文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ文学講義 IX
講義題目:〈プラハのドイツ語文学〉研究
大阪大学大学院文学研究科 教授三谷 研爾
前期・集中

授業の概要  この講義では、19世紀末から1930年代まで、多くのドイツ語作家たちを輩出した都市プラハの歴史と文化を取り上げます。当時のプラハ出身者としては、リルケ、カフカ、ヴェルフェルの3人が著名ですが、彼らを含め多くの作家たちが活躍したこの都市は、中欧における文学的モダニズムの重要拠点のひとつでした。そうした〈プラハのドイツ語文学〉の様相を歴史的・社会的コンテクストに照らしながら考えるのが、講義の目的です。
 授業は以下の5つの単元を設定し、後半にはドイツ語テクストの講読もおこないながらすすめます。
・〈プラハのドイツ語文学〉の研究状況
・中欧文化史のなかでのプラハの位置
・世紀転換期のプラハ・ドイツ社会とその文化
・プラハ小説の系譜(マイリンク、レッピン、ブロートなど)
・カフカ文学の位置づけ
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
20世紀ドイツ・オーストリア文学史の知見を広げるとともに、文化研究的なアプローチ方法への理解を深めます。

(2) 個別の学習目標:
中欧の典型的な多民族都市プラハの歴史と文化を知り、その理解を背景に〈プラハのドイツ語文学〉と諸相と、それを生み出した社会環境との相関をトータルに把握します。
授業の進め方 前半は、地図や画像も積極的に利用しながら、世紀転換期のプラハの歴史と文化について講じます。後半は、文学テクストを中心にドイツ語資料を用いる講読的内容も加味しながら、〈プラハのドイツ語文学〉の複眼的な理解に努めます。
教科書等 <教科書>
なし

<参考図書>
三谷研爾『世紀転換期のプラハ モダン都市の空間と文学的表象』(三元社 2010年)
成績評価方法 出席を50%、課題レポートを50%とし、総合的に評価します。
学習相談
その他 開講時期(予定):7月25日〜29日

対象学年:2年生、3年生、4年生