文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学講義 III
講義題目:行為の哲学
教授菊地惠善
前期・通常

月曜2限
授業の概要 人間は身体をもって存在し、身体の運動を通していろいろな行為を行う。それでは、人間の行為が単なる身体の運動とは違って、一定の意味を持った行為となるのはどのような条件によってなのか。ここに行為についての哲学的な考察が始まる。
行為の哲学において問題となるのは、行為の成立条件、意図と言語、自由と因果関係、行為の目的論的構造、行為の評価、動機と結果、善と幸福などである。この講義では、このような基本的な論点を順次取り上げて考察していくが、その際に同時に、アリストテレスからカントを経て、そして現代の英米哲学での行為論にいたるまで、広く西洋哲学の理論的成果を参照しながら、一から批判的に考え直していきたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
具体的な問題の分析と解釈から哲学的思考の重要性と必要性を経験する。

(2) 個別の学習目標:
哲学的な問題を体系的に歴史的に広く学び考えることを学ぶ。
授業の進め方 講義形式で行なうが、授業で取り上げられたテキストを自分でも読み考え、哲学的な思索の展開に自ら参加することを期待する。
教科書等 <教科書>
特定のものは使わない。

<参考図書>
授業の中で随時案内する。
成績評価方法 出席率(50%)とレポート(50%)とを総合して評価する。
学習相談 金曜日1時−3時、教官研究室。
その他 現実に潜む哲学的な問いのあれこれについては、webサイトの「観察と感想」を参照。

対象学年:2年生以上
履修条件:限定なし
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学講義 IV
講義題目:存在論入門
教授菊地惠善
後期・通常

月曜3限
授業の概要 本講義では、もっとも哲学的な問いの一つである「存在」についての問いを取り上げ、「存在」についてどのようなことが問題になるのか、そこからどのような方向に向かって思考が展開されうるのか、敢えて勇気をもって取り組んでみたい。
私たちは自然的なものであれ人工的なものであれ、たくさんのものに囲まれ、それらを利用しながら生きている。さらには、科学の法則や社会の法律や芸術作品も認識したり、基準にしたり、鑑賞したりしている。しかし、それら多種多様な「存在するもの」を等しく「存在する」として理解できているということは、驚くべき事実である。「存在する」というのは、「存在するもの」に共通する性質ではないからである。それでは、それは何か。ここに「存在の意味への問い」が始まるが、この問いは古代から現代に至るまで哲学の根本的な問いであった。
現代において存在論を取り上げるとすればハイデッガー哲学がまず参照にされなければならないが、存在論を初めから考えるためには、そのハイデッガー哲学も距離を置いて批判的に考え直すことが必要である。また、フッサールに始まる現象学からする存在論ばかりではなく、現代英米哲学における存在論の議論についても、できれば取り上げることにしたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
具体的な問題の分析と解釈から哲学的思考の重要性と必要性を経験する。

(2) 個別の学習目標:
哲学的な問題を体系的に歴史的に広く学び考えることを学ぶ。
授業の進め方 講義形式で行なうが、授業で取り上げられたテキストを自分でも読み考え、哲学的な思索の展開に自ら参加することを期待する。
教科書等 <参考図書>
ハイデガー『存在と時間』(全3冊)中公クラシックス。ハイデッガー『ニーチェ』(全2冊)平凡社ライブラリー。
成績評価方法 出席率(50%)とレポート(50%)とを総合して評価する。
学習相談 金曜日1時−3時、教官研究室。
その他 現実に潜む哲学的な問いのあれこれについては、webサイトの「観察と感想」を参照。

対象学年:3年生以上
履修条件:限定なし
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学演習 IV
講義題目:ヘーゲル『精神現象学』読解
教授菊地惠善
後期・通常

木曜3限
授業の概要 ヘーゲル(1770-1831)の主著『精神現象学』(1807)を前年に引き続き読み進める。今年度は「(C.)(AA.)理性」から始める。
解説書を読んで理解したつもりになったり、有名な部分だけを読んで全部を読んだつもりになる危険を避け、テキストの一字一句をゆるがせにせず、厳密に理解することを目指す。古典的な著作は、単なる過去の思想の遺物ではなく、実際に歩まれた哲学的な思考の可能性であるから、それを読み解くことは同時に、そこから多くの新たな思考の可能性を読み取ることでもある。テキストの読解と内容の解釈について、学生諸君が積極的に参加することを期待する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
哲学の古典を原典で厳密に読み解く。

(2) 個別の学習目標:
ヘーゲル哲学への入門を図りながら、同時に、哲学的思考の徹底さと厳密さを学ぶ。
授業の進め方 毎回担当者を決めて読解を進めるが、理解や解釈については全員で議論し検討する。
教科書等 <教科書>
G.W.F.Hegel,Phaenomenologie des Geistes,Felix Meiner Verlag(PhB)。金子武蔵訳『精神の現象学』岩波書店、樫山欽四郎訳『精神現象学』平凡社ライブラリー。

<参考図書>
金子武蔵『ヘーゲルの精神現象学』ちくま学芸文庫、加藤尚武編『ヘーゲル「精神現象学」入門』有斐閣選書、他。
成績評価方法 平常点とレポートとを総合して評価する。ただし、平常点を重視する。
学習相談 金曜日1時−3時、教官研究室
その他 現実に潜む哲学的な問いのあれこれについては、webサイトの「観察と感想」を参照。

対象学年:2年生以上
履修条件:限定なし

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学演習 IX
講義題目:ハイデッガー『存在と時間』読解
教授菊地惠善
前期・通常

木曜5限
授業の概要 ハイデッガー(1889-1976)の主著『存在と時間』(1927)を読み解く。前期は、第1部第2篇の、第4章「時間性と日常性」を読む。
なお、ハイデッガー哲学とその主著『存在と時間』については、テキストとして掲げた中公クラシックス版翻訳の第一分冊(T)の冒頭にある、簡にして要を得た訳者解説を読むことを勧める。渡邊二郎「ハイデガーの生涯と『存在と時間』の思想」。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
哲学の原典を厳密に読み解く。

(2) 個別の学習目標:
ハイデッガー哲学への入門を図る。
授業の進め方 毎回担当者を決めて読解を進めるが、理解や解釈については全員で議論し検討する。
教科書等 <教科書>
M.Heidegger, Sein und Zeit, Max Niemeyer Verlag。ハイデガー『存在と時間』T・U・V、原佑・渡邊二郎訳、中公クラシックス。

成績評価方法 平常点とレポートとを総合して評価する。ただし、平常点を重視する。
学習相談 金曜日1時−3時、教官研究室
その他 現実に潜む哲学的な問いのあれこれについては、webサイトの「観察と感想」を参照。

対象学年:2年生以上
履修条件:限定なし

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学演習 X
講義題目:ハイデッガー『存在と時間』読解
教授菊地惠善
後期・通常

木曜5限
授業の概要 ハイデッガー(1889-1976)の主著『存在と時間』(1927)を読み解く。後期は前期に引き続き、第1部第2篇の、第4章「時間性と日常性」を読む。
なお、ハイデッガー哲学とその主著『存在と時間』については、テキストとして掲げた中公クラシックス版翻訳の第一分冊(T)の冒頭にある、簡にして要を得た訳者解説を読むことを勧める。渡邊二郎「ハイデガーの生涯と『存在と時間』の思想」。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
哲学の原典を厳密に読み解く。

(2) 個別の学習目標:
ハイデッガー哲学への入門を図る。
授業の進め方 毎回担当者を決めて読解を進めるが、理解や解釈については全員で議論し検討する。
教科書等 <教科書>
M.Heidegger, Sein und Zeit, Max Niemeyer Verlag。ハイデガー『存在と時間』T・U・V、原佑・渡邊二郎訳、中公クラシックス。

成績評価方法 平常点とレポートとを総合して評価する。ただし、平常点を重視する。
学習相談 金曜日1時−3時、教官研究室
その他 現実に潜む哲学的な問いのあれこれについては、webサイトの「観察と感想」を参照。

対象学年:2年生以上
履修条件:限定なし

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学演習 XI
講義題目:
教授菊地 惠善
前期・通常

木曜3限
授業の概要
学習目標
授業の進め方
教科書等
成績評価方法
学習相談
その他

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
近現代哲学講義 IV
講義題目:言語哲学と現象学
教授円谷 裕二
後期・通常

金曜3限
授業の概要  現象学を西洋哲学史の中に位置づけながら、その独自性と問題点を明らかにする。その際に特に、現象学における言語論に焦点を絞りながら、言語哲学と、存在論・認識論・真理論・意味論・他者論・芸術論などとの関連に着目しながら考察する。
 また現象学が、それ以前のさまざまな哲学者、例えば、デカルト、カント、ヘーゲル、ベルクソンなどからどのような影響を受けているのかについても検討する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
現象学の根本問題について考えながら、現代における哲学のありかたについて反省すること。

(2) 個別の学習目標:
現象学における存在論・認識論・真理論などが、従来の西洋哲学に対してどのような新たな考え方や方法を導入することになったのかを理解し、それによって、哲学的に思考することの意味や問題について考えること。
授業の進め方 講義を中心としながらも、時には担当者の発表について討論する。
教科書等 <教科書>
特にない

<参考図書>
初回の授業の時に指示する。
成績評価方法 出席60%、レポート40%
学習相談 メールや面談などで適宜受け付ける。
その他 対象学年:2・3・4年
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
近現代哲学演習 IX
講義題目:アポリア論]U
教授円谷 裕二
前期・通常

金曜4限
授業の概要 本授業は、各学生が、過去および現代の哲学者を参照しながらテーマを自ら発見して、それについて発表を行い、さらに発表者とあらかじめ定められた質問者とが相互に議論を展開するという形式で進められる。哲学において議論に値するテーマは、古代ギリシア以来、人類が繰り返し問うてきたものばかりであるが、本授業では、各発表者の内容を、過去および現代の哲学者の考え方と比較しながら、ソクラテスの対話術にも似た仕方で、各人のテーマを掘り下げてゆくことを目指している。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
何が問うに値する問題であるのかをいかに発見するのか、また、その問うに値する問題に対してどのような方法で接近してゆくのか、さらには、自らの発表内容に対する質問に対してどのように答えてゆくのか、等々について、各発表者が身をもって体験できることを期待している

(2) 個別の学習目標:
各人の発表内容に即した仕方で議論が深まってゆくことを目指している。
授業の進め方 個別の発表とそれに関する質疑応答によって授業を進める。
教科書等 <教科書>
特になし

<参考図書>
特になし
成績評価方法 平常点
学習相談 メールと面談によって随時受け付ける
その他 対象学年:2・3・4年

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
近現代哲学演習 X
講義題目:アポリア論]V
教授円谷 裕二
後期・通常

金曜5限
授業の概要 本授業は、各学生が、過去および現代の哲学者を参照しながらテーマを自ら発見して、それについて発表を行い、さらに発表者とあらかじめ定められた質問者とが相互に議論を展開するという形式で進められる。哲学において議論に値するテーマは、古代ギリシア以来、人類が繰り返し問うてきたものばかりであるが、本授業では、各発表者の内容を、過去および現代の哲学者の考え方と比較しながら、ソクラテスの対話術にも似た仕方で、各人のテーマを掘り下げてゆくことを目指している。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
何が問うに値する問題であるのかをいかに発見するのか、また、その問うに値する問題に対してどのような方法で接近してゆくのか、さらには、自らの発表内容に対する質問に対してどのように答えてゆくのか、等々について、各発表者が身をもって体験できることを期待している

(2) 個別の学習目標:
各人の発表内容に即した仕方で議論が深まってゆくことを目指している。
授業の進め方 個別の発表とそれに関する質疑応答によって授業を進める。
教科書等 <教科書>
特になし

<参考図書>
特になし
成績評価方法 平常点
学習相談 メールと面談によって随時受け付ける
その他 対象学年:2・3・4年

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
近現代哲学演習 XI
講義題目:ドイツ哲学演習
教授円谷 裕二
前期・通常

金曜3限
授業の概要 カント、フッサール、ハイデッガー、ハバーマスなどのドイツ哲学のテキストをドイツ語原典に即しながら精読し、ドイツ哲学の基本的諸問題について議論する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ドイツ語原典の正確な読み方を学習することによって、哲学的思考法を習得すること。

(2) 個別の学習目標:
ドイツ哲学の特徴とその問題点について学習し、現代哲学の諸問題へ接近すること。
授業の進め方 あらかじめ講読の担当者を定めて、発表してもらう。
教科書等 <教科書>
初回の授業で指示する。

<参考図書>
授業の時に随時指示する。
成績評価方法 平常点
学習相談 メールや面談などで適宜受け付ける。
その他 対象学年:2・3・4年生

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
近現代哲学演習 XII
講義題目:ドイツ哲学演習
教授円谷 裕二
後期・通常

金曜4限
授業の概要 カント、フッサール、ハイデッガー、ハバーマスなどのドイツ哲学のテキストをドイツ語原典に即しながら精読し、ドイツ哲学の基本的諸問題について議論する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ドイツ語原典の正確な読み方を学習することによって、哲学的思考法を習得すること。

(2) 個別の学習目標:
ドイツ哲学の特徴とその問題点について学習し、現代哲学の諸問題へ接近すること。
授業の進め方 あらかじめ講読の担当者を定めて、発表してもらう。
教科書等 <教科書>
初回の授業で指示する。

<参考図書>
授業の時に随時指示する。
成績評価方法 平常点
学習相談 メールや面談などで適宜受け付ける。
その他 対象学年:2・3・4年生

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
近現代哲学演習 XIII
講義題目:メルロ=ポンティを読む
本務なし田中 美穂
前期・通常

火曜3限
授業の概要 フランスの哲学者モーリス・メルロ=ポンティ(1908-61)の思想に触れ、その主題や問題意識について、彼の著作や各種論文を通じ学んでいきます。

現象学から出発し、その発展に尽くしたメルロ=ポンティの思想は、狭義での「哲学」「哲学史」の世界に閉じることなく、芸術論や身体論、空間論等、様々な領域に広く影響を及ぼしています。

「哲学」というと、難解で、非現実的かつ抽象的な学問として捉えられがちです。しかし、メルロ=ポンティの思想や概念、また、その出発点を読み解いていけば、今まで遠くに感じていた「哲学」というものが、実は、我々の生きるこの日常の内に深く根を下ろし、我々を取り巻くこの世界で、静かに、かつ活き活きと息づいていることを感じるでしょう。身体・絵画・政治・映画等、多岐に渡るメルロ=ポンティの思想は、我々の「まなざし」をより鮮やかに彩ってくれることと思います。

生きるとは何か、芸術とは、他者とは、まなざしとは、意味とは、時間とは・・・等々、研究テーマや関心は人それぞれです。故に、各自が抱えるテーマに対する「解答」もまた、人それぞれであるでしょう。この授業を通じ、メルロ=ポンティ思想の射程の広さやその奥行きの深さに触れることで、その「解答」を見つけるヒントをぜひ手に入れて欲しいと思っています。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
メルロ=ポンティの哲学を学び、その特徴を理解する。

(2) 個別の学習目標:
哲学書を読むことに慣れ、そこでの主張を読み解く力をつける。加えて、自分の研究テーマに関して様々な観点から(今回はメルロ=ポンティ哲学という観点から)考え、伝えることを学ぶ。
授業の進め方 毎回担当者と特定質問者を決めますが、原則、全員が議論に参加できるようにします。受講生の積極的な参加を期待しますが、「正解」のない授業ですので、楽しく授業を進めていきましょう。また講師の側としても、受講生のみなさんの理解、興味、関心が深まるよう説明等に気を配り努力したいと思います。まったくメルロ=ポンティのことを知らないという方の参加も大歓迎です。
教科書等 <教科書>
必要に応じてプリント(邦訳)を配布します。
テキストについては、授業を進める中で指示を出します。

<参考図書>
そのつど紹介していきます。
成績評価方法 平常点(出席、意欲、学習態度)70% レポート30%
学習相談 ゼミ終了後に受け付けますが、メールにても随時受け付けます。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
古代哲学講義 VII
講義題目:アリストテレス形而上学の基礎
准教授岩田 圭一
前期・通常

木曜2限
授業の概要 西洋の哲学は前6〜前4世紀における古代ギリシア哲学に端を発し、自然・人間・国家などに関する諸問題が当時の哲学者たちによってさまざまな仕方で論じられた。その中でも学問の祖と言われるアリストテレスは、先行哲学者たちの見解を整理、吟味しながら、論理学、自然学、形而上学、倫理学、政治学などさまざまな学問領域を区分し、独自の哲学を作り上げた。この講義では、アリストテレスの形而上学を取り上げ、その基礎を学ぶ。具体的には『カテゴリー論』第1−5章、『形而上学』Δ巻、Ε巻などから重要な箇所を取り上げ、基本的な諸概念について解説しながら、形而上学という学問領域について考えることにする。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
アリストテレスの形而上学を学び、形而上学という学問領域の意義を考える。

(2) 個別の学習目標:
配布プリントの読解、解説を通じて、アリストテレス形而上学における基本的な諸概念を理解する。
授業の進め方 講義形式で授業を進め、適宜、質疑応答の時間をとる。
教科書等 <教科書>
プリント(邦訳)を配布する。

<参考図書>
そのつど指示する。
成績評価方法 出席状況と期末レポートによって総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーは月曜13:20-14:50に設定する。
その他 対象学年:2年生以上

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
古代哲学講義 VIII
講義題目:アリストテレスの自然学と形而上学
准教授岩田 圭一
後期・通常

木曜2限
授業の概要 前期の古代哲学講義VIIで取り上げたアリストテレス形而上学の基礎を踏まえた上で、アリストテレスの自然学と形而上学を取り上げ、アリストテレス哲学を特徴づける対概念である「質料−形相」、「可能態−現実態」について一定の理解を得ることを目指す。具体的には『自然学』第1巻、第3巻、『魂論』第2巻、『形而上学』Ζ巻(第7巻)、Θ巻(第9巻)などを取り上げ、テクストに即してそれらの対概念について解説する。先行哲学者たちも関心を寄せた「運動」、「魂」、「存在」といった諸概念がそれらの対概念によってどのように説明されているかを見ることによって、アリストテレス哲学の独創的な点を見定めることにしたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
「運動」、「魂」、「存在」といった諸概念を論じる際のアリストテレス哲学の独自性を見定める。

(2) 個別の学習目標:
アリストテレス哲学を特徴づける対概念、「質料−形相」、「可能態−現実態」についてテクストに即して学ぶ。
授業の進め方 講義形式で授業を進め、適宜、質疑応答の時間をとる。
教科書等 <教科書>
プリント(邦訳)を配布する。

<参考図書>
そのつど指示する。
成績評価方法 出席状況と期末レポートによって総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーは月曜13:20-14:50に設定する。
その他 対象学年:2年生以上

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
古代哲学演習 I
講義題目:定義の一性
准教授岩田 圭一
前期・通常

月曜4限
授業の概要 アリストテレスは『形而上学』ΖΗ巻(第7−8巻)の実体論において、カテゴリー学説や質料形相論といった自身の基本的な学説を前提としつつ、個物の〈実体〉(ウーシアー)を探究している。〈実体〉探究という形がはっきりと見て取れる『形而上学』Ζ巻において、Ζ巻第7−9章の生成論に続くΖ巻第10−12章の定義論はとくに重要である。Ζ巻第10−11章では、定義において質料をどのように扱うべきかが論じられ、Ζ巻第12章では、定義の要素が複数であることから定義の一性が問題にされる。この授業では、Ζ巻の〈実体〉探究における第10−11章の意義について考察した上で、Ζ巻第12章における定義の一性の問題を考えることにしたい。この問題を考えるにあたってΗ巻第6章のテクストとの比較は不可欠であるので、これも取り上げ、定義の一性の問題がどのように解決されるのかを見ることにする。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
アリストテレスの実体論における定義の問題の重要性を理解する。

(2) 個別の学習目標:
『形而上学』Ζ巻第12章とΗ巻第6章のテクストを精確に読み、定義の一性の問題について理解を深める。
授業の進め方 テクストを精読し、その解釈について議論する。
教科書等 <教科書>
テクストはコピーを配布する。

<参考図書>
そのつど指示する。
成績評価方法 授業での議論、発表、出席状況によって総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーは月曜13:20-14:50に設定する。
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(公民)(平成21年度入学者より適用)

教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
古代哲学演習 II
講義題目:実体と本質
准教授岩田 圭一
後期・通常

月曜4限
授業の概要 アリストテレスの実体論が展開される『形而上学』中核諸巻(第7−9巻)のうち、個物の〈実体〉(ウーシアー)を探究するという形で展開する『形而上学』Ζ巻を取り上げ、〈実体〉とは何かをテクストに即して考えていく。アリストテレスのテクストに見られる重要な術語のいくつかは多義的であり、またそのつど用いられる術語の用法について必ずしも明確な説明が与えられるわけでもない。そのためそのテクストはしばしば読み手を混乱させる。Ζ巻において探究される「ウーシアー」も多義的であり、Ζ巻を読解するにはその多義性の理解が不可欠である。この授業では、『形而上学』Ζ巻第1章から読み始め、カテゴリー学説に基づく「実体」理解から議論が開始されることを確認し、本質について論じられるΖ巻第4−6章まで読み進めることにしたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
アリストテレスの実体論を手がかりにして、存在の問題に取り組む方法を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
『形而上学』Ζ巻第1―6章のテクストを精確に読み、「ウーシアー」の多義性について一定の理解を得る。
授業の進め方 テクストを精読し、その解釈について議論する。
教科書等 <教科書>
テクストはコピーを配布する。

<参考図書>
そのつど指示する。
成績評価方法 授業での議論、発表、出席状況によって総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーは月曜13:20-14:50に設定する。
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(公民)(平成21年度入学者より適用)

教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
古代哲学演習 III
講義題目:感覚と真理
准教授岩田 圭一
前期・通常

月曜5限
授業の概要 古代ギリシアの哲学者たちが唱えた説のうち、人間は万物の尺度であるというプロタゴラスの説は、一般によく知られている。プラトンやアリストテレスもこの説を取り上げて検討しているように、この説は、当時の哲学者たちが知識や存在の問題を考える上で無視することのできないものであった。例えば甘いという性質についてプロタゴラスの説に従って考えると、甘いと感覚されていることと甘いこととは同じことである。甘いと感覚されているものは甘く、甘いものは甘いと感覚されている。しかし同じものをある人は甘いと感覚するが他の人はそのように感覚しないとか、同じ人でも同じものを時によって甘いと感覚したりそのように感覚しなかったりすることがある。この事実を考慮すると、感覚を真理とみなすプロタゴラスの説によれば、同じものが甘いと同時に甘くないというような矛盾が生じることになる。この授業では、主としてプラトンの『テアイテトス』を読みながら、プロタゴラス説の問題について考察することにしたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
プラトンのテクストに沿って感覚と真理の問題がどのようなものかを把握する。

(2) 個別の学習目標:
プラトンのテクストだけでなく、関連するアリストテレスのテクストも踏まえて、プロタゴラス説がどのように批判されているかを確認し、感覚と真理の問題について理解を深める。
授業の進め方 テクストを精読し、その解釈について議論する。
教科書等 <教科書>
授業中に指示する。

<参考図書>
そのつど指示する。
成績評価方法 授業での議論、発表、出席状況によって総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーは月曜13:20-14:50に設定する。
その他 対象学年:2年生以上

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
古代哲学演習 IV
講義題目:可能態と現実態
准教授岩田 圭一
後期・通常

月曜5限
授業の概要 前期の古代哲学演習IIIで取り上げたプロタゴラスの説は、アリストテレスが「デュナミス(能力/可能態)」に関する考察の中でメガラ派の見解を論駁する際に、メガラ派と関連のある説として言及されている。この授業では、まずアリストテレス『形而上学』Θ巻(第9巻)第3章におけるメガラ派批判について、前期で取り上げた内容を踏まえて考察し、その上でΘ巻第8章以降の論述を取り上げ、とくに「現実態」の概念について理解を深めることにしたい。そしてΘ巻の最後に位置する第10章の論述、すなわち、真としての〈あるもの〉に関する論述に進み、アリストテレスの実体論におけるΘ巻第10章の意義についても考えることにしたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
アリストテレスの哲学を特徴づける「可能態−現実態」の対概念を理解する。

(2) 個別の学習目標:
『形而上学』Θ巻のテクストを精確に読み、とくに「現実態」について理解を深める。
授業の進め方 テクストを精読し、その解釈について議論する。
教科書等 <教科書>
授業中に指示する。

<参考図書>
そのつど指示する。
成績評価方法 授業での議論、発表、出席状況によって総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーは月曜13:20-14:50に設定する。
その他 対象学年:2年生以上

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学史講義 IV
講義題目:スピノザの哲学
山梨大学教育人間科学部 教授佐藤 一郎
後期・集中

授業の概要 近年取り組んできたスピノザの初期哲学のうちから重要と思われる諸問題を取り上げ、それを「エチカ」の哲学と突き合わせることによって、スピノザの哲学の成立とその意義を考えてみたい。授業実施時期まで間があるので、詳しい内容はこれからの準備の進捗にゆだねられるが、みずからにとっても今後の研究展開のための分岐と出発点になることを願っている。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
スピノザの哲学の全体像把握と個々の問題の理解。

(2) 個別の学習目標:
各自の哲学的問題と結びつけた関心の養成。
授業の進め方 講義の形式による問題の提示と考察、および質問にもとづく考察。
教科書等 教科書はないが、スピノザの著作を対象とするので、各自で持参してくれることが望ましい。参考図書には適宜言及。必要な資料は授業時に配布。
成績評価方法 出席とレポートがおよそ半ばずつ。
学習相談 授業期間中の空いている時間に適宜対応。メールによる相談も可能。
その他 2月初旬を予定。

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学史講義 V
講義題目:現代存在論入門
准教授倉田 剛
前期・通常

金曜2限
授業の概要 存在論の主要な課題は二つある。第一の課題は「世界には何が存在するのか」という問いに答えることであり、第二の課題は、第一の課題を遂行するための方法と道具立てを吟味することである。われわれはこの講義の中で、まず第一の課題(「狭義」の存在論的主題)を検討し、その上で第二の課題(メタ存在論的主題)に取り組む予定である。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
現代存在論のおおまかな見取り図を把握し、主要な論点に対して自らの見解を形成できるようになることがこの講義の到達目標である。

(2) 個別の学習目標:
現代哲学に特有の議論の仕方を学び、それを伝統的哲学の解釈に応用することを目指す。
授業の進め方 講義形式だが、質問は随時受け付ける。
教科書等 <教科書>
毎回プリント等を配布する。

<参考図書>
特に指定はしない。
成績評価方法 出席状況(50%)とレポートもしくはテスト(50%)によって総合的に評価する。
学習相談 随時受け付ける。授業の前後にアポイントメントをとることが望ましい。
その他

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学史講義 VI
講義題目:作品の存在論
准教授倉田 剛
後期・通常

金曜2限
授業の概要 存在論の観点から「(芸術)作品とは何か」という根本的な問いに取り組む。より具体的には、作品がどのような存在論的カテゴリーに属すのかを、理論的な側面と実践的な側面の両方から細かく検討していく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
一般存在論の概念装置を、ある特定の分野に応用すると同時に、その特定の分野から一般存在論へのフィードバックを正しく見積もる訓練を行う。

(2) 個別の学習目標:
現代英語圏における「分析美学」の諸議論に親しむ。
授業の進め方 講義形式だが、質問は随時受け付ける。
教科書等 <教科書>
毎回プリント等を配布する予定である。

<参考図書>
講義の中で適宜指定する。
成績評価方法 出席状況(50%)とレポートもしくはテスト(50%)によって総合的に評価する。
学習相談 随時受け付ける。授業の前後にアポイントメントをとることが望ましい。
その他

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学史演習 I
講義題目:分析形而上学の諸問題
准教授倉田 剛
前期・通常

火曜4限
授業の概要 分析形而上学の主な主題は「存在」、「世界の一般的構造」、「変化と同一性」、「普遍者と個別者」、「可能世界」、「実在論と反実在論」、「時間」、「因果」、「自由意志」、「心身問題」など多岐にわたる。この演習では、どのようにして現代哲学がこうした伝統的主題を捉え直すのかについて議論していきたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
現代の英米哲学において重要な位置を占めるに至った分析形而上学の主要なトピックスを理解し、それらの論点をできる限り明確にすることをこの演習の到達目標とする。

(2) 個別の学習目標:
現代哲学の道具立てを伝統的哲学の理解に役立てることを学ぶ。
授業の進め方 近年出版された当該分野における代表的なアンソロジーと教科書を土台にして、毎回決められたテーマごとに発表および議論を行ってもらう。
教科書等 <参考図書>
Laurence, S./Macdonald, C. (eds.) (1998) Contemporary Readings in the Foundations of Metaphysics, Oxford: Blackwell.
Loux, M. J. (ed.) (2001) Metaphysics: Contemporary Readings, London/New-York: Routledge.
Crane, T./Farkas, K. (eds.) (2004) Metaphysics: A Guide and Anthology, Oxford: Oxford University Press.
Beebee, H./Dodd, J. (ed.) (2007) Reading Metaphysics: Selected Texts with Interactive Commentary, Oxford: Blackwell.
Sider, T./Hawthorne, J./Zimmerman, D. W. (eds.) (2008) Contemporary Debates in Metaphysics, Oxford: Blackwell.
Van Inwagen, P./Zimmermann, D. M. (eds.) (2008) Metaphysics: The Big Questions, Second Edition, Oxford: Blackwell.
Rea, M. C. (ed.) (2009) Arguing About Metaphysics, London/New-York: Routledge.
成績評価方法 出席状況(50%)と演習への貢献度(50%)によって総合的に評価する。
学習相談 随時受け付ける。授業の前後にアポイントメントをとることが望ましい。
その他

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学史演習 II
講義題目:作品の存在論的考察
准教授倉田 剛
後期・通常

火曜2限
授業の概要 音楽、文学、絵画、彫刻といった様々なジャンルの芸術作品はどのような「在り方」をしているのか。また家具や自動車などの大量生産されうる製品はいかなる存在論的構造をもつのか。こうした問いを現代存在論の観点から検討していきたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
存在論という学問の道具立てを、芸術作品をはじめとする「作品」概念に応用することの可能性(および限界)を探るのがこの演習の目標である。

(2) 個別の学習目標:
文化的・制度的な対象を哲学的に考察する技術を習得する。
授業の進め方 指定されたトピックに従い、毎回担当者に発表してもらい、その後で受講者全員によるディスカッションを行う。
教科書等 <教科書>
特に指定はしない。

<参考図書>
Dodd, J. (2007). Works of Music: An Essay in Ontology. Oxford: Oxford University Press.
Ingarden, R. (1962). Untersuchungen zur Ontologie der Kunst: Musik Werk – Bild – Archtektur – Film. Tübingen: Niemeyer.
Ingarden, R. (1972). Das literarische Kunstwerk. Tübingen: Niemeyer. (Ersterscheinungsjahr 1931.)
Levinson, J. (1990). Music, Art and Metaphysics. Ithaka (New York): Cornell University Press, 1990.
Wollheim, R. (1980). Art and its Objects. Second Edition. Cambridge: Cambridge University Press. (First Edition, Harmondsworth: Pelican, 1968.)
Wolterstorff, N. (1980). Works and Worlds of Art. Oxford: Oxford University Press.
成績評価方法 出席状況(50%)と演習への貢献度(50%)によって総合的に評価する。
学習相談 随時受け付ける。授業の前後にアポイントメントをとることが望ましい。
その他

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学史演習 III
講義題目:普遍者についての現代哲学(その1)
准教授倉田 剛
前期・通常

火曜5限
授業の概要 Armstrong, D. M., Universals: An Opinionated Introduction (Westview Press, 1989)を受講者全員でそれを読み解きながら、現代形而上学における普遍者の問題を様々な角度から考える。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
分析形而上学の基本的な議論に親しむ。

(2) 個別の学習目標:
哲学のテキストを外国語(英語)で正確に読めるようになる。だがそれだけで満足はせず、問題に対する自分なりの見解を形成できるようになることを目指す。
授業の進め方 演習形式。毎回担当者は講読するテキストの翻訳を作ってきて発表してもらう。それを土台にして参加者全員でディスカッションを行う。
教科書等 <教科書>
Armstrong, D. M., Universals: An Opinionated Introduction (Westview Press, 1989)

<参考図書>
随時指定する。
成績評価方法 出席状況(50%)と演習への貢献度(50%)によって総合的に評価する。
学習相談 随時受け付ける。授業の前後にアポイントメントをとることが望ましい。
その他

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学史演習 IV
講義題目:普遍者についての現代哲学(その2)
准教授倉田 剛
後期・通常

火曜3限
授業の概要 Armstrong, D. M., Universals: An Opinionated Introduction (Westview Press, 1989)を受講者全員でそれを読み解きながら、現代形而上学における普遍者の問題を様々な角度から考える。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
分析形而上学の基本的な議論に親しむ。

(2) 個別の学習目標:
哲学のテキストを外国語(英語)で正確に読めるようになる。だがそれだけで満足はせず、問題に対する自分なりの見解を形成できるようになることを目指す。
授業の進め方 演習形式。毎回担当者は講読するテキストの翻訳を作ってきて発表してもらう。それを土台にして参加者全員でディスカッションを行う。
教科書等 <教科書>
Armstrong, D. M., Universals: An Opinionated Introduction (Westview Press, 1989)

<参考図書>
随時指定する。
成績評価方法 出席状況(50%)と演習への貢献度(50%)によって総合的に評価する。
学習相談 随時受け付ける。授業の前後にアポイントメントをとることが望ましい。
その他

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学史演習 IX
講義題目:メルロ=ポンティの哲学を読む
本務なし山下 通
前期・通常

水曜3限
授業の概要 この授業では昨年に引き続いてモーリス・メルロ=ポンティ(1908−1961)という人の哲学について学んでいきたいと思いますが、それと同時に、哲学という学問に興味を持った人、また、持ちつつある人に向けてこの授業が導入的な役割を果たすことができればと考えています。

メルロ=ポンティという人の哲学について一口で言うことはなかなか難しいですが、彼は「身体」というわれわれにとって最も身近な存在について綿密で細やかな思索を繰り広げました。メルロ=ポンティが書いたものも、行動心理学や教育心理学、言語、芸術、そして政治などこちらも多岐にわたってていて、なかなか全体像をつかむだけでも大変かもしれません。

さらにその影響も、昨年の授業シラバスでも触れましたが、美術や建築、ロボット工学、そして介護や看護など多方面へと拡大しており、そのようなことから考えても決して図書館の本棚の隅で埃をかぶったままになるようなものではありません。現在を生きる私たちが思索をいうものを行う際に、メルロ=ポンティの哲学は非常に有効な参照軸となるのではないかと思います。

しかし、いきなりメルロ=ポンティの書いた論文を読んでも、彼の問題意識がどこからきているのか、哲学という文脈に慣れていない人にとってはなかなか読み取ることが難しいのではないかと思います。そこでこの授業では、メルロ=ポンティ以外の哲学者の話も交えながら、その比較や交差のなかで、彼の哲学に徐々に近づき、特色を理解していきたいと思います。

また、最近の僕の関心がメルロ=ポンティの政治哲学にあることから、メルロ=ポンティが政治に関連して歴史や社会をどのように考えたかについても随時触れていきたいと思います。


授業の計画
1.イントロダクション―哲学入門?―
2.悪しき神が私を欺く(デカルト)
3.時間とは記憶である(ベルクソン)
4.道徳の起源は怨恨感情である(ニーチェ)
・・・その他

上に挙げた項目について、各々2回程度の授業で講義したいと思います。しかし、最初に立てた計画通りにいかないのも人生です。ということですので項目の数や内容、順番は状況によって変化します。

こうした段階を踏まえて、最終的にはメルロ=ポンティ自身が書いた論文をみんなで読むというゼミ形式の授業になればいいなと考えています。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
メルロ=ポンティの哲学について理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
哲学者の書いたものを読むことに慣れ、そこで何が主張され、また、何が批判されているのかを読み解く力をつける。加えて、自分の研究テーマに関して様々な観点から考えることを学ぶ。
授業の進め方 開講後、しばらくは講義形式で行います。そして、開講科目名に「哲学史演習」とあるとおり、最終的にはテキストを決め、発表者やコメンテータ、その他の参加者の自由な発言や議論によって授業を進めて生きたいと考えていますが、使用テキストについては集まった受講生の興味・関心などを考慮して選びたいと思います。

もちろん、メルロ=ポンティについてほとんど知識がない、あるいは、そんな人の名前初めて聞いたという方の受講も大歓迎です。楽しくのんびり授業をすすめていきましょう。
教科書等 特に指定しません。そのつど担当教員(つまり僕です)が用意したハンドアウトや関連する文献のコピーを使って授業を進めます。
<参考図書>
授業が進むなかで、そのつど受講生に有益なのではと僕が考える本を紹介していきたいと思います。
成績評価方法 出席60%、レポート40%で成績評価します。また、毎回授業の最後の5分間を使ってその日の授業での疑問点・感想などを書いてもらいたいと思います。(その際は文庫本程度の大きさの紙を配布します。)
学習相談 ゼミ終了後や研究室・図書館でボーっとしているのを見かけたときなど、学内にいるのをみかけたらいつでもどうぞ。もちろんメールでも随時受け付けます。
その他 休講通知やその他連絡用にツイッターのアカウントを作成しました。@festinalente74です。

対象学年:2年生以上

文学部
哲学コース
哲学 専攻
専門科目 (2単位)
哲学史演習 X
講義題目:カントの哲学
本務なし重松 順二
後期・通常

水曜3限
授業の概要 本科目名は演習となっているが、基本的に講義形式で授業をしたい。具体的には、カント『純粋理性批判』を講読しながら適宜解説を行い、それによって哲学的思索に触れてもらう。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
カント『純粋理批判』の講読をとおして彼の哲学的思索を理解すること。

(2) 個別の学習目標:
哲学的思索に実際に触れてみることで、哲学は単に抽象的で難解な学問ではないことを理解すること。
授業の進め方 講読と講義を中心としながらも、時には聴講者の意見を交えて議論をする。
教科書等 <教科書>
『純粋理性批判』の当該箇所をその都度コピーして配布する。

成績評価方法 出席50% レポート50%
学習相談 演習終了後に受け付ける。
その他 対象学年:2・3・4年生
履修条件:なし

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
倫理学基礎論講義 I
講義題目:差別の考察
鹿児島大学新名 隆志
前期・集中

授業の概要  障害者差別、女性差別、性差別、年齢差別など具体的な差別問題を考察する。
 それぞれの差別に特殊な問題と論点を知り、重要な議論の検討をすることによって、個々の問題に答える説得的な思考の道筋を探る。
 また、このような特殊な問題の考察を通じて、平等、公正、自由といったより一般的で基本的な倫理学的概念についての理解と考察を深める。そのような倫理学的概念に対する従来の思考の枠組みを超えるような視座が開けることを期待している。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 倫理学の諸問題について認識を深める。
 論文を正確に読解し、批判的に検討する力を高める。
 問題について独力で思考し、主張を構築する力を身につける。
 議論の中で考察を深めていく力を身につける。

(2) 個別の学習目標:
 障害学、ジェンダー学、フェミニズム法学などにおいて、差別問題として論点となっていることを理解し、分析する。
 倫理学、政治哲学の領域における自由や平等の基本的問題を知り、それと具体的な差別問題との連関を捉える。
 様々な差別に共通する論点、また異なる論点を明確にし、差別問題全般を捉えるための見取り図を構築してゆく。
授業の進め方  それぞれの差別問題について基本的な知識と論点を概説する。
 重要と思われる論文や資料は、学生とともに読解し、議論の中で検討する。
教科書等 <教科書>
 特に指定しない。講義中に資料を配付する。

<参考図書>
 適宜紹介する。
成績評価方法  平常点40% レポートあるいは試験60%
 講義でより具体的に説明する。
学習相談  講義の前後の時間で応じる。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
倫理学基礎論講義 II
講義題目:ネオプラグマティズムの挑戦
玉川大学文学部 教授岡本 裕一朗
後期・集中

授業の概要 ネオプラグマティズム運動を歴史的に概観すると共に、その可能性を展望する。
・ネオプラグマティズムの起源
・リチャード・ローティのプラグマティズム
・ロバート・ブランダムの規範的プラグマティズム
・ジョン・マクダウェルのカント主義的プラグマティズム
・環境プラグマティズムの意義
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
倫理学の問題を現代思想との連関のもとで理解する。

(2) 個別の学習目標:
ネオプラグマティズムの考え方を知ると同時に、その問題点も理解する。
授業の進め方 ・毎回、プリントを通して講義の内容を説明した後で、質疑応答を行う。
・日本ではまだあまり紹介されていない思想も含むので、入門的な内容にする。
・抽象的な内容にならずに、具体的な議論によって進めていく。
教科書等 <教科書>
特になし。

<参考図書>
その都度指示します。
成績評価方法 出席20%、レポート80%
試験はしない。
学習相談
その他 12月に実施

教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
倫理学基礎論講義 III
講義題目:幸福の薬
教授細川亮一
前期・通常

月曜2限
授業の概要 それを飲むと幸福な夢が見られる、という薬があるとしよう。飲めばその夢から目覚めることはないし、それが夢であると気づくこともない。夢は、その薬を飲む各人(あなた)が幸福であると思う内容である。つまり飲んだ人は、その人生が終わるとき、「幸福な人生だった」と言える。あなたはそれを飲むだろうか。
この問いに各人が答えることを通して、幸福とは何かを考える。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
様々な考え方を正しく理解し位置づけた上で、自分自身で考える力を身に付けること。

(2) 個別の学習目標:
各人が幸福とは何かを考えること。
授業の進め方 幸福の薬を飲むか、飲まないかに答えるレポートを提出してもらい、そこに含まれている問題を検討する。
教科書等 <参考図書>
特になし。
成績評価方法 レポート
学習相談 オフィスアワーは月曜5限に設定するが、可能なかぎり随時相談に応じる。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特になし
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
倫理学基礎論講義 IV
講義題目:生と死
教授細川亮一
後期・通常

月曜2限
授業の概要
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
様々な考え方を正しく理解し位置づけた上で、自分自身で考える力を身に付けること。

(2) 個別の学習目標:
「生と死」を自分の問題として考えること。
授業の進め方 最初に死についての簡単なレポートを提出してもらう。そこに含まれている問題を検討する。配布資料に基づいて講義を行う。
教科書等
成績評価方法 レポート
学習相談 オフィスアワーは月曜5限に設定するが、可能なかぎり随時相談に応じる。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特になし
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
倫理学基礎論演習 I
講義題目:ハイデガーの存在論・形而上学
教授細川 亮一
前期・通常

金曜4限
授業の概要 ハイデガー『存在と時間』をテキストとして、存在論・形而上学について考察する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
テクストを正確に理解する力を身に付け、自分自身で考える力を鍛えること。

(2) 個別の学習目標:
ハイデガー『存在と時間』を西洋形而上学の光のもとで捉えること。
授業の進め方
教科書等 <教科書>
Heidegger, Sein und Zeit

成績評価方法 出席50%、レポート50%
学習相談 オフィスアワーは月曜5限に設定するが、可能なかぎり随時相談に応じる。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
倫理学基礎論演習 II
講義題目:ハイデガーの存在論・形而上学
教授細川 亮一
後期・通常

金曜4限
授業の概要 ハイデガー『存在と時間』をテキストとして、存在論・形而上学について考察する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
テクストを正確に理解する力を身に付け、自分自身で考える力を鍛えること。

(2) 個別の学習目標:
ハイデガー『存在と時間』を西洋形而上学の光のもとで捉えること。
授業の進め方
教科書等 <教科書>
Heidegger, Sein und Zeit

成績評価方法 出席50%、レポート50%
学習相談 オフィスアワーは月曜5限に設定するが、可能なかぎり随時相談に応じる。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
現代倫理思想講義 I
講義題目:メタ倫理学
講師吉原 雅子
前期・通常

金曜3限
授業の概要  倫理学で問題にすることは、特殊な事柄ではありません。所謂普通の人の普通の価値観が考察の対象となります。といってもそれは、問題のないところに問題をでっち上げているのではありません。実際問題として、私達が抱える価値や思想には対立があります。それがどういう論理構造によって生じているものか、対立の根底にあるものを探ろうという試みでもあるのです。
 私達が日常的に表明している、あるいは明確にであれボンヤリとであれ考えている道徳的見解を考察していくうちに、根本的な問題は我々の用いている言葉や概念の理解にある、ということに行きつきます。これは驚くべきことのように思われるかもしれません。人生を悲観した人が自殺をしていいか?という問題に対して、言葉がどう関係しているというのでしょうか?しかし、「善い」とか「正しい」とか、「真実である」等といった言葉の理解は、実は倫理的問題を考えるための重要な部分であり、それなしではいかなる具体的問題も完全に解明されることはありません。
 このように倫理に関する概念を明確にしていく学をメタ倫理学といいます。この講義では、メタ倫理学が倫理的問題の解明にとって本質的な部分であることを理解してもらうこと、更に、メタ倫理学の考え方にはどのようなものがあるかを知ってもらうことを目標とします。さらにそれらの考えを参考にして、倫理的問題の「答えを教えてもらう」のではなく、主体的に考え答えを見つけ出して行くコツを身に着けていって欲しいと思います。
 特に、倫理学を専門に学ぼうという人は、倫理学研究において必須となる基本概念と基本的理論について解説しますので、入門的授業として、一通り聴いていただけたらと思います。
 昨年度と内容が重複しますが、出席者の顔ぶれに応じて、アプローチの方法やクローズアップする部分を変えるなど、対応したいと思います。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
倫理的な問題の論じ方を学ぶ

(2) 個別の学習目標:
メタ倫理的観点の重要性・必要性を知ること。
道徳的主張をめぐるさまざまな議論を理解すること。同時に倫理学研究において有効な基本概念に馴染むこと
それらを通して、自分自身で主体的に論じる姿勢とコツを身に着けること
授業の進め方 基本的にはこちらが解説し、みなさんにレポートなどは課しませんが、随時みなさんの意見を聞くつもりですし、皆さんで議論していただきたいと思います。「正しい答え」はいりませんから、積極的な発言を期待します。
教科書等 特になし。必要に応じてプリントを配布します。
成績評価方法 出席はとります。また、レポートか試験を課します。
ただし、授業中や授業後の発言、質問を最重視します。
学習相談
その他 教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
現代倫理思想講義 II
講義題目:メタ倫理学
講師吉原 雅子
後期・通常

金曜3限
授業の概要 前期に引き続きメタ倫理学の講義をします。
細かな内容は受講者の顔ぶれを見て決めたいと思います。後期からの履修者が多い場合には、前期で解説したメタ倫理上の主要な立場を、前期とは違った角度から解説したいと思います。前期に続いて受講する人が多い場合は、メタ倫理学上特に影響力のあった議論を取り上げて、皆で分析することにより、前期に学んだ内容の理解を深めます。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
倫理的な問題の論じ方を学ぶ

(2) 個別の学習目標:
メタ倫理的観点の重要性・必要性を知ること。
倫理学研究に必要な基本概念に習熟すること
道徳的主張をめぐる専門的な議論を理解すること。
それらを通して、自分自身で主体的に論じる姿勢とコツを身に着けること
授業の進め方 基本的にはこちらが解説し、みなさんにレポートなどは課しませんが、随時みなさんの意見を聞くつもりですし、皆さんで議論していただきたいと思います。「正しい答え」はいりませんから、積極的な発言を期待します。
教科書等 特になし。必要に応じてプリントを配布します。
成績評価方法 レポートか試験を課します。
ただし、授業中や授業後の発言、質問を最重視します。出席はとりますが参考程度とします。
学習相談
その他 教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
現代倫理思想演習 I
講義題目:現代倫理学の諸問題
講師吉原 雅子
前期・通常

木曜4限
授業の概要  倫理学上の根本的な問題と、それに関連した哲学上の問題について、比較的新しく、やさしめの概説書を読み進めることで検討していきます。2010年度の後期に用いていたものを引き続き講読しますが、何をテーマとした章を読むかは、初回に皆さんのご意見をうかがって決めたいと思います。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
英文テキストを読む力をつけること。議論に慣れること。

(2) 個別の学習目標:
道徳的言明をめぐる問題と議論を理解すること。相手の論証の構造を分析する力、適切に答える能力を身に着けること。レジュメの作成、レポートの技術を身につけること。そして自分の興味関心をクリアーにし、自分なりの問題設定を明晰な形でできるようにすることを目指します。
授業の進め方 授業時間前半は、各回1〜2名に担当箇所をレポートしていただきます。後半は全員で議論します。
教科書等 <教科書>
Simon Blackburnの「Think」もしくは「Truth」を用いる予定です。コピーを配りますので購入の必要はありません。

成績評価方法 授業中のレポートと議論を重視します。試験や試験期間中のレポートについては皆さんと相談の上決めたいと思います。出席はとりますが、参考程度に考慮します。
学習相談
その他 対象学年:2年生、3年生、4年生

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
現代倫理思想演習 II
講義題目:現代倫理学研究
講師吉原 雅子
後期・通常

木曜4限
授業の概要  前期から引き続いての履修者が多いことを予想し、前期の演習(概説書講読)の内容を踏まえた上で、その中から皆さんの興味のある内容をピックアップし、よりテーマを絞ったやや専門的なテキストを読んでいきたいと思います。しかし後期からの履修者がいた場合でも、問題の背景や基本事項を確認することからはじめますから、後期からの履修も歓迎します。
 いずれにしても、初回にいくつかテキストを持っていきますので、その中から、要望・関心・前提知識・学年等も考慮した上で決定したいと思います。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
英文テキストを読む力をつけること。議論に慣れること。

(2) 個別の学習目標:
道徳的言明をめぐる問題と議論を理解すること。相手の論証の構造を分析する力、適切に答える能力を身に着けること。レジュメの作成、レポートの技術を身につけること。論証を組み立てる技術を身につけ、自分なりの論証を提示できるようにすること。
授業の進め方 授業時間前半は、各回1〜2名に担当箇所をレポートしていただきます。後半は全員で議論します。
教科書等
成績評価方法 授業中のレポートと議論を重視します。試験や試験期間中のレポートについては皆さんと相談の上決めたいと思います。出席はとりますが、参考程度に考慮します。
学習相談
その他

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
日本倫理思想講義 I
講義題目:仏教説話集の研究
准教授宮島 磨
前期・通常

火曜3限
授業の概要 日本倫理思想史において仏教思想がどのような役割を果たしてきたかについてはいまだ充分に究明しつくされているとはいいがたい。その理由の一端は、対象とすべきテキストが抽象的な準位の教説から民俗レヴェルのそれにいたるまできわめて多岐にわたっており、それがために、なかなか統一像を結びがたいところにある。本講義では、ひとまず説話集という形態のテキストに焦点を絞り、かつて熾烈に「仏」になることにあこがれたひとびとの痕跡と、いわば素手で取り組むことによって、その倫理思想史的意味のみならず、倫理学的意味をも自ら問うことを目的とするものである。
テキストは昨年度からの継続で『今昔物語集』(巻3より)。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日本の古代から中世にかけて、多くのひとびとが仏教と出会い、仏になることへの衝迫にとらえられたことの倫理学的意味や、説話集という形式での思想伝播の特質について考える。

(2) 個別の学習目標:
@仏の教えや仏そのものがどのような存在としてその当時のひとびとの前に立ち現れていたのか、A日本倫理思想史において仏教はどのような意義・役割を担ってきたのか(いるのか)等々を考察する。
授業の進め方 原則として当番制による輪読形式を採用しつつ、必要とあらば学生の疑問や質問に応答する恰好で、要所要所において教員が適宜コメントを施して理解や思索を促す。
教科書等 <教科書>
現段階では未定。

<参考図書>
日本倫理思想史全体にかかわる文献集としては相良亨編『日本思想史入門』(ぺりかん社)。
なお、古文・漢文・仏教史等の知識は特に前提にはしないし、学識の多寡それ自体は問題ではないが、手頃な古語辞典・仏教辞典(岩波仏教辞典など)が手元にあることが望ましい。また、そもそも日本倫理思想史がどのような学問であるかのを確認し、テキストをどのように相手取るのか等々、その手つきを学ぶには、佐藤正英著『日本倫理思想史入門』(東大出版会)が好著。蛇足ながら、仏教についてきわめて大まかなアウトラインを手っ取り早く概観するには、C.G.ワング著『仏教』(青土社 宮島訳)が便利ではある。
成績評価方法 発表内容および期末レポートによる総合評価。
学習相談 随時;要予約
その他 説話集研究としては既に数年目にはいるが、とりわけ『今昔物語集』はきわめて多面的な内容をもち、”仏教”説話集としてひと括りにはできない豊かさをそなえている。”話素”の豊富さゆえにに扱いにくい印象をもたれることを承知のうえ、初学者も臆することなく参加されたい。受講資格等は不問。

対象学年:2年生以上
履修条件:特になし。
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
日本倫理思想講義 II
講義題目:仏教説話集の研究
准教授宮島 磨
後期・通常

火曜3限
授業の概要 日本倫理思想史において仏教思想がどのような役割を果たしてきたかについてはいまだ充分に究明しつくされているとはいいがたい。その理由の一端は、対象とすべきテキストが抽象的な準位の教説から民俗レヴェルのそれにいたるまできわめて多岐にわたっており、それがために、なかなか統一像を結びがたいところにある。本講義では、ひとまず説話集という形態のテキストに焦点を絞り、かつて熾烈に「仏」になることにあこがれたひとびとの痕跡と、いわば素手で取り組むことによって、その倫理思想史的意味のみならず、倫理学的意味をも自ら問うことを目的とするものである。
テキストは前期に引き続き『今昔物語集』。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日本の古代から中世にかけて、多くのひとびとが仏教と出会い、仏になることへの衝迫にとらえられたことの倫理学的意味や、説話集という形式での思想伝播の特質について考える。

(2) 個別の学習目標:
@仏の教えや仏そのものがどのような存在としてその当時のひとびとの前に立ち現れていたのか、A日本倫理思想史において仏教はどのような意義・役割を担ってきたのか(いるのか)等々を考察する。
授業の進め方 原則として当番制による輪読形式を採用しつつ、必要とあらば学生の疑問や質問に応答する恰好で、要所要所において教員が適宜コメントを施して理解や思索を促す。
教科書等 <教科書>
現段階では未定。

<参考図書>
日本倫理思想史全体にかかわる文献集としては相良亨編『日本思想史入門』(ぺりかん社)。
なお、古文・漢文・仏教史等の知識は特に前提にはしないし、学識の多寡それ自体は問題ではないが、手頃な古語辞典・仏教辞典(岩波仏教辞典など)が手元にあることが望ましい。また、そもそも日本倫理思想史がどのような学問であるかのを確認し、テキストをどのように相手取るのか等々、その手つきを学ぶには、佐藤正英著『日本倫理思想史入門』(東大出版会)が好著。蛇足ながら、仏教についてきわめて大まかなアウトラインを手っ取り早く概観するには、C.G.ワング著『仏教』(青土社 宮島訳)が便利ではある。
成績評価方法 発表内容および期末レポートによる総合評価。
学習相談 随時;要予約
その他 説話集研究としては既に数年目にはいるが、とりわけ『今昔物語集』はきわめて多面的な内容をもち、”仏教”説話集としてひと括りにはできない豊かさをそなえている。”話素”の豊富さゆえにに扱いにくい印象をもたれることを承知のうえ、初学者も臆することなく参加されたい。受講資格等は不問。

対象学年:2年生以上
履修条件:特になし。
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
日本倫理思想演習 I
講義題目:近世日本倫理思想史の諸問題
准教授宮島 磨
前期・通常

月曜5限
授業の概要  本居宣長の研究
 近世日本の国学運動を代表する本居宣長の思想を扱う。宣長の思想は大きくは、「もののあはれ」論に結晶する前期の歌論・物語論と、『古事記伝』へとまとめ上げられるに至る後期の“生き方論”(神道論)とに分かたれるが、両者は“もののあはれ”から”真心“へという流れにおいて一貫性をもってもいる。こうした思想潮流は、もとより思想史的には、儒学の「理」、あるいは武士道における「自敬」、「矜恃」といった人間像に対するものであるが、同時に、人間理解、あるいは世界理解という準位において、いまなお倫理学として問われるべき内容を豊かにはらんでもいる。本講義では、受講者自らが直に宣長のテキストに取り組むことによって、彼の思想の奥深さを垣間見てもらえればと思う。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
(1)国学という思想運動が近世日本倫理思想史においてどのような役割をになったのかを、宣長前期の歌論・物語論から後期の生き方論を通して考えてみたい。
(2)本居宣長における人間理解のありよう、とりわけ「もののあはれ」から「真心」論へと至る存在了解の倫理学的な意味を考察する

(2) 個別の学習目標:
@ひとにとって「もののあはれ」にとらえられるとはどのような事態なのか、Aその際、どうして歌が詠み出される必要があるのか、B詠み出される歌がしかるべき様式をそなえた“巧い歌”でなければならないのはなぜか、C巧い歌を詠もうと心を砕くことは“実情”に背く行為ではないか、Dこうした「もののあはれ」論が、後期宣長において生き方論としての「真心」論へと結晶していった理路はいかなるものか等々、宣長思想の核心について考えてみたい。
授業の進め方 学生による発表・論議形式。
教科書等 <教科書>
未定。

<参考図書>
日本倫理思想史全体にかかわる文献集としては相良亨編『日本思想史入門』(ぺりかん社)。そもそも日本倫理思想史がどのような学問であるかを確認し、テキストをどのように相手取るのか、その手つきを学ぶには、佐藤正英著『日本倫理思想史入門』(東大出版会)。
演習のテーマに直接かかわるものは、相良亨『本居宣長』(東京大学出版会)
相良亨著作集4『死生観 国学』(ぺりかん社)
成績評価方法 発表内容および期末レポートによる総合評価。
学習相談 随時;要予約
その他 「死を悲しむべきこととはっきり捉えた」唯一の思想家という評価(相良亨氏)の意味をしみじみとうけとめてほしい。

対象学年:2年生以上
履修条件:特になし。

文学部
哲学コース
倫理学 専攻
専門科目 (2単位)
日本倫理思想演習 II
講義題目:近世日本倫理思想史の諸問題
准教授宮島 磨
後期・通常

月曜5限
授業の概要  本居宣長の研究
 近世日本の国学運動を代表する本居宣長の思想を扱う。宣長の思想は大きくは、「もののあはれ」論に結晶する前期の歌論・物語論と、『古事記伝』へとまとめ上げられるに至る後期の“生き方論”(神道論)とに分かたれるが、両者は“もののあはれ”から”真心“へという流れにおいて一貫性をもってもいる。こうした思想潮流は、もとより思想史的には、儒学の「理」、あるいは武士道における「自敬」、「矜恃」といった人間像に対するものであるが、同時に、人間理解、あるいは世界理解という準位において、いまなお倫理学として問われるべき内容を豊かにはらんでもいる。本講義では、受講者自らが直に宣長のテキストに取り組むことによって、彼の思想の奥深さを垣間見てもらえればと思う。
(前期の続き)
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
(1)国学という思想運動が近世日本倫理思想史においてどのような役割をになったのかを、宣長前期の歌論・物語論から後期の生き方論を通して考えてみたい。
(2)本居宣長における人間理解のありよう、とりわけ「もののあはれ」から「真心」論へと至る存在了解の倫理学的な意味を考察する

(2) 個別の学習目標:
@ひとにとって「もののあはれ」にとらえられるとはどのような事態なのか、Aその際、どうして歌が詠み出される必要があるのか、B詠み出される歌がしかるべき様式をそなえた“巧い歌”でなければならないのはなぜか、C巧い歌を詠もうと心を砕くことは“実情”に背く行為ではないか、Dこうした「もののあはれ」論が、後期宣長において生き方論としての「真心」論へと結晶していった理路はいかなるものか等々、宣長思想の核心について考えてみたい。
授業の進め方 学生による発表・論議形式。
教科書等 <教科書>
未定。

<参考図書>
日本倫理思想史全体にかかわる文献集としては相良亨編『日本思想史入門』(ぺりかん社)。そもそも日本倫理思想史がどのような学問であるかを確認し、テキストをどのように相手取るのか、その手つきを学ぶには、佐藤正英著『日本倫理思想史入門』(東大出版会)。
演習のテーマに直接かかわるものは、相良亨『本居宣長』(東京大学出版会)
相良亨著作集4『死生観 国学』(ぺりかん社)
成績評価方法 発表内容および期末レポートによる総合評価。
学習相談 随時;要予約
その他 「死を悲しむべきこととはっきり捉えた」唯一の思想家という評価(相良亨氏)の意味をしみじみとうけとめてほしい。

対象学年:2年生以上
履修条件:特になし。

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
アジア宗教思想講義 I
講義題目:ヒンディー語を通して学ぶインドの宗教・文化
准教授片岡 啓
前期・通常

火曜5限
授業の概要 ヒンディー語初級文法を楽しく学びながら,インドの宗教・文化・社会に触れる.ヒンディー語会話を学び,初等文法をマスターしたい人,そして,インドの宗教・文化・社会に親しみたい人向けの授業である.インド文字の一つであるデーヴァナーガリー文字から学び,順次,会話練習を積みながら,文法事項をマスターする.同時にインド文化について学んでいく.受講者は会話練習のため,積極的な参加を求められる.(寝ている暇はない.)特に前提となる知識は必要ではない.語学に興味のある人,インドに興味のある人であれば,自然と身につくよう進度を調整しながら進めるので安心されたい.課題練習などの宿題はあるが,決して負担になるほどの量ではない.復習・確認を兼ねる程度である.本授業は福岡(そして実は九州)でヒンディー語を学ぶほぼ唯一のチャンスである.文学部所属以外の学生も,もちろん受講歓迎である.ヒンディー語は,文字がインド系文字のため,ローマ字以外の外国語に触れたことがない人は最初戸惑うかもしれない.しかし文字を通過してしまえば決して難しい言語ではない.むしろ日本人には易しい言語である.(語順は何と日本語と同じである.)語学のドアの向こうに広がる豊饒なインド世界を皆と共有したい.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ヒンディー語初等文法をマスターする.デーヴァナーガリー文字を完全にマスターする.

