文学部 文学コース 中国文学 専攻 専門科目 (2単位) |
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後期・通常 木曜5限 |
授業の概要 | この講義は、悠久の歴史と膨大な蓄積を有する中国文学史について、特に抄本や版本等の中国出版文化という観点から総体的系統的に考察しようとするものである。更に中国のみならず、朝鮮半島・日本・欧米における出版文化のあり方にも可能な限り言及したい。テーマと時代が広範に亘るため、以下の4年8学期で講義は一環するが、単位は毎学期2単位とする。 > 第1年前期―出版文化原論・上古 後期―先秦・漢 / 第2年前期―魏晋六朝・唐 後期―宋・元 第3年前期―明 後期―清 / 第4年前期―日本・韓国 後期―欧米・近未来の出版文化と情報伝達のあり方 第1年後期に当たる11年後期においては、中国先秦また漢代における情報伝達と書物のあり方について考察する。中国古代の重要資料である『論語』や『老子』『荘子』その他の文献は竹簡や木簡に書かれていたのであり、紙が出現するのは後漢に入ってからである。講義では、この時代における学問のあり方、蔵書の情況等について、伝存する資料を用いて考察する。 |
学習目標 | (1) 全般的な教育目標: 中国文学史の講義ではあるが、単に個別の文学作品を追究するのではなく、人類文明の発達の原動力であった出版文化に着目し、中国のみならず、アジア・日本・欧米における出版文化のあり方にも、可能な限り言及したい。そのことによって、逆に中国の出版文化の特徴が鮮明になるはずである。 (2) 個別の学習目標: 第1年後期は、中国先秦や漢における情報伝達のあり方については、伝存する石刻資料や『史記』『漢書』等に記録された関連資料を分析しつつ、紙発明以前の学問のあり方、図書の実態等について学習する。 |
授業の進め方 | 毎回プリント資料を準備する。 図版資料については、可能な限りコピーや図書資料等を紹介する。 |
教科書等 | <参考図書> 奚椿年『中国書源流』(江蘇古籍出版社、2002年、中国版本文化叢書の一) 阿辻哲次『図説漢字の歴史』普及版(大修館書店、1989年) 鈴木敏夫『プレ・グーテンベルク時代』(朝日新聞社、昭和51年) 銭存訓『印刷発明前的中国書和文字記録』(印刷工業出版社、1988年) 島屋政一『印刷文明史』(昭和8年原著、五月書房、昭和55年覆製) |
成績評価方法 | 筆記試験によって成績を評価する。試験問題は試験当日に板書する。毎回出席している受講生には解答容易な問題を出題する。 |
学習相談 | 学習相談に応じるオフィスアワーを、火曜・金曜の13〜14時に設定している。この他の時間でも、可能な限り学習相談に応じる。 また、e-mail(takemura@lit.kyushu-u.ac.jp)でも随時相談に応じている。 |
その他 | 対象学年: 2年生 3年生 4年生 教職(中国語) |