九大美学メモリアル ― 美学・美術史研究室お別れ会 ―

ご挨拶

卒業生の皆様へ


 初夏の風が清々しい今日この頃、卒業生の皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて文学部の新キャンパスへの移転がこの夏休みに行われます。いよいよ箱崎キャンパスともお別れです。つきましては、ご案内のとおり九大美学メモリアル(美学・美術史研究室お別れ会)を計画いたしました。当日は卒業生の皆様と、歴代の先生方や研究室の思い出について語り合う会とさせていただければと思っております。

 お忙しいところ恐れ入りますが、ご出席いただければさいわいです。

 ※なお、お別れ会は、第21回九州大学藝術学研究会として開催させていただきます。

2018年6月
九州大学大学院人文科学研究院
人文科学府芸術学講座
文学部美学・美術史研究室

            教員一同
            後小路雅弘、井手誠之輔、京谷啓徳、東口豊
青野純子、石井祐子

図版解説 「筥崎浜図」 博多・聖福寺所蔵

・仙厓義梵(一七五〇~一八三七)筆
・紙本墨画 掛幅装
・画讃「青螺萬点望中重
    七里清灘十里松
    華表千年
    鶴何在
      仙宮無
       恙夕陽
          鐘」
・画面向かって右下「厓菩薩」(朱文達磨型印)

 筥崎宮の鳥居と常夜燈、そこから望む博多湾を描く。鳥居の傍から松原が広がり、海原には船が帆を並べ、巣へ急ぐ鳥の遥か先には山々が連なっている。山々は志賀島や能古島か、あるいは可也山を含む糸島半島であろうか。仙厓には筥崎宮を描いた作が多く残る。玉せせりや放生会など神事を描いたものも見られるが、本作は賑やかな神事の図とは異なり、夕暮れの鐘が社頭と海原に神聖な響きを感じさせる。

日野綾子(九州歴史資料館)

※表紙図版の利用については、本ホームページの趣旨に賛同いただき、聖福寺さまより格別のご高配を賜りました。記して感謝申しあげます。