(2) 個別の学習目標:
インド社会全般について,特に宗教・文化について,個々の知識を増やす.
授業の進め方 教科書に沿って進める.受講希望者は,初回授業までに教科書である『ニューエクスプレス ヒンディー語』(白水社)を各自で購入し,特に文字についての予習を進めておくこと.文字から順に沿って授業を開始し,一課毎に進んでいく.教科書については,4月頭には品薄になりやすいので,早目に購入しておくことを勧める.
教科書等 <教科書>
ニューエクスプレス ヒンディー語  町田 和彦 (著)  白水社 
(絶対に各自で購入のこと.必須.未購入者は授業参加を認めない.大学生協に無い場合は各自,近所の本屋,ネット書店などで早目に購入すること.初回授業までに準備のこと.)

成績評価方法 平常点(毎回出席を確認の上,授業への積極的参加を考慮する.課題の取り組みも評価の対象.)15分以上の遅刻は出席とみなさないので注意すること.
学習相談 授業後随時
その他 学外からの聴講は原則として認めない.

対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特にない(ヒンディー語やサンスクリット語の知識は必要ではない)
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
アジア宗教思想講義 II
講義題目:ヒンディー語を通して学ぶインド社会
准教授片岡 啓
後期・通常

火曜5限
授業の概要 ヒンディー語初級文法を楽しく学びながら,インドの宗教・文化・社会に触れる.ヒンディー語会話を学び,初等文法をマスターしたい人,そして,インドの宗教・文化について入門したい人向けの授業である.順次,会話練習を積みながら,文法事項をマスターする.同時にインド文化について学んでいく.受講者は会話練習のため,積極的な参加を求められる.(寝ている暇はない.)語学に興味のある人,インドに興味のある人であれば,自然と身につくよう進度を調整しながら進めるので安心されたい.課題練習などの宿題はあるが,決して負担になるほどの量ではない.復習・確認を兼ねる程度である.本授業は九州でヒンディー語を学ぶほぼ唯一のチャンスである.文学部所属以外の学生も,もちろん受講歓迎である.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ヒンディー語初等文法をマスターする.デーヴァナーガリー文字を完全にマスターする.

(2) 個別の学習目標:
インド社会全般について,特に宗教・文化について,個々の知識を増やす.
授業の進め方 教科書に沿って進める.
教科書等 <教科書>
ニューエクスプレス ヒンディー語  町田 和彦 (著)  白水社 

成績評価方法 平常点.15分以上の遅刻は出席とみなさないので注意すること.
学習相談 授業後随時
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:(前期相当の)初等文法を終えていること
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
インド哲学史講義 I
講義題目:インドの宗教文化
准教授片岡 啓
前期・通常

木曜2限
授業の概要 インドといえばカレー,カースト,ヒンドゥー教などなど,我々の日常に関係のあるインドと,若干の高校教科書の知識が思い起こされる.最近ではヨーガやITという単語も思い浮かぶ.ちょっと前まで,インドといえば「神秘の国」であった.そのイメージは,西洋に対する東洋の思想(理想)を体現したものである.60年代の長髪のヒッピーとくれば,インド放浪というのがパターンであった.巷にあふれる旅行記によれば,インドに行っただけで世界観が変わるらしい.(ちなみに,わたしは,十数回訪れたが,一向に世界観は変わってこない.)ビートルズが訪れたのも,ガンジス上流のヒンドゥー教の聖地リシケシュであった.日本人にとって,さらに,インドはお釈迦様の国,天竺であった.(ちなみに釈尊が生まれたルンビニーは現在のネパールである.)日本人にとってのインドは「多様」である.

本講義が扱うのは,インドの宗教,特にヒンドゥー教である.神話も扱う.シヴァは巨大なリンガ(男性器)で描かれ,怪鳥ガルーダに乗ってヴィシュヌ神は飛び回る.ブラフマー神は人妻に横恋慕.それがばれて大変な目に遭う.怪童クリシュナは刺客の魔女の乳房を吸い尽くす.そのカラフルな神話の世界は,モノクロの寺院になれた日本人には,どぎつすぎるかもしれない.シンガポールの街中で突如出くわすヒンドゥー寺院のけばけばしさと騒々しさを思い出して欲しい.

神話だけではない.ヨーガもある.そう,「神秘の国」であるインドは怪しい修行法が一杯である.『ヨーガ経』を見れば,様々な超能力が身につくとされている.中世初期のシヴァ教文献も,怪しげな修行法が満載である.現在のヨーガの直接の根源であるハタヨーガも,文献を見てみると,いろいろと怪しげな修行法が書いてあるではないか.詳しくは授業で扱いたい.

本講義では,インドの宗教・文化・美術を「いいとこ取り」で紹介する.巷の知的好奇心に応える「インド講義」が狙うところである.実社会で直接に役立つことのない文化の香る高尚なインド講義を目指す.インドに興味のある向きは参加されたい.特段,前提知識は必要ではない.(ただし最低限,インドカレーは好きであってほしい.)前提となる知識がなくとも聞けば分かるように話すつもりである.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
インドの宗教文化について、文献資料等の証拠に基づきながら理解する。「こんなことがあるらしい」という不確かな知識ではなく、「こういうことがあった」「こういうことが言える」という明快な知識と洞察を狙う。

(2) 個別の学習目標:
歴史的経緯を踏まえ、インドの独自性に注目しながらも、底に流れる「(同じ)人間の知の働き」を読み取る。つまるところ「インド人って変わってるねー」に終わることなく、「なるほどね、こういうわけね」という理解を目指す。
授業の進め方 こちらで用意するレジメ資料を用いながら講義形式で進める。寺院美術、神像については、プロジェクターも用いながら解説する。毎回,出席を取るため,感想・質問用紙を最後に配る.質問は,次週に回答するようにする.不明点については復習・再解説を行う.できるだけ学生諸君との相互のやり取りを大事にしていきたい.
教科書等 <教科書>
授業で指示する

<参考図書>
授業で指示する.本講義が扱う領域は様々な分野にまたがるが,例えば神話について知りたい向きには上村勝彦『インド神話』(ちくま学芸文庫,1200円)を推薦する.
成績評価方法 出席50%,小テスト(最終回に一回)50%の総合評価.毎回出席を確認する.小テストは,授業内容を理解しているかどうかを確認するためのものであり,授業に出席していれば容易に解答できるレベルのものである.授業で扱った各点について解説を求める記述問題である.
学習相談 授業後随時
その他 サンスクリット語の知識は必要としない

対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
インド哲学史講義 II
講義題目:インドの哲学思想
准教授片岡 啓
後期・通常

木曜2限
授業の概要 「西洋にしか哲学はありえない」というのは,西洋にしか音楽がない,というのと同じく,自らの知的興味の狭さを曝け出すだけである.インド哲学・宗教文献の中に確かに息づく精神の妙を,資料から直接に味わい共有したい.できるだけ一次資料に基づきながら,ダイレクトにインド人の思想を鑑賞する.そこに人間の思考に普遍的なパターンを見出したい.
 ひとくちに「インドの哲学」「インドの宗教」あるいは「ヒンドゥー教」といっても一枚岩ではなく,多様で雑多な宗教・学派の集合である.聖典ヴェーダに始まり,護教論的な文献群や,さらには,認識論や論理学の膨大な文献が現在に至るまで残っている.代表的な思想を概観し,いくつかについて詳細に見ていきたい.いわゆる「教科書的な思想史概説」ではなく,思想そのものについて,作者の世界をのぞき見たい.当時の「インド哲学」の実況中継ができれば幸いである.現代日本で目にすることの少ないインド哲学の世界を「少しばかり覗き見したい」という向きにお勧めの授業である.
 「なんでここまでしつこく考える必要があるのか」と思うほどにディープなインド古典哲学世界を再現したい.哲学は「役に立つ」ものではない.それは,音楽を聴いたり絵画を鑑賞しても,一銭の得にもならないのと同じである.インド哲学は中でも(現代日本においては)「役に立たない思弁」の代表とされている.現実から遊離した教学や神学,そして,認識論や論理学が,2000年以上に渡り,積み重ねられてきた.しかし,それは間違いなく,我々と同じ人間の思考が生み出したものである.現実の社会を背景に,バラモンの知的エリートが構築した思想体系であり,インド文化の華である.また,その成果を我々日本人は知らず知らず,仏教を通して吸収していたりする.言語的壁と知的固陋を乗り越え,サンスクリット文献の向こうにある人間の精神の構造に迫りたい.
 具体的には,紀元後7世紀〜9世紀のインド哲学文献を資料に,知覚などを扱う認識論(「知る」とは何か?),討論術や論証方法(どのように証明するのか,どうして煙から火があると推論できるのか?),言語哲学(言葉から意味が理解できるのはなぜか?),聖典論(なぜヴェーダは正しいのか?),主宰神論(神が世界を作ったのは絵空事ではないのか?)などを取り上げる.玄奘が留学した当時のインド絶頂期の知的世界を再現したい.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
インドの宗教・哲学の「本質」に迫る.

(2) 個別の学習目標:
資料から何がいえるのか,思想史構築の方法を学ぶ.
授業の進め方 こちらで用意したレジメ資料に基づきながら講義形式で進める.
教科書等 こちらで用意した資料を用いるので、特定の教科書を用いることはしない。しかし、通常の「教科書的」なインド思想史が知りたい向きには、以下の『インド思想史』を薦めておく。
<教科書>
特になし

<参考図書>
『インド思想史』東京大学出版会。
成績評価方法 出席50%,小テスト(最終回に一回)50%の総合評価.毎回出席を確認する.小テストは,授業内容を理解しているかどうかを確認するためのものであり,授業に出席していれば容易に解答できるレベルのものである.授業で扱った各論点について解説を求める記述問題である.
学習相談 授業後随時
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
インド哲学史演習 III
講義題目:ジャイナ教のアートマン存在論証
筑紫女学園大学 准教授宇野 智行
前期・通常

金曜3限
授業の概要 9世紀の白衣派ジャイナ学僧ハリバドラ・スーリによる『ダルマ・サングラハニ』の,アートマン存在論証部分を講読する.なお『ダルマ・サングラハニ』本文はプラークリット韻文であるため,マラヤギリ(12世紀)によるサンスクリット散文注釈『ティーカー』を合わせて講読する.
『ダルマ・サングラハニ』では約120詩節に渡って,精神的実在であるアートマンの存在を否定する唯物論者の学説が批判されており,当時の唯物論を知る重要な手がかりであるにも関わらず,従来近代語に翻訳されることがなかった.また,『ティーカー』には唯物論やジャイナ教のみならず,数多くの他学派の典籍が引用されており,インド哲学思想の百科事典とも言いうる資料となっている.これらをつぶさに読解することにより,古代インドの自我論の解説を行う.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
唯物論者およびジャイナ教における人間観・生命観を理解することができる.

(2) 個別の学習目標:
・唯物論者のアートマン否定の論理を理解する.
・ジャイナ教におけるアートマン観を理解する.
・両者による議論の応酬から,アートマンに関わる否定論証,存在論証の方法論を理解する.
授業の進め方 『ダルマ・サングラハニ』および『ティーカー』の翻訳を発表してもらい,検討・解説する.
教科書等 <教科書>
Dharmasamgrahani, Vol.1. Shresti Devacandra Lalbhai Jaina Pustakoddhara Fund Series 39, Bombay: Devacandra Lalbhai Jaina Pustakoddhara, 1916.

<参考図書>
授業中に指示する.
成績評価方法 出席状況(30%)と毎回の翻訳発表(70%)により評価する.
学習相談 授業後に相談を受ける.
その他 対象学年:3年生 4年生
履修条件:梵語初歩を履修していることが望ましい.ただし必須条件ではない.
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
インド哲学史演習 IV
講義題目:インド論理学研究
准教授片岡 啓
後期・通常

月曜5限
授業の概要 ニヤーヤ学派の綱要書を読む.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
サンスクリット文献の読み方をマスターする。

(2) 個別の学習目標:
文法事項を確認しながらサンスクリット文献の正確な読みを期する。文献特有の術語と発想法に習熟する。
授業の進め方 出席者全員による輪読。
教科書等 <教科書>
授業で指示.

<参考図書>
授業で指示.
成績評価方法 平常点により評価する。
学習相談 授業後随時。
その他 履修条件:初等文法を終えていること
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
仏教史講義 I
講義題目:インド論理学研究
准教授片岡 啓
前期・通常

月曜5限
授業の概要 ニヤーヤ学派の綱要書を読む.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
初等文法を確認しながら、サンスクリット文献の正確な読み方を身につける。

(2) 個別の学習目標:
サンスクリットの思考方法に習熟する。
授業の進め方 出席者全員による輪読。
教科書等 <教科書>
授業で指示する。

<参考図書>
授業で指示する。
成績評価方法 平常点による。
学習相談 授業後随時。
その他 対象学年:3年生 4年生
履修条件:サンスクリット初級文法を終えていること
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
仏教史講義 II
講義題目:中観派研究
准教授片岡 啓
後期・通常

月曜4限
授業の概要 中観派の基礎的文献を読む.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
初等文法を確認しながら、サンスクリット文献の正確な読み方を身につける。

(2) 個別の学習目標:
サンスクリットの思考方法に習熟する。
授業の進め方 出席者全員による輪読。
教科書等 <教科書>
授業で指示する。

<参考図書>
授業で指示する。
成績評価方法 平常点による。
学習相談 授業後随時。
その他 対象学年:3年生、4年生
履修条件:サンスクリット語文法を終えている事
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
仏教学演習 I
講義題目:仏伝文学と大乗仏教
鹿児島国際大学大学院 教授外薗 幸一
前期・集中

授業の概要  仏陀釋尊の伝記文学としての「仏伝文学」は、人間としてのゴータマ・シッダールタが現世において悟りを得て仏陀となったこと(成仏)の因由を多面的な視点から考察する文献群である。そのなかには、現世での釋尊の言行に焦点をあてるもの、前世での精進努力に注目するもの、自利的修行よりも利他的修行を重視するもの、仏陀の永遠性に着目して釋尊から人間的具象性を剥奪しようとするものなど、多種多様な文献が含まれている。これらの仏伝文献を思想的に分析すると、その中には大乗仏教の核心となった諸種の思想の起源を見いだすことができる。
 本講義においては、以上のような観点から、仏伝文学と大乗仏教との思想的連関を考察の中核におきながら、菩薩、六波羅蜜、十地、授記、誓願、廻向、方便などの思想を取りあげる。それら、大乗仏教の核心的思想が、仏伝文学のなかにどのような経緯で胚胎し、展開し、大乗の中核的思想へと発展していったのか、ということについて学習する。
 なお、大乗仏伝経典ラリタヴィスタラについての文献学的考察をも講義のなかに取り入れる。特に、その第18章についてレフマン編の既刊テキストを対照しながら、逐語的に原文の批判的校訂の作業を行なう。
学習目標 仏伝文学についての概要と、その歴史的な位置づけについて把握する。そのなかに含まれる、「仏陀観の展開過程」に隠された仏教自身の思想的変遷について理解する。大乗仏教を思想的に把握するうえで仏伝文学が占める位置の重要性を認識する。
(1) 全般的な教育目標:
大乗仏教とはどのような特質を持つ仏教であり、それが発生してきた経過の思想的展開はどのようなものであったかを全般的に考察し、理解する。

(2) 個別の学習目標:
大乗仏伝経典ラリタヴィスタラの原文校訂の方法や和訳の仕方、それらの作業にともなう問題点などについて、教員と学生とが共同学習しながら、考察を深める。
授業の進め方 講義のための自製テキストを用意します。そのテキストを講読しながら、質問や対話をまじえ、理解度を確かめながら授業を進めます。テキストの朗読は基本的に受講学生にしていただきます。
教科書等 教科書はありません。
<参考図書>
外薗幸一『ラリタヴィスタラの研究 上巻』(大唐出版社、平成6年)
成績評価方法 出席点50%、レポート提出40%、平常点10%で成績評価をします。
学習相談 集中講義ですので、講義期間の毎日の終わりの時間を活用して、学習相談に応じます。
その他 集中講義日程(予定)は8月2日(火)から5日(金)です。

教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
仏教学演習 IV
講義題目:阿弥陀経の原典解読
浄土真宗誓行寺 住職阿 理生
後期・通常

金曜2限
授業の概要 仏教は八万四千の法門といわれるほどに、種々の機会や人々の機根(能力)に応じて、多種多様の思想と実践とを実に豊かに包容している。それら法門の根底にはいずれも、人生の苦悩への直視とそれからの超克(智慧と修行)が示されている。今回の授業で触れてみたいのは、大乗仏教に属する『阿弥陀経』である。この経は浄土の法門であり、いわゆる浄土教の拠り所である所依(しょえ)の経の一つである。歴史的に東アジアでは最もよく読まれてきた経の一つであり、その名を知らない者はいないと言ってよい。この経に対する解説や解釈は古来おびただしいものがある。その原典であるサンスクリット本が現存しているので、漢訳やチベット訳とも対照しながら解読していきたい。言語学的・思想的な問題点に関しての従来の学説にも充分に目を向けながら、文献学的に正確に文脈をたどっていきたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
人間の普遍的課題である人生苦の克服・解脱が、仏教の浄土教では具体的にどのように示されるのかを理解し、インド哲学における仏教の独自性がどこにあるのかを知る。

(2) 個別の学習目標:
仏教思想史における『阿弥陀経』の位置付けとその意義を知ること。その経の個々の術語の意味を的確に理解し、そして文法的にも梵文が正確に読めるようになること。。梵文とチベット訳・漢訳との対照による解読法に慣れ親しむこと。
授業の進め方 初回は文献学上の解説をなし、第2回目から解読を進める。必ず予習を必要とする。漢訳とチベット訳も対照しながら読んでいく。
教科書等 <教科書>
Sukhavati Vyuha,ed.by Max Muller and B.Nanjio,Anecdota Oxoniensia,Aryan Series,Vol.T,Pt.U,Oxford 1883. 北畠利親編著『梵蔵漢対照 仏説阿弥陀経 訳注』永田文昌堂 平成18(2006)。後者はコピーではなく、本を各自入手するのが望ましい。

<参考図書>
中村元・紀野一義『浄土三部経 上・下』岩波文庫ワイド版。 その他は授業中に必要に応じて、そのつど指示する。
成績評価方法 平常の授業における予習と発表の熱心さ及び理解度によって評価する。出席率にも関わる。
学習相談 毎授業後に受け付ける。
その他 対象学年:学部 3年生 4年生
履修条件:サンスクリット語初級の履修

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
インド文献学基礎演習 I
講義題目:サンスクリット基礎文献講読
有明工業高等専門学校 教授山口 英一
前期・通常

木曜3限
授業の概要 この授業はサンスクリット中級を履修した学生が継続して受講する科目として設定している。一般に語学修得には辞書の使用が不可欠だが,サンスクリットの場合には辞書を使いこなせるようになるまでには相当の文法知識を必要とする。そのためサンスクリット中級ではランマン著『サンスクリット読本』(Lanman : Sanskrit Reader)を利用し、「ナラ王物語」を購読したはずである。
この「インド文献学基礎演習 I 」では、サンスクリットの読解力を段階的に発展させるためLanman : Sanskrit Readerを使用した購読を継続する。説話物語「ヒトーパデーシャ」、「カターサリットサーガラ」、ダルマ文献の代表「マヌ法典」、さらに可能であればヴェーダ文献まで読み進み、参考書としてあげた2冊とともに利用することでサンスクリット語の読解力を養成していく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
この授業では基本的サンスクリット文法の習得者を対象に,実際のテキストの講読を通じて,細かい文法事項と語彙、統語法を学ぶ。英語・ドイツ語などによる翻訳・研究文献を参照しながら、種々の分野のサンスクリット文献に関する基本的知識、インド思想史全般に関わる知識などを身につけていく。
最終的に実際のサンスクリット文献を辞書を使って独力で読解するために必要な能力の獲得を目標とする。

(2) 個別の学習目標:
授業での使用テキストは語彙や語註を含むものだが、中級で学んだ「ナラ王物語」以降の撰文はかなり難易度が上がっており、サンスクリット文献の読解力養成のためには非常に優れた読本である。実際の文献読解につながる基礎力を養成するため、このテキストを自分で読み進める中で生じた疑問点を、いくつかの文法書を利用しながら解決し、独力で読み進められるようになることを目標とする。
授業の進め方 毎回の授業は受講生がテキストを読み進め、それに解説を加える形で進める。毎回かなりの量の予習が必要となるが,その過程がまさにサンスクリット語読解の作業そのものであり、古代インドの文化を自分の力で直接読みとる醍醐味でもある。「原典研究」の基本的な方法と取り組み姿勢を習得して欲しい。
なお使用するテキスト類は、すべて英語であるが、授業は日本語で行う。
教科書等 <教科書>
Charles Rockwell Lanman: A Sanskrit Reader, Text and Vocabulary and Notes, 1996(1884 1st), Delhi.

<参考図書>
J. S. Speijer: Sanskrit Syntax, Delhi 1998(1886 1st).
William Dwight Whitney: Sanskrit Grammar, Delhi 1997(reprint of 1924, 1879 1st).
成績評価方法 筆記試験は行わない。毎回の予習実施状況、授業中の取り組み、その成果を元に成績評価する。
学習相談 電子メールで受け付ける。下記アドレスへ連絡して欲しい。
guccie[at]ariake-nct.ac.jp (NETではなくNCT = National College of Technology)
[at]を@に変更して送信すること。
その他 初回から購読を進めていくので,受講希望者は「開講前に」インド哲学史研究室に連絡すること。

対象学年:3年生 4年生
履修条件:サンスクリット中級を履修した者。あるいは同等の学力を有する者。
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
インド哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
インド文献学基礎演習 II
講義題目:『ヴェーターラ鬼二十五話』を読む
九州龍谷短期大学 講師原田 泰教
後期・通常

金曜3限
授業の概要 ジャンバラダッタの『ヴェーターラ鬼二十五話』を読む。本書はサンスクリットで書かれたインドの散文説話集であり、その書名の通り、全部で25の説話からなる。本書を一話ずつ読解してゆく。ジャンバラダッタの年代は16世紀より若干以前と推測され、比較的新しい作品であるが、サンスクリットに慣れ、インドの説話を垣間見るにはよいテキストである。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 サンスクリットの文学に親しむことにより、インドの文化や文学についての理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
・サンスクリット語の語彙力の向上を目指す。
・サンスクリット語の様々な活用を判断できるようになる。
・説話を読解することにより、インド文学の特徴が理解できる。
授業の進め方 サンスクリットで書かれた原文を、英訳を参考にしながら翻訳してもらいます。必ず予習をして、和訳を用意してきてください。
教科書等 <教科書>
M. B. Emeneau, Jambhaladatta's Version of the Vetalapancavinsati, a critical sanskrit text in transliteration, with an introduction, and english translation, American Oriental Series, vol.4, 1934.

成績評価方法 授業での参加・発表状況を元に評価します。
学習相談 授業後、随時受け付けます。
その他 対象学年:3年生 4年生
履修条件:サンスクリット語の初級・中級を終えていること
教職(社会)(公民)

文学部
哲学コース
中国哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
アジア宗教思想講義 III
講義題目:鬼神論の研究
教授柴田 篤
前期・通常

金曜2限
授業の概要 「鬼神」は古代以来、中国哲学史上重要な概念の一つである。本講義では、特に近世儒学思想史の中で、「鬼神」という概念がどのように捉えられてきたのかということについて、具体的な資料に即して検討と説明を行っていく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国思想史の重要な概念について正確な理解が得られるようにすること。 

(2) 個別の学習目標:
「鬼神」を初めとする中国近世思想史の問題点について関心を持ち、正確な知識を有するようになること。
授業の進め方 原典資料等をプリントして配布、検討・説明を行っていく。
教科書等 <教科書>
<参考図書>
<教科書>
特に使用しないが、原典については授業中にプリント配布する。

<参考図書>
授業中に適宜紹介をする。
成績評価方法 学期末に筆記試験(持ち込み不可)を行い、講義内容の理解度と思考力をみて、総合的に評価を行う。
学習相談 授業終了後に受け付ける。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:特になし

文学部
哲学コース
中国哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
アジア宗教思想講義 IV
講義題目:鬼神論の研究
教授柴田 篤
後期・通常

金曜2限
授業の概要 「鬼神」は古代以来、中国哲学史上重要な概念の一つである。本講義では、特に近世儒学思想史の中で、「鬼神」という概念がどのように捉えられてきたのかということについて、具体的な資料に即して検討と説明を行っていく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国思想史の重要な概念について正確な理解が得られるようにすること。 

(2) 個別の学習目標:
「鬼神」を初めとする中国近世思想史の問題点について関心を持ち、正確な知識を有するようになること。
授業の進め方 原典資料等をプリントして配布、検討・説明を行っていく。
教科書等 <教科書>
<参考図書>
<教科書>
特に使用しないが、原典については授業中にプリント配布する。

<参考図書>
授業中に適宜紹介をする。
成績評価方法 学期末に筆記試験(持ち込み不可)を行い、講義内容の理解度と思考力をみて、総合的に評価を行う。
学習相談 授業終了後に受け付ける。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:特になし

文学部
哲学コース
中国哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
中国哲学史講義 I
講義題目:宋代思想概説
准教授南澤良彦
前期・通常

木曜3限
授業の概要 中国宋時代の思想史を主に思想家別に概観する。
取り上げる思想家は次の通り:
周敦頤(しゅう・とんい)
程(てい・こう)
程頤(てい・い)
范仲淹(はん・ちゅうえん)
歐陽脩(おうよう・しゅう)
邵雍(しょう・よう)
司馬光(しば・こう)
王安石(おう・あんせき)
蘇軾(そ・しょく)
張載(ちょう・さい)
朱熹(しゅ・き)
これらの思想家を重要度に応じて1回〜数回の時間数をかけて論じ、適宜思想史上の位置づけ作業を挟み、トータルで宋代思想の特質を俯瞰する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国宋時代の思想の概略を理解してもらいたい。

(2) 個別の学習目標:
思想家ごとの要点を把握してもらいたい。
授業の進め方 講義形式。板書・資料配付を行うが、教科書を持参し適宜参照することを前提とする。
教科書等 <教科書>
『概説中国思想史』(ミネルヴァ書房)

<参考図書>
授業内で紹介する。
成績評価方法 出席30%,レポート70%
学習相談 授業終了後等、随時受け付ける。また、オフィスアワーを設定しているので、利用してもらいたい。
その他 教職(国語)

文学部
哲学コース
中国哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
中国哲学史講義 II
講義題目:明代思想概説
准教授南澤良彦
後期・通常

木曜3限
授業の概要 中国明時代の思想史を主に思想家別に概観する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国明時代の思想の概略を理解してもらいたい。

(2) 個別の学習目標:
思想家ごとの要点を把握してもらいたい。
授業の進め方 講義形式。板書・資料配付を行うが、教科書を持参し適宜参照することを前提とする。
教科書等 <教科書>
『概説中国思想史』(ミネルヴァ書房)

<参考図書>
授業内で紹介する。
成績評価方法 出席30%,レポート70%
学習相談 授業終了後等、随時受け付ける。また、オフィスアワーを設定しているので、利用してもらいたい。
その他 教職(国語)

文学部
哲学コース
中国哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
中国哲学史講義 III
講義題目:『春秋』と古代中国思想史
佐賀大学文化教育学部 教授近藤 則之
後期・通常

木曜5限
授業の概要 『春秋』をめぐる、特に先秦から漢代初期に至るまでの思想史的諸問題を紹介しつつ、その解決を試みる。今回は主に春秋の経典化の問題を中心として、次のような事柄について見ていく。
1、『春秋』の文献批判
2、先秦期の『春秋』について
3、孟子と『春秋』
4、荀子と『春秋』
5、孔子『春秋』著作説の成立について
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
『春秋』という経典の特殊性を理解することを通じて、儒教の思考様式、中国思想史あるいは中国文化をより高度により多角的に理解する。

(2) 個別の学習目標:
『春秋』という経典の基本的性格や春秋学独特の用語を理解した上で、孔子『春秋』著作説(『春秋』は孔子の著述であるという伝説)がいつどのような経緯によって出来上がったかを見、そのことの思想史的意義を考え、戦国、秦漢期の思想史、特に儒教思想史に関する理解を深める。
授業の進め方 当方で準備した資料をもとに、講義形式で進める。
教科書等 <教科書>
特定のものは使用しない。

<参考図書>
授業中に紹介する。
成績評価方法 レポート100%
学習相談 授業の前後等、随時受け付ける。
その他 教職(国語)

文学部
哲学コース
中国哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
中国哲学史演習 I
講義題目:尚書正義講読
准教授南澤良彦
前期・通常

月曜5限
授業の概要 『尚書正義』を漢文訓読形式で講読する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
『尚書正義』に見られる経学上の議論を理解する。

(2) 個別の学習目標:
漢文訓読法の熟達に努める。
授業の進め方 原典資料をコピーして使用する。担当者は、授業前に資料を作り、配布する。
教科書等 <教科書>
『十三経注疏』

成績評価方法 平素の成績による。読解力・思考力、及び資料作成の度合いを見て、総合的に判断する。
学習相談
その他 教職(国語)

文学部
哲学コース
中国哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
中国哲学史演習 II
講義題目:尚書正義講読
准教授南澤良彦
後期・通常

月曜5限
授業の概要 『尚書正義』を漢文訓読形式で講読する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
『尚書正義』に見られる経学上の議論を理解する。

(2) 個別の学習目標:
漢文訓読法の熟達に努める。
授業の進め方 原典資料をコピーして使用する。担当者は、授業前に資料を作り、配布する。
教科書等 <教科書>
『十三経注疏』

成績評価方法 平素の成績による。読解力・思考力、及び資料作成の度合いを見て、総合的に判断する。
学習相談
その他 教職(国語)

文学部
哲学コース
中国哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
中国哲学史演習 V
講義題目:宋明儒学史関係資料研究
教授柴田 篤
前期・通常

火曜3限
授業の概要 宋明時代儒学思想に関する原典資料の詳細な読解を通して、そこで議論されている様々な問題について考察する。
学習目標 (1)全般的な教育目標
宋明思想の特質に関する理解を深めることを目標とする。
(2)個別の学習目標

授業の進め方 原典資料をコピーして使用する。担当者は、授業前に資料を作り、配布する。
教科書等 <教科書>
<参考図書>
成績評価方法 平素の成績による。読解力・思考力、及び資料作成の度合いを見て、総合的に判断する。
学習相談
その他 対象学生:限定しない
対象学年:2年生以上
履修条件:漢文読解の基礎的知識を有することが望ましい。

文学部
哲学コース
中国哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
中国哲学史演習 VI
講義題目:宋明儒学史関係資料研究
教授柴田 篤
後期・通常

火曜3限
授業の概要 宋明時代儒学思想に関する原典資料の詳細な読解を通して、そこで議論されている様々な問題について考察する。
学習目標 (1)全般的な教育目標
宋明思想の特質に関する理解を深めることを目標とする。
(2)個別の学習目標

授業の進め方 原典資料をコピーして使用する。担当者は、授業前に資料を作り、配布する。
教科書等 <教科書>
<参考図書>
成績評価方法 平素の成績による。読解力・思考力、及び資料作成の度合いを見て、総合的に判断する。
学習相談
その他 対象学生:限定しない
対象学年:2年生以上
履修条件:漢文読解の基礎的知識を有することが望ましい。

文学部
哲学コース
中国哲学史 専攻
専門科目 (2単位)
中国文献学基礎演習 I
講義題目:中国思想史研究法‐基礎篇
佐賀大学文化教育学部 教授近藤 則之
前期・通常

木曜5限
授業の概要 初めに中国思想史の文献を読む上で必要となる漢字の音訓に関する事柄、漢文法の基礎的事項、辞書の活用法についての説明を行い、続いて、安井息軒の『論語集説』をテキストとしてこれを講読し、これによって漢文訓読法の基礎を習得する。受講者は交代で予め指定された範囲内について、その訓みと口語訳を考え、授業でそれを発表し、教授者の批正を受ける。その際、教授者は漢文訓読上の留意点を適宜指摘する。その後、受講者の上達状況を見ながら、訓読と口語訳の作業に加え、テキスト内(特に註釈)に引用された文章の典拠を提示することを求めることとする。それに当たっては、図書館に赴いて、その典拠文献を借り出し、その文献の著者や概要を調べるというような作業も求める。また、授業を進めるに当たって、適宜、中国思想史研究上、基礎となる参考文献の紹介も行っていく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国思想史研究のために必須の基礎知識を獲得する。

(2) 個別の学習目標:
漢文訓読法をマスターし、併せて、中国古典の分類法や探査法等の習得、述語等の理解も目指す。
授業の進め方 テキスト・資料ともに当方でプリントを準備する。初めの3コマ程度は、講義形式によって進めるが、その後はテキストの講読を中心とし、受講者の発表を軸に進める。
教科書等 <教科書>
安井息軒撰『論語集説』(プリントを準備する)

<参考図書>
藤堂明保著『漢語と日本語』(秀英社)・柳町達也編『漢文読解事典』角川書店・小川環樹等著『漢文入門』岩波全書・小林勝人訳『孟子』(岩波文庫)
成績評価方法 出席20% 試験80%
学習相談 授業の前後、随時行う。
その他 教職(国語)

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 I
講義題目:東南アジアにおける「美術」の誕生
教授後小路 雅弘
前期・通常

火曜4限
授業の概要  西洋近代の制度としての「美術」が、東南アジア諸国において、どのように生まれ、成長していったのかを、前期は、主にインドネシアとフィリピンを対象に考察し、後期は、シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイを対象に考察する。時間的には、1920年代から60年代が対象となる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
東南アジア諸国において、美術がいかに制度として定着していったのかについて理解する。

(2) 個別の学習目標:
1.東南アジア近代美術の基本的な問題について理解を深める。
2.東南アジア近代美術の主要な作家・作品について知る。
3.それぞれの国の共通性と国ごとの相違について考える。
4.美術を生み出す基盤となる社会や歴史を理解し、美術作品との関係について考える。
授業の進め方 講義形式。また理解を促すため、できるだけ多く画像を用い、具体的な美術作品のイメージを持てるようにする。
教科書等 <参考図書>
展覧会図録『東南アジア─近代美術の誕生』 福岡市美術館 1997年
成績評価方法 試験
学習相談
その他 福岡市には福岡アジア美術館があり、東南アジア近代美術を歴史的にたどることができる世界にひとつしかない良質のコレクションがあります。できるだけ、観覧し、親しむようにしてください。

対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 II
講義題目:東南アジアにおける「美術」の誕生
教授後小路 雅弘
後期・通常

火曜4限
授業の概要  西洋近代の制度としての「美術」が、東南アジア諸国において、どのように生まれ、成長していったのかを、前期は、主にインドネシアとフィリピンを対象に考察し、後期は、シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイを対象に考察する。時間的には、1920年代から60年代が対象となる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
東南アジア諸国において、美術がいかに制度として定着していったのかについて理解する。

(2) 個別の学習目標:
1.東南アジア近代美術の基本的な問題について理解を深める。
2.東南アジア近代美術の主要な作家・作品について知る。
3.それぞれの国の共通性と国ごとの相違について考える。
4.美術を生み出す基盤となる社会や歴史を理解し、美術作品との関係について考える。
授業の進め方 講義形式。また理解を促すため、できるだけ多く画像を用い、具体的な美術作品のイメージを持てるようにする。
教科書等 <参考図書>
展覧会図録『東南アジア─近代美術の誕生』 福岡市美術館 1997年
成績評価方法 試験
学習相談
その他 福岡市には福岡アジア美術館があり、東南アジア近代美術を歴史的にたどることができる世界にひとつしかない良質のコレクションがあります。できるだけ、観覧し、親しむようにしてください。

対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 V
講義題目:ヴェネツィア−都市と美術
准教授京谷啓徳
前期・通常

火曜2限
授業の概要 多くの歴史文化遺産が残るイタリアでは、それぞれの都市が、町全体として一つの美術館・博物館になっているといっても過言でない。本講義では、そのようなイタリア諸都市のなかでも、ひときわ特殊な成り立ちと美しさを有するヴェネツィアを取り上げる。本学期はヴェネツィアの都市と建築を扱う。おおむね以下のような内容になる予定である。
1.イントロダクション
2.ヴェネツィアの誕生
3.ヴェネツィア−運河、道、広場
4.サン・マルコ聖堂とドゥカーレ宮殿
5.カナル・グランデと大邸館
6.ヴェネツィアの聖堂
学習目標 都市と美術の関係について考える。
授業の進め方 スライドと配布資料を用いる。
教科書等 講義中に指示する。
成績評価方法 筆記試験もしくはレポートによる。
学習相談 オフィス・アワーを金曜3限に設定している。
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 VI
講義題目:ヴェネツィア派の絵画
准教授京谷啓徳
後期・通常

火曜2限
授業の概要 多くの歴史文化遺産が残るイタリアでは、それぞれの都市が、町全体として一つの美術館・博物館になっているといっても過言でない。本講義では、そのようなイタリア諸都市のなかでも、ひときわ特殊な成り立ちと美しさを有するヴェネツィアを取り上げる。本学期は、イタリア絵画史上に重要な一角を占めるヴェネツィア派の絵画について論じる。おおむね以下のような内容になる予定である。
1.イントロダクション
2.ヴェネツィア派の絵画(15世紀):ベッリーニ一族、カルパッチョ
3.ヴェネツィア派の絵画(16世紀):ジョルジョーネ、ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレット
4.ヴェネツィア派の絵画(18世紀):ティエポロ、カナレット、ロンギ
5.ヴェネツィアを描いた外国人画家たち
学習目標 ヴェネツィア派の絵画について理解する。
授業の進め方 スライドと配布資料を用いる。
教科書等 講義中に指示する。
成績評価方法 筆記試験もしくはレポートによる。
学習相談 オフィス・アワーを金曜3限に設定している。
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 IX
講義題目:見えないものへの美学
准教授東口 豊
前期・通常

金曜3限
授業の概要 2011年3月11日を境に、私たちをめぐる状況は一変した。イマジネーションを覆い隠して来たことによる帰結が、感覚的知覚を超えたところに広がる危機をもたらし、これまでかりそめにも通用して来たと思いなしていた様々なシステムが最早意味をなさないことを告げ知らせる事態の連鎖が目の前にある。
感覚的知覚と感性を主題として構想された美学(=感性学)はこの様な事態に何を思考し、何を語りうるのか。3.11以後の世界を再興・再考するために、美学的な立場から「見えないもの」を思考することから始めたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
美学史的な知識を理解しつつ、さらにそこから現在の我々の立場で何を考え、何を発言できるのかを学んでいく。

(2) 個別の学習目標:
個別的かつ具体的体験から哲学的思索への展開を実践する。
授業の進め方 単に一方向に講義するのではなく、時折参加者にこちらから質問などをしながら、議論を進めていく。
教科書等 <教科書>
授業中に指示する

<参考図書>
授業中に指示する
成績評価方法 学期末にレポート課題を提出してもらう
学習相談 随時メール(yutaka@lit.kyushu-u.ac.jp)にて質問・相談等に応じます。
その他 特になし

対象学年:2・3・4年生
履修条件:特になし
教職(社会)(公民)

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 X
講義題目:音楽的、あるいは聴覚的存在論への試論
准教授東口 豊
後期・通常

金曜3限
授業の概要
学習目標
授業の進め方
教科書等
成績評価方法
学習相談
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(公民)

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 XIII
講義題目:日本の中の東アジア―杭州をめぐる南宋絵画―
教授井手 誠之輔
前期・通常

金曜2限
授業の概要 日本には、中世以来、中国の宋元時代、朝鮮の高麗時代に制作された仏画が舶載され、今もかなりの作品が現存している。これらの作品群は、日中の美術史の狭間で、いわば境界領域に周縁化され、その国籍や美術史上の位置づけも論者によって異なる場合がある。
この授業では、とくに南宋の都杭州で制作された絵画全般について考えていく。従来、南宋の都杭州の絵画については、宮廷の世俗画と禅宗における水墨画を中心に論じられてきたが、この授業では、全学期まで考察してきた南宋の杭州で制作された可能性の高い着色系の仏画を南宋絵画史の中に位置づけるための作業として、日本に伝来する禅宗系の頂相や水墨画、南宋の宮廷絵画について検討を加え、杭州をめぐるさまざまな場と人とモノとの関係性のなかで、南宋の都杭州で制作された絵画の多様な様相を探ることにする。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
美術史学は、造られたモノである作品と人との対話を前提とする。対話の相手は、寡黙であるが、じつは歴史の証言者である。それでは作品との対話は如何に実践しうるのか。人との対話で発生するおなじ問題が、美術史学の解釈にも介在している。教養や知識の蓄積だけでなく、物事を等身大の問題として考え、それを実践していく力を培ってほしい。

(2) 個別の学習目標:
杭州で制作されたさまざまな絵画作品を視覚的かつ歴史的に理解する。一方、異国の絵画が日本に伝来してきたことに起因するさまざまな制度を検証していく中で、今日的課題となっている他者・異文化理解という観点の重要性を具体的に喚起していきたい。
授業の進め方 杭州で制作された絵画作品を詳細に観察し、中国や日本、あるいは高麗の作品等と比較検討する。適宜、経典、地方誌、地図・絵図、参考図版等の資料を配布し、作品に付随するさまざまなコンテクストを浮かび上がらせる。
教科書等 <参考図書>
井手誠之輔『日本の宋元仏画』日本の美術418号(至文堂、2001年)
小川裕充・井手誠之輔共編『故宮博物院A 南宋の絵画』(2005年3月)
成績評価方法 試験100%。ただし、試験問題は、授業に出席しないと回答できない内容を課す。
学習相談 オフィスアワーにて対応する。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 XIV
講義題目:日本の中の東アジア―杭州をめぐる南宋絵画―
教授井手 誠之輔
後期・通常

金曜2限
授業の概要 日本には、中世以来、中国の宋元時代、朝鮮の高麗時代に制作された仏画が舶載され、今もかなりの作品が現存している。これらの作品群は、日中の美術史の狭間で、いわば境界領域に周縁化され、その国籍や美術史上の位置づけも論者によって異なる場合がある。
この授業では、とくに南宋の都杭州で制作された絵画全般について考えていく。従来、南宋の都杭州の絵画については、宮廷の世俗画と禅宗における水墨画を中心に論じられてきたが、この授業では、全学期まで考察してきた南宋の杭州で制作された可能性の高い着色系の仏画を南宋絵画史の中に位置づけるための作業として、日本に伝来する禅宗系の頂相や水墨画、南宋の宮廷絵画について検討を加え、杭州をめぐるさまざまな場と人とモノとの関係性のなかで、南宋の都杭州で制作された絵画の多様な様相を探ることにする。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
美術史学は、造られたモノである作品と人との対話を前提とする。対話の相手は、寡黙であるが、じつは歴史の証言者である。それでは作品との対話は如何に実践しうるのか。人との対話で発生するおなじ問題が、美術史学の解釈にも介在している。教養や知識の蓄積だけでなく、物事を等身大の問題として考え、それを実践していく力を培ってほしい。

(2) 個別の学習目標:
杭州で制作されたさまざまな絵画作品を視覚的かつ歴史的に理解する。一方、異国の絵画が日本に伝来してきたことに起因するさまざまな制度を検証していく中で、今日的課題となっている他者・異文化理解という観点の重要性を具体的に喚起していきたい。
授業の進め方 杭州で制作された絵画作品を詳細に観察し、中国や日本、あるいは高麗の作品等と比較検討する。適宜、経典、地方誌、地図・絵図、参考図版等の資料を配布し、作品に付随するさまざまなコンテクストを浮かび上がらせる。
教科書等 <参考図書>
井手誠之輔『日本の宋元仏画』日本の美術418号(至文堂、2001年)
小川裕充・井手誠之輔共編『故宮博物院A 南宋の絵画』(2005年3月)
成績評価方法 試験100%。ただし、試験問題は、授業に出席しないと回答できない内容を課す。
学習相談 オフィスアワーにて対応する。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 XIX
講義題目:メディア芸術論
関西学院大学文学部 教授加藤 哲弘
前期・集中

授業の概要 8日(月)メディア芸術論
9日(火)物語の視覚表現(連続式物語叙述)
10日(水)美術館見学
11日(木)世界の視覚的物語表現(異時同図法、マンガと絵本)
12日(金)まとめと試験
(以上は、暫定的なプランです。講義開始後に受講生と
相談しながら細部を決定したり、予定を変更しますので、
ご注意ください)
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
具体的事例の分析や概念規定の検討を通じて「メディア芸術」の概要を把握するとともに、それが置かれている現状と可能性、あるいは、その問題点を理解すること。

(2) 個別の学習目標:
視覚メディアによる物語表現、なかでも「連続式物語叙述」と呼ばれる表現方式の諸相を、古代ギリシア、ローマから、メソポタミア、インド、中国、そして日本における事例、さらには現代のコンピュータアートやマンガ、アニメ、ゲームなどにも注目しながら検討すること。
授業の進め方 スライドやDVDなどで作品を具体的に検討しながら講義形式で進める。
教科書等 <教科書>
使用しない。

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 出席(授業中の質問など)40パーセント、試験(授業中)60パーセント。
学習相談
その他 開講時期:8月8日(月)〜12日(金)

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 XX
講義題目:絵と版から考える明清時代の中国美術
上智大学国際教養学部 教授小林 宏光
前期・集中

授業の概要 その豊かさと多彩さにおいて、17世紀の明末清初に比肩できる時期は、中国絵画史上にまれである。明清時代の中でもこの時期は、明王朝が1644年に事実上終焉を迎え、政治的、社会的には混乱期であり、回天後の清王朝も不安定であるが、一方で経済的な発展に裏付けられた都市部の繁栄は続く。絵画は量産され、出版産業の飛躍的成長は、版画を新たな造形メディアとして有効なものとする。そして画家も享受者も、かつてないほどに古代絵画の美術史的理解を深めていた時代である。南京、杭州、蘇州、徽州などの江南諸都市を中心に、多くの画家たちが、過去の伝統を活かし、斬新なアイディアを持ち、外来の画法にも触発されて、自発性と創意にあふれた絵画を生み出す。そこで、この時期のさまざまな絵画(肉筆画と木版画)から美術史研究上意義深い作品を取り上げて、以下の諸点を議論する。1. 中国絵画史上に古代から繰り返され明末に特に盛んとなる“復古からの創造”の理論、制作両面での問題、2. 肉筆画と版画の相互交流から生まれる絵画の相乗的発展という新たな動向、3. 西洋絵画からの触発、4. 都市に暮す市民の生活にまで少しずつ浸透してゆく芸術の大衆化の問題、5. この時期の絵画の近世日本での受容。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
17世紀明末清初期の絵画活動にかかわる教室での講義と議論を通じて、この時期の前後に大きく広がる中国絵画史の地平を見わたす視点を養い、ひいては中国文化の特質に触れ、理解すること。

