文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学演習 IV
講義題目:中世語研究(2)
准教授青木 博史
後期・通常

金曜4限
授業の概要  『天草版平家物語』は,室町末期にキリスト教の宣教師が「平家物語」を当時の口語に訳したものである。この資料を,言語学的観点に基づき読んでいく。原拠本との比較,同時代の他の資料(抄物,狂言,朝鮮資料など)との比較,通史的観点からの位置づけ,といった課題を念頭に考察を行う。
 発表は,1人約2分の1頁ずつ担当することによって行う。担当箇所について,@翻字,A注釈,B研究,の3つを課す。受講者全員による活発な意見交換が望まれる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
・中世後期日本語の実態を観察・記述する方法を学ぶ。
・中世語を出発点として日本語史を構築する方法論を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
・各時代の文献資料の性格について,精確に理解する。
・文献資料に現れる言語事象を手がかりに資料性の検討を行い,これらの作業を通して得られた文献学的知識を基に言語そのものの考察を行うという,文献学と一体となった言語学の手法を身につける。
授業の進め方 演習形式で行い,担当者は資料を作成し発表を行う。その後質疑応答を行い,議論の深化を図る。担当者は質疑をふまえたうえで,レポートを提出する。
教科書等 <教科書>
『天草版平家物語』勉誠社文庫

<参考図書>
江口正弘『天草版平家物語対照本文及び総索引』明治書院
清瀬良一『天草版平家物語の基礎的研究』渓水社
成績評価方法 発表,討論への参加,レポートの3点により評価する。割合は,発表(レジュメ・プレゼンテーション)60%,討論への貢献度10%,レポート30%とする。
学習相談 週2時間のオフィスアワーの他,随時相談に応じる。
その他 対象学年:3年生
教職(国語)