文学部 人間科学コース 言語学・応用言語学 専攻 専門科目 (2単位) |
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前期・集中 |
授業の概要 | 言語学では,文献資料やコーパスデータの観察を通して得られた「仮説」を検証しようとする目的で,「実験」を行うことが多い.フィールドワークやネイティブスピーカーへのインタビューも,仮説検証の目的で行われれば実験であると言えるのだが,この授業では,「心理言語学」及び「言語認知神経科学」と呼ばれる研究領域で採用されることの多い,読文時間,視線,脳波や脳機能イメージなどを計測する研究方法に焦点を当てる.そしてそれぞれの方法を使って,「言語についてわかること・わからないこと」の例をあげて紹介する。まず研究方法の善し悪しは,設定された研究目標に応じて決まることを確認し,それぞれの方法がどのような疑問に答えるのに適しているのか説明する。まとめとして,実験を用いた研究には限界もあるが,「言語を使用したり,言語を習得したりする過程を,リアルタイムで捉えられる」という,使用や習得の結果を観察するだけに止まりがちであった従来の研究方法にはない長所を持っていることを述べる. |
学習目標 | (1) 全般的な教育目標: 言語に対する自然科学的な研究方法に親しむ. (2) 個別の学習目標: 「心理言語学」及び「言語認知神経科学」と呼ばれる研究領域で行われている言語研究の概要を理解する. |
授業の進め方 | パワーポイントのスライドを映しながら講義する.授業時間内にクイズを出題し,提出を求めることで,授業に対する理解度をチェックする.持ち帰り形式の試験を実施する. |
教科書等 | <教科書> 特になし.資料を授業時間内に配布する. <参考図書> 酒井弘(2010)ことばについて脳を調べてわかること・わからないこと―言語認知神経科学への招待―,第二言語としての日本語の習得研究,147-160. 酒井弘(2006)「脳の働きから「ことば」を観る」,「言語の認知と運用の基盤」,迫田久美子編『講座・日本語教育学第3巻:言語学習の心理』,30-42, 210-227, スリーエーネットワーク. |
成績評価方法 | クイズ(授業時間内に出題)20%, 持ち帰り試験80% |
学習相談 | |
その他 | 2011年度後半を予定 |