(2) 個別の学習目標:
中国17世紀の絵画作品(肉筆画と版画)の鑑賞、様式的議論を基盤とし、個別の関心から、作品に何を読み取るのか、それらの視覚的史料としての意義、有効性は何か、を実証的に考察できる力を養うこと。
授業の進め方 以下のようにIーIIIのテーマを掲げ、順次(1)から(9)を講義する予定である。それぞれの問題について、講義中随時、質疑応答の機会をもうける。毎回スライド(デジタル化した)を用いて講義する。
I. 復古と創造−北宋初期と明末・清初期の山水画の場合三例について−
(1)版画による山水画史補完の試みー『秘蔵詮』山水版画と北宋初期画院山水画ー
(2)唐宋山水表現を基盤とした明末山水画の発展ー丁雲鵬、呉彬、董其昌の山水画ー
(3)元末四大家、明代呉派から清初正統派山水画への展開
II. 継承、拡散と断絶−版画と肉筆絵画の相互交流にみる構図あるいはモティーフのリサイクルと再創作−
(4)『顧氏画譜』(別名:歴代名公画譜):複製名画集の制作と画譜としての機能
(5)版画の芸術的発展:陳洪綬、蕭雲従他の版画活動
(6)明末画譜から『芥子園画伝』初集(1679)、二集・三集(1701)の編纂まで
III. 受容と変容−西洋、日本美術との関係−
(7)明清絵画と西洋画法の遭遇
(8)宮廷の中西折衷画と蘇州版画
(9)明清版画から近世日本絵画へ
教科書等 <教科書>
教科書は特に指定しないが、講義前に下記の参考図書(特に4、7、8、10)に目を通しておくことが望ましい。その他授業時に内容に対応した文献、参考図書を紹介する。

<参考図書>
1. ジェームズ・ケーヒル『江岸別意―明代前中期の絵画』(新藤・小林訳) 明治書院
2. James Cahill, The Distant Mountains-Chinese Painting of the Late Ming Dynasty, 1570-1644, Weatherhill, 1981
3. 『明清時代史の基本問題』、中国史学の基本問題4、汲古書院、1997
4.小林宏光「版画と版本」、世界美術大全集・東洋編8・明、小学館、335-344頁、1999
5. ―――「中国の版画―唐代から清代まで」、東信堂、 1995
6. ―――「陳洪綬の版画活動」上、下 國華1061、1062号 1983
7. ―――「中国版画の絵画史的意義:『顧氏画譜』の研究」 美術史128号1990
8. ―――「明末丁雲鵬の山水画と復古の諸相」古美術101号 1992
9. ―――「明清絵画と近世日本画壇:南画の黎明期にいたる中国絵画の受容にそって」、日中文化交流史叢書7『芸術』、大修館書店 1997
10. ―――「明末絵画と西洋画法の遭遇―東洋的芸術観に包み込まれた科学的信念―」、町田市立国際版画美術館『中国の洋風画』展、124-135頁、1995
成績評価方法 出席30%、レポート70
学習相談 講義の前後の時間などを有効に活用し、また課外で必要に応じて時間を設け講義やレポートに関する個別の相談に応じる。
その他 開講時期は8月最終週付近(8月29〜9月2日)を予定している。

対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特になし。

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史講義 XXIV
講義題目:室町水墨画の諸問題
九州国立博物館学芸部主任研究員畑 靖紀
前期・通常

水曜2限
授業の概要 室町絵画のなかでも、この時代に盛んに描かれた水墨画の諸問題を取り上げる。まずはじめに15世紀前半に足利将軍家が確立した中国絵画に対する評価に焦点をある。さらにこの評価を踏まえて、雪舟をはじめとする室町時代の画家がどのような意識をもちながら絵画制作を展開したかについて多角的に検討する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
室町水墨画について表現の特質や歴史的な背景に注目して知見を深める。

(2) 個別の学習目標:
室町時代の中国絵画に対する評価の枠組みを理解する。また、これとの関わりから室町水墨画の意義を理解する。
授業の進め方 パワーポイントなどを用いて作品の画像を紹介する。適宜、関連する資料を配布する。
教科書等 <参考図書>
辻惟雄・泉武夫編『日本美術史ハンドブック』新書館、2009年
成績評価方法 試験(ノート持込可)
学習相談 講義の前後に研究室において行う。
その他

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史演習 I
講義題目:絵画の見方:同時代のアジアの美術
教授後小路 雅弘
前期・通常

火曜5限
授業の概要 同時代のアジアの美術から、1点の作品を取り上げ、受講生全員で議論しながら、その作品が何を表現しているのか、どのような社会的文化的背景を持っているのか、といったことを考える。一点の美術作品を多義的なテクストとして読むことを、実践的に学ぶとともに、同時代のアジアの美術に対する理解を深めていく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
美術作品の見方を実践的に学び、ヴィジュアル・リテラシーを高める。

(2) 個別の学習目標:
1.同時代のアジアの美術について理解する
2.同じ作品に対して多様な見方が成り立つことを知る
3.美術作品が多義的なテクストであることを実感する
授業の進め方 ひとつの作品を対象に受講生全員で議論しながら進める。
教科書等 毎回、その都度指示する
成績評価方法 平素の授業において積極的に関与したかどうかをひとつの基準とし、レポートと併せて総合的に判断する
学習相談 授業の後に相談を受ける
その他 積極的に発言すること。

対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史演習 II
講義題目:絵画の見方:同時代のアジアの美術
教授後小路 雅弘
後期・通常

火曜5限
授業の概要 同時代のアジアの美術から、1点の作品を取り上げ、受講生全員で議論しながら、その作品が何を表現しているのか、どのような社会的文化的背景を持っているのか、といったことを考える。一点の美術作品を多義的なテクストとして読むことを、実践的に学ぶとともに、同時代のアジアの美術に対する理解を深めていく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
美術作品の見方を実践的に学び、ヴィジュアル・リテラシーを高める。

(2) 個別の学習目標:
1.同時代のアジアの美術について理解する
2.同じ作品に対して多様な見方が成り立つことを知る
3.美術作品が多義的なテクストであることを実感する
授業の進め方 ひとつの作品を対象に受講生全員で議論しながら進める。
教科書等 毎回、その都度指示する
成績評価方法 平素の授業において積極的に関与したかどうかをひとつの基準とし、レポートと併せて総合的に判断する
学習相談 授業の後に相談を受ける
その他 積極的に発言すること。

対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史演習 V
講義題目:西洋美術史研究
准教授京谷啓徳
前期・通常

火曜3限
授業の概要 西洋美術史に関する英語文献を講読する。
学習目標 テクストを正確に読解する能力を養う。
授業の進め方 担当者が分担箇所を説明した後、全員で議論する。
教科書等
成績評価方法 平素の成績およびレポートによる。
学習相談 オフィス・アワーを金曜3限に設定している。
その他 対象学生:専攻学生に限る。
対象学年:2年生以上

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史演習 VI
講義題目:西洋美術史研究
准教授京谷啓徳
後期・通常

火曜3限
授業の概要 西洋美術史に関する英語文献を講読する。
学習目標 テクストを正確に読解する能力を養う。
授業の進め方 担当者が分担箇所を説明した後、全員で議論する。
教科書等
成績評価方法 平素の成績およびレポートによる。
学習相談 オフィス・アワーを金曜3限に設定している。
その他 対象学生:専攻学生に限る。
対象学年:2年生以上

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史演習 IX
講義題目:アートとテクノロジー
准教授東口 豊
前期・隔週

水曜3限・水曜4限
授業の概要 アートとテクノロジーは、一般的な理解に従えば、およそ異なる方向性を持ったものだと理解されているだろう。アートは心を豊かにするものであり、進歩の概念が通用し難いものであるのに対して、テクノロジーは私たちの物質的日常を豊かにし、日々進歩していくものであると。確かにそのような側面はあるだろう。しかし、ベンヤミンの古典的な著作を引き合いに出すまでもなく、アートの有り様は一見異なるものであるテクノロジーの発展によって、大きな変容を遂げて来た。この演習では、アートとテクノロジーの関係を軸に、イマジネーションや創造力、感受性、価値といった問題が、テクノロジーの発展によっていかなる影響を遂げて来たのか、あるいは独自性を保ったのかを、参加者の関心に従って発表してもらい、議論をすることを目的とする。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
美学的な思考のあり方を理解する。

(2) 個別の学習目標:
一つのテーマを掘り下げて考察する事が出来るようになる。
授業の進め方 参加者が発表を準備し、それを元に議論する。
教科書等 <教科書>
講義中に指示する。

<参考図書>
講義中に指示する。
成績評価方法 出席50%、平常点50%
学習相談 随時メール(yutaka@lit.kyushu-u.ac.jp)にて質問・相談等に応じます。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史演習 X
講義題目:Speculatio aestheticum
准教授東口 豊
後期・隔週

水曜3限・水曜4限
授業の概要 毎回参加者が関心を持つ事に関して発表し、それに基づいて議論する。美学は感覚を世界との邂逅の入り口とする学問である。そのためになによりもまず感受性を研ぎ澄ませて平凡に思える日常から豊かさを汲み取る事が必要。そして、それらを一つのテーゼに纏め挙げる思考力が次に求められていく。本演習では、参加者が「面白い」と感じる事に関して更に深く感じ、それを多角的に調べ、そして世界を考える為の主張へと昇華させる、という美学的方法を実践してもらうことで美学への導入にしたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
美学という学問の基本的な思索方法を学ぶ

(2) 個別の学習目標:
各人が関心を持つ事を拠り深く掘り下げ、一つのテーゼを作り上げる。
授業の進め方 毎回参加者が発表をし、それに基づいて議論する
教科書等 <教科書>
特になし

<参考図書>
特になし
成績評価方法 出席50%、平常点50%
学習相談 オフィスアワーを金曜12:15〜13:00に設定する他、随時メール(yutaka@lit.kyushu-u.ac.jp)にて質問・相談等に応じます。
その他 開講日 10/5, 26, 11/16, 30, 12/7, 21, 1/25, 2/1

対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史演習 XIII
講義題目:宋元画研究 ―湯垕《画鑒》を読む―
教授井手誠之輔
前期・通常

木曜2限
授業の概要 日本における中国絵画研究の特殊性の一つに、しばしば宋元画という枠組みやそれへの偏向が指摘されることがある。宋元画とは、中世以来、中国から舶載され伝来してきた絵画を総称する枠組みであり、南宋院体画や禅宗絵画、着色仏画などに及んでいる。こうした宋元画が産み出された時代の絵画史の状況を、当時の画論書を読みすすめながら考えていくことにする。
湯垕《画鑒》は、元時代の絵画状況をしめす画論としてしられているが、そこには、六朝から唐代、五代、北宋時代を俯瞰しながら、理念的には南宋を批判しつつ北宋回帰をつよめていた当時の思潮がよくあらわれている。漢文による原資料を読みすすめ、また現存する絵画資料を参照しながら、元時代の多様で豊穣な絵画世界への理解を深めていくことにしたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国絵画史のメーンストリームの流れを文献と絵画の双方から理解する。

(2) 個別の学習目標:
漢文の文献に慣れ親しみ、それを読みこなす力量をつけることをはじめとし、美術史研究の実践に不可欠な文献や作品等の調べ方とその扱い方、研究の現況、議論の進め方について、具体的な事例から学んでほしい。さらに資料の蓄積と共有化の手段として、文字や画像のデータ化についても、必要最低限の知識を具えてほしい。
授業の進め方 《画鑒》を順次、冒頭より読みすすめるとともに、関連する絵画資料を紹介し、専論があれば、その内容についても概要を把握し、絵画史上の問題点を探っていく。
教科書等 <教科書>
校訂本『画品叢書』所収本を参照。

<参考図書>
James Cahill, Index of the Early Chinese Paintings
成績評価方法 出席50% 平素の成績50% 個々人の報告を評価の対象とするほか、参加者間における議論の内容も重視する。また、資料の蓄積と共有化における貢献度も評価する。
学習相談 常時、対応する。演習の発表に必要な資料等で不明の場合は、相談すること。
その他 対象学生:専攻学生に限る
対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (2単位)
美学美術史演習 XIV
講義題目:宋元画研究 ―湯垕《画鑒》を読む―
教授井手誠之輔
後期・通常

木曜2限
授業の概要 日本における中国絵画研究の特殊性の一つに、しばしば宋元画という枠組みやそれへの偏向が指摘されることがある。宋元画とは、中世以来、中国から舶載され伝来してきた絵画を総称する枠組みであり、南宋院体画や禅宗絵画、着色仏画などに及んでいる。こうした宋元画が産み出された時代の絵画史の状況を、当時の画論書を読みすすめながら考えていくことにする。
湯垕《画鑒》は、元時代の絵画状況をしめす画論としてしられているが、そこには、六朝から唐代、五代、北宋時代を俯瞰しながら、理念的には南宋を批判しつつ北宋回帰をつよめていた当時の思潮がよくあらわれている。漢文による原資料を読みすすめ、また現存する絵画資料を参照しながら、元時代の多様で豊穣な絵画世界への理解を深めていくことにしたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国絵画史のメーンストリームの流れを文献と絵画の双方から理解する。

(2) 個別の学習目標:
漢文の文献に慣れ親しみ、それを読みこなす力量をつけることをはじめとし、美術史研究の実践に不可欠な文献や作品等の調べ方とその扱い方、研究の現況、議論の進め方について、具体的な事例から学んでほしい。さらに資料の蓄積と共有化の手段として、文字や画像のデータ化についても、必要最低限の知識を具えてほしい。
授業の進め方 《画鑒》を順次、冒頭より読みすすめるとともに、関連する絵画資料を紹介し、専論があれば、その内容についても概要を把握し、絵画史上の問題点を探っていく。
教科書等 <教科書>
校訂本『画品叢書』所収本を参照。

<参考図書>
James Cahill, Index of the Early Chinese Paintings
成績評価方法 出席50% 平素の成績50% 個々人の報告を評価の対象とするほか、参加者間における議論の内容も重視する。また、資料の蓄積と共有化における貢献度も評価する。
学習相談 常時、対応する。演習の発表に必要な資料等で不明の場合は、相談すること。
その他 対象学生:専攻学生に限る
対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (1単位)
美学美術史実習 I
講義題目:美術史調査入門
教授後小路 雅弘
井手 誠之輔
前期・通常

木曜3限・木曜4限
授業の概要 美術館や寺社、個人の所蔵家あるいは画廊やアート・スペースなど美術に関わる場所におもむいて、美術作品に実際に触れ、調査研究することを基本とする。その調査研究の対象は、美術作品そのものにとどまらず、展覧会から美術家あるいは学芸員など、「美術」の「場」の問題に及ぶ。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
1.実際の作品を見てそこから得られた知見をまとめるスキルと方法論を身につける。2.「美術」に関わる「場」の調査研究を行う。

(2) 個別の学習目標:
その1.調査の仕方<美術作品の取り扱い。写真の撮り方。調書の作成方法。記述の方法。>
その2.調査のまとめ方<資料整理の方法。口頭発表や論文作成の方法> 
その3.アートという場についての理解<美術館学、アート・マネージメント、美術館教育などの実践>
授業の進め方 美術の現場におもむいて調査し、それを研究して発表する。
具体的な内容については、最初の授業で詳しく、具体的に説明します。
教科書等 特になし。
成績評価方法 平素の成績
学習相談 実習の授業の中で適宜相談を受ける
その他 学外や遠方に調査に出かけることも多いので、5時間目は空けておくことが望ましい。
将来学芸員など専門的な職種に就くことを希望するものは、全学期受講すること。

対象学生:原則として専攻学生に限る
対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:貴重な美術品を対象にするので、それなりの心構えが必要となる。
学芸員

文学部
芸術学コース
美学・美術史 専攻
専門科目 (1単位)
美学美術史実習 II
講義題目:美術史調査入門
教授後小路 雅弘
井手 誠之輔
後期・通常

木曜3限・木曜4限
授業の概要 美術館や寺社、個人の所蔵家あるいは画廊やアート・スペースなど美術に関わる場所におもむいて、美術作品に実際に触れ、調査研究することを基本とする。その調査研究の対象は、美術作品そのものにとどまらず、展覧会から美術家あるいは学芸員など、「美術」の「場」の問題に及ぶ。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
1.実際の作品を見てそこから得られた知見をまとめるスキルと方法論を身につける。2.「美術」に関わる「場」の調査研究を行う。

(2) 個別の学習目標:
その1.調査の仕方<美術作品の取り扱い。写真の撮り方。調書の作成方法。記述の方法。>
その2.調査のまとめ方<資料整理の方法。口頭発表や論文作成の方法> 
その3.アートという場についての理解<美術館学、アート・マネージメント、美術館教育などの実践>
授業の進め方 美術の現場におもむいて調査し、それを研究して発表する。
教科書等 特になし。
成績評価方法 平素の成績
学習相談 実習の授業の中で適宜相談を受ける
その他 学外や遠方に調査に出かけることも多いので、5時間目は空けておくことが望ましい。
将来学芸員など専門的な職種に就くことを希望するものは、全学期受講すること。

対象学生:原則として専攻学生に限る
対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:貴重な美術品を対象にするので、それなりの心構えが必要となる。
学芸員

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学講義 I
講義題目:日唐令制の比較研究(上)
教授坂上 康俊
前期・通常

金曜3限
授業の概要  日本と唐の律令の比較という方法は、日本令(大宝令・養老令)の編纂者が、眼前の日本の状況をどのように捉え、これからどのような仕組みで国家・社会を統御しようと考えていたかということを知るための、最も簡便・素朴な方法である。従って問題の発見は容易であるが、その解釈・意義付けについては、研究史及び両国の制度史を十分に踏まえたうえでなされなければならない。今回は日唐の律令の比較研究の方法に親しんで頂き、この方法の有効性と限界とを理解していただくことを目的とする。
 今学期は、日唐の都城制を比較する前提としての唐の律令の復原研究の現況を紹介し、特に墓誌を用いて唐の地方行政組織を復原、日本との比較の私案を固めたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日唐令比較研究の現段階を理解することを通じて、日本古代史について理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
唐令の復原方法についての正確な理解をもとに日唐令の比較研究にとりくむための手法を身につる。
授業の進め方 講義形式。資料はプリントを配布し、また時にプロジェクターで投影する。
教科書等 <教科書>
特に用いない。必要な資料は配布する。

<参考図書>
仁井田陞著『唐令拾遺』、仁井田陞著・池田温編集代表『唐令拾遺補』、井上光貞他編『律令』、『天一閣蔵明鈔本天聖令校證』(中華書局)、大津透編『日唐律令比較研究の新段階』(山川出版社、2008)
成績評価方法 学期末の筆記試験の結果で評価する。
学習相談 随時。ただし特に授業の直後が望ましい。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特にない
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学講義 II
講義題目:日唐令制の比較研究(下)
教授坂上 康俊
後期・通常

金曜3限
授業の概要  日本と唐の律令の比較という方法は、日本令(大宝令・養老令)の編纂者が、眼前の日本の状況をどのように捉え、これからどのような仕組みで国家・社会を統御しようと考えていたかということを知るための、最も簡便・素朴な方法である。従って問題の発見は容易であるが、その解釈・意義付けについては、研究史及び両国の制度史を十分に踏まえたうえでなされなければならない。今回は日唐の律令の比較研究の方法に親しんで頂き、この方法の有効性と限界とを理解していただくことを目的とする。
 今学期は、日唐の田制を比較する前提としての唐の田令の復原研究の現況を紹介し、私案を固めたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日唐令比較研究の現段階を理解することを通じて、日本古代史について理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
唐令の復原方法についての正確な理解をもとに日唐令の比較研究にとりくむための手法を身につる。
授業の進め方 講義形式。資料はプリントを配布し、また時にプロジェクターで投影する。
教科書等 <教科書>
特に用いない。必要な資料は配布する。

<参考図書>
仁井田陞著『唐令拾遺』、仁井田陞著・池田温編集代表『唐令拾遺補』、井上光貞他編『律令』、『天一閣蔵明鈔本天聖令校證』(中華書局)、大津透編『日唐律令比較研究の新段階』(山川出版社、2008)、渡辺信一郎「北宋天聖令による唐開元二十五年令田令の復原並びに訳注」(『京都府立大学学術報告』人文・社会58、2006)
成績評価方法 学期末の筆記試験の結果で評価する。
学習相談 随時。ただし特に授業の直後が望ましい。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特にない

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学講義 V
講義題目:15世紀の東アジアと日本V
教授佐伯 弘次
前期・通常

火曜2限
授業の概要 以下のような構成で行う予定である。

1.15世紀の東アジアと日本
2.15世紀代の日明関係
3.足利義教の政権
4.足利義教政権の外交姿勢
5.明使の来日と足利義教
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
15世紀という東アジア世界の安定期における東アジア諸国相互の関係について、とくに日本と明との関係を中心に考える。

(2) 個別の学習目標:
15世紀代の日明関係の問題に焦点を当て、学習する。
授業の進め方 テキストは使用せず、資料プリントを適宜配付する講義形式で行う。
教科書等 <教科書>
使用しない。

<参考図書>
授業中に適宜紹介する。
成績評価方法 試験を実施する予定である。
学習相談 適宜
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学講義 VI
講義題目:14−15世紀の東アジアと日本W
教授佐伯 弘次
後期・通常

火曜2限
授業の概要 以下のような構成で行う予定である。

1.14−15世紀の東アジアと日本
2.15世紀代の日朝関係
3.高麗・朝鮮使節の来日と室町幕府
4.応永の外寇と室町幕府
5.15世紀の倭寇と被虜人
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
14−15世紀という東アジア世界の安定期における東アジア諸国相互の関係について、とくに日本と高麗・朝鮮との関係を中心に考える。

(2) 個別の学習目標:
14−15世紀代の日麗・日朝関係の問題に焦点を当て、学習する。
授業の進め方 テキストは使用せず、資料プリントを適宜配付する講義形式で行う。
教科書等 <教科書>
使用しない。

<参考図書>
授業中に適宜紹介する。
成績評価方法 試験を実施する予定である。
学習相談 適宜
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学講義 IX
講義題目:近世平戸藩の学術と文芸
准教授岩崎 義則
前期・通常

火曜4限
授業の概要 今期は,平戸藩楽歳堂文庫とその蔵書目録をとりあげ,松浦史料博物館に伝来する松浦家所蔵本と比較対照する。比較対照する文献は,洋書・和書・漢籍の各ジャンル毎に代表的なものを取り上げてみたい。また,「甲子夜話」引用文献と「甲子夜話」収録の図版についての基礎考察も行う。以上の作業を通じて,「甲子夜話」・楽歳堂の文化史的位置づけを行い,藩の学術と文芸の日本近世史上における意義を論じてみたい。
 ガイダンス
 楽歳堂と蔵書目録について
 「甲子夜話」引用文献・収録図版について
 楽歳堂蔵書の伝来とその研究
  (1)洋書
  (2)和書
  (3)漢籍
 まとめ
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日本近世の文化について基礎的な知識を獲得する。
平戸藩の文化について基礎的な知識を獲得する。
基礎的な近世史関連史料の読解能力を獲得する。

(2) 個別の学習目標:
平戸藩の楽歳堂文庫と蔵書に関する基礎的知識を獲得する。
「甲子夜話」の読解能力を獲得する。
藩の学術と文芸に関する基礎的知識をもとに,江戸・上方以外の文化の地方史的展開について洞察し得る能力を獲得する。
授業の進め方 各項目毎に資料を配付し,説明しつつ授業を進める。文献については,オリジナルに近い影印形式のものを用い,図版類についてはスライド等を積極的に活用したい。
教科書等 <教科書>
指定しない。

<参考図書>
授業時間中に適宜指示する。
成績評価方法 平常点30%,授業時間中の小テスト(2回)30%,期末レポート(「甲子夜話」の基礎的研究,もしくは「諸大名の学術と文芸の研究」)40%。
学習相談 適宜行う。
その他 授業中の私語には厳正に対処する。

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学講義 X
講義題目:近世平戸藩の学術と文芸
准教授岩崎 義則
後期・通常

火曜4限
授業の概要 今期は,前期に続き、平戸藩楽歳堂文庫とその蔵書目録をとりあげ,松浦史料博物館に伝来する松浦家所蔵本と比較対照する。比較対照する文献は,洋書・和書・漢籍の各ジャンル毎に代表的なものを取り上げてみたい。また,「甲子夜話」引用文献と「甲子夜話」収録の図版についての基礎考察も行う。以上の作業を通じて,「甲子夜話」・楽歳堂の文化史的位置づけを行い,藩の学術と文芸の日本近世史上における意義を論じてみたい。
 ガイダンス
 楽歳堂と蔵書目録について
 「甲子夜話」引用文献・収録図版について
 楽歳堂蔵書の伝来とその研究
  (1)洋書
  (2)和書
  (3)漢籍
 まとめ
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日本近世の文化について基礎的な知識を獲得する。
平戸藩の文化について基礎的な知識を獲得する。
基礎的な近世史関連史料の読解能力を獲得する。

(2) 個別の学習目標:
平戸藩の楽歳堂文庫と蔵書に関する基礎的知識を獲得する。
「甲子夜話」の読解能力を獲得する。
藩の学術と文芸に関する基礎的知識をもとに,江戸・上方以外の文化の地方史的展開について洞察し得る能力を獲得する。
授業の進め方 各項目毎に資料を配付し,説明しつつ授業を進める。文献については,オリジナルに近い影印形式のものを用い,図版類についてはスライド等を積極的に活用したい。
教科書等 <教科書>
指定しない。

<参考図書>
授業時間中に適宜指示する。
成績評価方法 平常点30%,授業時間中の小テスト(2回)30%,期末レポート(「甲子夜話」の基礎的研究,もしくは「諸大名の学術と文芸の研究」)40%。
学習相談 適宜行う。
その他 授業中の私語には厳正に対処する。

教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学講義 XIII
講義題目:天皇と宗教−20世紀日本における
准教授山口輝臣
前期・通常

火曜3限
授業の概要 20世紀の日本における天皇と宗教との関係について講述する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
受講生が日本や近代といったことを自らで考えていくための素材を提供すること。そしてそうした材料について受講生が考えていくことを通じて、研究という営為を理解していく手助けとなること。

(2) 個別の学習目標:
1)担当教員が講義で展開した天皇と宗教との関係についての見解を的確に理解できるようになる。
2)講義で提示された材料について、自らも考察を加えられるようになる。
授業の進め方 第1回 イントロダクション:天皇制という問題
第2回 祈る天皇とそのサポーター:19世紀前半
第3回 祭政一致の名の下に:明治維新
第4回 宗教伝来と第三の道:19世紀後半
第5回 明治天皇の「御敬神」:19世紀から20世紀へ(1)
第6回 天皇のいる国家儀礼:19世紀から20世紀へ(2)
第7回 天皇に絡みつく神社:20世紀前半(1)
第8回 天皇制vs国体:20世紀前半(2)
第9回 兄の格律、弟たちの反抗:20世紀前半(3)
第10回 国体を護持し得て:20世紀前半(4)
第11回 国体の行方:20世紀後半(1)
第12回 国体の行方:20世紀後半(2)
第13回 象徴を探して:20世紀後半(2)
第14回 天皇家の宗教:19世紀・20世紀
教科書等 <教科書>
なし。レジュメおよび必要な史料等は複写して配布する。

<参考図書>
各回で指示する。
成績評価方法 授業への参加状況と期末試験を1:4で評価する。
学習相談 オフィス・アワーは金曜日の13時〜14時30分。
その他 「授業の進め方」のうち第11回以降を訂正した。(7月12日)
「授業の進め方」のうち第4回以降を更新したほか、若干の訂正を行った。(5月10日)
「授業の進め方」のうち第3回を更新した。(4月26日)
「授業の進め方」のうち第2回を更新した。(4月18日)
「授業の進め方」のうち、第1回を更新した。(4月7日)

対象学年:2年生以上
履修条件:特になし
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学講義 XIV
講義題目:島地黙雷と明治社会
准教授山口輝臣
後期・通常

火曜3限
授業の概要 明治期に活躍した真宗の僧侶・島地黙雷(1838〜1911)について、その生涯を追いながら、当該期の諸相について論述していく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
受講生が日本や近代といったことを自らで考えていくための素材を提供すること。そしてそうした材料について受講生が考えていくことを通じて、研究という営為を理解していく手助けとなること。

(2) 個別の学習目標:
1)担当教員が講義で展開した見解を的確に理解できるようになる。
2)講義で提示された材料について、自らも考察を加えられるようになる。
授業の進め方 第1回 島地黙雷をとりあげて何をしようというのか?
第2回 島地黙雷はどう論じられてきたか?
第3回 女性と教育(上)−明治初年以降から考える(1)
第4回 女性と教育(下)−明治初年以降から考える(2)
第5回 宗教と教育(上)―明治期の概観と黙雷(1)
第6回 宗教と教育(下)―明治期の概観と黙雷(2)
教科書等 <教科書>
なし。レジュメおよび必要な史料等は複写して配布する。

<参考図書>
各回で指示する。
成績評価方法 授業への参加状況と期末試験を1:4で評価する。
学習相談 オフィス・アワーは金曜日の13時〜14時30分。
その他 授業の進め方を更新した。(11月1日)
授業の進め方を更新した。(10月23日)

対象学年:2年生以上
履修条件:特になし

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学講義 XVIII
講義題目:明治維新期の政治
川村学園女子大学文学部 教授西川 誠
前期・集中

授業の概要 明治維新期の政治史の諸問題について、以下のテーマを中心に、講述する。
1.幕末の天皇と明治の天皇
2.木戸派と国家構想
3.太政官制の構造
4.天皇と裁可
5.天皇と伊藤
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
維新期の政治的変革について、概略を理解する。

(2) 個別の学習目標:
1.講述した諸問題について、研究状況を理解する。
2.史料を基に考察する能力をはぐくむ。
3.講義を基に、批判的に考える力を蓄える。
授業の進め方 講義形式
教科書等 <教科書>
特になし。

<参考図書>
講義中に指示する。
成績評価方法 出席40%、各講義日の終了時に提出してもらうリアクションペーパー30%、レポート30%
学習相談 集中講義ですので、各講義終了時に相談してください。
その他 9月第2週を予定しています。

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学講義 XIX
講義題目:日本人と日記―古代・中世を中心に―
愛知学院大学文学部 教授松薗 斉
後期・集中

授業の概要 日本には、古代から今日に至るまで大量の「日記」が作成され残されており、それは今日まで続いている。それらは歴史学の史料もしくは日本文学などの伝記研究や注釈の資料として用いられてきたが、本講義では、そのような日記と日本人との関係をできるだけ多面的に考え、1つの文化論として提起してみたい。
 プロローグ;日本人と日記
 1 王朝日記の“発生”
 2 日記と貴族社会
    a 日記の価値 b 生活と日記 c 「家」と日記 
 3 女性と日記
 4 日記と中世社会
 5 旅と日記
 6 比較文化史的考察(中世の日本とヨーロッパ)
 おわりに 
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
史(資)料としての日記の記事の内容ばかりでなく、日記とそれを記す人々との関係を追っていくことで、古代・中世の社会の構造及び文化の特色への理解を進める。

(2) 個別の学習目標:
古記録学の概論的理解
「家」を中心とする前近代の社会論
日記をめぐる男と女―ジェンダー史的アプローチ
授業の進め方 講義形式であるが、時にさまざまな日記を受講生と一緒に「読む」ことも予定している。
教科書等 <教科書>
なし 授業中にプリントを配布します。

<参考図書>
松薗『日記の家−中世国家の記録組織−』(吉川弘文館,1997)
同『王朝日記論』(法政大学出版局,2006)
西川祐子『日記をつづるということ―国民教育装置とその逸脱』(吉川弘文館、2009)
成績評価方法 出席50パーセント、レポート50パーセント
学習相談 集中講義なので、講義期間中に応じます。
その他 1月末を予定

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学演習 I
講義題目:『令集解』僧尼令の研究
教授坂上 康俊
前期・通常

木曜2限
授業の概要 『令集解』僧尼令を、はじめから読み進める。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日本古代の法条およびその注釈の読み方を身につける。

(2) 個別の学習目標:
@律令格式とその注釈の文体に慣れる。A関連する史料や文献の探し方を身につける。B史料及び先行研究批判の方法を身につける。
授業の進め方 『令集解』僧尼令を冒頭から精読する。報告者には各自0.5〜1頁程度が割り当てられる。十分に予習して精確な訓読文と現代語の訳文を報告し、かつ内容を解説してもらう。その上で、関連する史料を探し出して本文を批判し、また、先行研究を見つけてこれを紹介・批判する。更に可能であれば、自説を展開していただく。これらを前提に、出席者同士の討論を行う。
教科書等 国史大系本(普及版)『令集解』一(吉川弘文館)
<教科書>
特に用いない。

<参考図書>
『律令』(岩波書店)、新日本古典文学大系『続日本紀』(岩波書店)、池田温編『日本古代史を学ぶ人のための漢文入門』(吉川弘文館)、『古事類苑』
成績評価方法 出席は当然のこととして、3回以上欠席(公欠を除く)すれば単位を出さない。報告の内容、レジュメ(配布資料)の出来映え、討論への参加情況、気の利いた発問、これらを総合判断して成績を付ける。
学習相談 随時。特に授業終了後。
その他 夏期休業中に相当量の補講を設けることがありうる。

対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特にないが、漢文が不得意では、苦労するだろう。

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学演習 II
講義題目:『入唐五家伝』の研究
教授坂上 康俊
後期・通常

木曜2限
授業の概要 『入唐五家伝』を精読する。初回は教員の方からのテキストの紹介。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
平安時代の僧侶の入唐のありようについて理解する。

(2) 個別の学習目標:
日本古代の僧伝の文体に慣れ、関連資料の探し方、それぞれの評価の仕方を身につける。
授業の進め方 『入唐五家伝』を、適当に分担を決めて精読する。報告者には各自1〜2頁ないしそれ以上が割り当てられる。十分に予習して精確な訓読文を報告し、論旨展開を解説してもらう。その上で、関連資料との突き合わせを行う。
教科書等 『続群書類従』8上、および『大日本仏教全書』遊方伝叢書1の『入唐五家伝』
<教科書>
特に用いない。

<参考図書>
森哲也「『入唐五家伝』の基礎的考察」(『市史だより Fukuoka』第3号、2008)、川尻秋生「入唐僧宗叡と請来経典の行方」(高麗大学日本史研究会編『東アジアのなかの韓日関係史』上、2010)、杉本直治郎『真如親王伝研究』(吉川弘文館、1965)、田島公「真如親王一行の「入唐」の旅」(『歴史と地理』502、1997)、佐伯有清『高丘親王入唐記』(吉川弘文館、2002)
成績評価方法 出席は当然のこととして、3回以上欠席(公欠を除く)すれば単位を出さない。報告の内容、レジュメ(配布資料)の出来映え、討論への参加情況、気の利いた発問と答弁、これらを総合判断して成績を付ける。
学習相談 随時。特に授業終了後。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学演習 V
講義題目:「上井覚兼日記」を読む 
教授佐伯 弘次
前期・通常

木曜3限
授業の概要 戦国末期の薩摩島津氏の武将・上井覚兼が記した「上井覚兼日記」を読み、16世紀後半の政治・社会・文化等について学習する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
代表的な武家日記として知られる「上井覚兼日記」を読み、解釈し、考察することによって、日本の中世史料の解読法と歴史的な位置づけ方を学習する。

(2) 個別の学習目標:
戦国末の地方武士の考え方・生き方と彼を取り巻く政治・社会・文化の動向について学習する。
授業の進め方 『大日本古記録』の「上井覚兼日記」を前期に引き続き読み進める。適当な分量を各受講者に割り当て、テキストの校合・読み・解釈を順次行っていく。
教科書等 <教科書>
『大日本古記録 上井覚兼日記』上巻

<参考図書>
『大日本古文書 島津家文書』『鹿児島県史料 旧記雑録後編』(鹿児島県)
成績評価方法 平常点の他、レポートを課す。出席を重視する。
学習相談 授業終了後やオフィスアワー等に適宜行っていただきたい。
その他 教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学演習 VI
講義題目:「上井覚兼日記」を読む 
教授佐伯 弘次
後期・通常

木曜3限
授業の概要 戦国末期の薩摩島津氏の武将・上井覚兼が記した「上井覚兼日記」を読み、16世紀後半の政治・社会・文化等について学習する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
代表的な武家日記として知られる「上井覚兼日記」を読み、解釈し、考察することによって、日本の中世史料の解読法と歴史的な位置づけ方を学習する。

(2) 個別の学習目標:
戦国末の地方武士の考え方・生き方と彼を取り巻く政治・社会・文化の動向について学習する。
授業の進め方 『大日本古記録』の「上井覚兼日記」を前期に引き続き読み進める。適当な分量を各受講者に割り当て、テキストの校合・読み・解釈を順次行っていく。
教科書等 <教科書>
『大日本古記録 上井覚兼日記』上巻

<参考図書>
『大日本古文書 島津家文書』『鹿児島県史料 旧記雑録後編』(鹿児島県)
成績評価方法 平常点の他、レポートを課す。出席を重視する。
学習相談 授業終了後やオフィスアワー等に適宜行っていただきたい。
その他

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学演習 IX
講義題目:近世大名家蔵書と蔵書目録の研究
准教授岩崎 義則
前期・通常

木曜4限
授業の概要 今期は、平戸藩主松浦静山撰述「平戸藩楽歳堂蔵書目録」及び「新増書目」をとりあげ、蔵書目録とその書誌解題を講読する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
近世の古文書解読に関する基礎的素養を習得する。また、蔵書目録に引用された書物についての基礎的な書誌情報を理解し、現在の日本国内の史料所蔵機関から、これら諸本・類本を探求・調査する能力を習得する。

(2) 個別の学習目標:
近世大名家の蔵書収集の史的意義を理解し、個別具体的な書物の書誌と内容を理解する。その上で、楽歳堂収集文物の評価を、独自の視点から行えるような知見を獲得する。
授業の進め方 蔵書目録の内から所定の箇所を割り当て、毎時間に1人〜2人ほどを目処に報告する。
教科書等 <教科書>
特になし。別途用意する。

<参考図書>
松田清『洋学の書誌的研究』(臨川書店、1998年)
成績評価方法 平常点100%。報告内容はもとより、演習全体への貢献度も評価する。
学習相談 随時。メールなどを活用されたし。
その他 教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学演習 X
講義題目:近世大名家蔵書と蔵書目録の研究
准教授岩崎 義則
後期・通常

木曜4限
授業の概要 今期は、平戸藩主松浦静山撰述「平戸藩楽歳堂蔵書目録」及び「新増書目」をとりあげ、蔵書目録とその書誌解題を講読する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
近世の古文書解読に関する基礎的素養を習得する。また、蔵書目録に引用された書物についての基礎的な書誌情報を理解し、現在の日本国内の史料所蔵機関から、これら諸本・類本を探求・調査する能力を習得する。

(2) 個別の学習目標:
近世大名家の蔵書収集の史的意義を理解し、個別具体的な書物の書誌と内容を理解する。その上で、楽歳堂収集文物の評価を、独自の視点から行えるような知見を獲得する。
授業の進め方 蔵書目録の内から所定の箇所を割り当て、毎時間に1人〜2人ほどを目処に報告する。
教科書等 <教科書>
特になし。別途用意する。

<参考図書>
松田清『洋学の書誌的研究』(臨川書店、1998年)
成績評価方法 平常点100%。報告内容はもとより、演習全体への貢献度も評価する。
学習相談 随時。メールなどを活用されたし。
その他

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学演習 XIII
講義題目:近代史料演習−書簡を読む
准教授山口輝臣
前期・通常

金曜2限
授業の概要 一口に日本近代史といっても、いかなることを研究するかにより、遭遇することになる史料は大きく異なる。そのうちこの演習では、昨期に引き続き、汎用性のある書簡という形態を扱う。史料を広範かつ精密に読み、それをもとに議論を行うという、歴史研究の基本を体得していって欲しい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
書簡という形態の近代史料の読み方を理解し、実践できるようになる手助けをする。

(2) 個別の学習目標:
1)書簡に記されたことをほかの史料などと照合することで正確に解釈できるようになる。
2)その過程および成果を的確に報告できるようになる。
3)他の受講生の報告をしっかりと理解し、それをもとに議論できるようになる。
4)議論を受け止めて文章化できるようになる。
授業の進め方 明治から大正にかけて活躍した政治家・桂太郎(1848〜〜1913)にかかわる書簡を読み、当該期の政治や社会について考えていく。テキストは受講生全員で分担し、各回1人が担当部分について報告を行う。この分担は第1回に決めるので、必ず出席すること。
教科書等 <教科書>
千葉功編『桂太郎関係文書』東京大学出版会、2009年。千葉功編『桂太郎発書翰集』東京大学出版会、2011年。必要部分を複写して配付する。まずは後者所収の山県有朋宛書簡から読んでいく。

<参考図書>
開講前に各自で調べておくこと。そしてできればそのうちのいくつかに目を通しておくこと。
成績評価方法 授業への参加状況と期末レポートを2:1で評価する。
学習相談 オフィス・アワーは金曜日の13時〜14時30分。
その他 はじめに読む書簡を伊藤博文書簡から山県有朋宛書簡へと変更した。(4月7日)
後期開講の日本史学演習]Wと内容を入れ替え、若干の追記を行った。(4月4日)
無断欠席は一切認めない。また受講生の数によっては補講を行う。

対象学年:2年生以上
履修条件:特になし

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学演習 XIV
講義題目:近代史料演習−日記を読む
准教授山口輝臣
後期・通常

金曜2限
授業の概要 一口に日本近代史といっても、いかなることを研究するかにより、遭遇することになる史料は大きく異なる。そのうちこの演習では、昨期に引き続き、汎用性のある日記という形態を扱う。史料を広範かつ精密に読み、それをもとに議論を行うという、歴史研究の基本を体得していって欲しい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日記という形態の近代史料の読み方を理解し、実践できるようになる手助けをする。

(2) 個別の学習目標:
1)日記に記されたことをほかの史料などと照合することで正確に解釈できるようになる。
2)その過程および成果を的確に報告できるようになる。
3)他の受講生の報告をしっかりと理解し、それをもとに議論できるようになる。
4)議論を受け止めて文章化できるようになる。
授業の進め方 幕末維新期の政治家・木戸孝允(1833〜77)の日記のうち、明治8年の部分を読み、当該期の政治について考えていく。テキストは受講生全員で分担し、各回1人が担当部分について報告を行う。分担等は第1回に相談するので、受講希望者は必ず出席すること。
教科書等 <教科書>
『木戸孝允日記』全3巻(日本史籍協会、1932〜3年、東京大学出版会復刻版、1967年)。必要部分は複写して配付する。

<参考図書>
開講前に各自で調べておくこと。そしてできればそのうちのいくつかに目を通しておくこと。
成績評価方法 授業への参加状況と期末レポートを2:1で評価する。
学習相談 オフィス・アワーは金曜日の13時〜14時30分。
その他 前期に開講した日本史学演習]Vを受け、テキストの変更を行った。(9月27日)
前期開講の日本史学演習]Vと内容を入れ替えた。(4月4日)
無断欠席は一切認めない。また受講生の数によっては補講を行う。

対象学年:2年生以上
履修条件:特になし
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (2単位)
日本史学演習 XX
講義題目:日本近世政治史の諸問題
九州産業大学国際文化学部 教授福田 千鶴
前期・通常

水曜2限
授業の概要 近年の研究動向として、戦国期から近世前期の政治史を分析するうえでは、一次的な資料である書状をいかにうまく活用できるかが重要な要素となっている。とくに書状は無年号文書であることが多いため、発給年次を特定することが必要となるが、その分析にはいくぶん技術的な素養がもとめられる。したがって、本演習では書状分析のための基礎的技術を習得することを目的とし、政治史研究の最前線の研究動向や手法を学んでいく。具体的には、候文に特徴的なくずし字の解読方法、人物や地名の特定、書状発給者や受給者の居所の特定などに基づいて、最終的な年次比定を導き出していく方法など、書状の個別条件に基づきながら歴史情報を最大限に読み取ることを体験していく。対象とするのは、福岡藩初代藩主となる黒田長政の書状群で、これらは『福岡県史』近世史料編福岡藩初期(上)(下)に多く収録されているが、ほとんどが年号を特定されないまま放置されている。その状況を本演習で解決してくとともに、同史料集に漏れた新出史料などの解読もあわせて進めていく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
戦国から近世にかけての書状の読解方法を習得する。くずし字の読解、候文の読み方、年次比定の手法などを身につける。これを通じて、政治史の動向、社会背景などについての理解を深めていく。

(2) 個別の学習目標:
黒田長政の書状分析を通じて、福岡藩成立期の諸問題について多角的に検討していく。この学習を通して、書状分析の基本的技術を身につけ、書状分析のおもしろさを体感してほしい。
授業の進め方 最初の授業で、資料プリントを配布する。個人の分担を決め、各自が分担箇所のレジメ(読解、地名・人名の特定、用語の確定、年次比定)を作成し、個別報告する。その内容に基づき、全体で議論し、内容の理解を深める。一度の報告では書状の年次比定にいたることは難しいかもしれないので、各自は引き続き他の報告者の個別報告を聞きながら担当史料の理解をより深めていき、最終的に期末に年次を確定・推定したレポートを提出する。
教科書等 <参考図書>
『くずし字用例辞典』東京堂出版
『福岡県史』通史編福岡藩一
成績評価方法 演習なので平常点を重視する。出席80パーセント。期末にレポート提出を課し、総合的に成績を判定する。
学習相談 疑問点は授業終了後に受け付ける。
その他

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (1単位)
日本史学実習 I
講義題目:中世古文書学
教授佐伯 弘次
前期・通常

月曜2限
授業の概要 中世文書に関する古文書学を学習し、史料の整理の仕方を学習する。具体的には次のようなテーマを予定している。
1.『新編古文書学入門』を使用して、中世古文書学の基礎を学習する。
2.中世文書の整理の仕方や調査法、撮影法などについて学習する。
3.実際の中世文書の整理を行う。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中世古文書学の基礎を理解する。

(2) 個別の学習目標:
中世古文書学の基礎を理解した上で、中世文書の調査・整理の仕方を学習する。
授業の進め方 講義と作業を併用する。
教科書等 <教科書>
佐藤進一『新編古文書学入門』法政大学出版局

成績評価方法 レポートもしくは試験を行う。出席も重視する。
学習相談 適宜受け付ける。
その他 受講希望者が多い場合、試験等によって選考する場合がある。

対象学生:原則として専攻学生に限る。
履修条件:和様漢文の解読が出来ること。
学芸員

文学部
歴史学コース
日本史学 専攻
専門科目 (1単位)
日本史学実習 II
講義題目:近代史料実習
准教授山口輝臣
後期・通常

月曜2限
授業の概要 本を読んでいると「明治×年○月△△日の衆議院で…」とあった。だがその記述がどうもあやしい。確かめるにはどうすればよいのか? 本格的な「研究」をする以前に必要となってくるこうした技術を修得するための手助けをする。おおよその予定は以下の通り。
第1回 イントロダクション
第2回 法令と議会
第3回 図書
第4回 新聞と雑誌
第5回 私文書1
第6回 私文書2
第7回 公文書1
第8回 公文書2
第9回 以下未定 
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日本近代史を研究する過程で必要となるであろう様々なタイプの史料を自ら探し出し、その史料としての特徴を考察できるようになる。

(2) 個別の学習目標:
1)必要な史料の探し方が分かる。
2)実際にそれを探し出すことができる。
3)その史料の特徴を知る。
授業の進め方 10個程度の《課題》を受講生全員で分担する。分担者はその《課題》の史料を探し出す。次いでその史料へとたどり着いた過程、およびその史料の特徴などを報告する。他の受講生はその内容を理解するとともに、さらに的確な方法がないか、知恵を絞る。分担は第1回に決めるので、必ず出席すること。
教科書等 <教科書>
なし

<参考図書>
各回にて指示する。
成績評価方法 授業への参加状況のみで評価する。
学習相談 オフィス・アワーは金曜日の13時〜14時30分。
その他 無断欠席は一切認めない。日本史学専攻以外の学生で、どうしても受講したいという場合は、メール等にて事前に連絡をすること。受講生の人数によっては許可することもある。

対象学生:原則として専攻学生に限る
対象学年:2年生以上
履修条件:特になし
学芸員

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学講義 I
講義題目:中国史概説T
教授川本 芳昭
前期・通常

木曜3限
授業の概要 中国史研究上の諸問題を通史という形ではなく、中国理解という観点からいくつかのテーマを取りあげつつ述べる。
1.現代中国の民族問題
2.多民族国家としての中国
3.中国文明の特質
4.中国おける歴史展開の大勢
5.中国の文化、倫理観
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国という社会、国家の理解

(2) 個別の学習目標:
中国史の流れの理解
中国文明の特質の理解
授業の進め方 講義形式
時々、小テストを行う
教科書等 <教科書>
講義中に述べる

<参考図書>
講義中に述べる
成績評価方法 小テストおよび筆記試験
学習相談 講義の後
その他 対象学年:2,3,4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学講義 II
講義題目:中国史概説U
教授川本 芳昭
後期・通常

木曜3限
授業の概要 中国史研究上の諸問題を通史という形ではなく、中国理解という観点からいくつかのテーマを取りあげつつ述べる。
1.近代以降の日中関係
2.多民族国家としての中国
3.近代より前の日中関係
4.中国文明の特質
5.中国における歴史展開の大勢
6.中国の文化、倫理観
7.中国における家族
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国という社会、国家の理解

(2) 個別の学習目標:
中国史の流れの理解
日中関係の歴史の理解
日本文明の特質の理解
授業の進め方 講義形式
時々、小テストを行う
教科書等 <教科書>
講義中に述べる

<参考図書>
講義中に述べる
成績評価方法 小テストおよび筆記試験
学習相談 講義の後
その他 対象学年:2,3,4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学講義 V
講義題目:徽州商人からみた明清史
准教授中島 楽章
前期・通常

火曜4限
授業の概要 明清時代の代表的な商人集団である徽州(新安)商人の活動を通じて、明清時代の商業流通・社会変動・海外貿易などについて論じる。
あわせて明清社会経済史の背景としての、環境変化・移住と開発・生活文化などの問題についても論及する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
明清社会経済史の理解

(2) 個別の学習目標:
徽州商人の活動を通じて、明清期を中心とした長期的な社会経済の変動について論じる。
授業の進め方 テキストと参考資料を利用して講義を行う。
教科書等 参考資料は教場で配付
<教科書>
中島楽章『徽州商人と明清中国』(山川出版社、2009年、729円)

成績評価方法 平常点と期末試験
学習相談 教場で随時
その他 教職:平成22年度入学者より

対象学年:2年生・3年生・4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学講義 VI
講義題目:明清社会経済史・海域アジア史
准教授中島 楽章
後期・通常

火曜4限
授業の概要 明清時代の社会経済史、あるいは海域アジア史について論じる。
社会経済史については、代表的な商人集団である徽州(新安)商人の活動を通じて、近世中国の商業流通・移住と開発・生活文化などについて論じる
海域アジア史については、九州と中国東南部・東南アジアとの貿易・外交・人的交流、あるいは徽州商人の海外貿易について論じる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
明清社会経済史・海域アジア史の理解

(2) 個別の学習目標:
徽州商人の活動や、東アジア海域の海上貿易や外交・交流など、近世東アジア史に関する諸問題を論じる。
授業の進め方 テキストと参考資料を利用して講義を行う。
教科書等 参考資料は教場で配付
<教科書>
中島楽章『徽州商人と明清中国』(山川出版社、2009年、729円)

成績評価方法 平常点と期末試験
学習相談 教場で随時
その他 教職:平成22年度入学者より

対象学年:2年生・3年生・4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学講義 IX
講義題目:遊牧民の歴史
講師舩田 善之
前期・通常

月曜5限
授業の概要  モンゴル帝国を中心として、遊牧民の歴史、遊牧民が立てた国家・王朝・政権の歴史を講義する。とくに、遊牧権力のあり方や構造、国家形成・拡大のプロセスに注目する。
 トピックとしては、「中央ユーラシアの歴史世界」「モンゴル高原のステップと遊牧」「モンゴルの食生活」「モンゴルの宴会」などを予定している。ただし講義内容は諸々の条件により増補・変更される可能性もある。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
遊牧民の歴史を学び、彼らが世界史に与えた影響を理解する。

(2) 個別の学習目標:
定住民の歴史叙述に基づく世界史像を相対化し、世界の多元性を踏まえた思考方法を獲得する。
授業の進め方 講義形式
 パワーポイントによる映写を使用する。
教科書等 <教科書>
 適宜資料を配付し、パワーポイントによる映写を使用する。

<参考図書>
杉山正明1997『遊牧民から見た世界史』日本経済新聞社
小松久男編2000『中央ユーラシア史』山川出版社
宮脇淳子2002『モンゴルの歴史 遊牧民の誕生からモンゴル国まで』刀水書房
小松久男ほか編2005『中央ユーラシアを知る事典』平凡社
 ほか、授業中に随時提示する。
成績評価方法  平常点(授業中に実施する小テスト・小レポート)40%・レポート60%により総合的に評価する。
学習相談 授業後、あるいは随時(要予約)
その他  高校世界史程度の基礎知識を踏まえた上で受講すること。
 平成21年度入学者より教職科目として適用。

対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学講義 X
講義題目:遊牧民の歴史
講師舩田 善之
後期・通常

月曜5限
授業の概要  モンゴル帝国を中心として、遊牧民の歴史、遊牧民が立てた国家・王朝・政権の歴史を講義する。とくに、かれらの文字と史料、歴史観に注目する。
 トピックとしては、「遊牧民の歴史と文字」「遊牧民の歴史と史料」「チンギス=ハンの実像」「チンギス=ハンの奪権とモンゴル帝国の成立」「モンゴル治下中国における歴史文学―『三国志』と『三国志演義』のあいだ―」などを予定している。ただし講義内容は諸々の条件により変更される可能性もある。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
遊牧民の歴史を学び、彼らが世界史に与えた影響を理解する。

(2) 個別の学習目標:
定住民の歴史叙述に基づく世界史像を相対化し、世界の多元性を踏まえた思考方法を獲得する。
授業の進め方 講義形式
 パワーポイントによる映写を使用する。
教科書等 <教科書>
 適宜資料を配付し、パワーポイントによる映写を使用する。

