文学部
人間科学コース
心理学 専攻
専門科目 (2単位)
応用心理学演習 I
講義題目:心の基盤−感性からの理解
教授三浦 佳世
前期・通常

火曜3限
授業の概要 感覚から感性、感情までを含めた知覚・認知(アイステーシス)に関し、あるいはそれらを通して、人の心について自ら考え、発表する機会とする。
 このため、関心のあるテーマで集まった少人数のグループ(個人も可)で議論した結果を発表する形とし、提供された話題に対し、参加者全員で議論を行う。また、発表者はコメントカードに書かれた質問や授業中に答えきれなかった質問に対し、翌週に回答や補足を加えた発表を行い、必要であればさらに議論を行う。
 実際に実験や調査を行って結果を報告してもよく、論文、出版物、ネット等で調べた内容をテーマにそってまとめてもよい。オリジナリティの高い発表を期待する。
 進め方に関しては、初日に説明を行い、テーマ設定およびグループ分けを行う。
 以下に、テーマ例を上げる。これらに限らない。

1)心的時間(時間知覚、時間印象、速度感、拍とリズム、現代社会と時間など)
2)空間印象(ミニチュア効果、奥行き感・広がり感、都市の形、室内空間など)
3)よさ(破対称と文化、フラクタル、体制化、庭園、発達研究、美感など)
4)質感・視覚的触覚感(ざらつき感、光沢感、人工材、違和感、リアリティなど)
5)オノマトペ(感性的言語表現、文化の特徴、フォントの影響、発音と形態など)
6)アウトサイダー・アート(自閉症や統合失調症等の作家による作品、イデオサバンなど)
7)写真(写真空間の特徴、写真の虚構性、アルバムの物語効果、作家の分析など)
学習目標 感性を手掛かりに多様な知覚・認知のあり方の一端を自ら追求し、あるいは他者の考えを知ることを通し、こころの基盤について考える。すなわち、自ら問題を設定し、課題を発見し、資料を集め、他者と意見交換して話題を練り上げ、それをさらなる他者に説得的に伝え、議論を通して自らの考えを再帰的に再構築し、考えを深める。
(1) 全般的な教育目標:
知覚し、感じ、評価判断すること、つまりは心の基盤について主体的に学び、ものごとを論理的、実証的に考える方法を身につけ、広く物事を考える際の基礎能力を得る。

(2) 個別の学習目標:
*テーマにそった資料や情報を収集する方法を身につける。
*テーマにそったデータの取り方を学ぶ。
*他者と役割を分担しながら、物事を完成させていくことを学ぶ。
*資料や情報、自らのデータをもとに、他者に正確かつ興味を持ってもらえるように伝える方法を考える。
*パワーポイントや配付資料などの効果的な利用の仕方を身につける
*多様な話題に対し関心をもち、自分の意見をもち、また他者に伝えて、議論できる能力をやしなう。
授業の進め方 報告者(グループ)の研究報告に基づき、参加者は内容に関する質疑やコメントを行い、お互い知識を共有し、考えを深める(上記の概要参照)。なお、相互評価(発表内容、発表方法)を取り入れ、毎回、受講者全員の積極的な参加により授業を進める。
教科書等 教科書は指定しない。各自が資料を発掘すること。
成績評価方法 発表ならびに翌週の報告を基礎点とし、コメントカードの内容ならびに議論への参加度・貢献度によって評価する。
学習相談 授業中やその前後、評価・質問票(コメントカード)、オフィスアワーを利用すること。
その他 この授業は、教職(公民)ならびに認定心理士の資格申請に関わる科目である。

教職(公民)
認定心理士