文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学講義 IV
講義題目:江戸時代の韻文史概論
准教授川平 敏文
後期・通常

火曜2限
授業の概要 江戸文学を大きく三分するとすれば、韻文・散文・芸能に分けることができるであろう。本講義はそのうち、韻文史についての授業である。なお、後期から進学してくる2年生を考慮して、通史的・概論的な内容を含む。
江戸時代の韻文として主要なものは、和歌・連歌・漢詩・俳諧・狂歌・川柳といったところであろう。しかし一般的に江戸の韻文といって想起されるのは、俳諧・狂歌・川柳といった俗分野のそれであって、和歌・連歌・漢詩といった雅分野のそれについては、その存在すら認知されていないのではないか。本講義では雅俗双方に目を配りながら、それぞれのジャンルの流れを押さえ、また可能な限り具体的な作品講読を行いたい。

1 ガイダンス 江戸文学研究の基本姿勢
2 漢詩(1) 風雅の漢詩
3 漢詩(2) 擬古と格調
4 漢詩(3) 性霊説の余波
5 和歌(1) 後水尾院歌壇
6 和歌(2) 国学者の歌論
7 和歌(3) ただごと歌の周辺
8 連歌(1) 柳営連歌という文化
9 俳諧(1) 貞門・談林・蕉風
10 俳諧(2) 芭蕉とその後
11 俳諧(3) 江戸座と雑俳
12 俳諧(4) 蕪村と仮名詩
13 狂歌(1) 黎明期の狂歌
14 狂歌(2) 天明狂歌とその後
15 川柳(1) 川柳とそのシステム
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
韻文史を中心として、江戸時代の思想や文学の流行について、大まかな見取り図が描けるようにする。

(2) 個別の学習目標:
それぞれのジャンルの位相や表現の特徴を学び、江戸文学への理解を深める。
授業の進め方 講義冒頭に、前回講義終了時に記入してもらったコメントについて答える。
基本的に講義形式。まま小テストを行うこともある。
教科書等 <教科書>
随時、プリントを配付する。

<参考図書>
揖斐高『江戸詩歌論』(汲古書院)
上野洋三『元禄和歌史の基礎構築』(岩波書店)
田中道雄『蕉風復興運動と蕪村』など
成績評価方法 ◇出席(毎回講義終了時にコメントを記入してもらうので、それをもって出席と見なす)30%
◇筆記試験70%
学習相談 随時。
その他 対象学年:2年生以上
教職(国語)