<参考図書>
杉山正明1997『遊牧民から見た世界史』日本経済新聞社
小松久男編2000『中央ユーラシア史』山川出版社
宮脇淳子2002『モンゴルの歴史 遊牧民の誕生からモンゴル国まで』刀水書房
小松久男ほか編2005『中央ユーラシアを知る事典』平凡社
 ほか、授業中に随時提示する。
成績評価方法  平常点(授業中に実施する小テスト・小レポート)40%・レポート60%により総合的に評価する。
学習相談 授業後、あるいは随時(要予約)
その他  高校世界史程度の基礎知識を踏まえた上で受講すること。
 平成21年度入学者より教職科目として適用。

対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学講義 XIII
講義題目:漢朝の国家構造に関する諸問題
中央大学文学部 教授阿部 幸信
後期・集中

授業の概要 〔内容〕
 前漢末に確立された新秩序のありようを再検討し、その歴史的意義と世界史的背景について論ずる。
 前漢の武帝の時代、黄河流域と長江流域を覆う巨大な政治的単位が成立した。以後、この広大な空間を安定的に支配するための諸制度が模索され、前漢末に至って、新しい秩序が誕生することになる。この新秩序がもつ諸特質について、社会史・思想史・文化史的観点から多角的に追究し、あわせて、漢朝が後世に与えた影響にも言及する。
 漢朝による大規模な長期安定支配を可能とした諸条件は、「中国」の内部に求められることが通例であるが、本講義ではアフロ=ユーラシア史全体の動きにいっそう注目し、アフロ=ユーラシアと東部ユーラシアとの相互関係のなかで、漢代史の展開をグローカルな視点から捉え直すことを試みたい。
〔講義計画〕
1.ガイダンス
2.紀元前3世紀〜紀元2世紀の世界史の動向
3.漢武帝による「海内一統」
4.漢朝の「グランドデザイン」
5.成帝綏和元年改革総論
6.漢代の綬制
7.綏和元年綬制改革の理念的背景
8.官僚制度上における周制の機能
9.「無印の官」と印の賜与基準
10.綬の儀礼上の機能と「擬制的封建」の構造
11.漢王朝の「内臣―外臣構造」
12.漢朝の自己意識形成と対匈奴意識
13.追憶される漢朝
14.総括
15.筆記試験
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 漢代の政治・社会・文化についての理解を深めながら、アフロ=ユーラシア史上においてひとつの特徴ある時代であった紀元前3世紀〜紀元2世紀の状況を、東部ユーラシアの具体的実情をとおして把握する。

(2) 個別の学習目標:
1.紀元前3世紀〜紀元2世紀の世界史の全体的な動向の中で、漢朝の果たした役割を説明できる。
2.前漢末の新秩序が、漢代史の流れの中で占めた意義を説明できる。
3.前漢末における漢朝の国家構造の特徴を、具体例を挙げながら説明できる。
授業の進め方  講義形式で行われる。出席をとることはしないが、積極的参加を期待する。
 授業中に随時、関連史料を参照するので、漢文力に自信のない者は、漢和辞典(電子辞書可)を持参するとよい。
教科書等 <教科書>
 指定しない。関連史料は、集中講義初日の冒頭で配付する。

<参考図書>
 漢代史の通説的理解については、一般向けの概説書を参照しておくとよい。下記は一例である。
・西嶋定生『秦漢帝国―中国古代帝国の興亡』(講談社学術文庫、1997年、ISBN:978-4-061-59273-5)
成績評価方法  最終時間に実施する筆記試験により、学習目標の達成度を判断し、評価する。
 出席点は加味しない。
 
学習相談  講義内容に関する質問については、随時受け付ける。授業中に質問する場合は、挙手のうえ、発言の許可を求めること。
 それ以外の質問・相談で、本シラバスをみても明らかでないものについては、電子メールにて受け付ける。
  yukiabe〔@〕tamacc.chuo-u.ac.jp(入力時には〔@〕を@に置き換えること)
その他  12月中の開講を予定している。

対象学年: 制限しない。
履修条件: とくに設けないが、下記の2点を満たしていれば、講義内容に対する理解をさらに深めることができる。
(1)漢代史の流れについての通説的理解に対して、基本的な知識を有すること。
(2)訓点のない初歩的な漢文を、辞書を引きながら訓読できる程度の、漢文読解力があること。

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学講義 XVI
講義題目:近世東南アジアとオランダ東インド会社
西南学院大学経済学部准教授島田 竜登
前期・通常

金曜2限
授業の概要 17・18世紀を近世(近代初期)ととらえ、この時期に東南アジアを含め海域アジア全般で活動を行ったオランダ東インド会社に焦点をあて、近世東南アジア史を考えるためのひとつの手掛かりを提供する。
講義では、まず、オランダ東インド会社について概説し、その後、現在のベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア等とオランダ東インド会社の関係史をそれぞれ考察する。オランダ東インド会社というひとつの共通する視線を持ち込むことで、東南アジアの各地域を比較史的に考察したり、あるいはまた東南アジア各地域の連関性、さらには近世東南アジアの世界史的意義も考察することが可能になる。結果的には、東洋史を専攻とする学生ばかりでなく、日本史や西洋史を考える際にも有益な講義となろう。
なお、オランダ東インド会社文書の歴史研究における有効性とその限界についても説明する予定である。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
本講義が取り扱う時代は、グローバル化が着実に進む時代である。現代に生きる我々が抱えている、ひとつの重要な問題を長期的な視野から考察することで、歴史学研究の重要性や面白さを体得してもらいたい。

(2) 個別の学習目標:
毎回の授業では、2、3の重要な概念や歴史的事実を説明することになるので、それを確実に理解して欲しい。また、個別の事例を積み重ねることで、近代アジアや近代世界の全体像を各人が構築することが最終目的となるので、常に全体を見る目を身につけることも忘れてはならない。
授業の進め方 講義形式による。
教科書等 毎回、ハンドアウトを配布する。
<教科書>
なし。

<参考図書>
毎回の授業時に文献を適宜紹介するが、とりあえず以下の2冊を紹介しておく。
羽田正『東インド会社とアジアの海』(講談社、2007年)。
Ryuto Shimada, The Intra-Asian Trade in Japanese Copper by the Dutch East India Company during the Eighteenth Century (Leiden and Boston: Brill Academic Publishers, 2006).
成績評価方法 出席30%、レポート70%による。
学習相談 毎回の授業の終了後などに申し出てほしい。必要に応じて改めて相談日時を決めることにする。
その他 昨年度(2010年度)前期に「東洋史学講義 XV」として講義した内容とは異なる。「東洋史学講義 XV」を昨年度履修した学生が本講義を履修することは問題はない。

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学演習 I
講義題目:漢唐間の交流と変容−中国を中心としてみた T
教授川本 芳昭
前期・通常

木曜4限
授業の概要 漢から唐までの間の東アジア諸国間・地域間の交流と変容を、中国を中心として取りあげる。
1.胡族国家論
2.北朝国家論
3.六朝史の諸問題
4.民族を中心とした研究動向
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
漢唐間の交流と変容についての概略を理解する

(2) 個別の学習目標:
1.中国語論文の読解
2.漢文の読解
授業の進め方 演習形式
教科書等 <教科書>
演習中に指示

<参考図書>
演習中に指示
成績評価方法 出席50、レポート50
学習相談 演習の後
その他 対象学年:2,3,4
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学演習 II
講義題目:漢唐間の交流と変容−中国を中心としてみた U
教授川本 芳昭
後期・通常

木曜4限
授業の概要 漢から唐までの間の東アジア諸国間・地域間の交流と変容を、中国を中心として取りあげる。
1.胡族国家論
2.北朝国家論
3.六朝史の諸問題
4.民族を中心とした研究動向
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
漢唐間の交流と変容についての概略を理解する

(2) 個別の学習目標:
1.中国語論文の読解
2.漢文の読解
授業の進め方 演習形式
教科書等 <教科書>
演習中に指示

<参考図書>
演習中に指示
成績評価方法 出席50、レポート50
学習相談 演習の後
その他 対象学年:2,3,4
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学演習 V
講義題目:近世海域アジア史
准教授中島 楽章
前期・通常

火曜5限
授業の概要 海域アジア史に関する原典史料や、外国語の研究文献を講読する。
今期は16世紀の海域アジアにおけるヨーロッパ勢力の進出や、キリスト教布教などに関する文献を講読する予定
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
近世海域アジア史の理解

(2) 個別の学習目標:
海域アジア史に関する原典史料・研究文献の読解
授業の進め方 研究文献の講読と議論
教科書等 テキストは教場で配布
<参考図書>
漢文史料の読解には、『中日大辞典』(大修館書店)、山腰敏寛編『中国歴史公文書読解辞典』(汲古書院)が有用。必要に応じて『大漢和辞典』(大修館書店)も引くこと。
成績評価方法 平常点(出席と講読)
学習相談 教場で随時
その他 教職:平成22年度入学者より

対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学演習 VI
講義題目:近世海域アジア史
准教授中島 楽章
後期・通常

火曜5限
授業の概要 海域アジア史に関する原典史料や、外国語の研究文献を講読する。
16世紀以降の海域アジにおける、貿易・外交・文化交流などに関する史料または研究文献を講読する予定。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
近世海域アジア史の理解

(2) 個別の学習目標:
海域アジア史に関する原典史料・研究文献の読解
授業の進め方 研究文献の講読と議論
教科書等 テキストは教場で配布
<参考図書>
漢文史料の読解には、『中日大辞典』(大修館書店)、山腰敏寛編『中国歴史公文書読解辞典』(汲古書院)が有用。必要に応じて『大漢和辞典』(大修館書店)も引くこと。
成績評価方法 平常点(出席と講読)
学習相談 教場で随時
その他 教職:平成22年度入学者より

対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学演習 IX
講義題目:内陸アジア史史料講読
講師舩田 善之
前期・通常

木曜2限
授業の概要  内陸アジア史に関する史料を輪読する。演習形式で講読・討論を行う。
 『長春真人西遊記』をとりあげ、史料原文と王国維による注を講読し、史料読解能力の向上を目指すとともに、伝統的な考証学に基づく史料読解の手法を身につけていく。
 1220年、道教全真派の道士丘処機は、チンギス=カンの招聘を受け、中都燕京、モンゴル高原を経て中央アジアに至り、1222年、ヒンドゥークシュ山脈あたりでチンギス=カンに謁見した。この行程を詳細に記録したのが『長春真人西遊記』である。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
@歴史研究の基礎である史料について、基本的かつ幅広い知識を獲得する。
A内陸アジア史の史料を読解することにより、東洋史全般の基礎力を養い、幅広く多様な視座を獲得する。

(2) 個別の学習目標:
@史料の読解能力を向上させる。
A史料の校訂・考証の技術を習得する。
B史料の文言の表裏・行間に現れた/隠れた問題を発見する能力、歴史学的な調査能力を涵養する。
授業の進め方 演習形式
 履修者は、原典テキストの校訂・日本語訳・注釈を分担して準備し、それに基づいて会読を行う。その上で史料の内容について全員で検討・議論する。
教科書等 <教科書>
初回の授業で配布する。

<参考図書>
授業中に随時提示する。
成績評価方法  平常点20%・史料講読担当50%・レポート30%で総合的に評価する。
 史料講読の準備内容の水準、授業中の議論における積極性を重視する。
学習相談 授業後、あるいは随時(要予約)
その他  平成21年度入学者より教職科目として適用。

対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
東洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
東洋史学演習 X
講義題目:内陸アジア史史料講読
講師舩田 善之
後期・通常

木曜2限
授業の概要  内陸アジア史に関する史料を輪読する。演習形式で講読・討論を行う。
 『長春真人西遊記』をとりあげ、史料原文と王国維による注を講読し、史料読解能力の向上を目指すとともに、伝統的な考証学に基づく史料読解の手法を身につけていく。
 1220年、道教全真派の道士丘処機は、チンギス=カンの招聘を受け、中都燕京、モンゴル高原を経て中央アジアに至り、1222年、ヒンドゥークシュ山脈あたりでチンギス=カンに謁見した。この行程を詳細に記録したのが『長春真人西遊記』である。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
@歴史研究の基礎である史料について、基本的かつ幅広い知識を獲得する。
A内陸アジア史の史料を読解することにより、東洋史全般の基礎力を養い、幅広く多様な視座を獲得する。

(2) 個別の学習目標:
@史料の読解能力を向上させる。
A史料の校訂・考証の技術を習得する。
B史料の文言の表裏・行間に現れた/隠れた問題を発見する能力、歴史学的な調査能力を涵養する。
授業の進め方  履修者は、原典テキストの校訂・日本語訳・注釈を分担して準備し、それに基づいて会読を行う。その上で史料の内容について全員で検討・議論する。
教科書等 <教科書>
初回の授業で配布する。

<参考図書>
授業中に随時提示する。
成績評価方法  平常点20%・史料講読担当50%・レポート30%で総合的に評価する。
 史料講読の準備内容の水準、授業中の議論における積極性を重視する。
学習相談 授業後、あるいは随時(要予約)
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮史学講義 I
講義題目:朝鮮古代史講義(「南北国時代史」は果たして構成可能なのか)
教授濱田 耕策
後期・通常

火曜4限
授業の概要 ○朝鮮古代史の通史を前期に引き続いて講義します。後期では、韓国・北朝鮮で新羅と渤海の歴史を「南北国時代」と設定する歴史認識を諸方面から考察することを課題として、以下の構成で講義を進めます。
I新羅の骨品制と官制
J新羅の骨品制と社会
K新羅の遣唐使
L新羅の遣日使
M新羅の文化
N渤海の官制
O渤海の社会
P渤海の遣唐使
Q渤海の遣日使
R渤海の文化
S後三国の社会
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
朝鮮古代史の今日的に主要な課題を取り上げて学びます。

(2) 個別の学習目標:
朝鮮古代史が中国と日本との関係と交流のなかで、得意な諸相を獲得していたことを学びます。
授業の進め方 講義形式です。
教科書等 <参考図書>
@李 成 市『古代東アジアの民族と国家』岩波書店、1998年
A石井正敏『日本渤海関係史の研究』吉川弘文館、2001年
B濱田耕策『新羅国史の研究』吉川弘文館、2002年
C濱田耕策『渤海国興亡史』吉川弘文館、20002年
D木村 誠『古代朝鮮の国家と社会』吉川弘文館、2004年
成績評価方法 出席20%、レポ−ト80%で評価します。
学習相談 オフィスアワ−を利用して下さい。
その他 対象学年:2年生、3年生、4年生
履修条件:特段の履修条件はありません。
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮史学講義 IV
講義題目:朝鮮古代史講義(朝鮮古代社会の形成)
教授濱田 耕策
前期・通常

火曜4限
授業の概要 ○朝鮮古代史の通史を講義します。以下の構成で講義を進めます。
(1)朝鮮史の地理的条件−その変化と意識
(2)朝鮮史の記録と資料
(3)朝鮮史の認識と研究者群像
(4)古代史−青銅器の文化・古朝鮮
(5)古代史−土器の文化・古朝鮮
(6)古代史−高句麗の歴史@
(7)古代史−高句麗の歴史A
(8)古代史−三韓の社会
(9)古代史−百済の歴史@
(10)古代史−百済の歴史A
(11)古代史−新羅の歴史@
(12)古代史ー新羅の歴史A
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
「朝鮮」「韓国」「朝鮮史」「韓国史」とは何か、についての基礎知識を学びます。

(2) 個別の学習目標:
「朝鮮」の歴史が大陸の勢力と文化に接して、大陸とも日本とも異なる形成と発展を経てきたことを学びます。
授業の進め方 講義形式です。
教科書等 <教科書>
@東潮・田中俊明『韓国の古代遺跡』1、新羅篇(中央公論社、1988年)
A東潮・田中俊明『韓国の古代遺跡』2、百済・伽耶篇(中央公論社、1989年)
B東潮・田中俊明『高句麗の歴史と遺跡』(中央公論社、1995年)
C礪波護・武田幸男『隋唐帝国と古代朝鮮』(中央公論社、世界の歴史六、1997年)
D早乙女雅博『朝鮮半島の考古学』(同成社、2000年)

成績評価方法 出席20%,レポート80%で評価します。
学習相談 オフィスアワ−を利用してください。
その他 対象学年:2年生、3年生、4年生
履修条件:特段の履修条件はありません。

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮史学講義 V
講義題目:高麗−日本関係の史的実像(1)
准教授森平 雅彦
前期・通常

金曜2限
授業の概要 朝鮮半島から日本への渡来人が注目される古代や、豊臣政権の侵略や江戸幕府への通信使派遣に彩られた朝鮮時代にくらべ、正式な国交が存在しなかった高麗時代(918〜1392)の日朝関係は、多くの人にとってイメージの薄いテーマだろう。
しかし約500年間におよぶ高麗時代を通じ、日本との交流は厳然として存在した。
近年、その様相に具体的な検討が加えられ、従来の朝鮮史研究、日朝関係史研究では把握しきれていなかった実態が徐々に明らかになってきた。
この授業では、最新の研究成果をふまえ、両国間の交流の実像を史料にもとづいて復元し、玄界灘地域における両国の人々の生き様に想いを馳せてみたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
高麗史を中心とする朝鮮中世史の具体的かつ体系的な知識を身につけつつ、高麗−日本関係の史的実像に触れる。

(2) 個別の学習目標:
上記の目標にそって紹介・解説されるトピックを通じて、「国家」「地域」「民族」とは何であるのか、また「外交」とは何であるのかを考える。
授業の進め方 おおむね以下のような流れで行う。
ただし講義内容は研究の進展をふまえてリアルタイムで増補して行くため、扱いきれなかった項目については次学期にまわすこともある。
1)高麗史の概要
2)前史:9世紀の新羅−日本関係:新羅商人と新羅海賊
3)10世紀:高麗の通交アプローチと平安貴族の「冷たい」対応
4)11世紀前半:刀伊の入寇(女真人海賊)をめぐる両国交渉
5)11世紀後半:貿易の活況と担い手
6)12世紀:両国通交の「鈍化」に関する評価
教科書等 授業のなかで参考文献を紹介する。
<参考図書>
『朝鮮の歴史』(田中俊明編,昭和堂)※2009年の第2刷を使用すること
成績評価方法 期末レポートによる(ただし出席が授業回数の過半に満たない者は提出資格無し)
学習相談 質問は教場にて。それ以外の相談は要予約(morihira*lit.kyushu-u.ac.jp *は@に直してください)。
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮史学講義 VI
講義題目:高麗−日本関係の史的実像(2)
准教授森平 雅彦
後期・通常

金曜2限
授業の概要 朝鮮半島から日本への渡来人が注目される古代や、豊臣政権の侵略や江戸幕府への通信使派遣に彩られた朝鮮時代にくらべ、正式な国交が存在しなかった高麗時代(918〜1392)の日朝関係は、多くの人にとってイメージの薄いテーマだろう。
しかし約500年間におよぶ高麗時代を通じ、日本との交流は厳然として存在した。
近年、その様相に具体的な検討が加えられ、従来の朝鮮史研究、日朝関係史研究では把握しきれていなかった実態が徐々に明らかになってきた。
この授業では、最新の研究成果をふまえ、両国間の交流の実像を史料にもとづいて復元し、玄界灘地域における両国の人々の生き様に想いを馳せてみたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
高麗史を中心とする朝鮮中世史の具体的かつ体系的な知識を身につけつつ、高麗−日本関係の史的実像に触れる。

(2) 個別の学習目標:
上記の目標にそって紹介・解説されるトピックを通じて、「国家」「地域」「民族」とは何であるのか、また「外交」とは何であるのかを考える。
授業の進め方 おおむね以下のような流れで行う。
1)高麗史の概要
2)「高麗−日本関係の史的実像(1)」のおさらい
3)13世紀前半:進奉貿易と初期倭寇
4)13世紀後半〜14世紀前半:甲戌・辛巳の役(文永・弘安の役)とその後の緊張関係
5)14世紀後半:前期倭寇から朝鮮時代の対日関係へ
教科書等 授業のなかで参考文献を紹介する。
<参考図書>
『朝鮮の歴史』(田中俊明編,昭和堂)※2009年の第2刷を使用すること
成績評価方法 期末レポートによる(ただし出席が授業回数の過半に満たない者は提出資格無し)
学習相談 質問は教場にて。それ以外の相談は要予約(morihira*lit.kyushu-u.ac.jp *は@に直してください)。
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮史学演習 I
講義題目:朝鮮の歴史家−「韓国の歴史家」を読む−
教授濱田 耕策
前期・通常

木曜4限
授業の概要  日韓の歴史、とりわけ近代史の理解は日韓で共通認識を獲得することは極めて難しい現状である。双方にしばしば現れるのは民族主義的な視角からの認識であり、相互の対立である。
 韓国では、80年代に実証主義の歴史研究とその成果を攻撃する歴史認識が市民の一部に興ったが、これを危惧した故・李基白教授(西江大学校)を中心に、『韓国史市民講座』が1987年9月から定期刊行され、市民の韓国史認識の醸成に務めて、今日に至っている。
 そこで、この『講座』に連載された韓国の近代史のなかで、歴史家・歴史研究者が韓国近代史にどう向かい合って研究を進めたのか、その研究成果と生き方を通じて、歴史家・歴史研究者としての営為を理解することをこの演習の課題とする。
 取り上げる歴史研究者・歴史家は以下である。演習の履修学生は下記の一人を取り上げて、その「韓国の歴史家」を全訳するとともに、その人と研究を整理する。

張志淵−11号、申采浩−14号、文一平−15号、朴殷植−17号、鄭寅普−19号、孫晋泰−21号、李丙トウ−24号、咸錫憲−26号、金庠基−31号、李相佰−33号、崔南善−37号、黄鉉−41号、李能和−45号
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
韓国の歴史家・研究者の人と業績を通じて、朝鮮近代の史学史と朝鮮史研究の課題を学びます。

(2) 個別の学習目標:
朝鮮語の読解力の向上を目標とします。
授業の進め方 担当部分の全訳を課題とします。報告は各2回、担当します。
教科書等 <参考図書>
@李佑成著・鶴園裕ほか訳『韓国の歴史像』(平凡社選書、1987年)
A李基白『韓国史散稿』一潮閣、2005年、ソウル
成績評価方法 出席20%,レポート80%で評価します。
学習相談 オフイスアワ−を利用して下さい。
その他 対象学年:2年生、 3年生、 4年生
履修条件:韓国語・朝鮮語の初歩を学んでいることが望ましい。
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮史学演習 II
講義題目:「朝鮮史を理解する基本史料」(古代史文献編)
教授濱田 耕策
後期・通常

木曜4限
授業の概要 私家版『朝鮮史を理解する基本史料』(古代史文献編)をテキストとし、担当者が一つの史料を担当して、当該史料の研究史を踏まえて、解釈等を整理し、各自の視点からの見解を加えて報告します。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
朝鮮古代史の基本史料を解読します。

(2) 個別の学習目標:
朝鮮古代史を理解するさまざまな視点と研究法を学びます。
授業の進め方 受講生は2回の報告を目途に、文献を担当します。
教科書等 <教科書>
最初の演習時間に『朝鮮史を理解する基本史料(古代史文献編)』を参加者に配布します。

成績評価方法 出席20%,レポート80%で評価します。
学習相談 オフィスアワ−を利用してください。
その他 対象学年:2年生、 3年生、 4年生
履修条件:特段の履修条件はありません。
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮史学演習 V
講義題目:『朝鮮王朝実録』講読
准教授森平 雅彦
前期・通常

火曜3限
授業の概要 朝鮮中世・近世史の基本史料である王朝年代記『朝鮮王朝実録』のうち、ハングルの制定で著名な世宗王代(1418〜50)の『世宗実録』を講読する。
前学期からの継続になるが、初めて出席する受講者のために初回授業時にガイダンスを行う。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
朝鮮史学習に不可欠な漢文史料の読解力を養いつつ、中世・近世史の基礎知識を身につける。

(2) 個別の学習目標:
史料を通じて歴史研究の論点を発見する力を養い、疑問点を解決する調査法を身につける。
授業の進め方 受講者は担当個所について史料原文、書き下し文、現代日本語訳、語釈、論点などを記したレジュメを作成して発表し、それを全員で検討する。発表終了後は、指摘された問題点を補正してレジュメの改訂版を作成し、それをレポートとして提出する。
教科書等 <教科書>
『朝鮮王朝実録』(韓国・国史編纂委員会影印本)を使用。コピーを初回授業時に配布。

<参考図書>
必要に応じて紹介する
成績評価方法 平素の課題報告とレポートを総合的に判断する。
学習相談 随時(要予約)
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮史学演習 VI
講義題目:『朝鮮王朝実録』講読
准教授森平 雅彦
後期・通常

火曜3限
授業の概要 朝鮮中世・近世史の基本史料である王朝年代記『朝鮮王朝実録』のうち、ハングルの制定で著名な世宗王代(1418〜50)の『世宗実録』を講読する。
前学期からの継続になるが、初めて出席する受講者のために初回授業時にガイダンスを行う。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
朝鮮史学習に不可欠な漢文史料の読解力を養いつつ、中世・近世史の基礎知識を身につける。

(2) 個別の学習目標:
史料を通じて歴史研究の論点を発見する力を養い、疑問点を解決する調査法を身につける。
授業の進め方 受講者は担当個所について史料原文、書き下し文、現代日本語訳、語釈、論点などを記したレジュメを作成して発表し、それを全員で検討する。発表終了後は、指摘された問題点を補正してレジュメの改訂版を作成し、それをレポートとして提出する。
教科書等 <教科書>
『朝鮮王朝実録』(韓国・国史編纂委員会影印本)を使用。コピーを初回授業時に配布。

<参考図書>
必要に応じて紹介する
成績評価方法 平素の課題報告とレポートを総合的に判断する。
学習相談 随時(要予約)
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (1単位)
朝鮮史学講読 I
講義題目:朝鮮史研究の名著を読む
准教授森平雅彦
前期・通常

木曜2限
授業の概要 朝鮮史学界において研究史上の画期となった論文を、古代〜近代の各時代から諸分野にわたってピックアップし、順次読み進めて内容を把握しつつ、その妥当性や学説としての意義を出席者全員で検討する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
学術論文を批判的に読解する能力を身につけるとともに、朝鮮史諸分野に対する研究関心を高め、今後の自主的な学習の手引きとする。

(2) 個別の学習目標:
自らの研究関心を意識的に探るとともに、関係する研究文献を自ら捜索する方法とセンスを身につける。また歴史学論文の記述作法を習得する。また朝鮮語で書かれた学術文献の講読を体験してみる。
授業の進め方 初回の授業時に、古代・中世・近世・近現代の各時代の候補論文を数点ずつ教員が提示する。参加者は各々の関心に従って担当する論文を決定し(自ら別個に選んでもよい)、内容の要約整理と論評をレジュメにまとめ、輪番で発表してゆく。発表担当以外の出席者も、毎回他人が担当する論文にきちんと目を通して、討議に積極的に参加することが求められる。この授業時の議論をふまえて、学期末には自分が担当した論文のうち1つを選び、論文評をレポートに作成して提出する。
教科書等 <教科書>
初回授業時に担当論文を決定する。

<参考図書>
随時提示する。
成績評価方法 平素の発表と授業への参加態度、およびレポートを総合的に判断する。
学習相談 随時(要予約)
その他 対象学年:2年生以上

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (1単位)
朝鮮史学講読 II
講義題目:朝鮮の歴史家−「韓国の歴史家」を読む−
教授濱田 耕策
後期・通常

木曜2限
授業の概要 前期科目の「朝鮮史学演習J」の課題を継続して、「韓国の歴史家」を講読する。また、「韓国の歴史家」には取り上げられていない歴史家・歴史研究者(金錫亨、朴時亨、高柄翊、李弘稙)を取り上げる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
歴史家、歴史研究者の人と業績を通じて、韓国の史学史と近代史を学びます。

(2) 個別の学習目標:
朝鮮語の読解力の向上を目標とします。
授業の進め方 担当部分の全訳を課題とします。報告は各2回、担当します。
教科書等 <参考図書>
@李佑成著・鶴園裕ほか訳『韓国の歴史像』(平凡社選書、1987年)
A李基白『韓国史散稿』一潮閣、2005年、ソウル
成績評価方法 出席20%,レポート80%で評価します。
学習相談 オフィスアワ−を利用してください。
その他 対象学年:2年生、3年生、4年生
履修条件:韓国語・朝鮮語の初歩を学んでいることが望ましい。

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮歴史文化論講義 III
講義題目:朝鮮近現代文学史
九州産業大学国際文化学部教授白川 豊
前期・通常

月曜3限
授業の概要  朝鮮の近代文学はおよそ1900年前後から始まる。開化期文学の時代を経て1917年に本格的な近代小説といわれる長編<無情>(李光洙・作)が書かれている。それゆえ現在まで約100年前後の歴史があることになる。その中で前半の三分の一を占める日本による植民地支配が朝鮮の近代文学発展過程において決定的な影響を及ぼしている。その具体相を当時の政治・社会・文化状況との関連のなかで考察していきたい。また1945年の植民地からの解放後、今度は南北の分断という深刻な状況に見舞われ、文学界も左右陣営の対立を余儀なくされる。多くの文人が北朝鮮に移った後、南にとどまったり、逆に越南した人たちが作り上げてきた1950年代以降の韓国文学についてもできるだけ言及したい。
 なお、最初に前近代の文学状況についても略説する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日本による植民地化と近代化という大状況の中で推移してきた隣国の近代文学の流れを把握することと、1945年以降の韓国の現代文学が分断状況のなかでどのように立ちあがってきたのかについて把握すること。

(2) 個別の学習目標:
主な文人(作家、詩人、劇作家、評論家など)の活動の具体相と時代状況との関わりについて実作と正確なデータに基づいて理解すること。
授業の進め方 毎回、資料プリントなどを配付して講義する。
教科書等 なし。
<教科書>
なし。

<参考図書>
その都度紹介。
成績評価方法 原則として、出席30%、期末試験70%で評価する。
学習相談 簡単なものは授業の後でも可。時間のかかることがらなどはメール(sirakawa@ip.kyusan-u.ac.jp)などで別の時間を約束して対応する。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:朝鮮語(韓国語)を読解できなくても可

文学部
歴史学コース
朝鮮史学 専攻
専門科目 (2単位)
朝鮮歴史文化論演習 III
講義題目:植民地朝鮮とジェンダー
鹿児島国際大学 教授井上 和枝
後期・集中

授業の概要 先ず、前近代朝鮮史におけるジェンダーの問題を、家父長制の成立・展開に焦点をあわせて考察する。そして、前近代家父長制が植民地期にどのように変容し、女性たちは家父長制と植民地支配というふたつのくびきのなかでどのように対処し生を営んだのかを検討する。
 具体的には、1920年代〜40年代の新女性を主な対象とし、彼女たちの思想・運動・恋愛・結婚・労働・家庭・消費生活など多面的側面から接近する。
 
 T 朝鮮の家父長制の成立と展開のなかのジェンダー
    姓氏と家門の成立・家族制度・婚姻・相続・儒教的規範とジェンダー 
 U 朝鮮の近代化と「新女性」の登場
    新教育と新女性の登場、家父長制への抵抗としての恋愛・結婚、新家庭の創出

 V 植民地化朝鮮の女性空間
    職業婦人の創出、生活改善運動、衣食住の変化と消費生活、農村の女性たち
学習目標  朝鮮史の流れをジェンダーの側面から考察する。
(1) 全般的な教育目標:
 植民地下の女性たちの生を日常性と結びつけながら多面的視角から理解できるようにする。

(2) 個別の学習目標:
 @ 日本の「新しい女」と比較史ながら、朝鮮の「新女性」の生・歴史的位置を理解する。
 A 「新女性」たちの思想や行動を具体的に検討し、朝鮮社会にどのような影響を与えたの  か理解する。
 B 「支配と抵抗」・「支配と従属」という固定的思考方式を超えて、具体的な生活の側面  から植民地支配とジェンダーを考える。
授業の進め方  各項目の概要を講義形式で行った後、各自にテーマと関連する論文(日本文・韓国文)を読んで紹介・論評してもらう。
教科書等  資料を配付する。
成績評価方法 出席・討論への参加 40%、授業の中の発表 60%
学習相談 集中講義期間およびE-mailで(アドレスは授業の中で指示する)。
その他 1月末〜2月初

文学部


文学部コア科目 (1単位)
朝鮮語初歩 I
講義題目:
福岡大学人文学部東アジア地域言語学科教授村田 寛
前期・通常

木曜1限
授業の概要 ○朝鮮語はその文法構造が日本語とよく似ており,日本語を母語とする人にとっては,とても学びやすい外国語のひとつと言える.しかし,朝鮮語を書くための文字,ハングルを習得するのに時間がかかり,なかなかその先の段階に行けない場合が多い.この講義では,最初に,ハングルの原理を学び,ハングルを自由に読み書きできるように指導する.その後,基本的な文法事項を学び,簡単な会話ができるようになることを目指す.教科書の第1課から第9課までを学ぶ予定である.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
○朝鮮語に関する基礎知識を得ることを目標とする.

(2) 個別の学習目標:
○朝鮮語を書くための文字,ハングルを読み書きできるとともに,基礎単語と基本的な文法事項を習得することを目標とする.
授業の進め方 ○基本的に教科書に従って講義を行う.また,適宜小テストを行う.語学の初歩は基本的に記憶に関する作業が中心となり,本文や単語の暗記をしてもらうことになる.
○実際に話されている生きた朝鮮語に慣れ親しんでもらうために,韓国のテレビ番組や歌などの資料も教材に使う予定である。
教科書等 <教科書>
改訂版『Campus Corean はばたけ! 韓国語』,野間秀樹・村田寛・金珍娥,朝日出版社,2008年(必ず改訂版を購入すること)

<参考図書>
『暮らしの単語集』,野間秀樹,ナツメ社,2003年
成績評価方法 基本的に学期末試験の成績(80%)と授業中に出す課題(20%)で評価する.
学習相談
その他 対象学年:2年生以上

文学部


文学部コア科目 (1単位)
朝鮮語初歩 II
講義題目:
福岡大学人文学部東アジア地域言語学科教授村田 寛
後期・通常

木曜1限
授業の概要 ○朝鮮語の基本的な文法事項を学び,朝鮮語で会話ができるように指導する.基本的に教科書の第10課から第16課までを学ぶ予定であるが,受講する学生のレベルに応じて17課以降も学ぶ予定である。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
○朝鮮語に関する基礎知識を習得することを目標とする.

(2) 個別の学習目標:
○基礎単語と基本的な文法事項,および,朝鮮語での会話力を習得することを目標とする.
授業の進め方 ○基本的に教科書に従って講義を行う.また,適宜小テストを行う。教科書の本文を暗記してもらい,実際に対話練習を行う.受講生が少人数の場合,朝鮮語による実践的な会話力を身につけるためのさまざまなトレーニングを行う.
教科書等 <教科書>
改訂版『Campus Corean はばたけ! 韓国語』,野間秀樹・村田寛・金珍娥,朝日出版社,2008年(必ず改訂版を購入すること)

<参考図書>
『暮らしの単語集』,野間秀樹,ナツメ社,2003年
成績評価方法 ○授業中に出す課題(70%)と学期末試験の成績(30%)で評価する.
学習相談
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:朝鮮語を書くための文字,ハングルを読み書きできること.

文学部


文学部コア科目 (1単位)
朝鮮語 III
講義題目:
本務なし押川 信久
前期・通常

金曜3限
授業の概要 ハングルの読み書きおよび朝鮮語の基礎事項を学んだ学生を対象として、より実践的な場面を想定して、朝鮮語を学ぶ上で必要な事項を講義する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
朝鮮語を自ら学んでいくために必要な基礎能力を身につける。

(2) 個別の学習目標:
旅行などの際に、最低限の意思疎通がはかれるようになることを目指す。
授業の進め方 教科書の内容にしたがって講義を行う。本科目では、第1課から第12課までを扱う予定。各課が終わった翌週の授業のはじめに単語小テストを実施する。また、第4課・第8課終了後には、表現小テストを行う。
教科書等 <教科書>
中西恭子『表現のための中級韓国語』(白水社、2010年)

<参考図書>
朝鮮語の辞書(何でもよい。韓日、できれば日韓も)
成績評価方法 期末試験40%、単語小テスト20%、表現小テスト20%、出席20%
学習相談
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部


文学部コア科目 (1単位)
朝鮮語 IV
講義題目:
本務なし押川 信久
後期・通常

金曜3限
授業の概要 朝鮮語Vに引き続き、朝鮮語を学ぶ上で必要な事項を講義する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
朝鮮語を自ら学んでいくために必要な基礎能力を身につける。

(2) 個別の学習目標:
辞書などを用いながら、朝鮮語の文章を自ら読み進められるようになることを目指す。
授業の進め方 教科書の内容にしたがって講義を行う。本科目では、第13課より第24課までを扱う予定。各課が終わった翌週の授業のはじめに単語小テストを実施する。また、第16課・第20課終了後には、表現小テストを行う。
教科書等 <教科書>
中西恭子『表現のための中級韓国語』(白水社、2010年)

<参考図書>
朝鮮語の辞書(何でもよい。韓日、できれば日韓も)
成績評価方法 期末試験40%、単語小テスト20%、表現小テスト20%、出席20%
学習相談
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:朝鮮語V(前期開講)を履修した者

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学講義 I
講義題目:東アジアから見た日本先史社会V
教授宮本 一夫
前期・通常

火曜3限
授業の概要  日本の弥生時代・古墳時代を、東アジア全体の動きから相対化しながら、概説を行う。以下に、その主な内容を記す。

1 東アジアから見た弥生社会
2 東アジアから見た古墳社会の始まり
3 東アジアから見た古墳社会
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 考古学から東アジア先史世界をどのように理解できるか、あるいはその中の小地域間関係がどのようなものであるのかということを理解してもらいたい。

(2) 個別の学習目標:
 遺跡や遺物から社会を如何に理解できるか、あるいは社会を如何に復原できるかを考える。また、遺物から地域社会の交流を如何に考えるかを目標とする。
授業の進め方  事業中に配布する参考資料やパワーポインターを使いながら、講義を行う。
教科書等 <教科書>
なし

<参考図書>
宮本一夫2009『農耕の起源を探る イネの来た道』吉川弘文館
成績評価方法 出席50%、試験50%
学習相談  事業時間中に随時受け付ける。
その他 履修条件:なし
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学講義 II
講義題目:東アジアから見た日本先史社会W
教授宮本 一夫
後期・通常

火曜3限
授業の概要  日本の古墳時代・古代を、東アジア全体の動きから相対化しながら、概説を行う。以下に、その主な内容を記す。

1 東アジアから見た古墳社会の終焉
2 東アジアから見た古代の始まり
3 東アジアから見た飛鳥・奈良時代
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 考古学から東アジア先史世界をどのように理解できるか、あるいはその中の小地域間関係がどのようなものであるのかということを理解してもらいたい。

(2) 個別の学習目標:
 遺跡や遺物から社会を如何に理解できるか、あるいは社会を如何に復原できるかを考える。また、遺物から地域社会の交流を如何に考えるかを目標とする。
授業の進め方  事業中に配布する参考資料やパワーポインターを使いながら、講義を行う。
教科書等 <教科書>
なし

<参考図書>
なし
成績評価方法 出席50%、試験50%
学習相談  事業時間中に随時受け付ける。
その他 履修条件:なし
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学講義 VII
講義題目:比較考古学
准教授辻田淳一郎
前期・通常

木曜2限
授業の概要 日本列島の先史時代・原史時代を理解する上では,東アジアにおける列島社会の位置付けを考えるのみならず,世界の他地域における社会・文化との比較を通じて相対化することが有効である。その意味で,ユーラシア大陸の反対側に位置する英国は,日本列島の社会・文化を考える上で重要な比較対象といえる。また英国は,理論・方法論・実践の面で様々な形で日本の考古学に影響を与え続けており,英国考古学の今日的な成果を学ぶことはその点でも重要といえる。本講義では,以上の観点から,主に次の4点について講義を行う。1)英国考古学を中心とした考古学の歴史と現在,2)ヨーロッパの先史時代,3)ブリテン島の「ローマ化」の問題,4)日本の先史・原史時代との比較
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
先史時代研究を中心として英国考古学の今日的な成果を学ぶ。またそれとの比較を通じて,日本考古学の成果や日本列島の先史・原史時代像についても理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
・考古学の主な研究対象である物質文化研究の方法や問題意識について理解を深める。またそれを通じて現代考古学の様々な論点を理解する。
・ヨーロッパ・英国の先史時代についての理解を深める。
・ブリテン島の「ローマ化」の問題をはじめとした具体的な課題についての比較検討を通じて,日本列島の先史・原史時代についても理解を深める。
授業の進め方 配付資料に沿って講義を行う。パワーポイントを使用する。
教科書等 <教科書>
なし

<参考図書>
授業中に提示する。
成績評価方法 学期末に筆記試験を行う。自筆ノートと配付資料のみ持ち込み可。
学習相談 可能な限り随時相談には応じる。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:特になし
教職(地理歴史)

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学講義 VIII
講義題目:古墳時代中期・後期の諸問題
准教授辻田淳一郎
後期・通常

木曜2限
授業の概要 日本考古学において,古墳時代研究は,後の律令国家の形成を考える上で重要な位置を占める研究領域である。本講義では,いわゆる「倭の五王の時代」にあたる5世紀代の古墳時代中期と,6世紀代の後期を中心として,考古学的な観点から検討を行う。その上で,日本史上あるいは東アジア史上においてこの時代が持つ意義について考える。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
古代国家形成過程としての古墳時代社会の具体的様相とその特質について理解する。

(2) 個別の学習目標:
・古墳時代社会の様相を考古学的に理解しながら,文献史学の成果とのつながりについても理解を深める。
・日本列島の古墳時代社会を東アジアの視点から理解する。
・日本考古学の中での古墳時代研究の現状と課題の理解を通じて,考古学の方法論・理論についても理解を深める。
授業の進め方 配付資料に沿って講義を行う。パワーポイントを使用する。
教科書等 <教科書>
なし

<参考図書>
適宜指示する。
成績評価方法 学期末に筆記試験を行う。自筆ノートと配付資料の持ち込み可。
学習相談 可能な限り随時相談には応じる。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:特になし
教職(地理歴史)

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学講義 IX
講義題目:社会考古学概論
比較社会文化研究院准教授溝口 孝司
前期・通常

水曜5限
授業の概要 考古学は一般に「物質遺存を用いて人類過去を探求する学問」と定義される。これは一見明快な定義だが、吟味すると、その対象、方法、目的のそれぞれについて、十分な規定がなされていない。このことは、講義当初に論ずることとなるが、目的の規定がなされないと、方法、対象の規定は不可能なのである。本講義では、このことをふまえて、十分に相互に関連づけられ、明快に規定可能な目的、方法、対象の総体としての一般理論体系として、<社会考古学>を構築し、その構造と運用の実例について解説する。

講義は、以下のテーマをめぐって展開される。
T.考古学の定義と一般理論化の不可避性/必然性
U.考古学の一般理論としての社会システム理論
V.社会考古学における<社会>とはなにか?
W.コミュニケーション・システムの考古学
X.社会システムの考古学
Y.考古学の自己言及
Z.社会考古学の実際
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
<社会考古学>の一般理論の構築をテーマとして、考古学研究を構成するさまざまな位相とステージ(観察、記載、分類から因果的理解・説明まで)の布置と相互関係を理解する。

(2) 個別の学習目標:
上述の過程を通じて、現代考古学の代表的理論枠組みについて学習する。
授業の進め方 パワーポイントを用いて要点を図示しつつ講義をすすめます。
教科書等
成績評価方法 試験100%で評価します。
学習相談 講義後の質問を歓迎します。詳しい解説等が必要な場合には、mizog@scs.kyushu-u.ac.jp までご連絡ください。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特になし

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学講義 XII
講義題目:琉球列島の考古学(現状と諸問題)
琉球大学法文学部 教授池田 榮史
前期・集中

授業の概要  琉球列島は九州島から台湾島までの間、約1200kmの海洋中に点在する大小200以上の亜熱帯島嶼地域である。島嶼および亜熱帯という環境と、東アジアの縁辺部に南北に長い連なりを持つという位置的関係の中で、琉球列島の人々は文化的・歴史的個性を育んできた。
 このような琉球列島の文化的・歴史的個性について、本講義では特に考古学研究分野における研究現況を紹介するとともに、これに関する担当教員の見解を述べてみたい。
 また、琉球列島の考古学に視座を据えた時、日本列島や朝鮮半島を含む東アジア、あるいは台湾島からインドシナ半島を経た東南アジアに対しては、どのような研究視点と具体的研究課題が展開するのかについて、担当教員が進めつつある研究課題を例として、紹介を試みる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
琉球列島の文化・歴史に関する関心が高まること、さらに理解が深まること

(2) 個別の学習目標:
琉球列島の考古学研究状況に関する概略的な枠組みを理解する。
その上で、日本列島に加えて、琉球列島という地域的視点を加えることによって、受講生が抱えるそれぞれの研究課題に対する取り組み方や考え方の枠組みに益することがあれば、本講義の目的は果たせたものと考える。
授業の進め方 講義用の配付資料を準備し、これを手がかりに授業を進める。
授業の進行に応じて、ビデオ、スライドなどの資料を用いる。
教科書等 <教科書>
特別な教科書は使用しない。

<参考図書>
授業の中で、参考図書・論文・報告書などを適宜紹介する。
成績評価方法 本務校では出席50%(ただし、2/3以上を出席すること)、レポート40%、小テスト10%で、成績評価。
学習相談 集中講義のため、滞在中はいつでも。
後日、沖縄へ訪ねてくださってもかまいません。
その他 6月21日(火)〜6月25日(土)の間に実施

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学講義 XIII
講義題目:
名古屋大学大学院文学研究科 准教授梶原 義実
後期・集中

授業の概要 2部構成でおこなう。

前半は、国府・国分寺を中心とした、古代の造瓦組織について講義をおこなう。
・古代瓦研究史と研究の意義
・西海道における大宰府系瓦の展開とその意味
・山陽道・山陰道における平城宮系瓦の展開
・東海地方の国府・国分寺瓦屋
・平安期における国分寺瓦屋

後半は、寺院の選地の検討から、古代社会における「寺院」の役割について考えていく。
・古代寺院造営の意義と役割について−研究史概観−
・寺院選地からみた古代寺院への認知−仮説の提示−
・実例検証―吉備地域・近江地域など―
・行基の活動からみた古代寺院
学習目標 本講義を通じて、講義内容そのものだけでなく、考古学の研究動向や研究法などを、自分の興味分野に引きつけ学ぶ能力を身につけることを目的とする。
授業の進め方
教科書等 <参考図書>
梶原義実2010『国分寺瓦の研究―考古学からみた律令期生産組織の地方的展開―』
名古屋大学出版会
梶原義実2010「選地からみた古代寺院の造営事情」『遠古登攀―遠山昭登君追悼考古学論集―』真陽社
成績評価方法 レポートで評価する。レポートについては、授業内容そのものよりも、授業への取り組みや、授業を介しての積極的な自己学習の成果を問うものとする。
学習相談
その他 12月上旬開講予定。

履修条件:とくになし

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学演習 I
講義題目:考古学の諸問題
教授
准教授
宮本一夫
辻田淳一郎
前期・通常

月曜5限
授業の概要 卒業論文作成のための実践的な演習である。
学習目標 (1)全般的な教育目標
考古学一般の諸問題に対する方法論や資料の取り扱いについて検討することを目的とする。
(2)個別の学習目標
卒業論文作成過程を学ぶ。
授業の進め方 受講生の発表と討論形式で授業を進める。
教科書等 <教科書>なし。
<参考図書>なし。
成績評価方法 平常点と期末レポートによって評価する。
学習相談 可能な限り随時相談に応じる。
その他 なし

対象学生:考古学専攻生のみ
対象学年:3年生 4年生
履修条件:特になし
教職(社会)

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学演習 II
講義題目:考古学の諸問題
教授
准教授
宮本一夫
辻田淳一郎
後期・通常

月曜5限
授業の概要 卒業論文作成のための実践的な演習である。
学習目標 (1)全般的な教育目標
考古学一般の諸問題に対する方法論や資料の取り扱いについて検討することを目的とする。
(2)個別の学習目標
卒業論文作成過程を学ぶ。
授業の進め方 受講生の発表と討論形式で授業を進める。
教科書等 <教科書>なし。
<参考図書>なし。
成績評価方法 平常点と期末レポートによって評価する。
学習相談 可能な限り随時相談に応じる。
その他 なし

対象学生:考古学専攻生のみ
対象学年:3年生 4年生
履修条件:特になし

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学演習 V
講義題目:考古学研究の基礎
教授宮本一夫
前期・通常

火曜4限
授業の概要 個別の遺物を対象としながら、その考古資料の時期、産地、特色、考古学的な意味などについて受講生が発表することにより、考古資料の特質を学ぶ。また、考古資料はどのように研究されるかを学ぶ。
学習目標 (1)全般的な教育目標
モノから何を理解するのかを学ぶ。
(2)個別の学習目標
考古学資料に対する方法論や資料の取り扱いについて検討することを目的とする。
授業の進め方 受講生の発表と討論形式で授業を進める。
教科書等
成績評価方法 平常点と定期レポートによって評価する。
学習相談 可能な限り随時相談に応じる。
その他 なし

対象学生:特になし
対象学年:2年生以上
履修条件:特になし
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (2単位)
考古学演習 VI
講義題目:古墳時代研究の諸問題
准教授辻田淳一郎
後期・通常

月曜2限
授業の概要 主に古墳時代関係の先行研究について,特に学説史の視点から検討し,問題の所在を明らかにする。卒業論文を書くにあたっての,考古学の方法論の修得という点も視野に入れる。
学習目標 (1)全般的な教育目標
古墳時代研究を主な素材として,先行研究の学史的意義の捉え方について学ぶ。
(2)個別の学習目標
各個別テーマの検討を行う過程で,あわせて考古学の方法論自体を学ぶ。
授業の進め方 授業は毎回論文を指定し,発表者2名(司会1名+報告1名)が行った報告をもとに討論を行う。
教科書等 <教科書>なし。
<参考図書>授業開始時に文献リストを提示する。
成績評価方法 学期末にレポートを提出する。
学習相談 可能な限り随時相談には応じる。
その他 なし

対象学生:特になし
対象学年:2年生以上
履修条件:特になし
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (1単位)
考古学講読 I
講義題目:朝鮮書講読
教授宮本一夫
前期・通常

木曜3限
授業の概要 韓国考古学会2010『韓国考古学講義』(改訂版)を読む。
学習目標 (1)全般的な教育目標
韓国考古学の基礎学力を養成する。
(2)個別の学習目標
韓国・朝鮮語の読解力を養うとともに、韓国考古学の理解を深めることを目的とする。
授業の進め方 受講生がテキストを輪読し、その翻訳を随時チェックしながら進める。またテキストの考古学的内容について説明し、韓国考古学の理解を深めさせる。
教科書等 <教科書>韓国考古学会2010『韓国考古学講義』(改訂版)
<参考図書>なし
成績評価方法 平常点
学習相談 可能な限り随時相談に応じる。
その他 特になし

対象学生:特になし
対象学年:2年生以上
履修条件:朝鮮語基礎を習得した学生が望ましい。

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (1単位)
考古学講読 II
講義題目:朝鮮書講読
教授宮本一夫
後期・通常

木曜3限
授業の概要 韓国考古学会2010『韓国考古学講義』(改訂版)を読む。
学習目標 (1)全般的な教育目標
韓国考古学の基礎学力を養成する。
(2)個別の学習目標
韓国・朝鮮語の読解力を養うとともに、韓国考古学の理解を深めることを目的とする。
授業の進め方 受講生がテキストを輪読し、その翻訳を随時チェックしながら進める。またテキストの考古学的内容について説明し、韓国考古学の理解を深めさせる。
教科書等 <教科書>韓国考古学会2010『韓国考古学講義』(改訂版)
<参考図書>なし
成績評価方法 平常点
学習相談 可能な限り随時相談に応じる。
その他 特になし

対象学生:特になし
対象学年:2年生以上
履修条件:朝鮮語基礎を習得した学生が望ましい。

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (1単位)
考古学講読 V
講義題目:英書講読
准教授辻田淳一郎
前期・通常

火曜5限
授業の概要 英語で書かれた考古学文献について,訳出および論点についての討論を行う。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
考古学専門の英語の読解力を高める。

(2) 個別の学習目標:
現代考古学における基本概念と議論の焦点について理解を深める。
授業の進め方 出席者による輪読と,考古学的論点についての内容確認。
教科書等 <教科書>
授業中に提示する。

<参考図書>
授業中に提示する。
成績評価方法 授業中の発表と学期末の試験で評価する。
学習相談 可能な限り随時相談には応じる。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:特になし

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (1単位)
考古学講読 VI
講義題目:英書講読
准教授辻田淳一郎
後期・通常

木曜4限
授業の概要 英語で書かれた考古学文献について,訳出および論点についての討論を行う。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
考古学専門の英語の読解力を高める。

(2) 個別の学習目標:
現代考古学における基本概念と議論の焦点について理解を深める。
授業の進め方 出席者による輪読と,考古学的論点についての内容確認。
教科書等 <教科書>
授業中に提示する。

<参考図書>
授業中に提示する。
成績評価方法 授業中の発表と学期末の試験で評価する。
学習相談 可能な限り随時相談には応じる。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:特になし

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (1単位)
考古学実習 I
講義題目:考古学技術の基礎
教授
准教授
宮本一夫
辻田淳一郎
前期・通常

水曜2限・水曜3限
授業の概要 2年生は測量技術や土器・石器の実測方法を実践的に学ぶ。3年生以上の学生は、発掘調査後の資料を使い、発掘調査報告書作成過程を実践的に学ぶ。
学習目標 (1)全般的な教育目標
考古学の基礎的技術を習得する。
(2)個別の学習目標
発掘調査の方法・技術を習得し、発掘調査後にその資料をどのようにして分析していくかについて学ぶ。
授業の進め方 2年生と3年以上を分けて、実習作業を行う。
教科書等 <教科書>なし。
<参考図書>文化庁文化財保護部『埋蔵文化財発掘調査の手引き』1966年
成績評価方法 平常点
学習相談 可能な限り随時相談に応じる。
その他 特になし

対象学生:考古学専攻生に限る。
対象学年:2年生以上
履修条件:研究室主催の野外調査に参加すること。
学芸員

文学部
歴史学コース
考古学 専攻
専門科目 (1単位)
考古学実習 II
講義題目:考古学技術の基礎
教授
准教授
宮本一夫
辻田淳一郎
後期・通常

水曜3限・水曜4限
授業の概要 発掘調査後の資料を使い、基礎的な遺構図面や遺物の整理法を学んだ後、発掘調査報告書作成過程を実践的に学ぶ。
学習目標 (1)全般的な教育目標
考古学の基礎的技術を習得する。
(2)個別の学習目標
発掘調査の方法・技術を習得し、発掘調査後にその資料をどのようにして分析していくかについて学ぶ。
授業の進め方 実習作業を行いながら、実践的に学ぶ
教科書等 <教科書>なし。
<参考図書>文化庁文化財保護部『埋蔵文化財発掘調査の手引き』1966年
成績評価方法 平常点
学習相談 可能な限り随時相談に応じる。
その他 特になし

