文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学講義 VI
講義題目:日本語の述部形態
慶應義塾大学文学部 教授屋名池 誠
前期・集中

授業の概要  日本語の文の述部の形態は、従来も「活用」の問題として論じられてきたが、精密さの点で大きな問題があった。また、述部は「活用」するとアクセントの面でも語形変化するのだが、この側面は従来ほとんど研究されてこなかった。アクセントの側面を含む日本語文の述部の形態について、諸方言、各時代語まで視野に入れ、精密な分析をおこなう。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 母語である日本語を客観視できるようになるとともに、日常の生活のなかで遭遇する、ことばをめぐる種々の問題を的確に捉え、分析し、対処するため応用できる力を身につける。

(2) 個別の学習目標:
 高校までに学んできた学校文法にとらわれず、直接、日本語の「かたち」に向き合い、その規則性に目を開く。
授業の進め方 次のような順序・内容で講義してゆく予定。
 1. 語と形態素、語複合体
 2. 形容詞・動詞からの形態素の抽出
 3. 「活用」の記述方法
 4. 従来の記述方法との比較
 5. 諸方言・各時代語の「活用」
 6. アクセントとその体系
 7. 「アクセント活用」
 8. 「アクセント活用」の記述方法
 9. 諸方言の「アクセント活用」
 10. 各時代の「アクセント活用」
教科書等 <教科書>
使用しない。適宜プリントを配布する。

<参考図書>
「活用の捉え方」「活用とアクセント」(日本語教育学会編『新版日本語教育事典』大修館書店)
成績評価方法 リポートによる。出席状況も勘案する。
学習相談 質問は随時受け付ける。
その他 基礎知識は特に必要としない。
開講日:9月5日(月)〜8日(木)