文学部
人間科学コース
言語学・応用言語学 専攻
専門科目 (2単位)
言語学・応用言語学講義 II
講義題目:日本語の基本構造
准教授上山あゆみ
後期・通常

木曜2限
授業の概要  文の構造というものは、研究が進むにつれて新しい側面が明らかになっていくものであるから、定まった1つの答えがあるわけではないが、ある程度、衆目の一致する面もある。この授業では、具体的にいろいろな日本語の文を取り上げ、その構造について、どういう点をおさえておかなければならないかを議論する。受講学生の制限はないが、授業の主たるターゲットとして、言語学・応用言語学専攻の2・3年生を想定している。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日本語の基本的な構文ならば、大体の構造図が書けるようになることが目標である。

(2) 個別の学習目標:
  1. はじめに
  2. 樹形図に関わる用語と概念
  3. 文法と文の構造
  4. 述語と項の関係
  5. 使役構文
  6. 受動構文
  7. ノによる修飾関係
  8. 連用接続とテ接続
  9. 連体修飾節
  10. 叙述関係
  11. ハとガ
  12. さまざまな副詞表現
  13. 文の要素の階層構造
  14. さまざまな語順
  15. まとめ
授業の進め方  まず、予習課題として、授業内容と関連する例文を自分で考え、その構造について考えてきてもらう。そこで提出された例文に言及しながら、授業では、当該構文の構造について議論していく。
 文の構造図は、自分で書いてみて初めて、様々な細かい点に注意を向けることができるようになる。この授業では、毎授業の開始時に、復習テストとして構造図を書く練習をしてもらい、そこであらためて出てきた疑問点にも答えていく。この復習テストは出欠確認を兼ねており、細かい得点化はしないが、よっぽど出来の悪いものは区別したいと思っている。
 また、最低1本のレポートを仕上げて提出することを単位認定の条件の1つとする。冬休み前に課題を提示するので、レポートでは、その構文の構造図はどのようなものか、理由をつけて説明した上で、結論としての構造図を書いてもらう。
教科書等 <教科書>
授業の際にプリントを配布する。

<参考図書>
(授業のバックグラウンド的な内容のもの)
  • 上山あゆみ (1991) 『はじめての人の言語学 〜ことばの世界へ』 くろしお出版。 \2300。
  • 庵 功雄 (2001) 『新しい日本語学入門 〜ことばのしくみを考える』 スリーエーネットワーク。 \1800。
    (授業よりも進んだ内容のもの)
  • 郡司隆男 (2002) 『単語と文の構造』 現代言語学入門3、岩波書店。\3200
  • 北川善久・上山あゆみ (2004) 『生成文法の考え方』 研究社。\2800
  • 成績評価方法 学期末試験は課さない。
    単位は、予習課題・復習テスト・レポート等の提出物に基づいて判定する。
    課題の提出状況とその時点での暫定的な予想評点を表にして公開するので、気になる人は、授業終了時に参照して対策を相談してほしい。
    学習相談 質問もしくはアポイントメントの希望があれば、随時メールで連絡してもらえばよい。また、言語学研究室のSA (Study Advisor) の制度も十分に活用してほしい。
    その他 主に2・3年生を想定しているが、受講学生の制限はしない。連絡事項や細かいことはホームページに掲載するので、頻繁にチェックしておいてほしい。

    対象学年:2年生 3年生
    履修条件:特になし