対象学生:考古学専攻生に限る。
対象学年:2年生以上
履修条件:野外調査や集中整理に参加することを義務づける。
学芸員

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
ヨーロッパ史講義 I
講義題目:前近代ヨーロッパにおける君主権と都市
教授神寳 秀夫
前期・通常

火曜3限
授業の概要 近代市民社会の自由と自治の源流と見なされてきたヨーロッパ(特にドイツ)中世都市の研究は膨大なものがあるが、それに対し、近世都市(特に領邦都市)については停滞と後退(自治権の後退、内部抗争、寡頭政)が過大に評価され、そのため研究成果は少なかった。しかし、近年になり、都市が領邦国家よりも優位に立っていた点、都市と君主権との「共生」、都市の「中間権力」的性格が注目されるようになってきた。こうした研究動向を踏まえた上で、中世都市との比較の観点から、近世都市の全体像を提示し、近世ヨーロッパにおける君主権と都市との関係を考えていきたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
近世におけるドイツ都市の変遷過程、近世統治体制の歴史的特質を理解し、歴史学的思考を身につけてもらいたい

(2) 個別の学習目標:
以下の諸論点を理解することを目標とする。@中世自由都市の統治体制、A近世領邦都市への「転落」の原因、B近世君主統治機構、D都市参事会およびツンフトの中間権力的性格。
授業の進め方 資料を配布して、講義する。
教科書等 <教科書>
特に指定しない。

<参考図書>
神寶秀夫『中・近世ドイツ都市の統治構造と変質』(創文社、2010年)、その他、授業中に適宜、紹介する。
成績評価方法 学期末に筆記試験を行ない、理解力、探求力を評価する。
学習相談 随時、相談に応じる。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:特に無し。
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
ヨーロッパ史講義 II
講義題目:ヨーロッパ近現代の社会と国家
下関市立大学経済学部教授高田 実
後期・通常

金曜2限
授業の概要 ヨーロッパ近現代の社会と国家の特徴について、社会史の視点から考察します。その際、比較の座標軸としてイギリスを設定します。
具体的には、次の5点を課題とします。
1)ヨーロッパ近代社会はどのようにして形成されたのか、市民革命と産業革命に焦点を当てて検討します。
2)ヨーロッパ近代社会の特徴はどこにあるのか、主に、結社(association)のあり方に焦点を当てて検討します。
3)ヨーロッパ近代における社会と国家の関係はどのようなものであったのか、主に19世紀後半に焦点を当てて検討します。
4)ヨーロッパにおける近代から現代への移行について、第一次世界大戦を中心にして検討します。
5)ヨーロッパ社会の現代化の起点となる大戦間期における、社会と国家の再編過程を検討します。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ヨーロッパの近現代社会の特徴を、日本の近現代史を意識しつつ、理解してほしい。

(2) 個別の学習目標:
1)「近代」とは何かを再検討してほしい。一般に「近代」のイメージは「進んだヨーロッパの近代」と直結して理解されがちであるが、それが歴史的な構築物であることを理解してほしい。とくに、日本人にとって、「ヨーロッパ近代」とはどのような意味をもってきたのか、また現在どのような意味をもっているかをしっかりと理解してほしい。
2)近代において社会と国家は分離しているものと理解されてきたが、歴史の実態から検討するとそうしたイメージが誤っていることに気づく。社会と国家の結びつき方の各国別の形態に注目してほしい。
3)第一次大戦後、ヨーロッパ社会が「現代化」するが、この現代化の中身について、今日的な視点から再検討してほしい。キーワードは、「総力戦体制」である。
4)歴史における連続性と断続性について、自分なりにイメージを作ってほしい。歴史は積み木を重ねたように、断続しているわけではないこと、重層的な時間の層のなかで、一つの社会が構築されていくことを理解してほしい。
5)自分の言葉で、歴史を語る力をつけてほしい。特に、この科目が教職科目としての性格を持っていることを考えると、この科目の学習を通して、将来の教師を目指す人びとが、自らの言葉で歴史を語る力をつけることが不可欠である。教師になるものがそのような力をつけるkとなしに、生徒の歴史認識と歴史意識を作る仕事に携わることはできないであろう。
授業の進め方 受講人数も関係するが、それほど受講者が多くなければ、講義とグループ発表を合わせた形で授業を進めたい。受講者が多すぎる場合は、講義形式とする。

第1回 はじめに:講義の課題と方法の説明、歴史を学ぶ意味について
第2回〜第4回 近代ヨーロッパの形成(市民革命と産業革命)
第5回〜第6回 近代ヨーロッパの市民社会
第7回〜第8回 近代ヨーロッパの社会と国家
第9回〜第11回 現代化の起点:20世紀への転換期(帝国主義、国家福祉、第一次大戦、民主化)
第12回〜第14回 大戦間期と現代社会(総力戦体制の形成と大衆社会)
第15回 講義のまとめ
教科書等 テーマごとに参考文献表を提示する。
<教科書>
特に使用しない。

<参考図書>
1)遅塚忠躬『史学概論』(東大出版会、2010年)
2)福井憲彦『近代ヨーロッパの覇権』(講談社、2008年)
3)柴田三千男『近代世界と民衆運動』(岩波書店、)
4)シュテファン=ルードヴィヒ・ホフマン(山本秀行訳)『市民結社と民主主義1750〜1914』(岩波書店、2009年)
成績評価方法 1)3分の2以上の出席がなければ、試験を受験する資格を認めない。
2)成績は、定期試験(持ち込み不可)(50%)とグループ発表(資料とレポート)(50%)で評価する。
3)自主的な努力は追加加点する。
学習相談 1)毎回の講義後に質問や相談を受けます。
2)メールを通じて、学習相談を受け付けます。m-takada@shimonoseki-cu.ac.jp にメールをください。
その他 教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (1単位)
ヨーロッパ史実習 I
講義題目:西洋史研究入門
教授岡崎 敦
後期・通常

火曜4限
授業の概要  西洋史を研究するための基礎を実習する。
 学門研究の基礎には、幅広い知識と関心に裏打ちされた鋭い問題関心と、個別の資料や文献情報を適切に処理する技術の双方が不可欠である。ここでは、歴史学研究の基礎的素養を涵養するため、以下の三つの課題に取り組む。
 第一に、歴史理論書の輪読を通じて、歴史学のあり方について考える。第二に、特定のテーマについて学界の現状をまとめながら、基礎的な情報収集、整理を実習する。最後に、研究報告やレポート作成に関する適切な技術を修得するとともに、生産的な議論を行う作法を身につける。。
学習目標 (1)全般的な教育目標
 学問研究のための基礎的学力習得。
(2)個別の学習目標
 西洋史の卒業論文を自力で準備、完成するための基礎的な素養や技術を身につける。
授業の進め方  学生による発表と討論、および個別指導。
教科書等 <教科書>
<参考図書>
成績評価方法  授業中の発表、出席状況で受験資格を判定する。成績評価は、授業中の発表(40%)、出席状況(40%)、および学期末提出のレポート(20%)によっておこなう。
学習相談  随時相談に応じるが、長時間にわたることが予想される場合には、あらかじめ会談の日時を相談する。
その他 対象学生:専攻学生
対象学年:3年生

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (1単位)
ヨーロッパ史実習 II
講義題目:ヨーロッパ近世史実習
教授神寳 秀夫
前期・通常

火曜4限
授業の概要 ヨーロッパ史実習Tを踏まえて、卒業論文作成のための準備作業を進める。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
卒業論文完成を目指して、そこにいたる種々の過程を具体的な作業を通して体得すること。

(2) 個別の学習目標:
学生各自、卒業論文のテーマを絞っていき、それについての研究史の考察方法、データの処理法、歴史像の構築法を習得すること。
授業の進め方 個々の学生が関心を持った個別テーマに関する重要論文を取り上げ、当該学生が要約を発表し、問題点を指摘した後、討論を通して理解を深め、新たな問題点と研究方法を探っていく。
教科書等 <教科書>
特に指定しない。

<参考図書>
特になし。
成績評価方法 毎回の出席が前提となる。平素の発表と討議、及び、レポートにより、理解力、問題発見能力、探求力を評価する。
学習相談 随時、相談に応じる。
その他 対象学生:専攻学生に限る。
対象学年:3年生
履修条件:ヨーロッパ近世史志望

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (1単位)
ヨーロッパ史実習 II
講義題目:西洋近・現代史研究法
教授山内 昭人
前期・通常

火曜4限
授業の概要 西洋近・現代史に関する基本的テーマを選び、そのテーマに関する史料および研究文献(欧語を含む)の収集と多読・精読を行い、さらに卒論作成の訓練も兼ねて、受講者全員で共同して一つの論文を(ないしは受講者各自が各論文を)実際に作り上げることをめざす。
学習目標 前半部の史料・文献の多読もしくは精読においては、以下の3点に学習の力点が置かれる。@いかに関係史料・文献を網羅的に検索・収集するか。Aいかに読み、いかにカードを取り(あるいは、パソコン・データ入力をし)、そして、いかにレジュメ等をまとめるか。Bいかにテーマに関する研究史をおさえ、いかに様々な解釈の違いを比較照合し検討していくか。
後半部においては、パソコン・データ入力とレジュメ作成を進めていく中で、Cいかに論理的にまとめるかの学習に力点が置かれる。
授業の進め方 原則として、毎回課題を出し、毎次回の授業は課題を果たしたレポートやレジュメをもとに進める。
教科書等 必要な教材は、コピーで適宜配布するか、もしくは各自で収集する。
成績評価方法 平素の成績とレポート、および出席状況で総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーを金曜昼休みに設定するが、可能な限り随時相談に応じる。
その他 課題提出、補足的な指導等にe-メールを活用する。

履修条件:原則としてヨーロッパ史実習 I の履修を前提とする。

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (1単位)
ヨーロッパ史実習 II
講義題目:ヨーロッパ古代・中世史研究入門
教授岡崎 敦
前期・通常

火曜4限
授業の概要  ヨーロッパ古代史および中世史を研究するための基礎を実習する。
 歴史学研究の基盤は、史料の解読と先行研究の理解であるが、これに先立って、概説・概論的知識の獲得および基礎的な技術能力の修得が必要不可欠である。ここでは、卒業論文準備の基礎作業として、以下の三つの課題に取り組む。
 まず第一に、ヨーロッパ古代史・中世史関係の主要テーマ複数について、各自が基礎史料および研究文献を調査し、研究の現状について発表する。第二に、代表的な史料を訳してコメントを加える。最後に、卒業論文作成を念頭において、それぞれ設定したテーマについての史料および参考文献リストを作成し、その解説をおこなう。材料の選択や作業の手がかりなどについては、別個に個別指導を行う。
学習目標 (1)全般的な教育目標
 卒業論文作成へ向けた基礎的学力習得。
(2)個別の学習目標
 ヨーロッパ古代・中世史を対象として、基礎的な知識の習得と、文献・史料の取り扱いの技術を実習する。
授業の進め方  学生による発表と討論、および個別指導。
教科書等 <教科書>
<参考図書>
成績評価方法  授業中の発表、出席状況で受験資格を判定する。成績評価は、授業中の発表(40%)、出席状況(40%)、および学期末提出のレポート(20%)によっておこなう。
学習相談  随時相談に応じるが、長時間にわたることが予想される場合には、あらかじめ会談の日時を相談する。
その他 対象学生:専攻学生
対象学年:2年生

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
ヨーロッパ古代・中世史講義
講義題目:西欧中世における知識人と社会
教授岡崎 敦
前期・通常

金曜2限
授業の概要  西欧中世における知識人を社会との関係で再考する。
 西欧中世の知識人について、かつてル・ゴフは、教育によって生活を糧を得る者と定義し、多かれ少なかれ自律的な言説空間とそれを可能とする社会編成の誕生を、12世紀西欧の特殊な現象とした。ここでは、その代表的人物とみなされたアベラールの生涯と思想を、彼が生きた社会、政治、思想環境との関わりのなかで再考する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 「異文化理解」としての歴史学、すなわち、時間的・空間的「他者」理解のための授業の一環である。

(2) 個別の学習目標:
 西欧中世における知識と社会の関係について、理解を深める。
授業の進め方  配付資料をもとに講義を行う。
教科書等 <教科書>
 教科書は存在しない。

<参考図書>
 参考文献については、授業中にリストを配付する。
成績評価方法  成績評価は、学期末の筆記試験によって行う。
学習相談  随時相談に応じるが、長時間にわたることが予想される場合には、あらかじめ会談の日時を相談して決定する。
その他

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
ヨーロッパ古代・中世史演習 I
講義題目:西欧中世における宗教と社会
教授岡崎 敦
前期・通常

木曜2限
授業の概要  近年問題関心が刷新されつつある西欧中世政宗教史研究についての理解を深める。
 近年の宗教史研究は、人類学、社会学などの影響のもと、かつてのような多かれ少なかれ護教的立場を前提とする思想史、制度史、宗教運動史等から、社会関係や表象体系などの諸問題へ関心を移行させ、広義の文化史へと脱皮しているといえる。ここでは、典型的なキリスト教社会とみなされている中世の西欧を対象として、新たな観点から宗教現象の意味を再考する。具体的には、フランス中世史学界において30年以上、この領域を率いてきた大家による概説を精読する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
西欧前近代史研究のための基礎訓練を行うことが、基本的な目標である。 

(2) 個別の学習目標:
学界の最新の動向に触れ、問題関心のあり方に触れるとともに、外国語読解能力を向上させる。
授業の進め方 フランス語テクストの購読、および必要事項の調査発表。
教科書等 <教科書>
Vauchez, A., L'idée de Dieu, dans J. Favier, éd., La France médiévale, Paris, 1983.

<参考図書>
参考文献は授業中にリストを配付する。
成績評価方法 授業中の発表、出席状況で受験資格を判定する。成績評価は、授業中の発表(40%)、出席状況(40%)、および学期末提出のレポート (20%)によっておこなう。
学習相談 随時相談に応じるが、長時間にわたることが予想される場合には、あらかじめ会談の日時を相談する。
その他 2年生以上
履修条件:フランス語購読能力

対象学年:2年生以上
履修条件:フランス語購読能力
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
ヨーロッパ古代・中世史演習 II
講義題目:フランス中世史料研究
教授岡崎 敦
後期・通常

木曜2限
授業の概要  フランス中世史関連のさまざまな史料を読解しながら、史料取り扱いの技術を学ぶとともに、中世史の基礎知識を身につける。
 歴史学研究の基礎は、史料の正しい読解にあり、そのためには多くの多様な史料に触れながら、要求されるさまざまな技術を身につけねばならない。ここでは、フランス中世史に素材をとって、文書や年代記、法典、会計簿などのさまざまな類型の史料を読解し、政治・経済・宗教などの多様な中世世界がどのように史料に現れているのかを体験する。具体的には、フランスで出版されているさまざまな教育用史料集に素材をもとめて、そこから選択された史料の本文、およびそこに付された注釈の読解によって進める。また、固有名詞や述語をはじめとする基礎知識については、個別に調査と発表を求める。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 歴史学研究の基礎である史料の読解の訓練。

(2) 個別の学習目標:
 多様な史料・史料類型に触れるとともに、フランス語あるいはラテン語史料の読解能力を身に付ける。
授業の進め方  フランス語あるいはラテン語テクストの購読、および必要事項の調査発表。
教科書等  テクストは、学期前にまとめて提示する。
成績評価方法  授業中の発表、出席状況で受験資格を判定する。成績評価は、授業中の発表(40%)、出席状況(40%)、および学期末提出のレポート (20%)によっておこなう。
学習相談  随時相談に応じるが、長時間にわたることが予想される場合には、あらかじめ会談の日時を相談する。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:フランス語講読能力。ラテン語を履修していることが望ましい。
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
ヨーロッパ近世・近代史演習 I
講義題目:ドイツ近世・近代史演習
教授神寳 秀夫
前期・通常

木曜5限
授業の概要 ドイツ史学界の近年の成果である Sigrid Schmitt, Territorialstaat und Gemeinde im kurpfaelzischen Oberamt Alzey: vom 14. bis zum Anfang des 17. Jahrhunderts, Stuttgart 1992 を、輪読、精読する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中世末〜近世のドイツ統治体制史上、規定的な意味を持った領邦国家形成が、地域の諸領主(荘園領主、裁判領主、体僕領主など)や村落との対抗 −相互補完関係の中で、いかにして「アムト管区制」をしくことによって達成されていったのかを修得してもらいたい。

(2) 個別の学習目標:
修得すべき個別的な内容は以下のとおりである。@現在の学界状況、研究動向、A研究の問題設定、史料、方法論、B領邦国家における荘園領主権――裁判権、土地占有権など。
授業の進め方
教科書等 <教科書>
コピー

<参考図書>
授業中に適宜、紹介する。
成績評価方法 毎回の出席が前提となる。平素の理解と討議、及びレポートにより、理解力、問題発見能力、探求力、構築力を評価する。
学習相談 随時、相談に応じる。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:ドイツ語の基礎的な文法の既修。
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
ヨーロッパ近世・近代史演習 II
講義題目:ドイツ近世・近代国制史演習
教授神寳 秀夫
後期・通常

木曜3限
授業の概要 ドイツ国制史の近年の代表的著作である Dietmar Willoweit 著、Deutsche Verfassungsgeschichte, 6.Aufl., München 2009 の第3篇第3章を輪読し、近世‐近代の時代的特質と特殊ドイツ的特質の把握に努める。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
「ビスマルク体制」の議論を対象として、ドイツ語文献の読解力および歴史学的思考能力の向上を目指す。

(2) 個別の学習目標:
修得すべき個別的な内容は以下のとおりである。@現在の学界状況、研究動向、A研究の問題設定、史料、方法論、B統治構造。
授業の進め方 精読をとおして内容を深く理解し、思考していく。
教科書等 <教科書>
コピー

<参考図書>
授業中に適宜、紹介する。
成績評価方法 毎回の出席が前提となる。平素の理解と討議、及びレポートにより、理解力、問題発見能力、探求力、構築力を評価する。
学習相談 随時、相談に応じる。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:ドイツ語の基本的な文法の既修。
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
ヨーロッパ現代史演習 I
講義題目:労働運動史研究の再検討(続2)−トランスナショナルな労働史−
教授山内 昭人
前期・通常

火曜2限
授業の概要 2年間半かけて、ファン・デァ・リンデンのTransnational Labour History (Aldershot/Burlington, 2003) をほぼ読み上げ、労働運動史研究の再検討を行うとともに、新しい労働運動史研究の可能性をも展望した。そのトランスナショナルな労働史研究は目下ますます盛んに進められており、その最新の英語文献を昨年度から再度読みはじめ、今回はその第2回目にあたる。
学習目標 労働運動史の新しい研究、とりわけその方法論的意義の理解を深める。
授業の進め方 外書講読が中心だが、読みっぱなしに終わらないために、適宜内容要約の訓練を行う。
教科書等 テクストは、授業中に配布するか、指示する。
成績評価方法 平素の成績とレポート、および出席状況で総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーを金曜昼休みに設定するが、可能な限り随時相談に応じる。
その他 レポート提出、補足的な指導等にe-メールを活用する。

履修条件:英語読解能力
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
ヨーロッパ前近代史講義 I
講義題目:ジェントリ家政会計簿から見た15世紀イギリスの社会
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科 教授新井 由紀夫
後期・集中

授業の概要 イギリス中世後期社会に生きた、名もなきジェントリ(土地保有階層)の生活を、現存する史料からとことん追ってみたい。具体的には、ラングレイ家の家政会計簿のマニュスクリプトから、バラ戦争期、1473年の1年間をひたすら地味に読み解いてゆくことになる。この史料を手がかりに当時の社会を可能な限り浮き彫りにしてゆくと同時に、この手法の持つ限界についても考察してみたい。はじめにビデオやCDーROMを用いて、中世イギリスの歴史のアウトラインや、政治社会と宗教に関するイントロダクションを行う予定。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
のこされた史料から過去の世界を理解し想像する力は、現代に生きる我々にとって、他者を理解し他者を鏡として自らを理解する力に通じている。このような歴史学の手法から出発して、自分なりの学びを見出してほしい。

(2) 個別の学習目標:
たとえ五百年以上離れているとはいえ、身近な日常生活に関する事柄を、我々の生活と比較しつつ理解してゆくことで、史料を通して考える歴史学の手法を学んでほしい。
授業の進め方 毎回史料やレジュメを配布する。西洋史の基礎知識を特に前提とせずとも理解できるようにしたい。
教科書等 <参考図書>
参考文献については、授業中にリストを配付するが、さしあたり以下の4冊をあげておく。
*キング、エドマンド著 吉武憲司・赤江雄一・高森彰弘訳『中世のイギリス』(慶応義塾大学出版会 2006年)
*グリフィス、ラルフ編著 北野かほる監訳『オックスフォード・ブリテン諸島の歴史 第5巻 14・15世紀』(慶応義塾大学出版会 2009年)
*ギース(三川基好訳)『中世の家族 パストン家書簡で読む乱世イギリスの暮らし』(朝日新聞社 2001年)
*新井由紀夫『ジェントリから見た中世後期イギリス社会』(刀水書房 2005年)。
成績評価方法 出席10%、レポート90%
出席確認を兼ねて、コメントカードを提出してもらうことがある。その提出についても評価に加味する。
学習相談
その他 11月から12月に開講予定。

対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
広域文明史学演習 II
講義題目:近世イギリス史文献講読
九州工業大学工学研究院准教授水井 万里子
前期・通常

木曜4限
授業の概要 近世イギリス史ではイングランド王国中心史観への批判から、アイルランド王国、スコットランド王国を加えた三つの王国を複合する視野で「イギリス史」を論じる、三王国論が提唱されている。本授業では、この三王国論の立場に立ち、ウェールズ(1536年以降イングランド王国に含まれる)、コーンウォルというイングランド王国の周辺部の状況を分析しつつ、地域性の問題について論じたMark Stoyle, West Britons (Exeter, 2002) に収められた論文を講読する。副読本として、1590年代に書かれた当時の記述、Richard Carew, The Survey of Cornwall (刊行史料)なども用い、史料とともにStoyleの議論の解釈を深める。
学習目標 近世イギリス史の主要な議論である三王国論について理解を深め、コーンウォルという具体的な事例から、史料読解もすすめつつ地域性について議論する。
(1) 全般的な教育目標:
イギリス史における、複合民族国家、言語、地域性といったキーワードをイギリスの文献を通して理解する。

(2) 個別の学習目標:
近世イギリスの三王国論、地域性に関する英語の論文を日本語に訳しながら読解する。
補助テキストとしての同時代の刊行史料の記述に触れる。
授業の進め方 輪読。
教科書等 テキストは授業の最初に配布。
成績評価方法 平常出席点20%、レポート80%
学習相談 メールにて随時。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
歴史学コース
西洋史学 専攻
専門科目 (2単位)
広域文明史学演習 IV
講義題目:西洋古代の経済をめぐる近年の論争
別府大学文学部准教授池口 守
後期・通常

金曜5限
授業の概要  M. I. フィンリーが1973年に発表した The Ancient Economy は西洋古代経済史の分水嶺となった。古代の経済を近代の経済に比肩しうるものと捉える M. ロストフツェフらの「モダニズム」を徹底的に批判し,古代の経済を近代のそれとは「質的に違う」ものとして認識するフィンリーを中心に,その後「プリミティヴィズム」が長く学界を支配してきた。ところが近年,実証・理論の両面からフィンリー説への批判が展開され,さらにこれへの再反論がフィンリーなき後のプリミティヴィスト側から挙がり,加えて一部の経済学者がこの論争に関心を寄せるなどして一大論争へと発展している。暫く低調期の続いた古代経済史研究が近年再び活況を呈してきたのは,この動向に刺激された部分が大きい。本演習では The Ancient Economy を中心に,この論争に関連する特に重要な文献を講読し,論文執筆のためのトレーニングを実践する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
論文執筆のためのトレーニングとして,外国語文献(英語)を正確に読み,著者の論理や関連情報を抽出・記録・活用して自らのアイディアを練り上げていく技術を獲得させること。

(2) 個別の学習目標:
毎週,課題として決められた文献を読み,要旨・重要事項・自らのアイディアを適宜記録していくこと。また,学期末にはこれらをまとめてレポートに仕上げること。
授業の進め方 基本的に輪読形式とするが,(i) 文章を和訳するだけでなく,(ii) 論文全体の趣旨,(iii) 段落ごとの要旨,(iv) 学生各自の発想や批評等を適宜求めていく。西洋古代史の基本事項や論争の背景については適宜解説するが,伊藤貞夫・本村凌二編『西洋古代史研究入門』(東京大学出版会, 1997年)のギリシアの経済 (pp.46-58) とローマの経済 (pp.169-183) の解説には目を通しておいて戴きたい。
教科書等 <教科書>
M. I. Finley, The Ancient Economy, California, 1973 (Updated Edition, 1999).
その他の関連文献は授業中に指示する。

<参考図書>
伊藤貞夫・本村凌二編『西洋古代史研究入門』(東京大学出版会, 1997年)
成績評価方法 授業中の評価50%,レポート50%。なお,正当な理由のない欠席や遅刻は減点対象とする。
学習相談 授業の前後以外は主にEメールを活用して相談に応ずる。
その他 対象学年:3年生 4年生
履修条件:西洋古代史の予備知識を必須としないが,下記の「学習目標」を念頭に積極的に取り組む学生を歓迎する。

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学講義 I
講義題目:トルコ民族史文献研究
教授清水 宏祐
前期・通常

火曜3限
授業の概要 トルコ民族史に関するトルコ語文献を購読する
学習目標 トルコ民族史研究の能力向上
授業の進め方 購読
教科書等
成績評価方法 平常点
学習相談 随意
その他 対象学年:3,4年生
履修条件:アラビア語、ペルシア語、トルコ語既習者
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学講義 II
講義題目:トルコ史研究
教授清水 宏祐
後期・通常

火曜3限
授業の概要 トルコ史に関するトルコ語文献、論文を購読する
初学者がトルコ語に慣れ、論文、新聞が読めるようアシストする。
学習目標 トルコ史研究の問題点を考える
授業の進め方 購読
教科書等
成績評価方法 平常点
学習相談 随意
その他 対象学年:2,3,4年生
履修条件:アラビア語既習者、トルコ語既習あるいは学習者
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学講義 V
講義題目:アッバース朝史通論
准教授清水 和裕
前期・通常

金曜2限
授業の概要 アッバース朝カリフとブワイフ朝大アミールの二重権力体制下における、書記官僚社会とその文化形成について論じる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
アッバース史の把握を通じて、歴史学的な問題の建て方を学ぶ

(2) 個別の学習目標:
イスラーム世界の歴史全般に通じる個々の現象への理解を深める
授業の進め方
教科書等 <参考図書>
嶋田襄平『イスラムの国家と社会』。佐藤次高『イスラームの国家と王権』
成績評価方法 学期中に教場試験を行い、それによって評価します
学習相談
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学講義 VI
講義題目:アッバース朝史通論X
准教授清水 和裕
後期・通常

金曜2限
授業の概要 前期の講義を踏まえて、ブワイフ朝期の諸問題と政治史について展開する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
アッバース史の把握を通じて、歴史学的な問題の建て方を学ぶ

(2) 個別の学習目標:
イスラーム世界の歴史全般に通じる個々の現象への理解を深める
授業の進め方
教科書等 <参考図書>
嶋田襄平『イスラムの国家と社会』
佐藤次高『イスラームの国家と王権』
成績評価方法 学期中に教場試験を行い、それによって評価します
学習相談
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学講義 IX
講義題目:アラビア語文献研究入門
主任研究員/早稲田大学イスラーム地域研究機構西村 淳一
前期・集中

授業の概要  アラビア語を学ぶことはイスラームやムスリムを理解するための第一歩である。
 本講義では,アラビア語文献を用いた歴史研究を目指す学生のために,同言語(正則アラビア語)の基本的文法知識と読解技術を講義する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
アラビア語基本文法知識の習得。

(2) 個別の学習目標:
1:アラビア文字を覚える。
2:アラビア語の単語と文章の構造を理解する。
3:アラビア語の文章を読む力をつける。
授業の進め方 基本的には『現代アラビア語入門』に沿って授業を進める。受講者には宿題を課す。
教科書等 <教科書>
黒柳恒男・飯森嘉助著『現代アラビア語入門』(大学書林,1999年)

<参考図書>
池田修著『アラビア語入門』(岩波書店,1976年)
W・ライト著(後藤三男訳)『アラビア語文典』(全2巻,ごとう書房,1987年)
Hans Wehr, A Dictionary of Modern Written Arabic (Arabic - English), 4th ed., NY: Spoken Language Services, 1994.
成績評価方法 出席50%,試験50%
学習相談 随時受けつける。
その他 本講義の受講者はアラビア語文法の予習復習にかなりの時間をとられることになる。受講希望者(特に専攻学生以外の方)はその点を理解した上で受講していただきたい。

対象学年:2年生以上
履修条件:特になし (下記「その他」の項も参照のこと)
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学講義 X
講義題目:ペルシア語文献研究入門
主任研究員/早稲田大学イスラーム地域研究機構西村 淳一
後期・集中

授業の概要  ペルシア語はアラビア語,トルコ語と並ぶ中東主要言語の1つであり,イラン史研究を志す者にとってはその習得が必要不可欠である。
 本講義では,ペルシア語文献を用いた歴史研究を目指す学生のために,同言語の基本的文法知識と読解技術を講義する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ペルシア語基本文法知識の習得。

(2) 個別の学習目標:
1:ペルシア語の文法を理解する。
2:文章を読む力をつける。
授業の進め方 『基礎ペルシア語』に沿って文法について講義し、その後ペルシア語文献を講読する。受講者には宿題を課す。
教科書等 <教科書>
岡崎正孝著『基礎ペルシア語』(大学書林,1982年)
なお講読する文献については授業中に指示する。

<参考図書>
黒柳恒男著『ペルシア語四週間』(大学書林,1982年)
F. Steingass, A Comprehensive Persian-English Dictionary, Beirut, 1975.
成績評価方法 出席100%(ただし講義最終日にレポートを提出してもらう予定)
学習相談 随時受けつける。
その他 アラビア文字を覚えていることが受講の必須条件である。

対象学年:2年生以上
履修条件:アラビア語を習得していることが望ましい。

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学演習 I
講義題目:イスラム文明史学上の諸問題
准教授清水 和裕
前期・通常

木曜3限
授業の概要 各自が研究課題を設定し、その研究結果を報告する。レポート、論文の書き方に慣れ、よい卒業論文が作成できるようにする
学習目標 自発的な研究を行うことが主たる目標
(1) 全般的な教育目標:
課題を自分で設定できるように努める

(2) 個別の学習目標:
先行研究をよくフォローする
授業の進め方
教科書等
成績評価方法 研究結果の報告を重視する
学習相談
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学演習 II
講義題目:イスラム文明史学上の諸問題
准教授清水 和裕
後期・通常

木曜3限
授業の概要 引き続き各自の設定した課題で研究する。史料も扱うことが望ましい
学習目標 卒業論文の構想をかためるのに役立てる
(1) 全般的な教育目標:
論文のかたちで成果をまとめる

(2) 個別の学習目標:
簡単なレポートではなく、研究成果といえるものを提出できるようにする
授業の進め方
教科書等
成績評価方法 研究成果の報告重視
学習相談
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学演習 V
講義題目:イラン史研究
教授清水 宏祐
前期・通常

火曜4限
授業の概要 イラン史に関するペルシア語史料を購読する
学習目標 ペルシア語講読の能力向上
イラン史の枠組みについて考える
授業の進め方 近隣の演習室が騒がしい場合には、ほかの場所での開講を考える
教科書等
成績評価方法 平常点
学習相談
その他 対象学年:3,4年生
履修条件:アラビア語既習者、ペルシア語既習者

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学演習 VI
講義題目:イラン史演習
教授清水 宏祐
後期・通常

火曜4限
授業の概要 イラン史に関する基本史料を講読する
初学者には、基本文法の講義も行う
学習目標 ペルシア語史料が読めるようになること
授業の進め方
教科書等
成績評価方法
学習相談
その他 対象学年:2,3,4
履修条件:アラビア語、ペルシア語既習者および学習者

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学演習 IX
講義題目:アラビア語史料講読
准教授清水 和裕
前期・通常

金曜3限
授業の概要 アラビア語の史料を講読し、またその内容に関連する諸事項を各自が調べ発表します。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
アラビア語歴史史料の読解力を身につける

(2) 個別の学習目標:
史料の扱い方、関連事項の調査法など、1次史料を用いた歴史学的研究の基礎を身につける
授業の進め方
教科書等 <教科書>
参加者と相談して決定する

成績評価方法 授業参加度70%、レポート30%
学習相談
その他 対象学年:3年生 4年生
教職(社会)(地理歴史)

文学部
歴史学コース
イスラム文明学 専攻
専門科目 (2単位)
イスラム史学演習 X
講義題目:アラビア語史料講読
准教授清水 和裕
後期・通常

金曜4限
授業の概要 前期に引き続いてアラビア語の史料を講読し、またその内容に関連する諸事項を各自が調べ発表します。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
アラビア語歴史史料の読解力を深める

(2) 個別の学習目標:
史料の扱い方、関連事項の調査法など、1次史料を用いた歴史学的研究の方法を深化させる
授業の進め方
教科書等 <教科書>
前期と同じテキストを用いる

成績評価方法 授業参加度70%、レポート30%
学習相談
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地理学講義 III
講義題目:政治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて
大阪市立大学文学研究科 教授山ア 孝史
前期・集中

授業の概要 本講義は4部14章からなる。第1部「政治地理学がたどってきた道」は、近代における政治地理学の展開、つまり戦前の地政学から現代の政治地理学までの流れを、英米と日本においてあとづけ、「新しい地政学」および「場所の政治」研究の視角を示す。第2部「空間・場所・領域」は、空間や場所と権力との関係を明らかにしつつ、その関係を反映する領域の性質を理論的に解説した上で、グローバル化とナショナリズムについて政治地理学的に考える。第3部「コンテクスト/スケール/言説の政治」は、「コンテクスト」、「スケール」、そして「言説」という政治地理学にとって鍵となる概念について説明し、それらを実証研究のなかでどのように活用しうるかを検討する。第4部は「事例研究にむけて」は、第3部までの理論的・概念的な議論が、具体的な事例研究としてどのように展開できるかを解説している。つまり本講義では、政治地理学の学史・理論・概念・実証というテーマが断続せず、前後のテーマと重なりあいながら展開する構成になっている。受講生がこれら4部からなる本講義を受講することによって、政治地理学の理論的視角のみならず、日常的に見られる政治的な出来事に対する感性と理解が深まることを期待したい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
本講義は、現代社会を地理学的に理解する一つの手段として、政治という側面について考える。政治地理学の入門編として、政治地理学の理論と分析方法について講述したあと、事例研究を紹介し、政治を地理学的研究する有効性について解説する。本講義によって、政治的事象が空間や場所といかに密接に結びついているかを理解できるようになりたい。

(2) 個別の学習目標:
1. 近代政治地理学の展開を批判的に振り返りながら、国際社会の変動を理解する視座として政治地理学の有効性を理解する。
2. マルチ・スケールの観点から、空間・場所・領域に関する政治地理学的理論を理解する。
3. コンテクスト・スケール・言説という概念を用い、グローバル/ローカルな政治事象の分析方法を把握する。
4. 以上の理論的・概念的理解をもとに、政治地理学的な事例研究へのアプローチを習得する。
授業の進め方 講義は下記の教科書にもとづき、パワーポイントを用いて進める。予習として、受講者は以下に示したテキストの各日の指定個所を授業前に読み、疑問点および感想をA4判2頁以内のワードファイルに章ごとにまとめ、各授業日に山崎まで提出すること。

第1日 テキスト第1部(第1章から3章)
第2日 テキスト第2部(第4章から7章)
第3日 テキスト第3部(第8章から10章)
第4日 テキスト第4部(第11章から14章)
教科書等 <教科書>
山ア孝史『政治・空間・場所―「政治の地理学」にむけて』ナカニシヤ出版、2010年を生協等で受講前に購入しておくこと。

<参考図書>
教科書の参考文献リストを参照されたい。
成績評価方法 各授業日の予習コメント(40%)と講義後レポート(60%)によって評価する。
学習相談 教員への相談は電子メール<yamataka@lit.osaka-cu.ac.jp>か、講義後直接相談に来られたい。
その他 2011年9月初旬開講予定。

対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地理学講義 IV
講義題目:境界研究
教授高木 彰彦
後期・通常

木曜4限
授業の概要  近年、日本を取り巻く海洋国境に関する関心が高まっている。しかし、国境と国境線について、私たちは意外に知らないのも実情である。そこで、本講義では、政治地理学における古典的なテーマである境界と境界線について理解を深めることを目的として開講する。授業では、地理学における境界研究を紹介するとともに、境界線の種類や画定方法、世界の国境線と国境地域の特徴などについて考察する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 地理学における境界研究の取り組みを理解するとともに、世界における国境と国境地域の特徴について学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
1.境界研究が地理学における古典的テーマであることを理解する。
2.さまざまな境界線について理解する。
3.境界線の変遷について理解する。
4.世界の国境紛争・国境地域について理解する。
授業の進め方 パワーポイントを用いて説明する。
毎回、小テストを実施する。
以下の授業内容を予定している。
1.イントロダクション
2.地理学の発達と境界研究
3.国家と領域
4.国民国家の形成と現代世界の境界
5.境界線の引き方と種類
6.陸上境界と海洋境界
7.世界の国境線の特徴と国境紛争
8.日本の領土と国境線の変遷
9.日本の国境問題
教科書等 <教科書>
用いない。

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 毎回行う小テスト40%、期末試験60%
学習相談
その他 対象学年:2年生以上
教職(社会)(地理歴史)

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地理学講義 VII
講義題目:「風景」と「郷土」について考える
教授遠城 明雄
後期・通常

火曜2限
授業の概要  この授業では、二つの地理的概念について考えたいと思います。
 第一は「風景」あるいは「景観」です。風景画、そして街や自然の現実の風景は、わたくしたちの日常生活や旅の楽しみを支えるひとつの要素となっています。この授業では、風景・景観が地理学とその隣接分野でどのように理解されてきたのかを理解しながら、近現代の世界について考えていきます。
 第二は「郷土」です。わたしたちは、「郷土」や「故郷」という言葉を日常生活でなにげなく用いています。しかし、それは、「生まれた場所」だけを意味しているわけはありません。むしろ、人、もの、情報の流動性の高まりやそれにともなう中央(国家)と地方の関係性の変化など、近現代社会の構造変動のなかで、郷土や故郷をめぐる諸実践が活発化してきます。したがって、郷土は地域的不均等や政治的情念の葛藤と無関係ではありません。この授業では、郷土概念がどのように論じられ、表象されたのか、また利用されてきたのかについて考えることにしたいと思います。
 最後に、この二つが交叉する場所から、私たちの生きる世界について考えてみたいと思います。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 「風景」と「郷土」をめぐる諸問題について理解を深め、自らの視点で近現代社会のあり方について考えるための力を養う。

(2) 個別の学習目標:
(1)風景・景観をめぐる諸学説について理解を深める。
(2)近現社会における「郷土」をめぐる語りと実践の特徴について理解を深める。
授業の進め方 配付プリントの説明を中心に進める予定です。
教科書等 <参考図書>
随時紹介します。
成績評価方法 授業期間中のミニレポート(数回)40%
学期末レポート60%
学習相談 随時応じます。
その他 教職(社会)(地理歴史)

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地誌学講義 II
講義題目:
福岡教育大学教育学部 教授石丸 哲史
前期・通常

火曜2限
授業の概要 本講義は、日本および世界諸地域の特徴を総合的にみる地誌的内容を展開する。とりわけ、本講義では国内外の島嶼地域および日本の属するアジア地域と対照的な地域をとりあげ、日本と比較することによって両者の特色をより一層浮き彫りにする。そして地理学の原点である地誌学の今日的な意味と地理教育における役割についても言及する。
以下の内容で授業を行う。
・地誌学とは
・世界諸地域を考察するための日本の概観
・沖縄の地誌
・ハワイの地誌
・イギリスの地誌
・地誌的見方の社会科教育への適用
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
系統地理学と地誌学のそれぞれの役割を認識し、地誌的な見方・考え方をさまざまな場面に適用できるようになる。

(2) 個別の学習目標:
・日本の地理的特徴が理解できるようになる。
・我が国における亜熱帯島嶼地域の特徴が理解できるようになる。
・ハワイ諸島の絶対的位置と地理的関係位置、持続可能なリゾート開発について理解できるようになる。
・イギリスの地理的特徴を把握することによって我が国の特徴がより理解できるようになる。
授業の進め方 まず、日本の地理的特色を概観する。次に、自然環境からみて特徴的な沖縄を事例として地誌的内容を展開する。その後、同様の島嶼地域であるハワイをとりあげ地域を概観する。そしてアジアと対照的なヨーロッパのイギリスをとりあげ、地誌的内容を展開する。最後に社会科教育における地誌的見方・考え方の展開について講義する。
教科書等 <教科書>
特になし。プリントやビデオなどを使用する。

<参考図書>
必要に応じて紹介する。
成績評価方法 質問・意見カードと併用した出席票による授業への参加状況と期末試験の成績から評価する。前者は40%、後者は60%である。
学習相談 講義後,質問に応じるとともに,授業の感想を毎回出席確認で求めていくので,次の講義でその内容について説明を追加する。
その他 教職(社会)(地理歴史)

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地理学演習 III
講義題目:21世紀の日本社会を考える
教授高木彰彦
前期・通常

金曜4限
授業の概要 ここ数年、日本の高度経済成長、グローバル化に伴う地域社会の変貌など、20世紀後半における日本社会のさまざまな地域問題について検討してきたが、こうした検討を踏まえて、今年度前期の演習では、最近刊行された現代日本社会に関するいくつかの書物を輪読しながら、今後の日本社会の動向について、地理学的な視点から考察をしてみたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
現代日本社会の諸問題を扱った書物をいくつか輪読することによって、冷戦後の世界政治の変動と日本との関係について理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
以下のトピックスについて理解を深める。1 ポスト戦後社会 2 21世紀日本の地域問題
授業の進め方 講義開始時に指示する書物の中から受講生各自の分担箇所を決定し、毎回1〜2人に分担箇所の要約および感想を報告してもらい、その後全員で討議する。
教科書等 <教科書>
授業中に指示する。

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 授業時のレジュメの作り方、報告の仕方、議論への参加度等を総合的に判断して評価する。
学習相談 随時受け付ける。
その他 無断で遅刻・欠席しないこと。

対象学年:2年生以上

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地理学演習 IV
講義題目:地理学研究法
教授高木 彰彦
後期・通常

金曜4限
授業の概要 この授業では、卒業論文を作成するための準備を行う。まず各自が関心のある分野の実証的な研究を紹介することで、その分野の先行研究について理解を深める。次いで、その分野の展望論文の紹介を行うことで研究の方向や方法について学ぶ。毎回、1、2名のレポーターが上述の報告を行い、参加者はその報告について議論することにより、理解を深める。授業終了時に先行研究の一覧を提出してもらい、できれば卒論のフィールドを決定したい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
1.卒業論文作成へ向けての準備を行うことにより、作成に向けての意欲を高める。
2.卒業論文で何を研究するか、その方向性を定め、最終的にテーマを決定する。

(2) 個別の学習目標:
1.卒業論文作成に向けた文献および資料の探索方法を学ぶ。
2.取りあげた研究論文の問題設定の仕方、資料収集の方法、資料の分析手法、考察の仕方について学ぶ。
授業の進め方  履修学生が、各自、論文を選び、レジュメを作成して内容を紹介するとともに、評価を行う。他の学生は報告内容に関して意見交換し、論文内容の理解を深める。履修学生の数にもよるが、一人最低2回の報告を予定している。最後に、授業内容を踏まえて先行研究の一覧表を提出してもらう。
教科書等 <教科書>
授業中に指示する。

<参考図書>
その都度指示する。
成績評価方法 授業中での発表の仕方及び質疑応答の内容(50%)、レポートの内容(30%)、出席状況(20%)について総合的に評価する。
学習相談 随時応じる。
その他 来年度に卒業論文を作成する予定の学生(3年生)は履修すること。

対象学生:専攻学生に限る
対象学年:「3年生」

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地理学演習 VII
講義題目:人文地理学の基礎
教授遠城 明雄
前期・通常

木曜2限
授業の概要  この授業では、第二次世界大戦以後の日本社会の状況とその諸問題を、空間、都市、コミュニティといった視点から論じている著作を輪読することで、人文地理学にとどまらず、人文社会科学における基本的な視点や問題設定の方法の一端を知ると同時に、日本における個と社会の変容などについても考えてみたいと思います。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 人文社会科学における問題の設定の仕方や方法について理解を深め、自分で課題を設定できるようになるための力を養う。

(2) 個別の学習目標:
 現代日本の社会変動と社会問題について理解を深める。
授業の進め方  最初の時間に発表の分担を決定し、担当者による発表とそれに対する質疑応答によって授業を進める。
教科書等 <教科書>
吉見俊哉『ポスト戦後社会』岩波新書、2009年。
広井良典『コミュニティを問い直す』ちくま新書、2009年。

成績評価方法 出席70%、レポート30%
学習相談 随時応じる。
その他 対象学年:2年生

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地理学演習 VIII
講義題目:「地理学的思考」について考える
教授遠城 明雄
後期・通常

木曜2限
授業の概要  朝、自宅を出て学校に行く途中で、どこに駅があるか、どの道を通れば近いのか、またどこにコンビニがあるのかなど、さまざまな施設の位置関係を知らないと我々の日常生活は円滑に進行しません。こうした実践的な知識を一種の「地理的知識」と呼ぶことができるでしょう。この地理的知識を研究する場合、我々は、場所、地域、領域、時空間、環境といった諸概念を用いて、その構造を理解し説明することになります。この授業では、人文地理学にとって重要な上記の諸概念について理解を深めると同時に、そうした概念から、現代世界とそこで発生している諸問題はどのように見えてくるのか、について考えたいと思います。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 人文地理学の中心概念について理解を深め、自分でそれを利用し、世界を説明できるようになる力を養う。

(2) 個別の学習目標:
 地理学のこれまでの研究史について理解を深める。
授業の進め方 初回の授業で発表の分担と順番を決定した後、発表者の報告と質疑応答によって授業を進める。
教科書等 <教科書>
Harvey, D.Cosmopolitanism and the Geographies of Freedom,Columbia U.P.,2009.

成績評価方法 出席と発表内容70%、レポート30%。
学習相談 随時応じる。
その他

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地理学演習 XII
講義題目:地理情報の整理法
本務なし (柳川市史編さん室嘱託職員)宗 建郎
前期・隔週

水曜3限・水曜4限
授業の概要 この授業はGISなどコンピュータを用いて地理情報を整理し活用するための基礎的な技能を身につけることを目的としています。地理情報には地図やグラフ、表など様々な形があり、それを活用することは地域について自らが考え、そして他人に提示するための大きな手助けとなります。またGIS(地理情報システム)は地理学に限らず様々な分野に普及してきています。一方でGISを利用するにはいくつかの基礎的な知識が要求されるため,扱いが難しく手を出しにくいというイメージがあります。そこでこの授業では実際にArcGISを用いながら,「GISを使ってみる」ことができるようになり、そうして整理された地理情報を提示するための知識と技術を学びたいと思います。
具体的には
1.データベースの理解と作成
2.一般的ソフトウェアによる図表の作成
3.GISの基礎知識
4.ラスタ画像の利用
5.GIS用のデータ作成
6.GISによる空間分析
7.GISを利用したレポート作成法
という手順で授業を進めていきます。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
GISの利用法を理解し,自らデータを作成,整理したものを適切に提示する技術を身につける。

(2) 個別の学習目標:
データベースによる情報整理の技術を身につける。
Excelやイラストレーターを利用した図表の作成技術を身につける。
GISの基本概念を理解する。
既存のデータや作成したデータを利用して地図を作成する技術を身につける。
簡単な空間分析を身につける。
WordやExcelを併用して主題図をつけたレポート作成の技術を身につける。
授業の進め方 基本的に隔週の2時限連続で開講し,基本的な説明のあと実際に各人がGISを操作することを通して進めていきます。授業中にそれぞれが作成したデータを利用しながら次のステップへと進んでいきます。
教科書等 <教科書>
教科書は特に用いません。必要に応じてプリントを配布します。

<参考図書>
高橋重雄・井上 孝・三條和博・高橋朋一編『事例で学ぶGISと地域分析─ArcGISを用いて─』古今書院,2005年
成績評価方法 出席30%,課題70%で評価します。課題は前期の間にいくつか出します。
学習相談 可能な限り随時受け付けます。メールなど連絡方法は授業中に指示します。
その他 実際にコンピュータを使用して授業を行うため,受講希望者数によっては受講制限をする可能性があります。

対象学年:3年生

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
地理学演習 XIII
講義題目:卒論演習
教授
教授
高木彰彦
遠城明雄
後期・通常

木曜5限
授業の概要 この演習では、卒業論文作成のために必要なテーマの選定、先行研究の紹介、研究の進め方について具体的に指導する。
 卒業論文の作成は文学部の教育カリキュラムの中でもっとも重要なものである。この授業では、卒業論文を作成するにあたって、まず、@履修学生が各自のテーマの選定を行う。次いで、Aそのテーマに関する先行研究について、地理学にとどまらず幅広く収集し、その中で重要なものを紹介することによって、それぞれのテーマに関するこれまでの研究成果と研究を進めるにあたっての課題を明らかにする。以上の作業を踏まえて、B履修学生はそれぞれの研究テーマに関連した資料の収集や現地調査等を行っていくことになるが、その経過報告を何度か行ってもらい、担当教官が的確な指導を行う。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
卒業論文のテーマを選定するとともに、先行研究の紹介と当該分野における研究課題を把握し、卒業論文作成に向けての具体的な指針を明らかにする。

(2) 個別の学習目標:
@卒業論文のテーマ選定。1〜2回目の授業の目標となる。テーマに当たっては、履修学生のさまざまな問題関心について語ってもらい、それに対して参加者全員で意見交換し、最終的にテーマが選定できるようにする。
A先行研究の収集と理解。次の数回の授業の目標となる。履修学生が各自のテーマに関連する先行研究の紹介を行い、当該分野におけるこれまでの取組状況と今後の課題を理解する。
B卒業論文の課題の明確化と必要な文献・資料の収集。@・Aの作業を踏まえて、履修学生各自が卒業論文作成に向けての具体的な課題と作業について理解を深め、論文作成のために必要な文献や資料を収集する。授業後半の数回を充当する。
授業の進め方 履修学生による発表を中心に授業を進める。授業時間以外にも、授業の延長として卒業論文の中間報告会を何度か行う。
教科書等 <教科書>
授業中に指示する。

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 授業時および中間報告会での発表内容や普段の取組状況によって総合的に評価する。
学習相談 随時受ける。
その他 他専攻学生で履修を希望する者は事前に担当教員に相談すること。

対象学生:地理学専攻生
対象学年:「4年生」
履修条件:地理学で卒論を作成する学生を対象とする。

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (1単位)
地理学講読 II
講義題目:フランス地理書講読
教授高木 彰彦
後期・通常

金曜2限
授業の概要 フランス語で書かれた地理学の専門書を講読する。前年度に引き続き、選挙地理学Géographie Électoraleの古典を読む。今年度は第2章を読む。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フランス語で書かれた地理学の専門書を講読することにより、地理学の学問的特徴や研究方法の基礎を理解する。

(2) 個別の学習目標:
  1. ローヌ河谷地域の地域的特徴を理解する。
  2. 第三共和制下におけるフランスおよびローヌ河谷における政治状況について理解する。
  3. 選挙地理学の方法について理解する。
授業の進め方 履修者が教科書の一部を分担して和訳しながら、読み進める。
教科書等 <教科書>
Siegfried, A. Géographie Électorale de L'Ardèche sous la Troisième République. Armand Colin: Paris, 1949.

