文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地理学講義 VII
講義題目:「風景」と「郷土」について考える
教授遠城 明雄
後期・通常

火曜2限
授業の概要  この授業では、二つの地理的概念について考えたいと思います。
 第一は「風景」あるいは「景観」です。風景画、そして街や自然の現実の風景は、わたくしたちの日常生活や旅の楽しみを支えるひとつの要素となっています。この授業では、風景・景観が地理学とその隣接分野でどのように理解されてきたのかを理解しながら、近現代の世界について考えていきます。
 第二は「郷土」です。わたしたちは、「郷土」や「故郷」という言葉を日常生活でなにげなく用いています。しかし、それは、「生まれた場所」だけを意味しているわけはありません。むしろ、人、もの、情報の流動性の高まりやそれにともなう中央(国家)と地方の関係性の変化など、近現代社会の構造変動のなかで、郷土や故郷をめぐる諸実践が活発化してきます。したがって、郷土は地域的不均等や政治的情念の葛藤と無関係ではありません。この授業では、郷土概念がどのように論じられ、表象されたのか、また利用されてきたのかについて考えることにしたいと思います。
 最後に、この二つが交叉する場所から、私たちの生きる世界について考えてみたいと思います。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 「風景」と「郷土」をめぐる諸問題について理解を深め、自らの視点で近現代社会のあり方について考えるための力を養う。

(2) 個別の学習目標:
(1)風景・景観をめぐる諸学説について理解を深める。
(2)近現社会における「郷土」をめぐる語りと実践の特徴について理解を深める。
授業の進め方 配付プリントの説明を中心に進める予定です。
教科書等 <参考図書>
随時紹介します。
成績評価方法 授業期間中のミニレポート(数回)40%
学期末レポート60%
学習相談 随時応じます。
その他 教職(社会)(地理歴史)