとつの共通する視線を持ち込むことで、東南アジアの各地域を比較史的に考察したり、あるいはまた東南アジア各地域の連関性、さらには近世東南アジアの世界史的意義も考察することが可能になる。結果的には、東洋史を専攻とする学生ばかりでなく、日本史や西洋史を考える際にも有益な講義となろう。 なお、オランダ東インド会社文書の歴史研究における有効性とその限界についても説明する予定である。 |
学習目標 | (1) 全般的な教育目標: 本講義が取り扱う時代は、グローバル化が着実に進む時代である。現代に生きる我々が抱えている、ひとつの重要な問題を長期的な視野から考察することで、歴史学研究の重要性や面白さを体得してもらいたい。 (2) 個別の学習目標: 毎回の授業では、2、3の重要な概念や歴史的事実を説明することになるので、それを確実に理解して欲しい。また、個別の事例を積み重ねることで、近代アジアや近代世界の全体像を各人が構築することが最終目的となるので、常に全体を見る目を身につけることも忘れてはならない。 |
授業の進め方 | 講義形式による。 |
教科書等 | 毎回、ハンドアウトを配布する。 <教科書> なし。 <参考図書> 毎回の授業時に文献を適宜紹介するが、とりあえず以下の2冊を紹介しておく。 羽田正『東インド会社とアジアの海』(講談社、2007年)。 Ryuto Shimada, The Intra-Asian Trade in Japanese Copper by the Dutch East India Company during the Eighteenth Century (Leiden and Boston: Brill Academic Publishers, 2006). |
成績評価方法 | 出席30%、レポート70%による。 |
学習相談 | 毎回の授業の終了後などに申し出てほしい。必要に応じて改めて相談日時を決めることにする。 |
その他 | 昨年度(2010年度)前期に「東洋史学講義 XV」として講義した内容とは異なる。「東洋史学講義 XV」を昨年度履修した学生が本講義を履修することは問題はない。 |