<参考図書>
随時指示する。
成績評価方法 平素の成績および出席状況によって評価する。出席50%。
学習相談 随時受ける。
その他 対象学生:特に定めない
対象学年:2年生以上
履修条件:フランス文法の初歩を履修していることが望ましい。

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (1単位)
地理学講読 VIII
講義題目:空間スケールと政治
教授遠城 明雄
前期・通常

金曜2限
授業の概要  近年、人文地理学や政治学などにおいて「空間スケールと政治」をめぐる諸問題に対する関心が高まっています。その背景には、グローバル化する人やもの、情報の動きによって、これまで自明視されてきた国家や地域といった枠組の再編成が進んでいることがあると思われます。この授業は、ドイツ語圏における空間スケールの議論を学ぶことで、現代社会の空間・政治構造の変化について理解を深めることを目的としています。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 空間スケールをめぐる諸問題について理解を深めることを通して、現代世界の構造転換を地理学的視点から考察、説明する能力を高める。

(2) 個別の学習目標:
ドイツ語圏における空間スケール研究の特徴を理解する。
ドイツ語の読解力を高める。
授業の進め方 初回の授業で発表分担を決めた後、担当者の発表とそれに対する質疑応答によって進める。
教科書等 プリントを配付する。
<教科書>
Markus Wissen:Politics of Scale,2008,Westfalisches Dampfboot

成績評価方法 出席と発表内容100%。
学習相談 随時応じる。
その他 対象学年:3年生 4年生

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (1単位)
地理学実習 I
講義題目:地域調査法
教授
教授
高木彰彦
遠城明雄
前期・通常

火曜5限
授業の概要 この授業では、人文地理学の研究・調査を進めるうえで必要となる、資料収集、統計処理、フィールド調査法について学習する。地域調査のための諸作業を実際に体験しながら、地域社会の現状と諸問題を調査し、日本全体の地域政策や経済構造との関連について理解を深める。毎週行われる教室での作業のほかに、夏期集中(3泊4日を予定)で地域調査を実施する。
 1 ガイダンス
 2 地域調査概説
 3 調査地と調査テーマの決定
 4〜6 調査地に関する史資料と文献の収集方法
 7〜8 地図作製方法の習得と地図を用いた調査地の分析
 9〜10 各種統計資料の分析手法の検討と地理情報システムを利用した調査地の分析
 11 地域調査:公共機関などでの合同調査
 12 地域調査:個別資料、統計類の調査
 13 地域調査:個別の聞き取り調査
 14 調査結果の検討
 15 レポートの作成:『地域調査報告』として刊行する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
人文地理学の研究・調査を進める上で必要な方法を運用できるようになる。
地域の姿を日本全体の地域政策や経済構造との関係で理解することができるようになる

(2) 個別の学習目標:
1〜3では地域調査の基礎、4〜6では資料の収集方法、7〜10では統計処理と地理情報システム、11〜15ではフィールド調査の方法、をそれぞれ学ぶ。
授業の進め方 受講生による発表や作業を中心に進める。特に夏期に3泊4日の予定で地域調査を行う。
教科書等 <教科書>
授業中に指示する。

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 授業時の発表内容と提出されたレポートの内容によって評価する。
学習相談 随時相談に応じる。
その他 社会調査士の資格となる科目。他専攻学生でこの授業の受講を希望する者は、前もって担当教員に相談すること。

対象学年:3年生
履修条件:地域調査(夏期集中)に参加できること。
社会調査士

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (1単位)
地理学実習 II
講義題目:自然地理学
福岡教育大学教授黒木 貴一
後期・隔週

火曜4限・火曜5限
授業の概要 自然地理の研究では、1)地図や空中写真の判読能力、2)現場での調査能力、3)パソコンでの情報解析能力、4)以上の判読・調査・解析結果の表現能力が必要である。本実習では、これらの基礎的な能力の養成を目指す。
1. ガイダンス
2. 各種地図の紹介と地形図の詳細情報説明
3. 接峰面図・地形縦断面図・鳥瞰図作成
4. 基準点の情報検索と調査
5. ハンドレベルによる高さ計測とクリノメーターによる地図作成
6. 空中写真による段丘・扇状地・沖積平野・海岸平野の地形判読
7. 土地利用変化情報抽出と現地確認
8. デジタル地図情報の使用練習
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
本実習では、地図の作成方法、読図、地図を用いた現地調査方法、地図の加工方法、数値地図の利用法について理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
2、3、6では地図や空中写真の判読能力、4、5、7では現場での調査能力、8ではパソコンでの情報解析能力、また同時に3、4、6、8では判読・調査・解析結果の表現能力を高める。なお2、3、6ではスライドによる説明も実施する。
授業の進め方 本実習は、特に自然地理学の研究の基盤となる地図、空中写真、数値地図を使用し、室内実習と野外実習を交えながら地理調査技術の基礎を学習する。そこではスケッチ、図表作成、製図など能動的な学習を進める。また実習に対し毎回のレポートを課す。
教科書等 特になし。
成績評価方法 出席は評価の条件とし、平素のレポートの成績にて評価する。
学習相談
その他 地形図、フィールドノート(古今書院)、3色ボールペン、色鉛筆などを使用する。

対象学年:2年生

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (1単位)
地理学実習 III
講義題目:地域調査法入門
教授
教授
高木彰彦
遠城明雄
前期・集中

授業の概要 この授業では、人文地理学の研究・調査を進めるうえで必要となる、野外調査の基礎を学習する。都市と農村における空間・社会変容の歴史と実態を把握する作業を通じて、地域の変容過程を理解するための方法を実際に体験しながら学習する。福岡県内の都市部と農村部で合計5回の野外実習を行う予定である。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
1.野外調査を行うために必要な基礎的知識や方法を学ぶ。
2.近年の都市と農村の社会・空間変容の背景と問題点について理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
15回の授業を3回ずつに分け、それぞれ、1・2回を現地調査の準備、3回目を現地調査およびその反省にあてる。この作業を通じて、地域調査の基礎的な方法と実践を学習する。
1.調査対象地域の地理的・歴史的特徴の理解を深める。
2.調査対象地域の特徴を現地調査によって把握する。
3.フィールドノートの作成の仕方を学ぶ。
授業の進め方 室内における統計・資料の分析と野外での調査を行う。以下の内容を予定している。
第1、3、5回は都市部をフィールドとして、地域構造の歴史的変遷や都市再開発事業などを主たるテーマとする。第2、4回は農山漁村をフィールドとして土地利用や景観の変遷、生業の変化などを主たるテーマとする。
1 イントロダクション
2 都市地域構造の歴史的変遷の検討
3 野外調査の実践@
4 農村における土地利用の検討
5 農村における景観変化の検討
6 野外調査の実践A
7 都市部における再開発事業の変遷
8 地域住民の日常生活の検討 
9 野外調査の実践B
10 農山村における生業の検討
11 農山村における生活行動の検討
12 野外調査の実践C
13 都市部における産業施設の立地の検討
14 野外調査の実践D
15 まとめ
教科書等 <教科書>
用いない。

<参考図書>
授業中に指示する
成績評価方法 出席と提出されたレポートの内容によって評価する。出席40%,レポート60%
学習相談 随時相談に応じる。
その他 受講希望者は4月上旬にガイダンスを行うので掲示板の連絡に注意すること。野外調査に出かける場合には、運動靴等動き回れる服装で来ること。
・ガイダンスは4月15
日(金)の12時〜13時に、地理学演習室で行います。履修希望者は出席すること。

対象学年:2・3年生
履修条件:野外調査に必ず参加できること。
社会調査士

文学部
人間科学コース
地理学 専攻
専門科目 (2単位)
自然地理学講義 II
講義題目:水文環境と人間
立命館大学文学部 教授吉越 昭久
前期・集中

授業の概要  人間は、周囲の自然環境に影響を受けるだけでなく、開発や農耕などの行為を通して逆に自然環境にも影響を与える。この相互関係について、自然環境の一つである水文環境を例にとって、様々な事例を加えながら解説してみたい。
 具体的な内容としては、以下の7つの単元からなる。
    @水文環境の概説
    A河川と流域
    B地下水とその変化
    C湖沼とその変化
    D雪氷と温暖化
    E都市域の水文環境
    F歴史時代の水文環境
 この各単元について、基礎的事象、変化の実態、変化の要因について講じる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 水文環境の基礎的事象を知り、その変化(自然環境に影響を受けることと、自然環境に影響を与えることの両方の変化)にいかに人間がかかわっているかを客観的に理解できるようになること。

(2) 個別の学習目標:
 身近な変化から、地球規模での変化まで、現象の空間的・時間的スケールに即して、水文環境の変化を理解できるようになることと、その防止策についても考える視点を持つこと。
授業の進め方 パワーポイント、配布資料、ビデオなどを利用しながら進める。講義の最後には、質問にも答える時間をとる。
教科書等  講義の中で、必要に応じて紹介する。
成績評価方法 筆記試験(80%)と出席(20%)で評価する。
学習相談  集中講義なので、日常的な学習相談には乗りにくいが、講義の修了後にでも、相談に応じる。
その他 9月中・下旬を予定している

教職(社会)(地理歴史)

文学部
人間科学コース

コース共通科目 (2単位)
地理学概論
講義題目:社会地理学序論
教授遠城 明雄
前期・通常

木曜4限
授業の概要  この授業では、人文地理学の一分野である「社会地理学」の基本概念と視点、その方法について、具体的な事例を通して解説していきたいと思います。授業予定は以下のとおりです。
 1.イントロダクション
2.社会地理学の基本的視点
3.地図から社会を考える
4.人間と自然・環境の関係をめぐって
5.近・現代世界の形成とその変容
6.都市形成をめぐる諸問題
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
社会地理学的視点から近現代世界の社会・空間構造の特徴について理解を深め、近現代社会の諸問題について自らの視点から考える力を養う。

(2) 個別の学習目標:
社会地理学の基本概念と視点、方法について学ぶ。
授業の進め方 配付プリントの解説を中心にして授業を進める予定です。
教科書等 <教科書>
特になし。

<参考図書>
授業中に随時紹介する。
成績評価方法 授業期間中の小レポート(複数回を予定)40%と学期末のレポート60%
学習相談 随時受け付ける。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特になし。
教職(社会)(地理歴史)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学講義 I
講義題目:日本語の音声
教授高山 倫明
前期・通常

木曜2限
授業の概要 調音音声学の基礎を押さえたうえで、ふだん使っていることばをできるだけ客観的に観察し、調音(いろいろな種類の言語音を作り出すこと)の仕組みを理解し、そこに存する種々の規則性の発見につとめる。また、音韻史の方法と、諸方言音声の来歴をあわせ考える。
1〜 2:音声器官――音声生成のしくみを学ぶ
3〜 4:音声の分類と記述――調音位置と調音方法、音声記号を学ぶ
5:音韻論の基礎――音声学と音韻論の違いを学ぶ
6〜 8:単音――日本語の母音・子音の諸相を学ぶ
9〜10:音節とモーラ――音節構造と韻律単位を学ぶ
11〜13:韻律論――アクセント、イントネーションの構造を学ぶ
14〜15:音韻史の基礎――日本語音声の変化とバリエーションを学ぶ
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
全般的な教育目標:教科書的知見ではなく、その知見を得るための方法論を学んでほしい。

(2) 個別の学習目標:
言語音を客観的に観察し記述するための方法を学ぶ。観察の主たる対象は自分自身の日常語である。自己というフィールドをじっくりと探索し、観察する楽しみを学んでほしい。
授業の進め方 毎回の授業は、講義、音源の聴き取り、発音実技、必要な画像のプロジェクタによる提示、等をくりかえす形で進行する。
教科書等 <教科書>
プリントを配布する。

<参考図書>
斉藤純男著『日本語音声学入門』三省堂(2,000円+税)、上野善道編『朝倉日本語講座3音声・音韻』朝倉書店(4,600円+税)、シリーズ言語の科学2『音声』岩波書店(3,990円)、服部四郎『音声学』岩波書店、P.ラディフォギッド『音声学概説』大修館(3,675円)、等。
成績評価方法 出席40%、筆記試験60%。試験は持込一切不可(短期留学生は辞書のみ可)。
学習相談 オフィスアワーを火曜3限に設定するが、可能なかぎり随時相談には応じる。また、メールでの問い合わせも可(アドレスは配布資料参照)。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特になし
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学講義 II
講義題目:日本語音韻史概説
教授高山 倫明
後期・通常

木曜4限
授業の概要  平安の王朝文学は音読で享受されたという説がある。そうだとしたら、たとえば紫式部はどんな発音で源氏物語を朗読したのだろうか。もちろん、録音もない千年も昔の日本語の発音が簡単にわかるはずはない。しかし、現代の諸方言の音声や、各時代各種の文献資料から適切にデータを収集し、一定の方法論に従ってそれらを照らし合わせていくと、ある程度の輪郭は見えてくるのである。
 この講義では、過去の研究に学びつつ、その方法論を批判的に検証し、諸方言の実態からどこまで歴史が描けるか、また文献の記述から史的変遷がどこまで帰納できるかを、注意深く考えていきたいと思う。
 1.音声学・音韻論の基礎
 2.日本語諸方言の音韻分布
 3.言語史の方法
 4.日本語音韻史の方法
  4-1.音声変化の蓋然性と音韻体系
  4-2.スムとニゴルの音声学
  4-3.古代的濁音の弁別的特徴
  4-4.音用論と音声学的蓋然性
  4-5.表記史と音韻史
  4-6.アクセント史の方法
 5.結論
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
全般的な教育目標:教科書的知見ではなく、その知見を得るための方法論を学んでほしい。

(2) 個別の学習目標:
1〜3では理解の前提となる音声学・音韻論、および言語史に関する基礎知識の修得を目指す。4では方法論を中心にした日本語音韻史研究の現状と課題を考える。
授業の進め方 配布資料及びプロジェクタ画面に沿って講義を行う。また、方言音声や平安時代中央語の復元音声等をできるだけ多く聴かせたいと思う。
教科書等 <教科書>
プリントを配布する。

<参考図書>
斉藤純男著『日本語音声学入門』三省堂(2,000円+税)、上野善道編『朝倉日本語講座3音声・音韻』朝倉書店(4,600円+税)、『講座国語史 2 音韻史・文字史』大修館書店(3,800円+税)、沖森卓也編『日本語史』おうふう(1,900円+税)、山口明穂他編『日本語の歴史』東京大学出版会(2,400円+税)、等。
成績評価方法 出席40%、筆記試験60%。試験は持込一切不可(短期留学生は辞書のみ可)。
学習相談 オフィスアワーを火曜3限に設定するが、可能なかぎり随時相談には応じる。また、メールでの問い合わせも可(アドレスは配布資料参照)。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特になし
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学講義 III
講義題目:日本語文法史研究(1)
准教授青木 博史
前期・通常

火曜3限
授業の概要 形態論的観点から見た日本語文法の歴史について説く。
古典語における実態の記述にとどまらず,歴史的変化をダイナミックに描くことを試みる。
内容は,以下のトピックを中心に述べる。
1. 活用
2. 派生
3. 複合
4. 重複
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
・文法的に言語を分析する方法論を学習する。
・言語を歴史的観点からとらえることで,言語のしくみを理解する。

(2) 個別の学習目標:
・文献資料の扱い方,問題設定の仕方,観察・記述・説明の方法について理解を深める。
授業の進め方 配布資料に基づき,講義形式で行う。
授業終了時には質問票を配布し,次の授業開始時にそれらの質問に答えることで,理解度を確認しながら進める。
教科書等 <教科書>
資料を配布する。

<参考図書>
『国語派生語の語構成論的研究』(蜂矢真郷,2010年,塙書房)
『語形成から見た日本語文法史』(青木博史,2010年,ひつじ書房)
成績評価方法 出席および試験によって評価する。割合は,出席20%・試験80%とする。
学習相談 週2時間のオフィスアワーの他,随時相談に応じる。
その他 対象学年:3年生 4年生
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学講義 IV
講義題目:日本語文法史研究(2)
准教授青木 博史
後期・通常

火曜3限
授業の概要 統語論的観点から見た日本語文法の歴史について説く。
古典語における実態の記述にとどまらず,歴史的変化をダイナミックに描くことを試みる。
内容は,以下のトピックを中心に述べる。
1. 格
2. ヴォイス
3. 副詞節
4. 名詞節
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
・文法的に言語を分析する方法論を学習する。
・言語を歴史的観点からとらえることで,言語のしくみを理解する。

(2) 個別の学習目標:
・文献資料の扱い方,問題設定の仕方,観察・記述・説明の方法について理解を深める。
授業の進め方 配布資料に基づき,講義形式で行う。
授業終了時には質問票を配布し,次の授業開始時にそれらの質問に答えることで,理解度を確認しながら進める。
教科書等 <教科書>
資料を配布する。

<参考図書>
『日本語記述文法の理論』(近藤泰弘,2000年,ひつじ書房)
『格助詞「ガ」の通時的研究』(山田昌裕,2010年,ひつじ書房)
成績評価方法 出席および試験によって評価する。割合は,出席20%・試験80%とする。
学習相談 週2時間のオフィスアワーの他,随時相談に応じる。
その他 対象学年:3年生 4年生
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学講義 VI
講義題目:日本語の述部形態
慶應義塾大学文学部 教授屋名池 誠
前期・集中

授業の概要  日本語の文の述部の形態は、従来も「活用」の問題として論じられてきたが、精密さの点で大きな問題があった。また、述部は「活用」するとアクセントの面でも語形変化するのだが、この側面は従来ほとんど研究されてこなかった。アクセントの側面を含む日本語文の述部の形態について、諸方言、各時代語まで視野に入れ、精密な分析をおこなう。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 母語である日本語を客観視できるようになるとともに、日常の生活のなかで遭遇する、ことばをめぐる種々の問題を的確に捉え、分析し、対処するため応用できる力を身につける。

(2) 個別の学習目標:
 高校までに学んできた学校文法にとらわれず、直接、日本語の「かたち」に向き合い、その規則性に目を開く。
授業の進め方 次のような順序・内容で講義してゆく予定。
 1. 語と形態素、語複合体
 2. 形容詞・動詞からの形態素の抽出
 3. 「活用」の記述方法
 4. 従来の記述方法との比較
 5. 諸方言・各時代語の「活用」
 6. アクセントとその体系
 7. 「アクセント活用」
 8. 「アクセント活用」の記述方法
 9. 諸方言の「アクセント活用」
 10. 各時代の「アクセント活用」
教科書等 <教科書>
使用しない。適宜プリントを配布する。

<参考図書>
「活用の捉え方」「活用とアクセント」(日本語教育学会編『新版日本語教育事典』大修館書店)
成績評価方法 リポートによる。出席状況も勘案する。
学習相談 質問は随時受け付ける。
その他 基礎知識は特に必要としない。
開講日:9月5日(月)〜8日(木)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学演習 I
講義題目:古代語の研究―言語史資料としての万葉集―(1)
教授高山 倫明
前期・通常

木曜3限
授業の概要  漢字という外国の文字を自家薬籠中のものとするために、上代人はさまざまに模索して種々の万葉仮名表記と変体漢文を作りだし、のちの「漢字仮名まじり」という表記システム確立の基礎を固めた。ここでは、万葉集の表記について漢語音韻学・日本語表記史の観点から分析を加え、奈良時代日本語の諸問題を考察する。
 元暦校本万葉集巻七をテキストとし、短歌形式の歌を一〜二首各自で自由に選択のうえ、以下の諸点に注意しつつ訓読試案を提出するとともに、また自ら設定したテーマについての調査・考察の結果を発表する。
 ・底本の付訓を批判的に検証すること(どうしてそのような訓が付されているのか、どうしてそのように訓めるのか、等々)
 ・先行研究を踏まえたうえで、最も合理的な解釈を模索すること。
 毎回1名の担当者が発表を行うこととし、時間配分については、発表60分、質疑応答30分を目安とする。考察対象の歌は一首でも二首でもよいが、時間内で説明が終わるようにすること。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
判断材料の収集、批判的取捨選択、論理の構築、適切な自己表明、等々に対する技術を会得する。

(2) 個別の学習目標:
日本語表記システム確立過程を肌で感じる。文献学・漢語音韻学等の基礎を学び、先行研究の方法論を批判的に検証する。
授業の進め方 演習形式。毎回1名の担当者が一〜二首を取り上げ、調査・考察の結果を発表する。それをもとに参加者全員での討論を行う。
教科書等 <教科書>
鶴久・森山隆『万葉集』おうふう、佐竹昭広他『萬葉集』塙書房、中西進『校訂萬葉集』角川書店、等、万葉集全巻原文所載のテキストを用意すること。

<参考図書>
大島正二『漢字と中国人』岩波書店(780円+税)、佐藤 昭『中国語語音史』白帝社(2,200円+税)、他。あとは授業で紹介する。
成績評価方法 演習の発表内容40%、学期末に課すレポート40%、授業への参加度(出席状況と質疑に対する積極性)20%の割合で評価する。レポートのテーマは授業中に指示する。
学習相談 オフィスアワーを木曜4限に設定するが、可能なかぎり随時相談には応じる。また、メールでの問い合わせも可。
その他 担当者の周到な準備と参加者全員の積極的な討論を期待する。

対象学生:専攻学生に限る
対象学年:3年生 4年生
履修条件:演習発表可能な人数の関係で、国語学・国文学専攻生に限る。
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学演習 II
講義題目:古代語の研究―言語史資料としての万葉集―(2)
教授高山 倫明
後期・通常

木曜3限
授業の概要  漢字という外国の文字を自家薬籠中のものとするために、上代人はさまざまに模索して種々の万葉仮名表記と変体漢文を作りだし、のちの「漢字仮名まじり」という表記システム確立の基礎を固めた。ここでは、万葉集の表記について漢語音韻学・日本語表記史の観点から分析を加え、奈良時代日本語の諸問題を考察する。
 元暦校本万葉集巻七をテキストとし、短歌形式の歌を一〜二首各自で自由に選択のうえ、以下の諸点に注意しつつ訓読試案を提出するとともに、また自ら設定したテーマについての調査・考察の結果を発表する。
 ・底本の付訓を批判的に検証すること(どうしてそのような訓が付されているのか、どうしてそのように訓めるのか、等々)
 ・先行研究を踏まえたうえで、最も合理的な解釈を模索すること。
 毎回1名の担当者が発表を行うこととし、時間配分については、発表60分、質疑応答30分を目安とする。考察対象の歌は一首でも二首でもよいが、時間内で説明が終わるようにすること。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
判断材料の収集、批判的取捨選択、論理の構築、適切な自己表明、等々に対する技術を会得する。

(2) 個別の学習目標:
日本語表記システム確立過程を肌で感じる。文献学・漢語音韻学等の基礎を学び、先行研究の方法論を批判的に検証する。
授業の進め方 演習形式。毎回1名の担当者が一〜二首を取り上げ、調査・考察の結果を発表する。それをもとに参加者全員での討論を行う。
教科書等 <教科書>
鶴久・森山隆『万葉集』おうふう、佐竹昭広他『萬葉集』塙書房、中西進『校訂萬葉集』角川書店、等、万葉集全巻原文所載のテキストを用意すること。

<参考図書>
大島正二『漢字と中国人』岩波書店(780円+税)、佐藤 昭『中国語語音史』白帝社(2,200円+税)、他。あとは授業で紹介する。
成績評価方法 演習の発表内容40%、学期末に課すレポート40%、授業への参加度(出席状況と質疑に対する積極性)20%の割合で評価する。レポートのテーマは授業中に指示する。
学習相談 オフィスアワーを木曜4限に設定するが、可能なかぎり随時相談には応じる。また、メールでの問い合わせも可。
その他 担当者の周到な準備と参加者全員の積極的な討論を期待する。

対象学生:専攻学生に限る
対象学年:3年生 4年生
履修条件:演習発表可能な人数の関係で、国語学・国文学専攻生に限る。
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学演習 III
講義題目:中世語研究(1)
准教授青木 博史
前期・通常

金曜4限
授業の概要  『天草版平家物語』は,室町末期にキリスト教の宣教師が「平家物語」を当時の口語に訳したものである。この資料を,言語学的観点に基づき読んでいく。原拠本との比較,同時代の他の資料(抄物,狂言,朝鮮資料など)との比較,通史的観点からの位置づけ,といった課題を念頭に考察を行う。
 発表は,1人約2分の1頁ずつ担当することによって行う。担当箇所について,@翻字,A注釈,B研究,の3つを課す。受講者全員による活発な意見交換が望まれる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
・中世後期日本語の実態を観察・記述する方法を学ぶ。
・中世語を出発点として日本語史を構築する方法論を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
・各時代の文献資料の性格について,精確に理解する。
・文献資料に現れる言語事象を手がかりに資料性の検討を行い,これらの作業を通して得られた文献学的知識を基に言語そのものの考察を行うという,文献学と一体となった言語学の手法を身につける。
授業の進め方 演習形式で行い,担当者は資料を作成し発表を行う。その後質疑応答を行い,議論の深化を図る。担当者は質疑をふまえたうえで,レポートを提出する。
教科書等 <教科書>
『天草版平家物語』勉誠社文庫

<参考図書>
江口正弘『天草版平家物語対照本文及び総索引』明治書院
清瀬良一『天草版平家物語の基礎的研究』渓水社
成績評価方法 発表,討論への参加,レポートの3点により評価する。割合は,発表(レジュメ・プレゼンテーション)60%,討論への貢献度10%,レポート30%とする。
学習相談 週2時間のオフィスアワーの他,随時相談に応じる。
その他 対象学年:3年生
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学演習 IV
講義題目:中世語研究(2)
准教授青木 博史
後期・通常

金曜4限
授業の概要  『天草版平家物語』は,室町末期にキリスト教の宣教師が「平家物語」を当時の口語に訳したものである。この資料を,言語学的観点に基づき読んでいく。原拠本との比較,同時代の他の資料(抄物,狂言,朝鮮資料など)との比較,通史的観点からの位置づけ,といった課題を念頭に考察を行う。
 発表は,1人約2分の1頁ずつ担当することによって行う。担当箇所について,@翻字,A注釈,B研究,の3つを課す。受講者全員による活発な意見交換が望まれる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
・中世後期日本語の実態を観察・記述する方法を学ぶ。
・中世語を出発点として日本語史を構築する方法論を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
・各時代の文献資料の性格について,精確に理解する。
・文献資料に現れる言語事象を手がかりに資料性の検討を行い,これらの作業を通して得られた文献学的知識を基に言語そのものの考察を行うという,文献学と一体となった言語学の手法を身につける。
授業の進め方 演習形式で行い,担当者は資料を作成し発表を行う。その後質疑応答を行い,議論の深化を図る。担当者は質疑をふまえたうえで,レポートを提出する。
教科書等 <教科書>
『天草版平家物語』勉誠社文庫

<参考図書>
江口正弘『天草版平家物語対照本文及び総索引』明治書院
清瀬良一『天草版平家物語の基礎的研究』渓水社
成績評価方法 発表,討論への参加,レポートの3点により評価する。割合は,発表(レジュメ・プレゼンテーション)60%,討論への貢献度10%,レポート30%とする。
学習相談 週2時間のオフィスアワーの他,随時相談に応じる。
その他 対象学年:3年生
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国語学(書道) II
講義題目:国語学(書道)U
福岡教育大学教育学部准教授服部 一啓
後期・通常

火曜4限
授業の概要 本講は、高等学校における芸術科書道の実践的指導法を中心に演習する。特に、現代のワープロやパソコンによる、伝達機能の優れた活字文字の氾濫した社会にあっては、今こそ書の意義を考え、書くという行為の大切さ、書くことの喜びを養いたいと思う。
 毛筆を扱う分野の呼称として、「書写」「書道」「書」「習字」などいろいろある。これらの呼称には、それぞれ意味の違いがある。学校教育での呼称は、どのようにあるべきなのか。そして、「書」とは如何なることかを考える。
 教師としての実技技能を高めることに主眼をおく。次に、生徒が書くという行為に対し、興味を持つような指導法の研究をしていきたい。
  【内容】
1,私の受けてきた書写・書道教育
2,書写・書道の違いと学校教育
3,姿勢・執筆法、用具・用材、基本点画
4,漢字の書基本古典1
5,漢字の書基本古典2
6,漢字の書基本古典3
7,漢字の書基本古典4
8,漢字の書創作
9,仮名の書基本古典1
10,仮名の書基本古典2
11,漢字仮名交じりの書1
12,漢字仮名交じりの書2
13,漢字仮名交じりの書3
14,書式
15,書の楽しみ
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
書写と書道の違いを理解し、教師としての書道技能の向上を目指す。
学習指導要領に示された書道学習の位置づけに基づいた学習指導のあり方を学んで欲しい。
 具体的に「漢字仮名交じりの書」「漢字の書」「仮名の書」の授業展開の中で、創作指導、臨書指導、鑑賞指導等に生かし、実際の高等学校において実践できるよう、技術の習得を深めていく。

(2) 個別の学習目標:
1〜2では、各自が学んできた書写・書道についてふり返り、学習指導要領上での書写と書道の違いを理解します。3〜10では、毛筆の基礎的技能の習得を古典などに立脚して目指す。11〜13では、ことばの力を通して、学生自身が書くことの楽しさを感じ、教壇に立った時、生徒が書くことの楽しさを学べるような指導方法を学習します。また、最近の書道ブームの背景にある、高等学校での実践などのVTRを視聴し、より実践的な指導方法を学習します。14では、書の様々な様式、書式について学びます。15では、書の楽しみについて考えていきます。
授業の進め方 授業は講義と毛筆の実技が中心となります。また、毎回、学習の記録を提出していただきます。
また、授業とは別に、週90分以上の授業時間外の学習(実技含む)が必要となります。
教科書等 <教科書>
最初の講義の時間に説明します。(『高等学校芸術科書道』教科書他)
また、各時間の参考資料はプリント配布いたします。

<参考図書>
『書 資料集』福岡県高等学校書道教育研究部会編
『新編書写指導』全国大学書写書道教育学会編、萱原書房(1、429円+税)
成績評価方法 試験はしません。実技を伴うので、出席することが大事です。出席率を4割、毎回の提出物・課題が3割、学期末のレポートが3割で総合的に評価をします。
学習相談 毎回の講義終了後に伺います。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:必要な書道用具の準備、国語学(書道)T履修済みが望ましい
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学講義 I
講義題目:物語文学史概論T
教授辛島正雄
前期・通常

金曜2限
授業の概要 「物語の出で来はじめのおや」とされる『竹取物語』を軸に、物語文学の生成・変容の諸相を考える。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
物語文学史の基礎知識を習得するとともに、先行研究を批判的に継承することの意義を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
物語文学の多様性を知るとともに、〈源氏中心主義〉を相対化する視点を身につける。
授業の進め方 教科書を利用しながら、物語文学史について概説する。
教科書等 <教科書>
室伏信助訳注『新版竹取物語』角川ソフィア文庫

<参考図書>
適宜紹介する。
成績評価方法 定期試験により評価する。
学習相談 随時相談に応じる。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:特になし
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学講義 II
講義題目:物語文学史概論U
教授辛島正雄
後期・通常

金曜2限
授業の概要 『枕草子』「物語は」の段の筆頭に掲げられる『住吉物語』を軸に、物語文学の生成・変容の諸相を考える。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
物語文学史の基礎知識を習得するとともに、先行研究を批判的に継承することの意義を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
物語文学の多様性を知るとともに、〈源氏中心主義〉を相対化する視点を身につける。
授業の進め方 教科書を利用しながら、物語文学史について概説する。
教科書等 <教科書>
吉海直人著「『住吉物語』の世界」新典社選書42、2400円

<参考図書>
『住吉物語』のテキストは、新日本古典文学大系、新編日本古典文学全集、中世王朝物語全集等に所収。
成績評価方法 定期試験により評価する。
学習相談 随時相談に応じる。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:特になし
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学講義 III
講義題目:江戸文学と老荘思想
准教授川平 敏文
前期・通常

火曜2限
授業の概要 老荘思想は我が国に早くから伝来していたが、それが本格的に考究・摂取されはじめるのは江戸時代以降と考えて良い。思想史的にもユニークな位置にあるが、特に文学史への影響はきわめて大きかったと言えるであろう。この問題について、思想・俳諧・小説などのジャンルから具体的な文献・作品を取り上げながら論じていく。

1 ガイダンス 江戸文学研究の基本姿勢
2 江戸以前における老荘思想の影響(1) 源氏寓言説
3 江戸以前における老荘思想の影響(2) 五山禅林における受容
4 俳諧寓言説と老荘(1) 林註の流行と貞門俳諧
5 俳諧寓言説と老荘(2) 西山宗因・岡西惟中の論
6 俳諧寓言説と老荘(3) 談林俳諧の展開と蕉風俳諧
7 江戸小説と老荘(1) 山岡元隣の仮名草子(含俳文)
8 江戸小説と老荘(2) 佚斎樗山の談義本
9 江戸小説と老荘(3) 老荘モノ談義本の流行
10 思想史における老荘(1) 朱子学の場合(林家、金蘭斎など)
11 思想史における老荘(2) 陽明学の場合(中江藤樹、熊沢蕃山、佚斎樗山など)
12 思想史における老荘(3) 徂徠学の場合(荻生徂徠、太宰春台、渡辺蒙庵など)
13 思想史における老荘(4) 国学の場合(賀茂真淵、本居宣長、平田篤胤)
14 善書と老荘(1) 「太上感応篇」について
15 善書と老荘(2) 「太上感応篇」の注釈史
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
2年後期における概論的な江戸文学論を踏まえた上で、より専門的な問題について考えさせる。

(2) 個別の学習目標:
江戸思想史の基礎的知識を身につける。
江戸時代の文学理論について理解を深める。
江戸時代の文芸作品について幅広い知見を得る。
授業の進め方 講義冒頭に、前回講義終了時に記入してもらったコメントについて答える。
基本的に講義形式。まま小テストを行うこともある。
教科書等 プリントを配布する。
参考文献についても、授業中に随時指示。
<教科書>
特になし。

<参考図書>
大野出『日本の近世と老荘思想』(ぺりかん社)
中野三敏『戯作研究』(中央公論社)
日野龍夫『宣長と秋成』(筑摩書房)
成績評価方法 出席20%(毎回、授業終了時にコメント用紙を提出)
レポート80%(テーマ「江戸の思想と文学」。授業に関連したものであること)
学習相談 随時受け付ける。
その他 対象学年:3先生以上
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学講義 IV
講義題目:江戸時代の韻文史概論
准教授川平 敏文
後期・通常

火曜2限
授業の概要 江戸文学を大きく三分するとすれば、韻文・散文・芸能に分けることができるであろう。本講義はそのうち、韻文史についての授業である。なお、後期から進学してくる2年生を考慮して、通史的・概論的な内容を含む。
江戸時代の韻文として主要なものは、和歌・連歌・漢詩・俳諧・狂歌・川柳といったところであろう。しかし一般的に江戸の韻文といって想起されるのは、俳諧・狂歌・川柳といった俗分野のそれであって、和歌・連歌・漢詩といった雅分野のそれについては、その存在すら認知されていないのではないか。本講義では雅俗双方に目を配りながら、それぞれのジャンルの流れを押さえ、また可能な限り具体的な作品講読を行いたい。

1 ガイダンス 江戸文学研究の基本姿勢
2 漢詩(1) 風雅の漢詩
3 漢詩(2) 擬古と格調
4 漢詩(3) 性霊説の余波
5 和歌(1) 後水尾院歌壇
6 和歌(2) 国学者の歌論
7 和歌(3) ただごと歌の周辺
8 連歌(1) 柳営連歌という文化
9 俳諧(1) 貞門・談林・蕉風
10 俳諧(2) 芭蕉とその後
11 俳諧(3) 江戸座と雑俳
12 俳諧(4) 蕪村と仮名詩
13 狂歌(1) 黎明期の狂歌
14 狂歌(2) 天明狂歌とその後
15 川柳(1) 川柳とそのシステム
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
韻文史を中心として、江戸時代の思想や文学の流行について、大まかな見取り図が描けるようにする。

(2) 個別の学習目標:
それぞれのジャンルの位相や表現の特徴を学び、江戸文学への理解を深める。
授業の進め方 講義冒頭に、前回講義終了時に記入してもらったコメントについて答える。
基本的に講義形式。まま小テストを行うこともある。
教科書等 <教科書>
随時、プリントを配付する。

<参考図書>
揖斐高『江戸詩歌論』(汲古書院)
上野洋三『元禄和歌史の基礎構築』(岩波書店)
田中道雄『蕉風復興運動と蕪村』など
成績評価方法 ◇出席(毎回講義終了時にコメントを記入してもらうので、それをもって出席と見なす)30%
◇筆記試験70%
学習相談 随時。
その他 対象学年:2年生以上
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学講義 VI
講義題目:日本中古中世説話論
広島大学大学院教育学研究科 教授竹村 信治
前期・集中

授業の概要 「説話」の言語行為論を軸に、『今昔物語集』『宇治拾遺物語』の表現論的位相を論ずる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
「説話」の表現論的特性について理解する。

(2) 個別の学習目標:
日本中古中世の説話集の特質について理解する。
授業の進め方 講義による。
教科書等 パワーポイントを使用する。
<教科書>
各自、『今昔物語集』『宇治拾遺物語』を通読しておくことがのぞましい。

<参考図書>
竹村信治『言述論for説話集論』(笠間書院、2003)
成績評価方法 出席30%、レポート70%
学習相談
その他 9月12〜15日

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学演習 I
講義題目:『浜松中納言物語』注釈T
教授辛島正雄
前期・通常

金曜3限
授業の概要 平安後期物語の一つである『浜松中納言物語』の最終巻、第五巻について、詳しく注釈を施しながら読解してゆく。底本には広島市立浅野図書館蔵本の影印本を使用し、別の一本と校合しながら、まずは拠るべき本文を定めてゆく。ついで、本文解釈のための資料を提示し、解釈の根拠を明らかにする。また、『源氏物語』等の先行物語や、『夜の寝覚』『狭衣物語』といった同時代の物語との関連性を調査する。以上を踏まえ、解釈の総決算として現代語訳を示す。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
古典読解のための基礎学力の習得を目的とする。

(2) 個別の学習目標:
疑問や不審を解決するための技術の向上・蓄積を目的とする。
授業の進め方 毎回、担当者が『浜松中納言物語』の注釈資料を用意し、それを全員で検討する。
教科書等 <教科書>
池田利夫編『浜松中納言物語〈五〉広島市立浅野図書館蔵』笠間影印叢刊36

<参考図書>
小松茂美著『校本浜松中納言物語』二玄社
池田利夫編『浜松中納言物語総索引』武蔵野書院
成績評価方法 学期末に提出するレポートに、受講態度を加味して、総合的に評価する。受講態度とは、担当者としての注釈資料及び説明の質、資料及び説明を検討する際の質疑の積極性等をいう。
学習相談 随時相談に応じる。
その他 対象学年:3年生以上
履修条件:原則として専攻学生に限る。
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学演習 II
講義題目:『浜松中納言物語』注釈U
教授辛島正雄
後期・通常

金曜3限
授業の概要 平安後期物語の一つである『浜松中納言物語』の最終巻、第五巻について、詳しく注釈を施しながら読解してゆく。底本には広島市立浅野図書館蔵本の影印本を使用し、別の一本と校合しながら、まずは拠るべき本文を定めてゆく。ついで、本文解釈のための資料を提示し、解釈の根拠を明らかにする。また、『源氏物語』等の先行物語や、『夜の寝覚』『狭衣物語』といった同時代の物語との関連性を調査する。以上を踏まえ、解釈の総決算として現代語訳を示す。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
古典読解のための基礎学力の習得を目的とする。

(2) 個別の学習目標:
疑問や不審を解決するための技術の向上・蓄積を目的とする。
授業の進め方 毎回、担当者が『浜松中納言物語』の注釈資料を用意し、それを全員で検討する。
教科書等 <教科書>
池田利夫編『浜松中納言物語〈五〉広島市立浅野図書館蔵』笠間影印叢刊36

<参考図書>
小松茂美著『校本浜松中納言物語』二玄社
池田利夫編『浜松中納言物語総索引』武蔵野書院
成績評価方法 学期末に提出するレポートに、受講態度を加味して、総合的に評価する。受講態度とは、担当者としての注釈資料及び説明の質、資料及び説明を検討する際の質疑の積極性等をいう。
学習相談 随時相談に応じる。
その他 対象学年:3年生以上
履修条件:原則として専攻学生に限る。
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学演習 III
講義題目:上田秋成『諸道聴耳世間猿』訳注
准教授川平 敏文
前期・通常

木曜5限
授業の概要  上田秋成の浮世草子『諸道聴耳世間猿』を、注釈を施しながら精読する。
 秋成の作品としては、読本に分類される『雨月物語』『春雨物語』が著名であるが、本作はそれらに先んじて、彼が「和訳太郎」という筆名で著述していた浮世草子である。文体も趣向も前二者とは異なるものであるが、それらへの連結の問題、また先行する浮世草子諸作品との関係など、研究的要素に満ちた素材である。
 本作を題材として、注釈の方法を学ぶとともに、研究テーマの発見につなげてもらいたい。

第1・2回 ガイダンス 秋成とその著述、演習の方法
第3回〜 『諸道聴耳世間猿』訳注
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
訳注という作業を通して、江戸前期の思想・文芸の深層に分け入り、深い理解を得る。

(2) 個別の学習目標:
◇発表者
 1.一言一句も疎かにしない厳密な注釈を施し、正確かつ明朗な口語訳を付ける。
 2.研究テーマを発見するべく、問題意識をもって調査・準備する。
 3.口調やレジュメの見栄えなど、聞き手に分かりやすい発表を心がける(プレゼンテーション能力の涵養)。
◇他の受講者
 1.的確な質問・コメントができるよう、問題意識をもって授業に臨む。
授業の進め方 演習形式。毎回一人が一定分量を担当し、調査内容を発表する。
聴講者は積極的に質問をすること。
教科書等 <教科書>
『諸道聴耳世間猿』(九州大学図書館本)の影印。

<参考図書>
森山重雄『上田秋成初期浮世草子評釈』(国書刊行会)
成績評価方法 発表40%、出席20%、質問20%、レジュメ(訂正稿)20%
学習相談 随時。
その他 対象学年:3年生以上
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学演習 IV
講義題目:上田秋成『諸道聴耳世間猿』訳注
准教授川平 敏文
後期・通常

木曜5限
授業の概要  上田秋成の浮世草子『諸道聴耳世間猿』を、注釈を施しながら精読する。
 秋成の作品としては、読本に分類される『雨月物語』『春雨物語』が著名であるが、本作はそれらに先んじて、彼が「和訳太郎」という筆名で著述していた浮世草子である。文体も趣向も前二者とは異なるものであるが、それらへの連結の問題、また先行する浮世草子諸作品との関係など、研究的要素に満ちた素材である。
 本作を題材として、注釈の方法を学ぶとともに、研究テーマの発見につなげてもらいたい。

第1・2回 ガイダンス 秋成とその著述、演習の方法
第3回〜 『諸道聴耳世間猿』訳注
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
訳注という作業を通して、江戸前期の思想・文芸の深層に分け入り、深い理解を得る。

(2) 個別の学習目標:
◇発表者
 1.一言一句も疎かにしない厳密な注釈を施し、正確かつ明朗な口語訳を付ける。
 2.研究テーマを発見するべく、問題意識をもって調査・準備する。
 3.口調やレジュメの見栄えなど、聞き手に分かりやすい発表を心がける(プレゼンテーション能力の涵養)。
◇他の受講者
 1.的確な質問・コメントができるよう、問題意識をもって授業に臨む。
授業の進め方 演習形式。毎回一人が一定分量を担当し、調査内容を発表する。
聴講者は積極的に質問をすること。
教科書等 <教科書>
『諸道聴耳世間猿』(九州大学図書館本)の影印。

<参考図書>
森山重雄『上田秋成初期浮世草子評釈』(国書刊行会)
成績評価方法 発表40%、レポート40%、出席および質疑20%
学習相談 随時。
その他 対象学年:3年生以上
教職(国語)

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学演習 V
講義題目:日本近代文学研究
比較社会文化研究院教授松本 常彦
前期・通常

水曜5限
授業の概要 演習担当者による発表と討議が中心になる。近代の文学は古典に比較すれば、表現の上でも、描かれた社会的意識や主題や風俗等の上でも、現代との距離の近さゆえに、ある意味で読めば分かるという性格を持つものが多い。その「読めば分かる」近代の小説や詩歌を研究の対象として捉え直す契機は奈辺にあるのか。読んで面白さやつまらなさが実感される対象を、あえて研究という名目の下で語りなおす意義はあるのか。どのような対象を選択するにせよ、その契機や意義を用意する枠組みとは何かを考えることが演習の目的となる。以下に担当者が行うべき基本的な作業を記す。@明治元年<1868年>以降の雑誌、新聞、単行本などで活字化された小説・詩歌のうち、基本的には、それについて複数の先行論文がある作品を一つ選ぶ。Aその作家の伝記情報を記した書誌一覧を作成する。Bその作品に関する先行論文の一覧を作成する。C先行論文の論点を整理して、上記の枠組について考える。D自分が取り上げた対象について、どのような枠組みの中でどのような論点が可能になるのか、また、どのような分析の仕方があり得るかを考え、なるべく具体的な引用や資料や用例を用いて説明する。E討議を経て、レポートを作成する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
自分が直面する対象(研究対象)について、それを対象として把握するために、どのような枠組み(コンテクスト)が可能なのかを考え、その枠組み(コンテクスト)との関わりの中で対象の意義・意味を計測し表現する<感覚>を養うこと。

(2) 個別の学習目標:
近代文学を研究対象とした場合に必要な情報の種類とその収集手段を知ること。先行研究の方法について(場合によっては方法が意識されてないということを含めて)意識化すること。先行論文等における読みの方法や枠組みを意識した上で、自分が選択した対象にふさわしい読みの方法や枠組みを用いた発表の実践。
授業の進め方 演習担当者による発表の後、出席者全員による質疑と応答。
教科書等 <教科書>
最初の演習発表以前に作成・配布する(授業中に指示する)。

<参考図書>
各担当者が参考文献一覧を作成する。
成績評価方法 発表・レポート
学習相談 可能な範囲で随時相談に応じる。
その他 演習出席者も前もって当該作品を読んでから臨むこと。

対象学生:専攻生
対象学年:2年生以上
履修条件:特になし

文学部
文学コース
国語学・国文学 専攻
専門科目 (2単位)
国文学演習 VI
講義題目:日本近代文学研究
比較社会文化研究院教授松本 常彦
後期・通常

水曜5限
授業の概要 演習担当者による発表と討議が中心になる。近代の文学は古典に比較すれば、表現の上でも、描かれた社会的意識や主題や風俗等の上でも、現代との距離の近さゆえに、ある意味で読めば分かるという性格を持つものが多い。その「読めば分かる」近代の小説や詩歌を研究の対象として捉え直す契機は奈辺にあるのか。読んで面白さやつまらなさが実感される対象を、あえて研究という名目の下で語りなおす意義はあるのか。どのような対象を選択するにせよ、その契機や意義を用意する枠組みとは何かを考えることが演習の目的となる。以下に担当者が行うべき基本的な作業を記す。@明治元年<1868年>以降の雑誌、新聞、単行本などで活字化された小説・詩歌のうち、基本的には、それについて複数の先行論文がある作品を一つ選ぶ。Aその作家の伝記情報を記した書誌一覧を作成する。Bその作品に関する先行論文の一覧を作成する。C先行論文の論点を整理して、上記の枠組について考える。D自分が取り上げた対象について、どのような枠組みの中でどのような論点が可能になるのか、また、どのような分析の仕方があり得るかを考え、なるべく具体的な引用や資料や用例を用いて説明する。E討議を経て、レポートを作成する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
自分が直面する対象(研究対象)について、それを対象として把握するために、どのような枠組み(コンテクスト)が可能なのかを考え、その枠組み(コンテクスト)との関わりの中で対象の意義・意味を計測し表現する<感覚>を養うこと。

(2) 個別の学習目標:
近代文学を研究対象とした場合に必要な情報の種類とその収集手段を知ること。先行研究の方法について(場合によっては方法が意識されてないということを含めて)意識化すること。先行論文等における読みの方法や枠組みを意識した上で、自分が選択した対象にふさわしい読みの方法や枠組みを用いた発表の実践。
授業の進め方 演習担当者による発表の後、出席者全員による質疑と応答。
教科書等 <教科書>
最初の演習発表以前に作成・配布する(授業中に指示する)。

<参考図書>
各担当者が参考文献一覧を作成する。
成績評価方法 発表・レポート
学習相談 可能な範囲で随時相談に応じる。
その他 演習出席者も前もって当該作品を読んでから臨むこと。

対象学生:専攻生
対象学年:2年生以上
履修条件:特になし

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国語学講義 I
講義題目:上古中国の言語と文字に関する諸問題
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授大西 克也
前期・集中

授業の概要 2000年を優に超える文献によって歴史的変化の検証可能な中国語は、歴史言語学にとって世界的に見ても稀な価値を持つコーパスである。1990年代以来目覚ましい深化を見せる中国語の理論的研究の関心の一つが、歴史的研究へと向けられるのは、いわば当然の動きと言えよう。本講義では、私の近10年来の研究成果に基づき、使役構文、存在構文等幾つかの基本的な構文を取り上げ、「上古中国語」と呼ばれる春秋・戦国・秦漢時代(前8世紀〜紀元前後)の中国語の様相を概観する。高校レベルの漢文法では想像もつかない豊かな言語の世界を垣間見ることができるはずである。豊富な出土資料から分かる文字・言葉の地域的な違いや、いわゆる文字統一が言語に与えた影響についても言及する。なお、集中講義最終日には、司馬遷『史記』の一部を講読し、一つ一つの言葉を丁寧に読み解くことにより、言語研究の文献解読に対する有効性を実体験してみたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
紀元前の文献によって伝えられる上古中国の文字と言葉が、現実の書き手、話し手を持った生き生きとした言語であったことを、具体的な事象に基づき理解すること。

(2) 個別の学習目標:
個々のトピックから得られた知識を文献解読の現場に還元し、実体験を通じて会得すること。
授業の進め方 集中講義形式なので、開講時期(9月)および教室に注意。
教科書等 <教科書>
なし。配布資料を使用する。

<参考図書>
講義の中で適宜紹介する。
成績評価方法 出席50%、レポート50%。
学習相談 中国文学講座の静永まで shizuka■lit.kyushu-u.ac.jp (■には@が入ります)
その他 後期の授業ですが、9月に開講予定です。お見逃し無く。

対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特になし
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国語学演習 III
講義題目:中国語文法研究
言語文化研究院 准教授西山 猛
前期・通常

火曜3限
授業の概要 この授業では、日本語を母語とした学生、中国語を母語とした学生、または日本語と中国語を学習している学生を対象に、中国語の歴史文法の研究を行う。演習形式で行い、討論で使用する言語は日本語とする。検討するセンテンスは各時代の中国語。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
各時代の中国語を検討することによって個別の文献の有機的な関連を探る。

(2) 個別の学習目標:
各時代の中国語の文献を読解可能にする。
授業の進め方 (11)授業の進め方
中国語で書かれた資料を日本語で解説し、引用された文献の所在を検索し、実際にその文献を探し当て、その後に読解する。その後にその内容に関する討論を行う。
教科書等 資料配布
成績評価方法 読解担当及び受講態度により総合的に評価する。
学習相談 授業の前後、或いはメールにて。ilsan2480@gmail.com
その他 特になし

履修条件:特になし
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国語学演習 IV
講義題目:中国語文法研究
言語文化研究院 准教授西山 猛
後期・通常

火曜3限
授業の概要 この授業では、日本語を母語とした学生、中国語を母語とした学生、または日本語と中国語を学習している学生を対象に、中国語の歴史文法の研究を行う。演習形式で行い、討論で使用する言語は日本語とする。検討するセンテンスは各時代の中国語。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
各時代の中国語を検討することによって個別の文献の有機的な関連を探る。

(2) 個別の学習目標:
各時代の中国語の文献を読解可能にする。
授業の進め方 (11)授業の進め方
中国語で書かれた資料を日本語で解説し、引用された文献の所在を検索し、実際にその文献を探し当て、その後に読解する。その後にその内容に関する討論を行う。
教科書等 資料配布
成績評価方法 読解担当及び受講態度により総合的に評価する。
学習相談 授業の前後、或いはメールにて。ilsan2480@gmail.com
その他 特になし

履修条件:特になし
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国語会話 I
講義題目:実践中国語会話
招聘外国人教師戚 世雋
前期・通常

木曜4限
授業の概要 実践的な中国語能力を習得するための授業である。講師は中国人教師であり、日本語を話さない。しかし、何ら恐れるものはないので、受講生諸君は、自分の現在の中国語レベルにあわせて、少しずつ「中国語を話す能力」、そして「中国語を聴き取る能力」を錬成していって欲しい。例年、受講生は10名程度の人数なので、アットホームな雰囲気の中で授業は進行してゆきます。中国語にどんどん興味をもって取り組んでもらいたい。
将来、中国語を活かした職業に就こうと思う諸君だけでなく、ひろく海外に視野を拡げて活躍しようと思っている諸君には最適の授業の一つです。また、これまで第二外国語としての中国語に今ひとつ自信が持てなかった諸君にも、十分配慮して進行されるので、臆することなく受講して欲しい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ネイティブの指導による実践的な中国語能力(聴く、話す、書く)を習得する。

(2) 個別の学習目標:
今日習い覚えた単語や構文表現は、ぜひその日のうちに、実際に自分たちで使ってみることをお薦めします。『老子』にいわく、「千里の道も一歩から」です。
授業の進め方 講師は日本語をほとんど話せない。しかし、同学みんなで力を合わせてコミュニケーションを図って下さい。意外にカンタンです。また、授業内容は教科書の例文にもとづいての、会話や自己作文、そして反復練習が主です。宿題(中国語では「作業zuo4ye4」)が随時課されます。
教科書等 <教科書>
『北京駐在日記』(林要三・王冬蘭・大西智之著、東方書店、定価¥2730円)……九大生協文系書籍部で販売しています。

成績評価方法 出席50%、レポートおよび平素の宿題50%。なお、開講期間の最終日に試験が行われる予定。
学習相談 戚先生に直接相談することが難しい場合、中国文学研究室のTA(ティーチング・アシスタント)や中国文学研究室の専任教員(竹村教授・静永准教授)が相談を受けます。静永のメールアドレスはshizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国語会話 II
講義題目:実践中国語会話
招聘外国人教師戚 世雋
後期・通常

木曜4限
授業の概要 実践的な中国語能力を習得するための授業である。講師は中国人教師であり、日本語を話さない。しかし、何ら恐れるものはないので、受講生諸君は、自分の現在の中国語レベルにあわせて、少しずつ「中国語を話す能力」、そして「中国語を聴き取る能力」を錬成していって欲しい。例年、受講生は10名程度の人数なので、アットホームな雰囲気の中で授業は進行してゆきます。中国語にどんどん興味をもって取り組んでもらいたい。
将来、中国語を活かした職業に就こうと思う諸君だけでなく、ひろく海外に視野を拡げて活躍しようと思っている諸君には最適の授業の一つです。また、これまで第二外国語としての中国語に今ひとつ自信が持てなかった諸君にも、十分配慮して進行されるので、臆することなく受講して欲しい。
なお、後期からの受講も心配ありません。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ネイティブの指導による実践的な中国語能力(聴く、話す、書く)を習得する。

(2) 個別の学習目標:
今日習い覚えた単語や構文表現は、ぜひその日のうちに、実際に自分たちで使ってみることをお薦めします。『老子』にいわく、「千里の道も一歩から」です。
授業の進め方 講師は日本語をほとんど話せない。しかし、同学みんなで力を合わせてコミュニケーションを図って下さい。意外にカンタンです。また、授業内容は教科書の例文にもとづいての、会話や自己作文、そして反復練習が主です。宿題(中国語では「作業zuo4ye4」)が随時課されます。
教科書等 <教科書>
『北京駐在日記』(林要三・王冬蘭・大西智之著、東方書店、定価¥2730円)……九大生協文系書籍部で販売しています。

成績評価方法 出席50%、レポートおよび平素の宿題50%、なお開講期間の最終日に試験が行われる予定。
学習相談 戚先生に直接相談することが難しい場合、中国文学研究室のTA(ティーチング・アシスタント)や中国文学研究室の専任教員(竹村教授・静永准教授)が相談を受けます。静永のメールアドレスはshizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国語作文 I
講義題目:実践中国語写作
招聘外国人教師戚 世雋
前期・通常

