文学部 人間科学コース コース共通科目 (2単位) |
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前期・集中 |
授業の概要 | 人間科学や社会科学などにおける量的データの基本的分析方法について概観する.実際の計算は,エクセルなどの表計算ソフトあるいは関数電卓等を用いて行う.なお,全体で15回を想定し,各回以下のような内容で行う. 1.イントロダクション(講義の目的、内容などの説明):人間科学や社会科学における統計的手法の位置づけ。 2.度数分布についての基本的説明:分布表とグラフの作成と読み取り方。 3.代表値と散布度についての基本的説明:代表値の意味と種類について。散布度の概念について。 4.代表値としての平均値と標準偏差:相加平均と相乗平均、およびその応用について。標準偏差の定義と意味。平均偏差との比較。 5.相関関係と相関係数について:散布図と相関関係。正と負の相関。無相関の意味。 6.確率概念についての基本的説明1:経験的確率。統計的確率などの例とそれらの比較。 7.確率概念についての基本的説明2:離散的確率分布と連続的確率分布の比較。 8.標本抽出について:標本のランダム性と代表値との比較。 9.推測統計の基礎概念と統計的仮説検定について:母集団の設定と帰無仮説の棄却。 10.クロス表とカイ二乗検定について:クロス表を用いた期待値の計算と独立性の検定。 11.平均値の差の検定と適合度検定について:正規母集団、標本数が多い場合などの比較。 12.実験計画と分散分析:分散分析に必要な知識の概要、及び実験計画と分析の対応などについて。 13.クロス表における様々な指標について:順序属性、純粋属性の比較。属性相関係数の紹介。 14.回帰分析の理論と実践上の注意について:偏相関係数、変数の統計的制御の概念。 15.全体のまとめ:代表値、クロス表、相関係数、回帰分析、記述統計と推測統計などについて。 |
学習目標 | (1) 全般的な教育目標: 統計学の基礎を習得し,基本的な概念と方法について正確な理解を得ることを全般的な目標とする.さらに,人間科学や社会科学などの諸分野において統計学を適切に用いることができるようになることを期待する. (2) 個別の学習目標: 個別の目標は次のような点である. 1.与えられた量的データに対して,適切な分析方法の選択を習得する. 2.実際に表計算ソフトや関数電卓を用いて,代表値などの計算を行う技術を習得する. 3.人間科学,社会科学の分析における計量分析の位置づけと,その限界とを理解する. |
授業の進め方 | 平均値,標準偏差などの代表値から説明を始め,実験や調査を行う際に必要となる平均値の差の検定やクロス表,相関係数,単純回帰分析など2変量を扱う多変量解析の説明も行う.時間に余裕があれば,3変数以上を扱う多変量解析についても紹介する.テーマごとに具体的な数値例を示し,実際に表計算ソフトや関数電卓を用いての計算の仕方を説明する. |
教科書等 | 特になし.必要な資料等は授業中に配布する. |
成績評価方法 | 成績評価は授業中に適宜行う確認テスト(20%),レポート(70%)にもとづいて行う. |
学習相談 | メールなども含めて,随時相談に応じる. |
その他 | 社会調査士 対象学年:「2年生 3年生 4年生」 社会調査士 |