文学部 歴史学コース 西洋史学 専攻 専門科目 (2単位) |
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後期・集中 |
授業の概要 | イギリス中世後期社会に生きた、名もなきジェントリ(土地保有階層)の生活を、現存する史料からとことん追ってみたい。具体的には、ラングレイ家の家政会計簿のマニュスクリプトから、バラ戦争期、1473年の1年間をひたすら地味に読み解いてゆくことになる。この史料を手がかりに当時の社会を可能な限り浮き彫りにしてゆくと同時に、この手法の持つ限界についても考察してみたい。はじめにビデオやCDーROMを用いて、中世イギリスの歴史のアウトラインや、政治社会と宗教に関するイントロダクションを行う予定。 |
学習目標 | (1) 全般的な教育目標: のこされた史料から過去の世界を理解し想像する力は、現代に生きる我々にとって、他者を理解し他者を鏡として自らを理解する力に通じている。このような歴史学の手法から出発して、自分なりの学びを見出してほしい。 (2) 個別の学習目標: たとえ五百年以上離れているとはいえ、身近な日常生活に関する事柄を、我々の生活と比較しつつ理解してゆくことで、史料を通して考える歴史学の手法を学んでほしい。 |
授業の進め方 | 毎回史料やレジュメを配布する。西洋史の基礎知識を特に前提とせずとも理解できるようにしたい。 |
教科書等 | <参考図書> 参考文献については、授業中にリストを配付するが、さしあたり以下の4冊をあげておく。 *キング、エドマンド著 吉武憲司・赤江雄一・高森彰弘訳『中世のイギリス』(慶応義塾大学出版会 2006年) *グリフィス、ラルフ編著 北野かほる監訳『オックスフォード・ブリテン諸島の歴史 第5巻 14・15世紀』(慶応義塾大学出版会 2009年) *ギース(三川基好訳)『中世の家族 パストン家書簡で読む乱世イギリスの暮らし』(朝日新聞社 2001年) *新井由紀夫『ジェントリから見た中世後期イギリス社会』(刀水書房 2005年)。 |
成績評価方法 | 出席10%、レポート90% 出席確認を兼ねて、コメントカードを提出してもらうことがある。その提出についても評価に加味する。 |
学習相談 | |
その他 | 11月から12月に開講予定。 対象学年:2年生 3年生 4年生 |