水曜2限
授業の概要 実践的な中国語能力を習得するための授業である。講師は中国人教師であり、日本語を話さない。しかし、何ら恐れるものはないので、受講生諸君は、自分の現在の中国語レベルにあわせて、少しずつ「中国語を話す能力」、そして「中国語を聴き取る能力」を錬成していって欲しい。例年、受講生は10名程度の人数なので、アットホームな雰囲気の中で授業は進行してゆきます。中国語にどんどん興味をもって取り組んでもらいたい。
将来、中国語を活かした職業に就こうと思う諸君だけでなく、ひろく海外に視野を拡げて活躍しようと思っている諸君には最適の授業の一つです。また、これまで第二外国語としての中国語に今ひとつ自信が持てなかった諸君にも、十分配慮して進行されるので、臆することなく受講して欲しい。
書信文やメールでの中国語のやりとりから、中国の人に日本の習慣や伝統文化を紹介する作文など、さまざまな中国語文章の綴り方を学びます。是非、楽しんで受講して下さい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ネイティブの指導による実践的な中国語能力(聴く、話す、書く)を習得する。

(2) 個別の学習目標:
今日習い覚えた単語や構文表現は、ぜひその日のうちに、実際に自分たちで使ってみることをお薦めします。『老子』にいわく、「千里の道も一歩から」です。
授業の進め方 講師は日本語をほとんど話せない。しかし、同学みんなで力を合わせてコミュニケーションを図って下さい。意外にカンタンです。また、授業内容は教科書の例文にもとづいての、作文や反復練習が主です。宿題(中国語では「作業zuo4ye4」)が随時課されます。
教科書等 <教科書>
『快活中国語U 中級』(靳衛衛・別紅桜・相原里美著、郁文堂、定価¥2940円)……九大生協文系書籍部で販売しています。

成績評価方法 出席50%、レポートおよび平素の宿題50%。なお、開講期間の最終日に試験が行われる予定。
学習相談 戚先生に直接相談することが難しい場合、中国文学研究室のTA(ティーチング・アシスタント)や中国文学研究室の専任教員(竹村教授・静永准教授)が相談を受けます。静永のメールアドレスはshizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国語作文 II
講義題目:実践中国語写作
招聘外国人教師戚 世雋
後期・通常

水曜3限
授業の概要 実践的な中国語能力を習得するための授業である。講師は中国人教師であり、日本語を話さない。しかし、何ら恐れるものはないので、受講生諸君は、自分の現在の中国語レベルにあわせて、少しずつ「中国語を話す能力」、そして「中国語を聴き取る能力」を錬成していって欲しい。例年、受講生は10名程度の人数なので、アットホームな雰囲気の中で授業は進行してゆきます。中国語にどんどん興味をもって取り組んでもらいたい。
将来、中国語を活かした職業に就こうと思う諸君だけでなく、ひろく海外に視野を拡げて活躍しようと思っている諸君には最適の授業の一つです。また、これまで第二外国語としての中国語に今ひとつ自信が持てなかった諸君にも、十分配慮して進行されるので、臆することなく受講して欲しい。
書信文やメールでの中国語のやりとりから、中国の人に日本の習慣や伝統文化を紹介する作文など、さまざまな中国語文章の綴り方を学びます。是非、楽しんで受講して下さい。
なお、後期からの受講も心配ありません。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ネイティブの指導による実践的な中国語能力(聴く、話す、書く)を習得する。

(2) 個別の学習目標:
今日習い覚えた単語や構文表現は、ぜひその日のうちに、実際に自分たちで使ってみることをお薦めします。『老子』にいわく、「千里の道も一歩から」です。
授業の進め方 講師は日本語をほとんど話せない。しかし、同学みんなで力を合わせてコミュニケーションを図って下さい。意外にカンタンです。また、授業内容は教科書の例文にもとづいての、作文や反復練習が主です。宿題(中国語では「作業zuo4ye4」)が随時課されます。
教科書等 <教科書>
『快活中国語U 中級』(靳衛衛・別紅桜・相原里美著、郁文堂、定価¥2940円)……九大生協文系書籍部で販売しています。

成績評価方法 出席50%、レポートおよび平素の宿題50%。なお、開講期間の最終日に試験が行われる予定。
学習相談 戚先生に直接相談することが難しい場合、中国文学研究室のTA(ティーチング・アシスタント)や中国文学研究室の専任教員(竹村教授・静永准教授)が相談を受けます。静永のメールアドレスはshizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学講義 I
講義題目:中国の出版文化と中国文学史研究
教授竹村 則行
前期・通常

木曜5限
授業の概要  この講義は、悠久の歴史と膨大な蓄積を有する中国文学史について、特に抄本や版本等の中国出版文化という観点から総体的系統的に考察しようとするものである。更に中国のみならず、朝鮮半島・日本・欧米における出版文化のあり方にも可能な限り言及したい。テーマと時代が広範に亘るため、以下の4年8学期で講義は一環するが、単位は毎学期2単位とする。
  第1年前期―出版文化原論・上古 後期―先秦・漢 / 第2年前期―魏晋六朝・唐 後期―宋・元
 / 第3年前期―明 後期―清 / 第4年前期―日本・韓国 後期―欧米・近未来の出版文化と情報伝達のあり方


 第1年前期に当たる11年前期においては、出版文化原論として、情報伝達と書物のあり方の原理について考察する。中国に限らず、古今東西の文化における人類の情報伝達の方法について考えるが、特に中国の上古時代、その媒体は初めは石や土、竹、木等であった。また、中国文明を醸成した中国古代の気候と自然環境についても、講義の始めに検討しておく。
 
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 中国文学史の講義ではあるが、単に個別の文学作品を追究するのではなく、人類文明の発達の原動力であった出版文化に着目し、中国のみならず、アジア・日本・欧米における出版文化のあり方にも、可能な限り言及したい。そのことによって、逆に中国の出版文化の特徴が鮮明になるはずである。

(2) 個別の学習目標:
 第1年前期は出版文化原論であることから、中国文明の特徴、他の古代文明を含めた情報伝達のあり方、抄本と版本とは何か、中国文学史の始まり等々の諸点について、幅広く学習する。さらに中国上古時代の情報伝達のあり方について可能な限り考察を加える。
授業の進め方  毎回プリント資料を準備する。
 図版資料については、可能な限りコピーや図書資料等を紹介する。
教科書等 <参考図書>
 奚椿年『中国書源流』(江蘇古籍出版社、2002年、中国版本文化叢書の一)
 阿辻哲次『図説漢字の歴史』普及版(大修館書店、1989年)
 鈴木敏夫『プレ・グーテンベルク時代』(朝日新聞社、昭和51年)
銭存訓『印刷発明前的中国書和文字記録』(印刷工業出版社、1988年)
島屋政一『印刷文明史』(昭和8年原著、五月書房、昭和55年覆製)
成績評価方法  筆記試験によって成績評価を行う。試験問題は試験当日に板書する。毎回出席していれば容易に解答答できる問題を出題する。
学習相談  学習相談に応じるオフィスアワーを、火曜・金曜の13〜14時に設定している。この他の時間でも、可能な限り学習相談に応じる。
 また、e-mail(takemura@lit.kyushu-u.ac.jp)でも随時相談に応じている。
その他 対象学年: 2年生 3年生 4年生
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学講義 II
講義題目:中国の出版文化と中国文学史研究
教授竹村 則行
後期・通常

木曜5限
授業の概要  この講義は、悠久の歴史と膨大な蓄積を有する中国文学史について、特に抄本や版本等の中国出版文化という観点から総体的系統的に考察しようとするものである。更に中国のみならず、朝鮮半島・日本・欧米における出版文化のあり方にも可能な限り言及したい。テーマと時代が広範に亘るため、以下の4年8学期で講義は一環するが、単位は毎学期2単位とする。
>  第1年前期―出版文化原論・上古 後期―先秦・漢 / 第2年前期―魏晋六朝・唐 後期―宋・元
  
  第3年前期―明 後期―清 / 第4年前期―日本・韓国 後期―欧米・近未来の出版文化と情報伝達のあり方


 第1年後期に当たる11年後期においては、中国先秦また漢代における情報伝達と書物のあり方について考察する。中国古代の重要資料である『論語』や『老子』『荘子』その他の文献は竹簡や木簡に書かれていたのであり、紙が出現するのは後漢に入ってからである。講義では、この時代における学問のあり方、蔵書の情況等について、伝存する資料を用いて考察する。
 
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 中国文学史の講義ではあるが、単に個別の文学作品を追究するのではなく、人類文明の発達の原動力であった出版文化に着目し、中国のみならず、アジア・日本・欧米における出版文化のあり方にも、可能な限り言及したい。そのことによって、逆に中国の出版文化の特徴が鮮明になるはずである。

(2) 個別の学習目標:
 第1年後期は、中国先秦や漢における情報伝達のあり方については、伝存する石刻資料や『史記』『漢書』等に記録された関連資料を分析しつつ、紙発明以前の学問のあり方、図書の実態等について学習する。
授業の進め方  毎回プリント資料を準備する。
 図版資料については、可能な限りコピーや図書資料等を紹介する。
教科書等 <参考図書>
 奚椿年『中国書源流』(江蘇古籍出版社、2002年、中国版本文化叢書の一)
 阿辻哲次『図説漢字の歴史』普及版(大修館書店、1989年)
 鈴木敏夫『プレ・グーテンベルク時代』(朝日新聞社、昭和51年)
銭存訓『印刷発明前的中国書和文字記録』(印刷工業出版社、1988年)
島屋政一『印刷文明史』(昭和8年原著、五月書房、昭和55年覆製)
成績評価方法  筆記試験によって成績を評価する。試験問題は試験当日に板書する。毎回出席している受講生には解答容易な問題を出題する。
学習相談  学習相談に応じるオフィスアワーを、火曜・金曜の13〜14時に設定している。この他の時間でも、可能な限り学習相談に応じる。
 また、e-mail(takemura@lit.kyushu-u.ac.jp)でも随時相談に応じている。
その他 対象学年: 2年生 3年生 4年生
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学講義 V
講義題目:旧抄本唐詩集研究T
准教授静永 健
前期・通常

月曜2限
授業の概要 日本の平安から鎌倉時代にかけて筆写された漢籍類を総称して「旧抄本」と言います。その中には、現在の中国には伝わっていない詩歌や、古いバージョンのテキストが残っており、中国文学において大変貴重な資料となっているものが数多くあります。また、日本の学術史においても、中世の知識人たちの文化や教養のありようを探る上で、極めて重要な資料となっています。しかし、その研究はまだ十分には確立されていません。古代中国文学と日本文学との「はざま」にあるこれらの資料について、幾つかを紹介しつつ、その書影を実際に読んでゆきます。
なお、かなり「難解」な古文献を読み解くので、中国文学のみならず、東アジア全体の文化・芸術に対する予備知識が必要になる。その点は、あらかじめご諒解ください。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国の古代および中世の文学に親しみ、その書物の成り立ちを知る。

(2) 個別の学習目標:
古典漢文を東アジアの広い視点で考え直してみよう。
授業の進め方 第一回(4/11):@「旧抄本」とは何か。A文学の国境を超える話(7・8世紀の唐と日本)B万葉集はなぜ雄略天皇御製歌から始まるのか。C額田王歌と張華「情歌」。D中臣宅守歌の主人公。E大伴坂上郎女歌と「漢文」。F紀友則歌の「しづ心なく」と唐詩の「無情(無常)」G中間レポート課題(5/17締切)【下欄参照!】
第二回(4/18):@七世紀〜八世紀の中国・朝鮮・日本。A四書五経とは何か?B万葉集と詩経(后妃を祝う。宴席の鹿鳴。国見と天香具山。)C登鸛雀楼詩の視野。D羽衣伝説と稲作文化。
第三回(4/25):@古代日本と中国の暦(太陰太陽暦)のしくみ。A暦の知識と政治の関係。B暦(=統治)と文学の関係。C藤原公任(966-1041)『和漢朗詠集』について。D和漢朗詠集・古今和歌集の巻頭和歌二首(在原元方・紀貫之)について。E大江維時(888〜963)撰『千載佳句』について。
第四回(5/09):@中国の王朝(秦から清まで)A古典のテキスト(版本)について。B戦争・災害と古典の新テキスト……バージョン・ダウンしてゆく本文の話。C和漢朗詠集・千載佳句巻頭の白楽天詩(府西池)について。
第五回(5/23):@千載佳句にはどんな詩句が収められているのか。A任氏伝と白居易。B幻の名作「任氏行」。C光り輝く女性(かぐや姫・任氏・王昭君)
第六回(5/30):@漢字の同訓異義字の使い分け。A王昭君伝説とその文学作品群。『楽府詩集』所収作品から。B李白「王昭君」詩について。
第七回(6/06):@「残」字の諸相。A「残鶯」/白居易「除蘇州刺史別洛城東花」詩の例から。Bむごい「忍」/杜甫「茅屋為秋風所破歌」から。C白居易「王昭君」詩について。D千載佳句所収の「王昭君」詩句について。
第八回(6/13):★『竹取物語』論を開始しました。@小アンケート「かぐや姫はなぜ月に帰ったのか?その理由は?」A五人の貴公子の求婚とその拒絶、そして五行思想との連環。B月を見るは忌む…その理由の二説。C『白氏文集』贈内詩の誤読。D中国に月を見る忌避は無いこと。
第九回(6/20):@訓点(ヲコト点)の読み方。A白楽天の長女の夭折をめぐる詩歌。B幼い我が児(娘)への鎮魂の文学:『竹取物語』『土佐日記』
第十回(7/11):@ふたたび竹取物語「月の顔見るは忌むこと」考。A中国伝統思想の中での「人間の一生」:『論語』為政篇(吾十有五而…)と『礼記』曲礼篇の年齢感。B「七五三」の起源と幼児の生育率。C夭折した我が子を嘆く父親:『世説新語』傷逝篇。D白居易の「不能忘情」詩歌群。E白居易「簡簡吟」。
以上。今学期の講義は終了しました。受講生諸君に感謝します。
★毎時間の講義内容を授業進度に従って更新します。
教科書等 <教科書>
コピーで配布する。

<参考図書>
静永健『漢籍伝来:白楽天の詩歌と日本』(勉誠出版、2010年)
成績評価方法 毎回出席を取ります(40%)。また、5月と学期末の二回、レポートを提出してもらいます(60%)。5月のレポートを提出しなかった者は、その時点で自動的に期末レポートの提出資格を失います。
★第一レポート要領/【タイトル】「任氏伝」の主題について 【要領】*沈既済「任氏伝」を読み、作者が「作品の主題」として最も文才を傾注したと思われる名場面を三つ例示しながら、この唐代の伝奇小説が、読者に何を訴えようとしているのかを自分なりに答えよ。【規格】:原稿用紙に必ず手書きすること。(用紙の大きさは自由)*パソコン等による印刷作成されたものは評価を「0点」とする。【字数】おおよそ一二〇〇字以上(四百字詰め用紙三枚以上)。【提出先】:学生第一係【締切】:五月十七日(火)午後五時
*表現上における要望:@「私(筆者)は…」を主語とする文章を使わぬこと。/A厳密に文字数を数え上げ、文末に明記しないこと。/*参考文献(日本語訳本):前野直彬『唐代伝奇集』(一九六三年、平凡社[東洋文庫])/今村与志雄『唐宋伝奇集』(一九八八年、岩波文庫)/内田泉之助『唐代伝奇』(二〇〇二年、新書漢文大系)/黒田真美子『中国古典小説選5』(二〇〇六年、明治書院)/*郵送も認める。その場合は「九州大学文学部静永」宛とし締切日必着とする。
★期末レポート要領/【タイトル等】愛娘の死を悼む白居易の詩歌について。字数2000字以上。縦書き原稿用紙に手書きであること。(パソコン入力+印刷のものは受け取らない)。/文中、主語に「私は」を用いず、自分以外の客観的事物とすること。/要件:白居易詩の最も胸を打つフレーズ(詩句)を三つ以上挙げて、文中に挿入し、論述を進めること。参考図書は上記↑第二部「かぐや姫のくにへ」/  【締切日・提出先】八月二十六日(金)午後三時まで。学生第一係のレポート提出函へ。 / *郵送も認める。その場合は「九州大学文学部静永」宛とし締切日必着とする。
学習相談 オフィスアワーは金13:00〜14:00。また毎時講義終了後、文学部棟一階中国文学研究室にて憩う。相談のある者はお立ち寄り下さい。メールも可。shizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 4月11日の第一回開講日におおよその座席を決めますので、当日欠席の者は、聴講届を誰かに託すか、あるいは4月15日午後5時までにshizuka@lit.kyushu-u.ac.jpにメールで受講希望を伝えてください(氏名、所属講座、学年、学籍番号を伝達してください)。なお、後日の受講の取消しは、構いません。

対象学年:2年生・3年生・4年生
履修条件:漢語の基礎的な知識を要する。
教職(国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学講義 VI
講義題目:旧抄本唐詩集研究U
准教授静永 健
後期・通常

月曜2限
授業の概要 日本の平安から鎌倉時代にかけて筆写された漢籍類を総称して「旧抄本」と言います。その中には、現在の中国には伝わっていない詩歌や、古いバージョンのテキストが残っており、中国文学において大変貴重な資料となっているものが数多くあります。また、日本の学術史においても、中世の知識人たちの文化や教養のありようを探る上で、極めて重要な資料となっています。しかし、その研究はまだ十分には確立されていません。古代中国文学と日本文学との「はざま」にあるこれらの資料について、幾つかを紹介しつつ、その書影を実際に読んでゆきます。
なお、かなり「難解」な古文献を読み解くので、中国文学のみならず、東アジア全体の文化・芸術に対する予備知識が必要になる。その点は、あらかじめご諒解ください。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国の古代および中世の文学に親しみ、その書物の成り立ちを知る。

(2) 個別の学習目標:
古典漢文を東アジアの広い視点で考え直してみよう。
授業の進め方
教科書等 <教科書>
コピーで配布する。

<参考図書>
静永健『漢籍伝来:白楽天の詩歌と日本』(勉誠出版、2010年)
成績評価方法 毎回出席を取ります(40%)。また、11月と学期末の二回、レポートを提出してもらいます(60%)。
学習相談 オフィスアワーは金13:00〜14:00。また毎時講義終了後、文学部棟一階中国文学研究室にて憩う。相談のある者はお立ち寄り下さい。メールも可。shizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 第一回開講日におおよその座席を決めますので、当日欠席の者は、聴講届を誰かに託すか、あるいは10月07日午後5時までにshizuka@lit.kyushu-u.ac.jpにメールで受講希望を伝えてください(氏名、所属講座、学年、学籍番号を伝達してください)。なお、後日の受講の取消しは、構いません。

対象学年:2年生・3年生・4年生
履修条件:漢語の基礎的な知識を要する。
教職(国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学演習 I
講義題目:『東周列国志』演習
教授竹村則行
前期・通常

火曜4限
授業の概要  『新列国志』は、明末の文人馮夢龍が、余邵魚の『列国志伝』に基づき、春秋戦国諸国の興亡史を百八回に渉って描いた歴史小説である。その後清・蔡元放によって『東周列国志』と改名刪改されて今日に到る。今学期の演習では、『東周列国志』の第七十八を精読する。授業では、余邵魚『列国志伝』・馮夢龍『新列国志』の該当部分の表現を比較検討しつつ、内容の解読を進める。また、蔡元放の原版注本も併せて参照する。
 明清代に流行する大河小説を演習で読むことには、種々の読解上の困難が伴うが、従来の演習で通例であった表現の出典や文字の異同等に煩わされることなく、全体の通読、部分の精読を心がけるようにし、毎回の演習で大河の一滴のエスプリを存分に味わうことを目指したい。 
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 中国明清代の歴史小説を味読することによって、中国近世の通俗小説の実態に触れ、中国語の表現を豊かにし、また、盗作概念を含む中国人の物の考え方について学習する。

(2) 個別の学習目標:
@中国近世の通俗小説の多くが、実は先行する戯曲小説を襲用することから成っていることを学習する。
A戯曲小説に限らず、詩文における典故表現も基本的に同様であり、近世の文学作品の読解には、実はそれ以前に蓄積されてきた文学史の知識が必要であることを認識する。
B明清に流行する通俗小説の作者や読者は、実は中国文化を支えてきた広大な裾野の構造を成していることを理解する。
授業の進め方  『東周列国志』の該当部分について、毎回7〜8行を味読する。
 演習担当予定一覧表を演習開始前に掲示する。
 担当者は事前に担当部分の内容、翻訳、重要故事の解釈、関連事項等について準備しておき、演習発表すること。
 演習の後半は質疑討論の時間としたい。
教科書等 <教科書>
『東周列国志』(作家出版社、1955年)を一応の底本とする。蔡元放注の二色套印本も併せ参照する。また、『列国志伝』『新列国志』も底本の明記があればどの版本を使用しても良い。
演習発表の必要上、担当部分をコピーして参加者に配布するのが望ましい。

<参考図書>
中国の各種版本、解説書のほかに、抄訳や全訳の『列国志伝』『新列国志』『東周列国志』や関連する歴史小説があれば随時参照すること。
成績評価方法 毎回担当者の発表状況、演習での質疑討論等のあり方によって成績を評価する。
学習相談  学習相談に応じるオフィスアワーを火・金曜13〜14時に設定している。この他の時間でも、可能な限り学習相談に応じる。また、e-mail(takemura@lit.kyushu-u.ac.jp)でも随時相談を受け付ける。
その他 対象学年:2年生・3年生・4年生
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学演習 II
講義題目:『東周列国志』演習
教授竹村則行
後期・通常

火曜4限
授業の概要  『新列国志』は、明末の文人馮夢龍が、余邵魚の『列国志伝』に基づき、春秋戦国諸国の興亡史を百八回に渉って描いた歴史小説である。その後清・蔡元放によって『東周列国志』と改名刪改されて今日に到る。今学期の演習では、『東周列国志』の第七十八を精読する。授業では、余邵魚『列国志伝』・馮夢龍『新列国志』の該当部分の表現を比較検討しつつ、内容の解読を進める。また、蔡元放の原版注本も併せて参照する。
 明清代に流行する大河小説を演習で読むことには、種々の読解上の困難が伴うが、従来の演習で通例であった表現の出典や文字の異同等に煩わされることなく、全体の通読、部分の精読を心がけるようにし、毎回の演習で大河の一滴のエスプリを存分に味わうことを目指したい。 
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
 中国明清代の歴史小説を味読することによって、中国近世の通俗小説の実態に触れ、中国語の表現を豊かにし、また、盗作概念を含む中国人の物の考え方について学習する。

(2) 個別の学習目標:
@中国近世の通俗小説の多くが、実は先行する戯曲小説を襲用することから成っていることを学習する。
A戯曲小説に限らず、詩文における典故表現も基本的に同様であり、近世の文学作品の読解には、実はそれ以前に蓄積されてきた文学史の知識が必要であることを認識する。
B明清に流行する通俗小説の作者や読者は、実は中国文化を支えてきた広大な裾野の構造を成していることを理解する。
授業の進め方  『東周列国志』の該当部分について、毎回7〜8行を味読する。
 演習担当予定一覧表を演習開始前に掲示する。
 担当者は事前に担当部分の内容、中国語による朗読、翻訳、重要故事の解釈、関連事項等について準備しておき、演習発表すること。
 演習の後半は質疑討論の時間としたい。
教科書等 <教科書>
『東周列国志』(作家出版社、1955年)を一応の底本とする。蔡元放注の二色套印本も併せ参照する。また、『列国志伝』『新列国志』も底本の明記があればどの版本を使用しても良い。
演習発表の必要上、担当部分をコピーして参加者に配布するのが望ましい。

<参考図書>
中国の各種版本、解説書のほかに、抄訳や全訳の『列国志伝』『新列国志』『東周列国志』や関連する歴史小説があれば随時参照すること。
成績評価方法 毎回担当者の発表状況、演習での質疑討論等のあり方によって成績を評価する。
学習相談  学習相談に応じるオフィスアワーを火・金曜13〜14時に設定している。この他の時間でも、可能な限り学習相談に応じる。また、e-mail(takemura@lit.kyushu-u.ac.jp)でも随時相談を受け付ける。
その他 対象学年:2年生・3年生・4年生
教職(中国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学演習 V
講義題目:千載佳句所収唐詩訳注(17)
准教授静永 健
前期・通常

木曜2限
授業の概要 大江維時(888〜963)撰『千載佳句』は、中国唐代の七言詩の佳句を摘録した唐詩選集である。その約一千首を数える詩句中には、崔致遠など新羅朝鮮の漢詩をも含み、文学史のみならず、日中朝の文化交流史においても、今後活用が期待される面白い資料である。本演習は、この中でも特にその過半数を占める白居易の詩句を中心に、その訳注と分析を行うものである。
 今期は下巻の「宴喜部」から毎時担当者を決めて会読する。今期の会読作品は、すべて白居易(白楽天)の詩句である。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国古典を読む力を涵養する。

(2) 個別の学習目標:
文学に親しみ、それを味読することは、四季の移ろいはもちろん、世の中の動きや、自己の人生についても深い洞察力を得ることができる。作品の一字一字を丁寧に読み解いてゆく姿勢を身につけていってください。
授業の進め方 演習形式。中文専攻生以外の受講も認めるが、その場合は4月11日までに静永まで相談にきてください(あらかじめメール連絡の上、面接試験を受けて下さい)。また、各演習担当者は、中文所属の大学院生や上級生諸君の助言を得つつ準備を進めてください。
教科書等 <参考図書>
中文演習室内の所定の場所に配架。
成績評価方法 各担当時の発表状況40%、非担当時の発言60%(何も発言が無かった者は欠席と同様の評価となる)。
学習相談 オフィスアワーは金曜の13:00〜14:00。その他、メール等で随時受け付けます。shizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 中国文学研究室ホームページ参照
http://www.lit.kyushu-u.ac.jp/~shizuka/zw/

対象学年:2年生・3年生・4年生
履修条件:漢語の基礎的な知識を要する。なお演習室の座席に限度があるので、中文専攻以外の学生で本演習受講を希望する学生は、4月9日以前に静永まで相談の事。
教職(国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学演習 VI
講義題目:千載佳句所収唐詩訳注(18)
准教授静永 健
後期・通常

木曜2限
授業の概要 大江維時(888〜963)撰『千載佳句』は、中国唐代の七言詩の佳句を摘録した唐詩選集である。その約一千首を数える詩句中には、崔致遠など新羅朝鮮の漢詩をも含み、文学史のみならず、日中朝の文化交流史においても、今後活用が期待される面白い資料である。本演習は、この中でも特にその過半数を占める白居易の詩句を中心に、その訳注と分析を行うものである。
 今期は下巻の「宴喜部」「遊放部」から毎時担当者を決めて会読する。登場する詩人は、白居易など。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国古典を読む力を涵養する。

(2) 個別の学習目標:
文学に親しみ、それを味読することは、四季の移ろいはもちろん、世の中の動きや、自己の人生についても深い洞察力を得ることができる。作品の一字一字を丁寧に読み解いてゆく姿勢を身につけていってください。
授業の進め方 演習形式。中文専攻生以外の受講も認めるが、その場合は9月30日までに静永まで相談にきてください(あらかじめメール連絡の上、面接試験を受けて下さい)。また、各演習担当者は、中文所属の大学院生や上級生諸君の助言を得つつ準備を進めてください。
教科書等 <参考図書>
中文演習室内の所定の場所に配架。
成績評価方法 各担当時の発表状況40%、非担当時の発言60%(何も発言が無かった者は欠席と同様の評価となる)。
学習相談 オフィスアワーは金曜の13:00〜14:00。その他、メール等で随時受け付けます。shizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 中国文学研究室ホームページ参照
http://www.lit.kyushu-u.ac.jp/~shizuka/zw/

対象学年:2年生・3年生・4年生
履修条件:漢語の基礎的な知識を要する。なお演習室の座席に限度があるので、中文専攻以外の学生で本演習受講を希望する学生は、9月30日以前に静永まで相談の事。
教職(国語)

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学作品演習 I
講義題目:濱文庫唱本研究
招聘外国人教師戚 世雋
前期・通常

火曜2限
授業の概要 古代から近世に至る中国古典の名作を、現代中国語によって音読し、また中国語のよってその鑑賞法を学びます。また、中国人講師のリードによって、実践的な中国語を身につけてゆく授業でもあります。指定された教科書(作品)をただ読むだけでなく、そこから発展して、さまざまな思考法を身につけてゆきましょう。
中国古典文学の授業であるので、中国学以外を専攻する諸君には少し難解な部分があるかもしれませんが、受講を歓迎します。少人数のアットホームな雰囲気で少しずつ自己のレベルを向上させていってください。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ネイティブの指導による実践的な中国語能力(聴く、話す、書く)を習得する。同時に、中国古典文学の奥深く幅広い世界に遊ぶ。

(2) 個別の学習目標:
中級からの中国語語学力向上は、一歩一歩少しずつかつ着実な練習が肝要です。焦らず、しかも臆することなく、授業中の討論に参加していってください。
授業の進め方 講師は日本語をほとんど話せない。しかし、同学みんなで力を合わせてコミュニケーションを図って下さい。意外にカンタンです。
担当者をあらかじめ決定し、毎時間、対象作品の音読と、現代中国語による解釈および解説を発表してもらいます。また、対象作品や作者についての概略や時代背景等の説明等も、必要に応じて発表に加えて下さい。
教科書等 <教科書>
会読する作品は4月初めに担当教員から発表します。また、そのテキストは受講者人数分をコピーして配布します。中国文学研究室に取りに来てください。

成績評価方法 平素の授業参加の状況(討論への積極的な参加も重視する)60%、発表担当時の準備状況40%。試験は無いが随時レポート(中国語による作文等)が課されることがある。
学習相談 戚先生に直接相談することが難しい場合、中国文学研究室のTA(ティーチング・アシスタント)や中国文学研究室の専任教員(竹村教授・静永准教授)が相談を受けます。静永のメールアドレスはshizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学作品演習 II
講義題目:
招聘外国人教師戚 世雋
後期・通常

火曜2限
授業の概要 古代から近世に至る中国古典の名作を、現代中国語によって音読し、また中国語のよってその鑑賞法を学びます。また、中国人講師のリードによって、実践的な中国語を身につけてゆく授業でもあります。指定された教科書(作品)をただ読むだけでなく、そこから発展して、さまざまな思考法を身につけてゆきましょう。
中国古典文学の授業であるので、中国学以外を専攻する諸君には少し難解な部分があるかもしれませんが、受講を歓迎します。少人数のアットホームな雰囲気で少しずつ自己のレベルを向上させていってください。
なお、後期からの受講も心配ありません。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ネイティブの指導による実践的な中国語能力(聴く、話す、書く)を習得する。同時に、中国古典文学の奥深く幅広い世界に遊ぶ。

(2) 個別の学習目標:
中級からの中国語語学力向上は、一歩一歩少しずつかつ着実な練習が肝要です。焦らず、しかも臆することなく、授業中の討論に参加していってください。
授業の進め方 講師は日本語をほとんど話せない。しかし、同学みんなで力を合わせてコミュニケーションを図って下さい。意外にカンタンです。
担当者をあらかじめ決定し、毎時間、対象作品の音読と、現代中国語による解釈および解説を発表してもらいます。また、対象作品や作者についての概略や時代背景等の説明等も、必要に応じて発表に加えて下さい。


また、授業内容は教科書の例文にもとづいての、会話や自己作文、そして反復練習が主です。宿題(中国語では「作業zuo4ye4」)が随時課されます。
教科書等 <教科書>
会読する作品は9月中旬に担当教員から発表します。また、そのテキストは受講者人数分をコピーして配布します。中国文学研究室に取りに来てください。

成績評価方法 平素の授業参加の状況(討論への積極的な参加も重視する)60%、発表担当時の準備状況40%。試験は無いが随時レポート(中国語による作文等)が課されることがある。
学習相談 戚先生に直接相談することが難しい場合、中国文学研究室のTA(ティーチング・アシスタント)や中国文学研究室の専任教員(竹村教授・静永准教授)が相談を受けます。静永のメールアドレスはshizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学批評演習 I
講義題目:中国文学研究法
外国人教師
准教授
戚 世雋
静永 健
前期・通常

水曜4限
授業の概要 この授業は全て中国語によって進行される。
日本で発表された中国文学に関する論文を受講生全員が授業時間までに読了し、その論文に関して、およびその対象となっている研究項目の現状について、全員で討論する。なお、討論に先だって中文研究室の大学院生(学府博士後期・修士)が、@当該論文の執筆者についての紹介、A論文の概要、B論述手法の特徴を中国語で説明する。そして、当該論文をA「資料性」、B「思惟性」、C「普遍性」の三つの視点から、各5星満点「☆☆☆☆☆」で批評したあと、静永・戚先生のコメントを皮切りに全員で討論する。日本の中国文学研究の水準を知るとともに、それが中国の学界においてはどのように処理されているのかを知ることができるのは、この授業ならではのものである。
初めての受講者の中には、中国語でのフリートーキングに慣れない者もいるであろうが、ある幾つかのパターンを覚えれば、さほど難しいものではないので挑戦してください。
なお、中国文学の論文を読むので、他講座からの受講生には更に困難が伴うが、心配せず着いてきて欲しい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
さまざまな中国文学の研究方法を知る。

(2) 個別の学習目標:
少しでも長く戚先生との会話の応酬ができるようになろう。
授業の進め方 4月13日は休講ですが、その日までに会読対象論文を中国文学研究室に受け取りにきてください。開講は毎週ではないので注意してください(中国文学研究室内に掲示する)。
教科書等 <教科書>
『日本中国学会報』『東方学』に収録された論文を会読する。会読論文は一週間前までにコピーで配布する。必ず読んでくるように。

成績評価方法 試験やレポートは無い。その代わり毎回の「中国語」によるディベート能力を20点満点で採点する。その時間に何も発言できなかったものは当然0点(欠席者と同じ)となるので注意せよ。
学習相談 中国文学研究室のTA、および静永まで。shizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 中国文学講座以外の学部生・大学院生の受講も歓迎しています。もちろん留学生の受講も歓迎。ただし、資料の準備の都合上、受講希望者(中文以外)は、4月13日までに静永まで連絡してください。 shizuka@lit.kyushu-u.ac.jp 

対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:中国語を1年以上(初級レベル)習っていること。

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文学批評演習 II
講義題目:中国文学研究法
外国人教師
准教授
戚 世雋
静永 健
後期・通常

水曜4限
授業の概要 この授業は全て中国語によって進行される。
日本で発表された中国文学に関する論文を受講生全員が授業時間までに読了し、その論文に関して、およびその対象となっている研究項目の現状について、全員で討論する。なお、討論に先だって中文研究室の大学院生(学府博士後期・修士)が、@当該論文の執筆者についての紹介、A論文の概要、B論述手法の特徴を中国語で説明する。そして、当該論文をA「資料性」、B「思惟性」、C「普遍性」の三つの視点から、各5星満点「☆☆☆☆☆」で批評したあと、静永・戚先生のコメントを皮切りに全員で討論する。日本の中国文学研究の水準を知るとともに、それが中国の学界においてはどのように処理されているのかを知ることができるのは、この授業ならではのものである。
初めての受講者の中には、中国語でのフリートーキングに慣れない者もいるであろうが、ある幾つかのパターンを覚えれば、さほど難しいものではないので挑戦してください。
なお、中国文学の論文を読むので、他講座からの受講生には更に困難が伴うが、心配せず着いてきて欲しい。連続した授業内容ではないので、後期からの受講も問題ありません。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
さまざまな中国文学の研究方法を知る。

(2) 個別の学習目標:
少しでも長く戚先生との会話の応酬ができるようになろう。
授業の進め方 9月30日までに会読対象論文を中国文学研究室に受け取りにきてください。開講は毎週ではないので注意してください(中国文学研究室内に掲示する)。
教科書等 <教科書>
『日本中国学会報』『東方学』に収録された論文を会読する。会読する論文は1週間前までにコピーで配布する。必ず読んでくるように。

成績評価方法 試験やレポートは無い。その代わり毎回の「中国語」によるディベート能力を20点満点で採点する。その時間に何も発言できなかったものは当然0点(欠席者と同じ)となるので注意せよ。
学習相談 中国文学研究室のTA、および静永まで。shizuka@lit.kyushu-u.ac.jp
その他 中国文学講座以外の学部生・大学院生の受講も歓迎しています。もちろん留学生の受講も歓迎。ただし、資料の準備の都合上、受講希望者(中文以外)は、9月30日までに静永まで連絡してください。 shizuka@lit.kyushu-u.ac.jp 

対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:中国語を1年以上(初級レベル)習っていること。

文学部
文学コース
中国文学 専攻
専門科目 (2単位)
中国文化論
講義題目:東アジアの海域交流
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授小島 毅
後期・集中

授業の概要 東アジア地域の文化交流について、「海域」という概念を活用して講義する。
具体的には精神文化面での交流を中心に扱うが、必要に応じて物質文化の方面にも言及する。
時代としては、11世紀から16世紀にかけて(日本史で通常「中世」と呼ぶ時期)を扱う。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
東アジアにおける文化交流の歴史に対する認識を深め、日本と近隣諸国との関係を考えるよすがとすること

(2) 個別の学習目標:
1)中国の思想文化、特に儒教の歴史に対する認識を深める
2)中国で生まれた思想文化がどのように日本列島に伝わってきたか、韓国朝鮮との比較をおこないながら学習する
3)東アジア海域全体に共通する文化的特徴と、域内相互の相違点について学習する
授業の進め方 集中講義であるので、開講時期および教室に注意。
教科書等 <教科書>
なし

<参考図書>
事前に担当講師の下記著書を一読しておくことが望ましい
『義経の東アジア』改訂増補版(トランスビュー)
『海からみた歴史と伝統』(勉誠出版)
成績評価方法 出席50%、レポート50%。
学習相談 中国文学講座の静永まで。shizuka■lit.kyushu-u.ac.jp (■には@が入ります)
その他 開講予定:2011年12月13日〜16日。
教室:文教研究棟1共同演習室の予定。

対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:特になし
教職(中国語)

文学部


文学部コア科目 (1単位)
中国語初歩 I
講義題目:話す中国語・読む中国語
九州産業大学国際文化研究科 教授呉 紅華
前期・通常

金曜4限
授業の概要 初心者を対象に分かりやすく教える中国語入門の授業である。前期は発音と声調の基本訓練に重点をおき、誰でも声を出して読めるように丁寧に指導する。また、あいさつ語や自己紹介など実用的な日常会話を反復練習して話せるように訓練する。後期はテキストに羅列している簡単な文法、正しい構文規則を詳しく説明し、中国語のセンテンス、短文を辞典を使って理解できるようにする。そのほかにも中国の社会や文化、いま急速に発展する中国のホットな話題なども多く紹介する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国語中国文化に関する基礎知識を得ることを目標とする

(2) 個別の学習目標:
中国語の発音、声調、基礎単語、及び基本的な文法事項を習得する
授業の進め方 基本的には指定した教科書に沿って進める
教科書等 <教科書>
『話す中国語・読む中国語 你好!晴佳』 朝日出版社 王紅艶など 2011年

<参考図書>
特になし
成績評価方法 出席率30%、小テスト30%、定期試験40%を総合して評価する
学習相談 授業前後、及びメール
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:なし

文学部


文学部コア科目 (1単位)
中国語初歩 II
講義題目:話す中国語・読む中国語
九州産業大学国際文化研究科 教授呉 紅華
後期・通常

金曜4限
授業の概要 初心者を対象に分かりやすく教える中国語入門の授業である。前期は発音と声調の基本訓練に重点をおき、誰でも声を出して読めるように丁寧に指導する。また、あいさつ語や自己紹介など実用的な日常会話を反復練習して話せるように訓練する。後期はテキストに羅列している簡単な文法、正しい構文規則を詳しく説明し、中国語のセンテンス、短文を理解できることを目標とする。そのほかにも中国の社会や文化、いま急速に発展する中国のホットな話題なども多く紹介する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国語中国文化に関する基礎知識を得ることを目標とする

(2) 個別の学習目標:
中国語の発音、声調、基礎単語、及び基本的な文法事項を習得する
授業の進め方 基本的には指定した教科書に沿って進める
教科書等 <教科書>
『話す中国語・読む中国語 你好!晴佳』 朝日出版社 王紅艶など 2011年

<参考図書>
中日辞典など
成績評価方法 出席率30%、小テスト30%、定期試験40%を総合して評価する
学習相談 授業前後、あるいはメール
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:なし

文学部


文学部コア科目 (1単位)
中国語 I
講義題目:中国現代文学作品講読
九州産業大学国際文化研究科 教授呉 紅華
前期・通常

金曜3限
授業の概要 本授業は中国近現代文学を代表する有名な短編を講読する授業である。中国語作品の精読によって、語学力の向上だけでなく、中国人の喜怒哀楽、価値観、思考様式、文化特徴を理解し、また現代中国の諸問題を一緒に検討する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国語の読解力を高め、同時代の中国文化を理解することを目標とする

(2) 個別の学習目標:
中国近現代文学の基本的な流れ、基礎知識、日本文学との関係などを学習する
授業の進め方 ガイダンスのときに作品と担当者を決める
教科書等 <教科書>
コピーのものを使用

<参考図書>
『中国現代文学珠玉選』1・2・3 丸山昇など  二玄社  2000年
成績評価方法 出席率30%、平常点30%、レポート40%を総合して評価する
学習相談 授業前後、あるいはメール
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:初級中国語を履修した学生
教職(中国語)

文学部


文学部コア科目 (1単位)
中国語 II
講義題目:中国現代文学作品講読
九州産業大学国際文化研究科 教授呉 紅華
後期・通常

金曜3限
授業の概要 本授業は中国近現代文学を代表する有名な短編を講読する授業である。中国語作品の精読によって、語学力の向上だけでなく、中国人の喜怒哀楽、価値観、思考様式、文化特徴を理解し、また現代中国の諸問題を一緒に検討する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中国語の読解力を高め、同時代の中国文化を理解することを目標とする

(2) 個別の学習目標:
中国近現代文学の基本的な流れ、基礎知識、日本文学との関係などを学習する
授業の進め方 ガイダンスのときに作品と担当者を決める
教科書等 <教科書>
コピーの物を使用

<参考図書>
『中国現代文学珠玉選』1・2・3 丸山昇など  二玄社  2000年
成績評価方法 出席率30%、平常点30%、レポート40%を総合して評価する
学習相談 授業前後、あるいはメール
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:初級中国語を履修した学生
教職(中国語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英語学講義 I
講義題目:否定現象と文法理論
教授西岡宣明
前期・通常

火曜2限
授業の概要 「否定」はどの言語にも見られる人間の言語の基本的な現象である。だが、その表し方は言語により異なる。本講義では、英語の否定文に関わる現象を中心に、場合によっては日本語と比較しながら、統語的局面を考察し、同時に統語論の基礎的概念を習得する。以下の事柄を扱い授業を進める予定である。
1. 句構造 2.否定文と節構造 3.c-統御と否定対極表現 4.文否定と構成素否定 
5.再構築 6.部分否定 7.分析の一般性とまとめ
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
統語論の基礎的概念と分析方法を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
否定文の統語構造と否定対極表現の認可の問題等の分析を通し、英語の節構造と被認可表現の認可のメカニズムを学ぶ。また、日本語との比較により両言語の類似性と違いを理解する。さらに、先行研究の分析と問題点を論じることにより、理論的考察法を学ぶ。
授業の進め方 プリントにそって授業を行う。
教科書等 <参考図書>
西岡宣明『英語否定文の統語論研究―素性照合と介在効果』くろしお出版
原口庄輔、中村捷編 『チョムスキー理論辞典』研究社出版
中村捷、金子義明、菊地朗『生成文法の新展開』研究社
成績評価方法 筆記試験90%および出席状況10%により総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーを火曜3時限目に設定するが、可能な限り随時相談に応じる。
その他 教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英語学講義 IV
講義題目:Issues on Language, Communication, and Human Cognition
秋田大学教育文化学部 教授星 宏人
前期・集中

授業の概要 Smith & Tsimpli (1995)、Smith, N. et al. (2011)を精読し、「言語(英語)とは何か」、「コミュニケーションとは何か」、「人間の認知能力とはどのような性質を持つものなのか」等について講義、討論する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
Smith & Tsimpli (1995)、Smith, N. et al. (2011)に基づき、言語(英語)、コミュニケーション、及び人間の認知能力の重要な特性をできるだけ分かりやすく説明する。

(2) 個別の学習目標:
1. Smith & Tsimpli (1995)、Smith, N. et al. (2011)を読み、著者の考えをできる限り正確に把握する。
2. 言語、コミュニケーション、及び人間の認知能力に関して自分の考えを持つ。
3. 言語、コミュニケーション、及び人間の認知能力に関しての自分の意見を英語で書く。
授業の進め方 1. Course introduction
2. Smith, N. & I.-M. Tsimpli (1995) Chapter 1: Language & Intelligence.
3. Smith, N. & I.-M. Tsimpli (1995) Chapter 2: The First Language.
4. Smith, N. & I.-M. Tsimpli (1995) Chapter 3: 'Second' Languages.
5. Smith, N. & I.-M. Tsimpli (1995) Chapter 4: New Languages.
6. Smith, N. & I.-M. Tsimpli (1995) Chapter 5: Language & Mind.
7. Examination 1 (Essay Writing) & Review 1
8. Smith, N. et al. (2011) Chapter 1: Introducing Christopher.
9. Smith, N. et al. (2011) Chapter 2: British Sign Language: An Overview.
10. Smith, N. et al. (2011) Chapter 2: British Sign Language: An Overview.
11. Smith, N. et al. (2011) Chapter 3: The Programme.
12. Smith, N. et al. (2011) Chapter 4: The Results.
13. Smith, N. et al. (2011) Chapter 5: Christopher in the Wider Context.
14. Smith, N. et al. (2011) Chapter 6: Modality and the Mind.
15. Examination 2 (Essay Writing) & Review 2
教科書等 <教科書>
Smith, Neil & Ianthi-Maria Tsimpli (1995) The Mind of a Savant: Language Learning and Modularity, Blackwell Publishers.
Smith, Neil, Tsimpli Ianthi, Morgan Gary, & Bennice Woll (2011) The Signs of a Savant: Language Against the Odds, Cambridge University Press.

成績評価方法 試験(50%X2)
学習相談 授業後随時行う。
その他 開講時期: 9月6日(火)、9月7日(水)、9月8日(木)、9月9日(金)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英語学演習 I
講義題目:英文法における「繰り返し現象」
教授西岡 宣明
後期・通常

火曜3限
授業の概要  本授業では、問い返し疑問文、メタ言語的否定等の「繰り返し現象」を考察する。その中で、通常の疑問文、否定文との違いと類似性を考察し、それらの統語構造としてどのようなものが妥当であるのかを考える。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
言語現象の背後にはたらく規則性と原理を理解する。言語分析の具体的な方法を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
疑問文と否定文のの多様性を理解する。英語の文法現象の具体的な分析を通して、事実の理解を深めると同時に理論的考察の方法を学ぶ。
授業の進め方 英語でかかれた論文を中心に学生によるレポート形式で授業を進める。
教科書等 <教科書>
プリントを配布する。
また、同時に『英文法』中村捷著、開拓社、2009年を用いる。

成績評価方法 筆記試験60%、出席、授業への貢献30%、レポート10%
学習相談 火曜日の3時間目にオフィスアワーを設定しているが、その他でも事前の相談により随時。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英語学演習 VII
講義題目:The sounds of English
外国人教師Stephen LAKER
前期・通常

火曜3限
授業の概要 The course provides an introduction to phonetics. Students will practice analysing and transcribing speech using phonetic symbols. Various aspects that are involved in the production of the sounds – in particular English sounds – will be investigated in detail. A particular focus will also be given to the differences between the sounds of English and Japanese. In doing so, students will learn to identify many of their own weaknesses in English pronunciation. Through active participation and practice, students should see an improvement in their own pronunciation of English.
学習目標 Improved perception and production of English sounds.
授業の進め方 Readings and other practical exercises must be completed as homework. Active class participation is essential.
教科書等 Ashby, Patricia. 2005. Speech Sounds, 2nd edition. London: Routledge. ISBN-10: 0415341787; ISBN-13: 978-0415341783
成績評価方法 Active participation during class. Completion of homework, assigned tasks, and quizzes.
学習相談 Whenever I’m in my office, students may visit for discussion.
その他

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英語学演習 VIII
講義題目:English Words
外国人教師Stephen LAKER
前期・通常

水曜4限
授業の概要 The course investigates the history and structure of English words. Students will learn how historical events have affected the vocabulary of English. Through practical exercises, students will gain a deeper understanding of the structure of English words (i.e. morphology). They will also learn how to analyse the component parts of words borrowed into English from Greek and Latin, which form a significant part of the English lexicon. We will study how changes in English pronunciation have affected English words. We will also consider how the meanings of some words have changed over time.
学習目標 Students will attain a deeper understanding of the history and structure of English words.
授業の進め方 We will work through the topics and material in the textbook. Further exercises will be provided by the instructor.
教科書等 <教科書>
Minkova, Donka & Robert Stockwell. 2009. English Words: History and Structure, 2nd edition. Cambridge: Cambridge University Press. ISBN-10: 0521709172; ISBN-13: 978-0521709170

成績評価方法 Active participation during class. Regular completion of homework, assigned tasks, and quizzes.
学習相談 Whenever I’m in my office, students may visit for discussion.
その他

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英語学演習 IX
講義題目:Practical English Phonetics and Phonology
外国人教師Stephen LAKER
後期・通常

火曜2限
授業の概要 In this course we will investigate the pronunciation of English. Standard pronunciations of British and American English will be discussed in most detail; however, a number of less familiar varieties will also be studied. In this course, we will pay close attention to the differences of pronunciation that exist in different varieties of English, and we will also examine word stress and intonation patterns. Students who actively participate in this course will improve their listening skills and English pronunciation.
学習目標 Improved perception and production of English sounds and intonation patterns. Students gain a greater awareness and understanding of regional and social differences in English pronunciation.
授業の進め方 Readings and other exercises must be completed as homework. During class we will do speaking and listening activities. Active participation is essential.
教科書等 <教科書>
Collins, Beverley S. & Inger M. Mees. 2008. Practical Phonetics and Phonology: A Resource Book for Students (Routledge English Language Introductions), 2nd edition. London/New York: Routledge. ISBN-10: 041542514X; ISBN-13: 978-0415425148

成績評価方法 Active participation during class. Completion of homework, assigned tasks, and quizzes.
学習相談 Whenever I’m in my office, students may visit for discussion.
その他

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英語学演習 X
講義題目:機能的構文分析 II
教授西岡宣明
前期・通常

金曜3限
授業の概要 Kuno and Takami (2004)は、英語の5つの構文を取り上げ、生成文法的枠組みでなされた先行研究を批判的に検討し、文の容認性を論じるには統語的、意味的、機能的観点からの考察がなければならないことを主張して、代案として機能的分析を提案している。本授業では、先行研究の問題点とKuno and Takamiの分析内容とその問題点を考察し、英語の諸構文に関する事実、また、分析方法ならびに、統語論の基礎概念を学習する。具体的には同属目的語構文、擬似受身構文、主語名詞句からの外置に焦点を当てて考察する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
統語論の基礎概念と分析方法を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
英語の同属目的語構文、擬似受身構文、主語名詞句からの外置に関する事実ならびに具体的な分析の問題点を理解する。また、英語の事実をしっかり観察して、英語力を培う。
授業の進め方 学生による内容のレポートにより授業を進める。
教科書等 <教科書>
Kuno and Takami (2004) Functional Constraints in Grammar

成績評価方法 筆記試験80%、発表、および授業への貢献、出席状況20%により評価する。
学習相談 オフィスアワーを火曜2時限目に設定するが、可能な限り随時相談に応じる。
その他 前年度の続きの授業であるが、基本的に独立した内容なのであらたな受講も歓迎する。

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英語学演習 XI
講義題目:数量詞のスコープと否定現象
教授西岡宣明
後期・通常

金曜3限
授業の概要 本授業では、英文法における否定現象の理解を深めると同時に数量詞のスコープ解釈現象をとりあげ、(英語)統語論分析の基礎となる概念や原理を具体的事例に照らして学ぶ。また、生成文法理論の分析による現象の具体的な分析方法をみることにより、その問題点ならびに機能的観点からの代案ついても学ぶ。<
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
文法現象を的確に理解し、生成文法における基本的な考え方、ならびに機能的分析法を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
英語統語論分析の基礎と方法を学ぶ。スコープ現象の具体的分析方法を学ぶ。
授業の進め方 学生による内容のレポートにより授業を進める。
教科書等 <教科書>
Susumu Kuno and Ken-ichi Takami, Quantifier Scope, Kurosio Publishers, 2002
久野、高見『謎解きの英文法 否定』くろしお出版、2007

成績評価方法 筆記試験70%、授業への貢献ならびに出席状況30%により総合的に評価する。
学習相談 オフィスアワーを水曜4時限目に設定するが、可能な限り随時相談に応じる。
その他

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英会話 I
講義題目:English Listening and Speaking
外国人教師Stephen LAKER
前期・通常

水曜5限
授業の概要 The class aims to bring about an improvement in students’ general ability in English. Class time will focus mainly on speaking and listening activities. For homework, students are expected to review the grammar points and unfamiliar vocabulary they encounter in each chapter of the textbook.
学習目標 Improvement of English speaking and listening skills; consolidation of grammar; enrichment of vocabulary.
授業の進め方 Mainly speaking and listening exercises in class.
教科書等 <教科書>
Craven, Miles & Kristin D. Sherman. 2011. Q: Skills for Success 3: Listening and Speaking. Oxford: Oxford University Press. ISBN-10: 0194756122; ISBN-13: 978-0194756129

成績評価方法 Active and regular participation. Quizzes.
学習相談 Whenever I'm in my office, students may visit for discussion.
その他 教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英会話 I
講義題目:English Conversation I
外国人教師Marc LOWENSTEIN
前期・通常

水曜5限
授業の概要 Course objectives:.This course will emphasize advanced conversational skills through famous quotations and topics for discussion. We will also increase our vocabulary and reading skills by looking at real newspaper and/or magazine articles and then discussing them. Grades will be based upon attendance and preparation, participation and attitude, weekly quizzes, a midterm and a final exam.

Students should bring a dictionary to class, and turn off cell phones.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
This course will emphasize advanced conversational skills through famous quotations and topics for discussion.

