文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国語学講義 I
講義題目:上古中国の言語と文字に関する諸問題
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授大西 克也
前期・集中

授業の概要 2000年を優に超える文献によって歴史的変化の検証可能な中国語は、歴史言語学にとって世界的に見ても稀な価値を持つコーパスである。1990年代以来目覚ましい深化を見せる中国語の理論的研究の関心の一つが、歴史的研究へと向けられるのは、いわば当然の動きと言えよう。本講義では、私の近10年来の研究成果に基づき、使役構文、存在構文等幾つかの基本的な構文を取り上げ、「上古中国語」と呼ばれる春秋・戦国・秦漢時代(前8世紀〜紀元前後)の中国語の様相を概観する。高校レベルの漢文法では想像もつかない豊かな言語の世界を垣間見ることができるはずである。豊富な出土資料から分かる文字・言葉の地域的な違いや、いわゆる文字統一が言語に与えた影響についても言及する。なお、集中講義最終日には、司馬遷『史記』の一部を講読し、一つ一つの言葉を丁寧に読み解くことにより、言語研究の文献解読に対する有効性を実体験してみたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
紀元前の文献によって伝えられる上古中国の文字と言葉が、現実の書き手、話し手を持った生き生きとした言語であったことを、具体的な事象に基づき理解すること。

(2) 個別の学習目標:
個々のトピックから得られた知識を文献解読の現場に還元し、実体験を通じて会得すること。
授業の進め方 集中講義形式なので、開講時期(9月)および教室に注意。
教科書等 <教科書>
なし。配布資料を使用する。

<参考図書>
講義の中で適宜紹介する。
成績評価方法 出席50%、レポート50%。
学習相談 中国文学講座の静永まで shizuka■lit.kyushu-u.ac.jp (■には@が入ります)
その他 後期の授業ですが、9月に開講予定です。お見逃し無く。

対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特になし
教職(中国語)