文学部


教職に関する科目 (2単位)
総合演習(歴史学の方法)
講義題目:九州の歴史家・歴史学者のひとと業績
教授濱田 耕策
前期・通常

月曜4限
授業の概要 ○E・Hカーは『歴史とは何か』(清水幾太郎訳。岩波書店、1962年、1刷り)の「まず歴史家を研究せよ」の節のなかで、「歴史の書物を読む時は、歴史家の頭の中のざわめきに耳を傾けた方がよろしい」と言っている。また、「歴史家を研究する前に、歴史家の歴史的および社会的環境を研究してください」とも言っている。
○学生が歴史に関心をもって、歴史を考察する素材は書籍から得る知識のほかに、身近にもしっかりとあるのではないか。そこで、九州に縁のある歴史家・歴史研究者をここでは取り上げたい。先学が日本近代史のなかで、どのように歴史に向き合い、歴史をつかみ取って、評価したのか、そのことを人を通して理解しよう。
○九州の文化と風土は多様である。この九州を背景として、育ち、或いは生活し、広い範囲で歴史学および歴史に正面から取り組んだ歴史家・歴史研究者たち、例えば、沖縄では伊波普猷、東恩納寛惇、宮城栄昌、鹿児島では重野安繹、長崎では黒板勝美、橋本増吉、浦廉一、佐賀では久米邦武、熊本では徳富蘇峰・狩野直喜・高群逸枝、石牟礼道子、大分では小野武夫、羽原又吉、また長く九州大学の教壇に立ち、教育と研究に大きな業績をあげ、後進に影響を与えた研究者では、日本史学の竹岡勝也、長沼賢海、竹内理三、東洋史学では日野開三郎、越智重明、考古学では鏡山猛、岡崎敬や中山平次郎、古野清人等の名前が浮かんでくる。この先人の人と業績について社会と研究史を背景として基礎的な考察を行ない、歴史および歴史学への関心を培う。
○時間が取れれば、歴史学関連施設(文書館、博物館)の仕事を見学します。 
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
「歴史」は身近にも発見できる糸口があることを学びます。

(2) 個別の学習目標:
歴史家・歴史研究者とはどのように社会に関わり、研成果をあげてきたのか、その研究と生き方を学びます。
授業の進め方 複数人で歴史家・研究者の一人を担当して、報告し、討論に移ります。
教科書等 <参考図書>
@E・Hカーは『歴史とは何か』(清水幾太郎訳。岩波書店、1962年)
A永原慶二、鹿野政直編著『日本の歴史家』岩波書店、1976年>
B江上波夫『東洋学の系譜』大修館書店、1992年
C江上波夫『東洋学の系譜』第2集、大修館書店、1994年
D今谷 明ほか『20世紀の歴史家たち』日本編(上・下・続)刀水書房、1997、1999、2006年
E日本歴史学会編『日本史研究者辞典』吉川弘文館、1999年
F永原慶二『20世紀日本の歴史学』吉川弘文館、2003年
成績評価方法 出席20%,報告30%、レポート50%で評価します。
学習相談 オフィスアワ−を利用して下さい。
その他 対象学年:3年生 4年生
履修条件:特段の履修条件はありません。
教職(国語)(社会)(地理歴史)(公民)(英語)(ドイツ語)(中国語)(フランス語)