文学部
人間科学コース
社会学・地域福祉社会学 専攻
専門科目 (2単位)
社会学講義 VI
講義題目:統計学の基礎概念
教授鈴木 譲
後期・通常

木曜3限
授業の概要 社会学における分析は、量的分析と質的分析に大別される。量的分析、あるいは、計量分析は、統計学、確率論などを用いた分析手法が主なものであり、実際の分析作業はコンピュータのソフトウエアを用いて行うことになる。しかしながら、道具としての統計解析ソフトウエアを十分に使いこなすためには、統計学の基礎概念をまず理解することが必須である。

授業では上記の点を念頭におき、平均値(相加平均、相乗平均、調和平均)、標準偏差、分散、平均偏差、変動係数、変数の標準化、共分散、相関係数、単純回帰分析の回帰係数、多重回帰分析(独立変数が2つの場合)の回帰係数などの記述統計について、概念を理解するとともに、実際に計算を行う。ただし、理解を深めるために、計算においてはコンピュータ・ソフトウエアは用いずに、関数電卓を用いる。

原則として、毎回の授業の最後に練習問題を行い、授業内容を確実に身につけられるようにする。なお、高等学校の数学 I, II, A, B の知識を前提として授業を進めるので、必要ならば各自復習しておくこと。
学習目標 この授業の学習目標は、以下の通りである。
(1) 全般的な教育目標:
全般的な教育目標は、社会学における計量分析を行う際に、統計解析ソフトウエアを十分に使いこなせるだけの統計学的概念の理解を得ることである。

(2) 個別の学習目標:
個別の学習目標は、記述統計としての基本的な概念、指標を理解することである。具体的には、平均値(相加平均、相乗平均、調和平均)、標準偏差、分散、変動係数、平均偏差、変数の標準化、共分散、相関係数、単純回帰分析の回帰係数、多重回帰分析(独立変数が2つの場合)の回帰係数などである。
授業の進め方 毎回の授業は講義形式であるが、授業の最後に練習問題を行う。
扱う題目の順序は、おおよそ以下の通りである。

1.平均値(相加平均、相乗平均、調和平均)
2.標準偏差、分散、平均偏差
3.変数の標準化
4.共分散、相関係数
5.単純回帰分析
6.多重回帰分析(独立変数が2つの場合)

時間に余裕があれば、一般の多重回帰分析、および、推測統計についても簡単に説明を行う。
教科書等 教科書は特に使用しないが、計算のために関数電卓が必要であるので、各自購入し授業に持参すること。関数電卓がない場合、あるいは、持参しなかった場合には、毎回の練習問題の計算を行うことは難しいので、この点十分に注意すること。関数電卓としては、カシオ製 Casio fx-290-N もしくは、これと同等の機能を持つものを持参すること。関数電卓は、九大生協には在庫がないかも知れないが、家電量販店であれば通常は問題なく購入できる。ただし、関数電卓の使い方自体は、授業では取り上げない。関数電卓の使い方は、各自説明書を読み、試してみることにより身につけておくこと。初回の授業に限り、関数電卓の購入が間に合わない場合には、通常の四則電卓(メモリー、平方根付き)を必ず持参すること。メモリーの使い方は、あらかじめ調べておくこと。
第一回目10月6日(木)にも簡単な練習問題を行うので、電卓を必ず持参すること。
<教科書>
教科書は、特に指定しない。

<参考図書>
岡田泰栄 『統計学概論』 共立出版 (ただし、あくまで参考書であり、必ずしも「この授業のために購入しなくてはならない」ということではない。)
成績評価方法 毎回授業の最後に行う練習問題を回収し、その総合点を100点満点に換算して成績評価を行う予定である。従って、毎回の授業に出席し、練習問題を解き、これを提出することが必要である。レポート、学期末試験は、授業の進行上特に必要が生じた場合にはこれを課すが、成績判定は原則として練習問題の結果により行う。
学習相談 メールなども含めて適宜相談に応じる。
その他 この授業は、社会調査士資格の登録科目ではないので、その点注意すること。
また、すでに述べた通り、以下の点に注意すること。
 ・ 高等学校の数学 I, II, A, B について必要ならば復習しておくこと。
 ・ 関数電卓を購入し、毎回授業に持参すること。
 ・ 関数電卓の使い方は、各自で身につけておくこと。 
 ・ 授業の最後に練習問題を行い、成績判定はその結果にもとづいて行われる。


対象学年:2年生以上
履修条件:高等学校の数学 I, II, A, B の理解を前提とする。