文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮史学講義 V
講義題目:高麗−日本関係の史的実像(1)
准教授森平 雅彦
前期・通常

金曜2限
授業の概要 朝鮮半島から日本への渡来人が注目される古代や、豊臣政権の侵略や江戸幕府への通信使派遣に彩られた朝鮮時代にくらべ、正式な国交が存在しなかった高麗時代(918〜1392)の日朝関係は、多くの人にとってイメージの薄いテーマだろう。
しかし約500年間におよぶ高麗時代を通じ、日本との交流は厳然として存在した。
近年、その様相に具体的な検討が加えられ、従来の朝鮮史研究、日朝関係史研究では把握しきれていなかった実態が徐々に明らかになってきた。
この授業では、最新の研究成果をふまえ、両国間の交流の実像を史料にもとづいて復元し、玄界灘地域における両国の人々の生き様に想いを馳せてみたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
高麗史を中心とする朝鮮中世史の具体的かつ体系的な知識を身につけつつ、高麗−日本関係の史的実像に触れる。

(2) 個別の学習目標:
上記の目標にそって紹介・解説されるトピックを通じて、「国家」「地域」「民族」とは何であるのか、また「外交」とは何であるのかを考える。
授業の進め方 おおむね以下のような流れで行う。
ただし講義内容は研究の進展をふまえてリアルタイムで増補して行くため、扱いきれなかった項目については次学期にまわすこともある。
1)高麗史の概要
2)前史:9世紀の新羅−日本関係:新羅商人と新羅海賊
3)10世紀:高麗の通交アプローチと平安貴族の「冷たい」対応
4)11世紀前半:刀伊の入寇(女真人海賊)をめぐる両国交渉
5)11世紀後半:貿易の活況と担い手
6)12世紀:両国通交の「鈍化」に関する評価
教科書等 授業のなかで参考文献を紹介する。
<参考図書>
『朝鮮の歴史』(田中俊明編,昭和堂)※2009年の第2刷を使用すること
成績評価方法 期末レポートによる(ただし出席が授業回数の過半に満たない者は提出資格無し)
学習相談 質問は教場にて。それ以外の相談は要予約(morihira*lit.kyushu-u.ac.jp *は@に直してください)。
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)