文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学演習 IV
講義題目:上田秋成『諸道聴耳世間猿』訳注
准教授川平 敏文
後期・通常

木曜5限
授業の概要  上田秋成の浮世草子『諸道聴耳世間猿』を、注釈を施しながら精読する。
 秋成の作品としては、読本に分類される『雨月物語』『春雨物語』が著名であるが、本作はそれらに先んじて、彼が「和訳太郎」という筆名で著述していた浮世草子である。文体も趣向も前二者とは異なるものであるが、それらへの連結の問題、また先行する浮世草子諸作品との関係など、研究的要素に満ちた素材である。
 本作を題材として、注釈の方法を学ぶとともに、研究テーマの発見につなげてもらいたい。

第1・2回 ガイダンス 秋成とその著述、演習の方法
第3回〜 『諸道聴耳世間猿』訳注
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
訳注という作業を通して、江戸前期の思想・文芸の深層に分け入り、深い理解を得る。

(2) 個別の学習目標:
◇発表者
 1.一言一句も疎かにしない厳密な注釈を施し、正確かつ明朗な口語訳を付ける。
 2.研究テーマを発見するべく、問題意識をもって調査・準備する。
 3.口調やレジュメの見栄えなど、聞き手に分かりやすい発表を心がける(プレゼンテーション能力の涵養)。
◇他の受講者
 1.的確な質問・コメントができるよう、問題意識をもって授業に臨む。
授業の進め方 演習形式。毎回一人が一定分量を担当し、調査内容を発表する。
聴講者は積極的に質問をすること。
教科書等 <教科書>
『諸道聴耳世間猿』(九州大学図書館本)の影印。

<参考図書>
森山重雄『上田秋成初期浮世草子評釈』(国書刊行会)
成績評価方法 発表40%、レポート40%、出席および質疑20%
学習相談 随時。
その他 対象学年:3年生以上
教職(国語)