文学部 文学コース 英語学・英文学 専攻 専門科目 (2単位) |
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後期・通常 木曜3限 |
授業の概要 | この授業ではイギリスの小説家Mary Shelley(1797-1851)の Frankenstein (1818)を研究する。科学の産物が人間の制御を脱して人間に復讐すらすることを描く今日的な意義を持つ作品だが、人間の自己正当化への志向の根深さ、憎悪の対象への逆説的な依存など、人間の抱える様々な性質に関わる問題も考察してゆく。 【作品の梗概】青年Robert Waltonは私財をなげうって北極海の航路開発のための探検に出発するが、氷上で異様な巨人が犬ぞりで去って行くのを目撃する。翌朝、今度は犬ぞりに乗ったヨーロッパ人を発見し、説得して乗船させる。Frankensteinという名のその人物は、科学的探求心から人工的に人間を作り上げたものの、作り上げた人間の醜悪さに恐ろしくなって逃げ、その間にその人造人間も行方が分からなくなっていたことを語り始める。Frankensteinが「怪物」と呼ぶその人造人間はやがて彼の前に現れ、自分の配偶者となるべき女性の人造人間を新たに作るよう求めるのだが・・・ |
学習目標 | (1) 全般的な教育目標: イギリスの長編小説の作品の一つを始めから終わりまでを読み、文学研究の仕方を学ぶ。どのような箇所がどう問題となるのか、着眼と考察のための能力を習得する。 (2) 個別の学習目標: |
授業の進め方 | 作品全体を授業の回数で等分し、各回の範囲をさらに3人ほどの担当者に割り振り、担当の部分の要約と問題点の指摘をしてもらう。 |
教科書等 | <教科書> Mary Shelley, Frankenstein, Penguin |
成績評価方法 | 作品全体について、問題を各自設定した学期末の小論文(3,000字程度)で成績評価を行う。問題設定の意義深さ、論述の組み立て、文章力が評価のポイントとなる。 |
学習相談 | 授業の後に教室あるいは個人研究室で要望に応じ行う。 |
その他 | 対象学年:2年生以上 教職(英語) |