(2) 個別の学習目標:
We will also increase our vocabulary and reading skills by looking at real newspaper and/or magazine articles and then discussing them.
授業の進め方 Tentative schedule (subject to change):

Week 1Introduction: Chapter I: Getting Started
Week 2Chapters 2 (Going Beyond Hello) & 3 (Being Home)
Week 3Chapter 4 (Describing Family Ties) and article for discussion
Week 4Chapter 5 (Eating and Drinking) & 6 (Exploring Daily Habits)
Week 5Chapter 7 (Being Yourself) & 8 (Staying Healthy)
Week 6Chapter 9 (Parenting) and article for discussion
Week 7Chapter 10 (Making and Keeping Friends) & 13 (Pet Peeves)
Week 8Midterm Exam
Week 9Chapter 15 (Traveling) & 16 (California Calling)
Week 10Chapter 17 (Moving to Music) and article for discussion
Week 11Chapter 18 (Talking about Television) & 19 (Talking about Movies)
Week 12Chapter 20 (TAM: The Sequel) & 21 (Playing and Watching Sports)
Week 13Chapter 22 (Gardening) and article for discussion
Week 14Chapter 23 (Enjoying the Beach) & 24 (Holidays and Celebrations)
Week 15Final Exam
教科書等 <教科書>
Roth, Eric H. and Toni Aberson. Compelling Conversations. Chimayo Press. ISBN: 978-1419658280.

成績評価方法 20% Attendance & Preparation, 20% Participation & Attitude, 20% Weekly Quizzes, 20% Midterm Exam, 20% Final Exam

More than 3 unexcused absences will result in a failing grade.
Being late to class 2 times = 1 absence
“Preparation” = doing all assigned homework before coming to class
“Participation” = doing your best to speak in class
学習相談
その他 教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英会話 II
講義題目:English Conversation II
外国人教師Marc LOWENSTEIN
後期・通常

水曜5限
授業の概要 Course objectives: This course will emphasize upper-intermediate conversational skills through various topics for discussion. We will also increase our vocabulary and reading skills by looking at real newspaper and/or magazine articles and then discussing them. Grades will be based upon attendance and preparation, participation and attitude, occasional quizzes, a midterm and a final exam.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
This course will emphasize upper-intermediate conversational skills through various topics for discussion.

(2) 個別の学習目標:
We will also increase our vocabulary and reading skills by looking at real newspaper and/or magazine articles and then discussing them.
授業の進め方 Tentative schedule (subject to change:
教科書等 <教科書>
Tess Ferree and Kim Sanabria. NorthStar 4: Listening and Speaking. Pearson/Longman. ISBN-13: 9780132056779

成績評価方法 20% Attendance & Preparation, 20% Participation & Attitude, 20% Weekly Quizzes, 20% Midterm Exam, 20% Final Exam
More than 3 unexcused absences will result in a failing grade.
Being late to class 2 times = 1 absence
“Preparation” = doing all assigned homework before coming to class
“Participation” = doing your best to speak in class
学習相談
その他 教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英会話 II
講義題目:Conversation for English Majors
外国人教師Stephen LAKER
後期・通常

水曜5限
授業の概要 In this class you will work on improving your English speaking and listening skills. Lesson time will usually be divided into short speaking and listening activities. Grammar, vocabulary and writing tasks will be assigned as homework.
学習目標 Improvement in English pronunciation; consolidation of grammar; enrichment of vocabulary.
授業の進め方 Students will do speaking activities in pairs or small groups.
教科書等 <教科書>
To be decided.

成績評価方法 Assigned tasks and quizzes.
学習相談 Whenever I’m in my office, students may visit for discussion.
その他 教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英作文 I
講義題目:Essay writing
外国人教師Stephen LAKER
前期・通常

月曜5限
授業の概要 The course will focus on the process of writing short essays in English. You will practise writing English in the correct format and style. Students will be encouraged to write with the reader in mind, presenting their thoughts in a clear and simple manner through appropriate choice of words.
学習目標 If students complete the assigned tasks and work on their grammar and idiom, they will notice an improvement in their standard of written English by the end of the course.
授業の進め方 Students will complete writing and grammar-based tasks in class.
教科書等 <教科書>
Keith Folse, Elena Vestri Solomon & David Clabeaux. 2010. Great Writing 3: Great Paragraphs to Great Essays, 2nd edition. Boston: Heinle Cengage learning. ISBN-10: 1-4240-6210-1; ISBN-13: 978-1-4240-6210-2

成績評価方法 Active participation in class. Submitted essays will be assessed.
学習相談 Whenever I’m in my office, students may visit for discussion.
その他 教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英作文 II
講義題目:Writing Short English Essays
外国人教師Marc LOWENSTEIN
後期・通常

木曜5限
授業の概要 Course Objectives: The purpose of this course is to develop paragraph-writing skills, which includes the clear and logical presentation of ideas. We will focus on developing clear sentences and strong paragraphs while reviewing our grammar, spelling, and punctuation. There will be frequent in-class and take-home writing activities, as well as peer review (having your classmate read over your writing and make suggestions).
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
The purpose of this course is to develop paragraph-writing skills, which includes the clear and logical presentation of ideas.

(2) 個別の学習目標:
We will focus on developing clear sentences and strong paragraphs while reviewing our grammar, spelling, and punctuation. There will be frequent in-class and take-home writing activities, as well as peer review (having your classmate read over your writing and make suggestions).
授業の進め方 Tentative Schedule (may be changed during semester):1Introduction and warm-up exercises
2Chapter I
3Chapter I
4Chapter II
5Chapter II
6Chapter III
7Chapter III
8Chapter IV
9Chapter IV
10Chapter V
11Chapter V
12Chapter VI
13Chapter VI
14 Chapter VII
15Chapter VII
教科書等 <教科書>
Oshima, Alice and Ann Hogue. Introduction to Academic Writing, Level 3 (Third Edition). New York: Pearson/Longman, 2007. ISBN-13: 9780131933958

<参考図書>
Recommended Resource for Self-Study:

http://owl.english.purdue.edu/owl/resource/678/01/
成績評価方法 25% Attendance & Preparation, 25% Participation & Attitude, 50% Assignments
学習相談
その他 教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
イギリス文学講義 I
講義題目:シェイクスピア研究入門
教授村井 和彦
前期・通常

木曜2限
授業の概要 シェイクスピアはイギリス文化の精華といわれる。本講義はシェイクスピアと彼の生きた時代を背景として,その作品を読むための基礎的な知識を論じる。特に取り上げるのは以下の諸点である。
1イギリス・ルネッサンスの思想的背景
2シェイクスピア批評に関する歴史的資料の紹介
 同時代のシェイクスピア批評
 古典主義時代の批評
 ロマン主義時代の批評
3伝記的資料の読解
4シェイクスピアの文法
5英語の韻律とシェイクスピアが用いた“blank verse”
6文体(韻文と散文の使い分け)
7四体液説と四大元素
8イギリス・ルネッサンスの劇場構造
以上のような問題を取り上げて講義していきたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
シェイクスピアの作品を論じ,原文で鑑賞するための基礎的知識を習得すること。

(2) 個別の学習目標:
第1回目の講義の際に資料を配布する。この資料にあらかじめ目を通し,講義を聴いた上でもう一度目を通すよう努力して欲しい。
授業の進め方 講義形式で行う。
教科書等 <参考図書>
G. B. Harrison, Introducing Shakespeare (Penguin)
成績評価方法 出席50パーセント,試験50パーセントで評価する。
学習相談 随時受け付ける(要予約)
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
イギリス文学講義 III
講義題目:Emily Brontë論
准教授鵜飼信光
後期・通常

金曜2限
授業の概要 この授業ではイギリスの小説家Emily Brontë(1818-48)のWuthering Heights(1847)を論ずる。意識と無意識の乖離、外部における自己の複製など特異な主題の具体的な表れを検討して行く。
【作品の梗概】英国の島の中程ヨークシャー州の農村の風の吹き付ける「嵐が丘」と呼ばれる丘にアーンショウ家の古い家がある。そこの主人がある日港町リヴァプールの路上で見かけ哀れに思った孤児を拾ってきて育てることにする。ヒースクリフと名付けられたその少年はその家の娘キャサリンとは気が合いヒースの繁る野原で終日遊ぶようになるが、その兄からは憎まれ、アーンショウ氏の死後は使用人の地位に落とされ、キャサリンが近隣の富豪の息子エドガー・リントンと婚約しようとするのを機に出奔。3年後謎の経歴で富を蓄えて戻ったヒースクリフはキャサリンの娘の代にまで及ぶ壮絶な復讐を始める。
【作品の英語の難易度】平易で英語の読解力を無理なく伸ばすことができる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
イギリスの長編小説の作品の一つを始めから終わりまでを読み、その作品研究の仕方を学ぶ。
どのような箇所がどう問題となるのか、着眼と考察のための能力の習得を目指す。

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方 一方的な解釈の伝達にならないよう、受講者に問題点の考察もしてもらう。初回と最後の授業で、姉、Charlotte Brontëの作品を紹介する。
教科書等 <教科書>
Emily Brontë,Wuthering Heights, Penguin

成績評価方法 作品全体について、各自問題を設定した学期末の小論文(3,000字程度)によって成績評価を行う。問題設定の意義深さ、論述の組み立て、文章力が評価のポイントとなる。
学習相談 授業の後に教室あるいは個人研究室で要望に応じて行う。
その他 対象学年:2年以上
教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
イギリス文学講義 VI
講義題目:「虚構」(フィクション)としての世界周航記:『ガリヴァー旅行記』研究
大阪大学大学院文学研究科 教授服部 典之
前期・集中

授業の概要 『ガリヴァー旅行記』を、虚構としての世界周航記という観点から読む。
 ヨーロッパ大航海時代にあったイギリス18世紀には、多くの実録世界周航記が出版されている。ジョナサン・スウィフトの『ガリヴァー旅行記』(1726)は虚構(フィクション)であるが、実録世界周航記を踏まえて書かれている。実録と虚構のインタラクションを考えながら、原書の四分の三を通読する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
原著の精読を通じて、イギリス文化読解に必要な語学力を養う。

(2) 個別の学習目標:
作品の読解を通じて、イギリス文化への理解を深める。
授業の進め方 講義形式で行う。出席重視。コメントペーパーを毎日提出してもらい、感想や質問を書いてもらうことで、フィードバックを行いながら進める。第一部、第二部、第四部を読む予定なので、かなりのスピードで進む。受講希望者は翻訳でも良いから、あらかじめ読んでおくことを強く勧める。試験は最終時間に実施するが、テキスト、ノート等の持ち込みを可とする。
教科書等 <教科書>
Jonathan Swift, Gulliver's Travels (Oxford World's Classics) (ペーパーバック) ISBN-10: 0199536848 ISBN-13: 978-0199536849

成績評価方法 出席40%、試験60%
学習相談
その他 開講時期は8月頃を予定している。

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
イギリス文学演習 I
講義題目:Antony and Cleopatra研究
教授村井 和彦
前期・通常

火曜4限
授業の概要  昨年度に引き続き、シェイクスピアの後期悲劇であるAntony and Cleopatraを読む。ひとつの言葉にたくさんの意味を担わせ、豊かなイメージを喚起するシェイクスピアの言葉使いの面白さに触れてもらいたい。
 シェイクスピアの英語は初期近代英語と呼ばれるものであり、この演習に参加することによって、それを読みこなす能力を身につけてもらえればと思う。演習にはThe Oxford English Dictionaryを用いる。作品読解をしながらこの辞書を使いこなす能力も涵養する。
 なお、今回初めてシェイクスピアの作品に接する学生は、最初にシェイクスピアの英語の特徴や、参考文献等を解説するつもりである。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
英文学の礎をなすシェイクスピアの作品を読み、論じることができるようになる。同時にThe Oxford English Dictionaryを使いこなせるようになること。

(2) 個別の学習目標:
Antony and Cleopatraを精読することによって、初期近代英語の読解力を身につける。
授業の進め方  最初に初期近代英語の特徴を講義するが、その後の授業は学生が各自の調べてきた結果をレポートにまとめ、発表することになる。その発表にたいしてコメントを加えながら演習を進めていく。
 学生諸君には活発な議論を期待したい。
教科書等 <教科書>
Antony and Cleopatra(Penguin版)

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 出席50%、レポートおよび発表50%
学習相談 随時受け付けるが、あらかじめ予約を取ることが望ましい。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
イギリス文学演習 VII
講義題目:Charles Dickens研究
准教授鵜飼信光
前期・通常

木曜3限
授業の概要 この授業ではイギリスの小説家Charles Dickens(1812-70)の Great Expectations (1861)を研究する。階級格差、拝金主義など社会的な主題とともに、自己同一性の不確実性、無意識の悪意、分身など興味深い主題の詰まった作品である。
【作品の梗概】テムズ川の河口近くの寒村で孤児の少年ピップは歳の離れた姉とその夫で気の優しい鍛冶屋のジョーと暮らしている。クリスマス・イヴの夕方、教会の墓地に一人でいたピップはテズム川の囚人船から逃げてきたマグウィッチに脅され、翌朝家から食料を盗んで届ける。その後ピップは鍛冶屋の修行をして歳月を過ごすが、突然、遺産相続の見込みがあるのでロンドンで紳士として暮らすようにと謎の人物から言われる。ピップは遺産の贈り主が近所のハヴィシャム老嬢でその養女エステラの結婚相手として自分が考えられていると思い込んでロンドンで暮らす。しかし、やがて全く思いがけない秘密が明らかになる。
【作品の英語の難易度】平易で英語の読解力を無理なく伸ばすことができる。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
イギリスの長編小説の作品の一つを始めから終わりまでを読み、文学研究の仕方を学ぶ。どのような箇所がどう問題となるのか、着眼と考察のための能力を習得する。

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方 作品全体を授業の回数で等分し、各回の範囲をさらに3人ほどの担当者に割り振り、担当の部分の要約と問題点の指摘をしてもらう。関連する作品として、初回にMary Shelleyの作品Frankensteinを紹介する。
教科書等 <教科書>
Charles Dickens,Great Expectations, Penguin

成績評価方法 作品の全体について、各自問題を設定した学期末の小論文(3,000字程度)で成績評価を行う。問題設定の意義深さ、論述の組み立て、文章力が評価のポイントとなる。
学習相談 授業の後に教室あるいは個人研究室で要望に応じて行う。
その他 対象学年:2年生以上

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
イギリス文学演習 VIII
講義題目:Oscar Wilde研究
准教授鵜飼信光
前期・通常

金曜2限
授業の概要 この授業ではイギリスの小説家Oscar Wilde(1851-1900)の The Picture of Dorian Gray (1891)を研究する。自己実現を究極の目標としながら、外部に操られ、自由を奪われている主人公の逆説的なあり方などを見て行く。
【作品の梗概】若い画家バジルはある夜会で知り合った美貌の青年ドリアン・グレイから芸術上で強い影響を受け、やがて彼の等身大の全身の肖像を制作する。それが完成しかけたある日、モデルを務めに来たドリアンは、そこに居合わせたバジルの友人ヘンリー卿から彼自身の美貌の素晴らしさと快楽の追求を説かれる。それに強い影響を受けたドリアンは、完成した肖像を前にして自分が若さを保ち肖像が罪の痕跡と老いの衰えを負えばよいのにと願う。超自然的なことに、その願いはやがて実現したことが分かる。ドリアンは彼の罪を映し出す肖像の変化を良心への戒めとしようとするのだが・・・。
【作品の英語の難易度】平易で英語の読解力を無理なく伸ばすことができる。
学習目標 イギリスの長編小説の作品の一つを始めから終わりまでを読み、文学研究の仕方を学ぶ。イギリスの長編小説の作品の一つを始めから終わりまでを読み、文学研究の仕方を学ぶ。
(1) 全般的な教育目標:
イギリスの長編小説の作品の一つを始めから終わりまでを読み、文学研究の仕方を学ぶ。どのような箇所がどう問題となるのか、着眼と考察のための能力を習得する。

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方 作品全体を授業の回数で等分し、各回の範囲をさらに3人ほどの担当者に割り振り、担当の部分の要約と問題点の指摘をしてもらう。関連する作品として、初回にR. L. StevensonのStrange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hydeを紹介する。
教科書等 <教科書>
Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray, Penguin

成績評価方法 作品全体について、問題を各自設定した学期末の小論文(3,000字程度)によって成績評価を行う。問題設定の意義深さ、論述の組み立て、文章力が評価のポイントとなる。
学習相談 授業の後に教室あるいは個人研究室で要望に応じ行う。
その他 対象学年:2年生以上

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
イギリス文学演習 IX
講義題目:Mary Shelley研究
准教授鵜飼信光
後期・通常

木曜3限
授業の概要 この授業ではイギリスの小説家Mary Shelley(1797-1851)の Frankenstein (1818)を研究する。科学の産物が人間の制御を脱して人間に復讐すらすることを描く今日的な意義を持つ作品だが、人間の自己正当化への志向の根深さ、憎悪の対象への逆説的な依存など、人間の抱える様々な性質に関わる問題も考察してゆく。
【作品の梗概】青年Robert Waltonは私財をなげうって北極海の航路開発のための探検に出発するが、氷上で異様な巨人が犬ぞりで去って行くのを目撃する。翌朝、今度は犬ぞりに乗ったヨーロッパ人を発見し、説得して乗船させる。Frankensteinという名のその人物は、科学的探求心から人工的に人間を作り上げたものの、作り上げた人間の醜悪さに恐ろしくなって逃げ、その間にその人造人間も行方が分からなくなっていたことを語り始める。Frankensteinが「怪物」と呼ぶその人造人間はやがて彼の前に現れ、自分の配偶者となるべき女性の人造人間を新たに作るよう求めるのだが・・・
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
イギリスの長編小説の作品の一つを始めから終わりまでを読み、文学研究の仕方を学ぶ。どのような箇所がどう問題となるのか、着眼と考察のための能力を習得する。

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方 作品全体を授業の回数で等分し、各回の範囲をさらに3人ほどの担当者に割り振り、担当の部分の要約と問題点の指摘をしてもらう。
教科書等 <教科書>
Mary Shelley, Frankenstein, Penguin

成績評価方法 作品全体について、問題を各自設定した学期末の小論文(3,000字程度)で成績評価を行う。問題設定の意義深さ、論述の組み立て、文章力が評価のポイントとなる。
学習相談 授業の後に教室あるいは個人研究室で要望に応じ行う。
その他 対象学年:2年生以上
教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
アメリカ文学講義 IV
講義題目:アメリカ文学史(世紀末から第二次世界大戦まで)
准教授高野 泰志
前期・通常

木曜4限
授業の概要 19世紀末から第2次世界大戦までのアメリカ文学史を扱う。特に1920年代は19世紀半ばのアメリカン・ルネサンスに次ぐ2度目のアメリカ文学黄金期であり、この時期を中心にして主要作家の代表作を取り上げる。
本講義はたんに文学史の知識を詰め込むための講義ではなく、具体的作品を取り上げて独自の解釈をしていくものである。従って毎回授業の出席の際には配布されたテクストを読んでくることが必要である。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
文学史の知識を身につけるとともに、作品解釈の方法を学ぶ。

(2) 個別の学習目標:
アメリカ自然主義の作家から、「失われた世代」の作家まで、個別の作家の作品に親しむ。
授業の進め方 講義で触れる作家の作品中、少なくとも1編は日本語でもかまわないので授業前にあらかじめ読んでおかなければならない。授業中に次回扱う作品の中で、なるべく短く読みやすいものを指定する。
教科書等 <教科書>
プリント配布

<参考図書>
『悪夢への変貌―作家たちの見たアメリカ』福岡和子・高野泰志編著(松籟社、2010)
ISBN: 9784879842794
成績評価方法 成績はレポートで評価する。課題は最後の授業で指示する。
学習相談 授業終了後、オフィスアワーなど随時受け付ける。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
アメリカ文学講義 VI
講義題目:『グレート・ギャツビー』を読む
東京大学文学部 准教授諏訪部 浩一
前期・集中

授業の概要 大戦間のアメリカ文学を代表する小説家、F. Scott Fitzgerald の代表作 The Great Gatsby を読む。誰もが読んでいるはずの極めて有名な作品であるが、なるべく多角的な視点からアプローチを試みることで、小説を立体的に理解することを目指したい。

必要に応じて、Fitzgerald の他の作品についても考えることになる(したがって、可能であれば、短編なら "The Diamond as Big as the Ritz," "Winter Dreams," "Absolution," "The Rich Boy" など、長編なら Tender Is the Night などを、読んでおいてもらいたい)。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
モダニズム期に書かれた彼の作品を「小説」として鑑賞するということはもちろんだが、当時のアメリカに関する理解を深めることも目標とする。

(2) 個別の学習目標:
言語芸術としての「小説」を読むという行為に意識的になるとともに、各自の問題意識を発見・発展させていくことが期待される。
授業の進め方 原則としていわゆる講義形式の予定。進度は1日につき2章程度だが、テキストは事前に読んでおく(再読しておく)ことが望まれる。
教科書等 <教科書>
F. Scott Fitzgerald, The Great Gatsby (New York: Scribner, 2004).

<参考図書>
必要があれば、授業中適宜指示する。
成績評価方法 出席(授業参加)50%、レポート50%。
学習相談
その他 開講時期は8月上旬の予定。

対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
アメリカ文学演習 II
講義題目:冷戦期のアメリカ文学
准教授高野 泰志
前期・通常

月曜2限
授業の概要 第二次世界大戦後、冷戦期に活躍したアメリカ人作家、トルーマン・カポーティ、J・D・サリンジャー、ソール・ベロウなどの作品を精読する。授業は短編作品を中心に扱うが、『ティファニーで朝食を』や『ライ麦畑でつかまえて』など、代表的な長編作品も取り上げる予定である。冷戦という特殊な時代背景の中で、それぞれの作家がどのように冷戦イデオロギーと関わったのか、ディスカッションを通じて学んでいく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
冷戦期アメリカ文学の作家に親しむ。

(2) 個別の学習目標:
なるべく多くの作品に触れることで、文学作品の解釈を学ぶ。
授業の進め方 毎回指定された短編作品を精読し、内容に関してディスカッションする。
教科書等 <教科書>
ウェブ上で配布

成績評価方法 出席およびディスカッションへの貢献度30%、授業における発表30%、レポート40%。
学習相談 授業終了後、オフィスアワー、その他随時受け付ける。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
アメリカ文学演習 III
講義題目:F. Scott FitzgeraldのTender Is the Nightを読む
准教授高野 泰志
後期・通常

月曜2限
授業の概要 フィッツジェラルドが生前発表した最後の長編小説『夜はやさし』を精読する。作家の自伝的要素を多分に含んだ作品を読むことで、アルコールと狂気に満たされた晩年のフィッツジェラルドが崩壊へと向かう姿を捉える。作品はディスカッションを中心にするので、全員予定された部分を精読した上で、教室での議論に参加しなければならない。
時間に余裕があれば、フィッツジェラルドのその他の代表的短編も取り上げたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
1920年代から活躍を始めたフィッツジェラルドの晩年の作品を読み味わう。

(2) 個別の学習目標:
伝記的要素と作品との複雑な関係を捉え、フィクションのあり方を考える。
授業の進め方 テクストの各章に従って読み進める。
教科書等 <教科書>
F. Scott Fitzgerald, Tender Is the Night.Scribner's (1995/7/1)ISBN: 068480154X

成績評価方法 出席およびディスカッションへの貢献度30%、授業における発表30%、レポート40%。
学習相談 授業終了後、オフィスアワー、その他随時受け付ける。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
教職(英語)

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
アメリカ文学演習 V
講義題目:Patricia Highsmith’s Strangers on a Train
外国人教師Marc LOWENSTEIN
前期・通常

水曜3限
授業の概要 Course objectives: Patricia Highsmith (1921-1995) was the author of over 20 novels of literary suspense and eight collections of short fiction. Her first novel, Strangers on a Train, set a high standard for the works that were to follow; it was nominated for an Edgar Award in 1951 and was adapted for the big screen by the great movie director Alfred Hitchcock. In this course we will read the novel in its entirety and discuss its prevalent themes, its genre, and its moral stance, as well as viewing Hitchcock’s (quite different) film adaptation. If there is time, we will also read some of Highsmith’s short stories, of which she wrote many during her lifetime, and compare/contrast their style and themes to those found in the novel. Grades will be based upon attendance, participation, a presentation, comprehension quizzes, a weekly reading journal, and a final essay. The course will have occasional lectures; however, students are expected to read the assigned pages before class, and come to class prepared to discuss the texts. Discussion is absolutely crucial, and will play a large factor in grading. Students will also be asked to prepare and give a presentation or two in class, lead discussions, keep a weekly reading journal, and write a final paper.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
In this course we will read the novel in its entirety and discuss its prevalent themes, its genre, and its moral stance, as well as viewing Hitchcock’s (quite different) film adaptation.

(2) 個別の学習目標:
If there is time, we will also read some of Highsmith’s short stories, of which she wrote many during her lifetime, and compare/contrast their style and themes to those found in the novel.
授業の進め方 Tentative Schedule (subject to change):

Week 1Introduction to the world of Patricia Highsmith
Week 2Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 9-27
Week 3Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 27-49
Week 4 Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 49-69
Week 5 Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 70-90
Week 6 Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 90-112
Week 7Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 112-123
Week 8Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 123-141
Week 9Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 142-163
Week 10Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 163-182
Week 11Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 182-201
Week 12Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 202-226; watch Hitchcock’s “Strangers” (I)
Week 13Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 226-247; watch Hitchcock’s “Strangers” (II)
Week 14Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 247-266; watch Hitchcock’s “Strangers” (III)
Week 15Read/Discuss: Strangers on a Train, pp. 266-281; final remarks

Final paper due ______________
教科書等 <教科書>
Highsmith, Patricia. Strangers on a Train. W.W. Norton and Company, 2001. ISBN-13: 978-0393321982

成績評価方法 Grading: 20% Attendance, 20% Preparation and Participation, 10% Presentation(s), 10% Quizzes, 20% Reading Journal, 20% Final Essay
å
More than 3 unexcused absences will result in a failing grade.
Being late to class 2 times = 1 absence
“Preparation” = doing all assigned homework before coming to class
“Participation” = doing your best to speak in class
学習相談
その他 Weekly Reading Journal Structure:

(1) Characters (Major & Minor): Who do you meet in this story? Describe them.
(2) Setting (Time & Place): Where and when is this story taking place? Describe it.
(3) Plot (action, events): What happens in this story? Summarize it.
(4) New Vocabulary, Expressions, Grammatical Structures, etc.
(5) Your Questions, Comments, Reflections or Reaction, etc.

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
アメリカ文学演習 VI
講義題目:Carson McCullers: Novellas and short stories
外国人教師Marc LOWENSTEIN
後期・通常

水曜3限
授業の概要 Course objectives: Carson McCullers (1917-1967) was the author of five long works, twenty short stories, as well as two plays and various other forms of writing. In this class we will read two of her highly-lauded novellas (short novels)—The Ballad of the Sad Café (1943) and The Member of the Wedding (1946)—as well as a selection of her short stories as time permits. We will consider her prevalent themes of loneliness, rejection, grotesqueness, and unrequited and/or one-sided love, while pondering the question: “Is it better to love than to be loved?” Grades will be based upon attendance, participation, a presentation, comprehension quizzes, a weekly reading journal, and a final essay. The course will have occasional lectures; however, students are expected to read the assigned pages before class, and come to class prepared to discuss the texts. Discussion is absolutely crucial, and will play a large factor in grading. Students will be expected to prepare and give at least two presentations in class, to participate in discussions, to keep a weekly reading journal, and to write a final paper.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
In this class we will read two of her highly-lauded novellas (short novels)—The Ballad of the Sad Café (1943) and The Member of the Wedding (1946)—as well as a selection of her short stories as time permits.

(2) 個別の学習目標:
We will consider her prevalent themes of loneliness, rejection, grotesqueness, and unrequited and/or one-sided love, while pondering the question: “Is it better to love than to be loved?”
授業の進め方 Tentative Schedule (subject to change):

Week 1Introduction to Carson McCullers. Read: “The Orphanage” (in class)
Week 2Read/Discuss: Introduction by Virginia Spencer Carr; The Ballad of the Sad Café pp. 197-210
Week 3Read/Discuss: Ballad pp. 210-225
Week 4 Read/Discuss: Ballad pp. 225-240
Week 5 Read/Discuss: Ballad pp. 240-253
Week 6 Read Discuss: The Member of the Wedding pp. 257-270
Week 7Read/Discuss: Member pp. 270-285
Week 8Read/Discuss: Member pp. 285-300
Week 9Read/Discuss: Member pp. 300-315
Week 10Read/Discuss: Member pp. 315-330
Week 11Read/Discuss: Member pp. 330-345
Week 12Read/Discuss: Member pp. 345-360
Week 13Read/Discuss: Member pp. 360-375
Week 14Read/Discuss: Member pp. 375-392
Week 15Read/Discuss: Select short stories (to be assigned)
教科書等 <教科書>
McCullers, Carson. Collected Stories of Carson McCullers. Mariner Books/Houghton Mifflin. ISBN-13: 9780395925058

成績評価方法 Grading: 15% Attendance, 15% Preparation and Participation, 10% Presentations, 20% Quizzes, 20% Reading Journal, 20% Final Essay
学習相談
その他 Weekly Reading Journal Structure:

(1) Characters (Major & Minor): Who do you meet in this story? Describe them.
(2) Setting (Time & Place): Where and when is this story taking place? Describe it.
(3) Plot (action, events): What happens in this story? Summarize it.
(4) New Vocabulary, Expressions, Grammatical Structures, etc.
(5) Your Questions, Comments, Reflections or Reaction, etc.

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
アメリカ文学演習 IX
講義題目:American Flash Fiction: an ever-evolving “new-old” form
外国人教師Marc LOWENSTEIN
後期・通常

金曜5限
授業の概要 Course objectives: There are various terms for it: Short-short stories. Sudden fiction. Flash fiction. Microfiction. Even “Blasters.” Whatever one calls it, the very short short story has been around for a while, and has also been reinvigorated and redefined by a new generation of writers. In this course, we will read around 50 of these very short short stories written by Americans, both well-known and lesser-known, both canonized (e.g. Anderson, Hemingway) and contemporary (e.g. Lydia Davis, John Edgar Wideman). We will also try our hand at writing some “short-short” stories on a weekly basis and will discuss the craft of writing. Grades will be based upon attendance, participation, a presentation (on one or more authors, on defining the genre), and a final portfolio of writing prefaced by a short essay discussing one’s process. Students are expected to read the assigned pages before class, and come to class prepared to discuss the texts and to write. Discussion and participation are absolutely crucial, and will play a large factor in grading. Students will be expected to prepare and give a presentation in class, lead a discussion or two, keep a reading journal, and turn in a final portfolio prefaced by a short essay.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
In this course, we will read around 50 of these very short short stories written by Americans, both well-known and lesser-known, both canonized (e.g. Anderson, Hemingway) and contemporary (e.g. Lydia Davis, John Edgar Wideman).

(2) 個別の学習目標:
We will also try our hand at writing some of these “short-short” stories on a weekly basis and will discuss the craft of writing.
授業の進め方 Tentative Schedule (subject to change):
教科書等 <教科書>
Shapard, Robert and James Thomas, eds. Flash Fiction Forward: 80 Very Short Stories. W.W. Norton & Co, Inc, 2006. ISBN-13: 9780393328028.

成績評価方法 15% Attendance, 15% Preparation and Participation, 10% Presentations, 20% In-class writing prompts, 20% Reading Journal, 20% Portfolio and Essay
学習相談
その他 Weekly Reading Journal Structure:

(1) Characters (Major & Minor): Who do you meet in this story? Describe them.
(2) Setting (Time & Place): Where and when is this story taking place? Describe it.
(3) Plot (action, events): What happens in this story? Summarize it.
(4) New Vocabulary, Expressions, Grammatical Structures, etc.
(5) Your Questions, Comments, Reflections or Reaction, etc.

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
アメリカ文学演習 XI
講義題目:William Faulknerの短編を読む
准教授高野 泰志
後期・通常

木曜4限
授業の概要 William Faulknerの代表的短編および一部の長編を精読する。難解なことで有名なフォークナーの作品であるが、テクストを精読することで、この作家独特の表現に親しみ、解釈を加えていく。フォークナーはアメリカ南部の代表的作家として有名であるが、授業を通してアメリカの南部という社会的背景についても理解を深める。

毎回指定された作品を精読してくることが最低条件であり、ディスカッションを中心に授業を進めていく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フォークナーの作品に親しむ

(2) 個別の学習目標:
フォークナー作品を通じて、アメリカ南部、女性問題、人種問題など、様々な問題を理解する。
授業の進め方 テクストの各章に従って読み進める。
教科書等 <教科書>
William Faulkner, The Portable Faulkner. Penguin (2003).
ISBN: 014243728X

成績評価方法 出席およびディスカッションへの貢献度30%、授業における発表30%、レポート40%。
学習相談 授業終了後、オフィスアワー、その他随時受け付ける。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
文学コース
英語学・英文学 専攻
専門科目 (2単位)
英米研究
講義題目:All about Britain
外国人教師Stephen LAKER
後期・通常

月曜5限
授業の概要 In this course students will learn about life in Britain and improve their English skills (in particular, through reading and listening activities). In class we will work through various topics and themes connected with life in Britain.
学習目標 Students will gain an insight into life in contemporary Britain. Improvement of reading and listening ability.
授業の進め方 Weekly lecture and discussion of activities.
教科書等 <教科書>
Hullah, Paul & Masayuki Teranishi. 2009. Britain Today: Old Certainties, New Contradictions. Cengage learning. ISBN 978-4-86312-110-2

成績評価方法 Regular completion of homework; assigned tasks; quizzes.
学習相談 Whenever I’m in my office, students may visit for discussion.
その他 教職(英語)

文学部


文学部コア科目 (1単位)
英語 I
講義題目:
産業医科大学医学部 外国語 助教田中 公介
前期・通常

金曜1限・金曜2限
授業の概要 英語のリスニング&スピーキング能力及びリーディング能力の向上を図る為には、実際に英語話者が使用する「生の英語」に触れる機会を増やすことが重要である。本授業ではその機会の一環として、CBSやCNNのような英語圏の主要ニュースメディアを題材としたテキストを使用し、これら英語に関する各種能力の向上を目指す。

主に使用するテキストは『CBS News Show(成美堂)』である。これはアメリカの3大ネットワークの一つであるCBS中の情報番組で取り上げられた近年のニュースを題材とした内容であり、付属のDVD教材を用いて聴覚のみならず視覚をも介して英語を学習できる。併せて近年の英米文化についても興味深く学ぶことができる。

授業の大まかな流れとしては、まず冒頭で短めのニュース(CNNニュースの予定)を使用してディクテーションテストを行う。これを毎週の授業の評価点及び出席点とするので、履修者は遅刻をしないようにすること。遅刻した場合は評価点と出席点が得られないこととなる。

その後CBSのテキストを用い、ディクテーション&リーディング、問題解答を行う。基本的にテキスト中の問題や英文訳出は出席者を指名し、答えてもらうので、英和辞書(電子辞書も可)は必携のこと。また事前に幾つかの問題を予習個所として指定する場合がある。その際は必ず予習をやっておくこと。

評価は以上のディクテーションテストの平均点と出席点に、期末テストの獲得点を加えたものとする。授業内容・評価・その他シラバスとの変更事項等に関しては最初の授業中で解説する予定なので、履修者は必ず出席するようにすること。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
・英語使用能力全般(リスニング・スピーキング・リーディング能力)の向上。

(2) 個別の学習目標:
・メディア英語、英語圏の文化への理解。
授業の進め方 1.ディクテーション小テスト
2.前回の小テストの解説
3.テキストによるディクテーション、リーディング、問題解答
教科書等 <教科書>
CBS News Show(成美堂)

成績評価方法 ディクテーションテスト(20%)、授業態度・出席(20%)、期末テスト(60%)
学習相談 当校には非常勤の為オフィスアワーはない。何かある場合はtanaka-h@med.uoeh-u.ac.jpまでメールをすること。
その他

文学部


文学部コア科目 (1単位)
英語 II
講義題目:
産業医科大学医学部 外国語 助教田中 公介
後期・通常

金曜1限・金曜2限
授業の概要 前期(英語T)と同様に英語圏のニュースメディア教材を使用し、リスニング&スピーキング能力及びリーディング能力の向上を目指す。

主に使用するテキストは『BBC Understanding the News in English(金星堂)』である。内容は英国放送協会(BBC)におけるニュースメディアで取り上げられた時事的なトピックに関連するものであり、付属のDVD教材を用いて聴覚のみならず視覚的にも「生の英語」に触れることができる。使用されている言語は主にイギリス英語であり、前期の英語Tを履修した者はアメリカ英語との言語の違いや、英米文化の違いも学習することができる。

授業の大まかな流れとしては、まず冒頭で短めのニュース(CNNニュースの予定)を使用してディクテーションテストを行う。これを毎週の授業の評価点及び出席点とするので、履修者は遅刻をしないようにすること。遅刻した場合は評価点と出席点が得られないこととなる。

その後BBCのテキストを用い、ディクテーション&リーディング、問題解答を行う。基本的にテキスト中の問題や英文訳出は出席者を指名し、答えてもらうので、英和辞書(電子辞書も可)は必携のこと。また事前に幾つかの問題を予習個所として指定する場合がある。その際は必ず予習をやっておくこと。

評価は以上のディクテーションテストの平均点と出席点に、期末テストの獲得点を加えたものとする。授業内容・評価・その他シラバスとの変更事項等に関しては最初の授業中で解説する予定なので、履修者は必ず出席するようにすること。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
・英語運用能力全般(リスニング・スピーキング・リーディング能力)の向上。

(2) 個別の学習目標:
・メディア英語、英語圏の文化への理解。
授業の進め方 1.ディクテーション小テスト
2.前回の小テストの解答・解説
3.テキストによるディクテーション、リーディング、問題解答
教科書等 <教科書>
BBC Understanding the News in English(金星堂)

成績評価方法 ディクテーションテスト(20%)、授業態度・出席(20%)、期末テスト(60%)
学習相談 当校には非常勤の為オフィスアワーはない。何かある場合はtanaka-h@med.uoeh-u.ac.jpまでメールをすること。
その他

文学部


文学部コア科目 (1単位)
英語 V
講義題目:English V
外国人教師Marc LOWENSTEIN
前期・通常

月曜4限
授業の概要 Course objectives:.This course will emphasize intermediate reading and listening skills, as well as reviewing grammar and increasing vocabulary. We will also learn some things about contemporary American culture in this class. Grades will be based upon attendance and preparation, participation and attitude, weekly quizzes, a midterm and a final exam.

Students should bring a dictionary to class, and turn off cell phones.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
This course will emphasize intermediate reading and listening skills, as well as reviewing grammar and increasing vocabulary.

(2) 個別の学習目標:
We will also learn some things about contemporary American culture in this class.
授業の進め方 Tentative schedule (subject to change):

Week 1Introduction: The Basics (Altano)
Week 2Chapter 1, pp. 12-20 (Altano) and “Driving Across America” (Brown &
Lucas)
Week 3Chapter 1, pp. 22-31 (Altano) and “”What Do You Like About America?”
(B&L)
Week 4Chapter 1, pp. 32-48 (Altano) and “An Island in Maine” (B&L)
Week 5Chapter 2, pp. 49-63 (Altano) and “West vs. East” (B&L)
Week 6Chapter 2, pp. 64-75 (Altano) and “Canada vs. the U.S.” (B&L)
Week 7Chapter 2, pp. 76-86 (Altano) and “Living in Washington” (B&L)
Week 8Midterm Exam
Week 9Chapter 3, pp. 87-99 (Altano) and “A Family in Maryland”
Week 10Chapter 3, pp. 100-107 (Altano) and “A Family Sabbatical”
Week 11Chapter 3, pp. 108-120 (Altano) and “Changing Families”
Week 12Chapter 4, pp. 121-131 (Altano) and “Siblings”
Week 13Chapter 4, pp. 132-139 (Altano) and “Mothers and Daughters”
Week 14Chapter 4, pp. 140-150 (Altano) and “Fathers and Daughters”
Week 15Final Exam
教科書等 <教科書>
Altano, Brian. Reading Themes and Skills: A Skills-Based American Culture Reader. The University of Michigan Press. ISBN-13: 978-0472030712

Brown, Stephen E. and Ceil Lucas. English in Everyday Life. McGraw Hill. ISBN-13: 978-0071497213

成績評価方法 20% Attendance & Preparation, 20% Participation & Attitude, 20% Weekly Quizzes, 20% Midterm Exam, 20% Final Exam

More than 3 unexcused absences will result in a failing grade.
Being late to class 2 times = 1 absence
“Preparation” = doing all assigned homework before coming to class
“Participation” = doing your best to speak in class
学習相談
その他

文学部


文学部コア科目 (1単位)
英語 VI
講義題目:Using English
外国人教師Stephen LAKER
後期・通常

水曜4限
授業の概要 The course aims to develop students’ability and confidence at listening to and speaking English. In addition, students will also consolidate their grammar and vocabulary. Active participation is essential.
学習目標 Improvement of English skills.
授業の進め方 Weekly class.
教科書等 <教科書>
Onoda, Sakae & Lucy Cooker. 2010. BBC Understanding the News in English 7. Tokyo: Kinseido. ISBN: 978-4-7647-3894-2.

成績評価方法 Regular completion of homework; assigned tasks; quizzes.
学習相談 Whenever I'm in my office, students may visit for discussion.
その他

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ語学講義 I
講義題目:ドイツ語基礎演習
教授小黒康正
前期・通常

木曜5限
授業の概要 慣用句(イディオム)は、個々それぞれが結晶体である。雪の結晶が決して同一のものが無いように、いずれの慣用句も独自の姿を持つ。そこに言語的、文化的、歴史的背景が凝縮している。外国語学習では、数多くの慣用句を習得しなければならない。ドイツ語学習もその例外ではない。慣用句を通じて、ドイツ語が有する独自の豊かさに出会い、それを十分に味わうことは大事だ。慣用句の習得は、ドイツ語による会話、作文、読解において、役立つだけではない。それを血肉と化す者の知見を広げ、考察を深める。そこに外国語学習の醍醐味があろう。では「醍醐味」とはどんな味か。そうした疑問は単なる思考の脱線ではない。慣用句をめぐる微視的な探求は、人間の営為をめぐる巨視的な探求へと我々を誘う。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
初級文法の総復習をしながら、ドイツ語による表現力に磨きをかける。

(2) 個別の学習目標:
ドイツ語の慣用句に習熟する。
授業の進め方 基本的に受講者中心の授業である。主として受講者が、慣用表現の訳出と説明を、一般的な表現への言い換えとともに行う。授業担当者は、適時、重要な表現や文法事項の説明を補足する。1回の授業で20の慣用句を扱いたい。なお、授業の始めに毎回小テストを行う。
教科書等 <教科書>
授業中に指示する。

<参考図書>
中島悠爾・平尾浩三・朝倉巧『必携ドイツ文法総まとめ』(白水社)
成績評価方法 小テスト(50%)と学期末試験(50%)による総合評価(100%)。
学習相談 本授業の終了後、ならびにオフィスアワー(木曜4限)にて相談に応じる。
その他 独文以外の学生も遠慮なくご参加ください。

履修条件:平成21年度開講の「ドイツ語学講義 I 」ですでに単位を取得した者は履修できない。
教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ語学講義 III
講義題目:中高ドイツ語の世界
東北大学大学院文学研究科 准教授嶋崎 啓
前期・集中

授業の概要 ドイツ語は中高ドイツ語(中期高地ドイツ語、Mittelhochdeutsch, 11-14世紀)の時代に言語的にも文学的にも高度な発達を遂げる。宮廷騎士文学など叙事文学の発展は出来事を順序立てて配列する語りの文体を確立させ、また、愛のテーマ化は、たとえそれが様式化されていたものであったとしても、人間の個人的感情の表現を可能にした。授業では、中高ドイツ語の文法を概観した上で、ミンネザング、ハルトマンの騎士文学、「ニーベルンゲンの歌」、「トリスタンとイゾルデ」、「パルツィヴァール」等の中高ドイツ語の文学テクストを抜粋して紹介し、それぞれの特徴を考察する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
中高ドイツ語を読むことができるようになる。

(2) 個別の学習目標:
中高ドイツ語のテクスト講読を通して、ドイツ語やドイツ文学において歴史的に何が変わり、何が変わらなかったのかを考える。(言語的には語彙、文法、統語、意味論など、文学的にはモチーフ、恋愛論、英雄像、文化史など、どのような観点から考察してもよい。)
授業の進め方 基本的に講義であるが受講者には質問に対する応答を求める。
教科書等 プリントを配布する。
成績評価方法 出席30%、レポート70%
学習相談 授業期間中随時
その他 7月4日〜7月8日

教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ語学講義 IV
講義題目:現代ドイツ語の諸問題
大分大学教育福祉科学部 教授池内 宣夫
後期・集中

授業の概要 前半は,ドイツ語の文法書(例えば,P.Eisenberg "Grundriss der Deutschen Grammatik"など)や語学論文を用いて,ドイツ語文法の諸相について概説します。後半は,現代ドイツ語においていくつかの問題となる事例を個別的・具体的に取り上げ,現代ドイツ語の特徴について論じます。後半部で取り上げるテーマは次の通りです(予定)。
1)前綴付動詞,2)代名副詞,3)動詞派生名詞,4)状態受動,5)相互構文と再帰構文,6)アスペクト表現
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
1)ドイツ語文法の用語・概念・方法論について学びます。
2)ドイツ語文法の諸現象についての理解を深め,ドイツ語を「観る目」を養います。

(2) 個別の学習目標:
1)現代ドイツ語における諸現象の規則性と不規則性について考察します。
2)現代ドイツ語における諸現象の中心と周縁について考察します。
授業の進め方 前半は,各テーマごとに文献を読み,問題の提起と議論を行います。後半は,講義形式で行います。
教科書等 <教科書>
プリントを配布します。

<参考図書>
川島敦夫(編集主幹):ドイツ言語学辞典。紀伊国屋書店,1994年
浜崎長寿(他):ドイツ語文法シリーズ。10巻。大学書林,2000年
G.ヘルビヒ,J.ブッシャ(在間進(訳)):現代ドイツ語文法,三修社,1982年
成績評価方法 授業への積極的な参加40%,レポート60%
学習相談 適宜授業前後に
その他 教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ語学演習 IX
講義題目:Deutsch 2: Sprache und Kontext
外国人教師Sascha MONHOFF
前期・通常

火曜4限
授業の概要 Über die Übungen im Lehrbuch hinaus werden wir besonders das angemessene Sprechen und Schreiben in speziellen Situationen üben. Wir werden das Gefühl für unterschiedliche sprachliche Register verbessern und lernen, uns in verschiedenen alltäglichen Kontexten sicher zu bewegen.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
Ziel: Niveau A2/B1

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方
教科書等 <教科書>
Material: eurolingua II, Zweiter Teilband (cornelsen-Verlag); Kopien

成績評価方法 Note: Die Gesamtnote ergibt sich aus einigen Tests während des Semesters, den Hausaufgaben und aus der Mitarbeit im Kurs.
学習相談
その他 主として独文の3、4年生を対象にした中級ドイツ語会話の授業。独文以外の学生も受講可。

本授業は、前期木曜日4限に開講される「ドイツ語語学演習X」とセットで受講しなければならない。

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ語学演習 X
講義題目:Deutsch 2: Sprache und Kontext
外国人教師Sascha MONHOFF
前期・通常

木曜4限
授業の概要 Über die Übungen im Lehrbuch hinaus werden wir besonders das angemessene Sprechen und Schreiben in speziellen Situationen üben. Wir werden das Gefühl für unterschiedliche sprachliche Register verbessern und lernen, uns in verschiedenen alltäglichen Kontexten sicher zu bewegen.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
Ziel: Niveau A2/B1

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方
教科書等 <教科書>
Material: eurolingua II, Zweiter Teilband (cornelsen-Verlag); Kopien

成績評価方法 Note: Die Gesamtnote ergibt sich aus einigen Tests während des Semesters, den Hausaufgaben und aus der Mitarbeit im Kurs.
学習相談
その他 主として独文の3、4年生を対象にした中級ドイツ語会話の授業。独文以外の学生も受講可。

本授業は、前期火曜日4限に開講される「ドイツ語語学演習IX」とセットで受講しなければならない。

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ語学演習 XI
講義題目:Deutsch 2: Sprache und Kontext
外国人教師Sascha MONHOFF
後期・通常

火曜4限
授業の概要 Über die Übungen im Lehrbuch hinaus werden wir besonders das angemessene Sprechen und Schreiben in speziellen Situationen üben. Wir werden das Gefühl für unterschiedliche sprachliche Register verbessern und lernen, uns in verschiedenen alltäglichen Kontexten sicher zu bewegen.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
Ziel: Niveau A2/B1

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方
教科書等 <教科書>
Material: eurolingua II, Zweiter Teilband (cornelsen-Verlag); Kopien

成績評価方法 Note: Die Gesamtnote ergibt sich aus einigen Tests während des Semesters, den Hausaufgaben und aus der Mitarbeit im Kurs.
学習相談
その他 主として独文の3、4年生を対象にした中級ドイツ語会話の授業。独文以外の学生も受講可。

本授業は、後期木曜日4限に開講される「ドイツ語語学演習XII」とセットで受講しなければならない。

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ語学演習 XII
講義題目:Deutsch 2: Sprache und Kontext
外国人教師Sascha MONHOFF
後期・通常

木曜4限
授業の概要 Über die Übungen im Lehrbuch hinaus werden wir besonders das angemessene Sprechen und Schreiben in speziellen Situationen üben. Wir werden das Gefühl für unterschiedliche sprachliche Register verbessern und lernen, uns in verschiedenen alltäglichen Kontexten sicher zu bewegen.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
Ziel: Niveau A2/B1

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方
教科書等 <教科書>
Material: eurolingua II, Zweiter Teilband (cornelsen-Verlag); Kopien

成績評価方法 Note: Die Gesamtnote ergibt sich aus einigen Tests während des Semesters, den Hausaufgaben und aus der Mitarbeit im Kurs.
学習相談
その他 主として独文の3、4年生を対象にした中級ドイツ語会話の授業。独文以外の学生も受講可。

本授業は、後期火曜日4限に開講される「ドイツ語語学演習XI」とセットで受講しなければならない。

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ語会話 I
講義題目:Deutsch 1: Sprachkurs
外国人教師Sascha MONHOFF
前期・通常

木曜3限
授業の概要 Die Grundlagen der deutschen Grammatik werden geübt und so weit wie möglich automatisiert. Das Vokabular zu bestimmten alltäglichen Themen soll erweitert werden. Wir werden natürlich lesen und schreiben, aber besonders der mündliche Sprachgebrauch soll trainiert werden, um mehr Selbstvertrauen im Umgang mit der fremden Sprache Deutsch zu entwickeln.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
Ziel: Niveau A1/A2

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方
教科書等 <教科書>
Material: eurolingua II, Erster Teilband (cornelsen-Verlag); Kopien

成績評価方法 Note: Die Gesamtnote ergibt sich aus einigen Tests während des Semesters, den Hausaufgaben und aus der Mitarbeit im Kurs.
学習相談
その他 主として独文2年生を対象にした、初中級ドイツ語会話の授業。独文以外の学生も受講可能。

教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ語会話 II
講義題目:Deutsch 1: Sprachkurs
外国人教師Sascha MONHOFF
後期・通常

木曜3限
授業の概要 Die Grundlagen der deutschen Grammatik werden geübt und so weit wie möglich automatisiert. Das Vokabular zu bestimmten alltäglichen Themen soll erweitert werden. Wir werden natürlich lesen und schreiben, aber besonders der mündliche Sprachgebrauch soll trainiert werden, um mehr Selbstvertrauen im Umgang mit der fremden Sprache Deutsch zu entwickeln.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
Ziel: Niveau A1/A2

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方
教科書等 <教科書>
Material: eurolingua II, Erster Teilband (cornelsen-Verlag); Kopien

成績評価方法 Note: Die Gesamtnote ergibt sich aus einigen Tests während des Semesters, den Hausaufgaben und aus der Mitarbeit im Kurs.
学習相談
その他 主として独文2年生を対象にした、初中級ドイツ語会話の授業。独文以外の学生も受講可能。

教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ語作文 I
講義題目:Aufsatz: Interpretatives Schreiben und Argumentieren
外国人教師Sascha MONHOFF
前期・通常

金曜2限
授業の概要 Die Kursteilnehmer sollen lernen, wie man schriftlich Argumente vorbringt und eigene Interpretationen darlegt. Das Seminar wird sich den zwei Aspekten widmen, die immer berücksichtigt werden müssen, wenn man verständlich und ansprechend schreiben will: Textaufbau und Stilistik. Dazu werden wir zunächst besonders gute (und auch einige schlechte) Beispiele für beide Aspekte näher betrachten und im Laufe des Semesters Schritt für Schritt lernen, eigene Argumentationen und Textinterpretationen schriftlich zu entwickeln.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
Ziel: Am Ende des Kurses sollen die Studenten auch etwas schwierigere Gedankengänge und komplizierte Sachverhalte klar und verständlich schriftlich darlegen können.

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方
教科書等 <教科書>
Material: Kopien

成績評価方法 Note: Zusätzlich zur Mitarbeit im Kurs werden von mehreren schriftlichen Hausaufgaben die zwei besten in die Endnote einfließen.
学習相談
その他 主として独文の3、4年生を対象にしたドイツ語作文の授業。独文以外の学生も履修可。

教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ文学講義 III
講義題目:沈黙の詩学
教授小黒 康正
前期・通常

木曜2限
授業の概要  2009年12月にノーベル文学賞を受賞したヘルタ・ミュラーは言う、「多くの人にとって私の本は証言です。しかし私は書いている自分が証言者であると感ずることはありません。私が書くことを学んだのは沈黙からです。そこから書くことが始まりました」と。総じて優れた現代ドイツ文学は、矛盾を意図して犯す。言語ならざる「沈黙」に言葉を与えようとするのだ。

 ドイツ語圏の文学では、言語批判的な意識が先鋭化した19世紀末以降、文学の表現媒質としての言語の原理的機能不全性、つまり「言語の否定性」が強く意識される。こうした傾向はニーチェ、マウトナー、ベンヤミンを経て自覚化され、また、主としてホーフマンスタール、ムージル、カフカによって問題意識が高められた。いわゆる「否定性の文学」は、トーマス・マンの「自己イロニー」やインゲボルク・バッハマンによる「新しい言語の模索」などの更なる展開を経て、ヘルタ・ミュラー文学における「沈黙」へと至る。現代ドイツ文学は、「言語の否定性」から饒舌な詩的「沈黙」へと向かう。

 本講義では、本講義は、以上の展開を分かりやく繙きながら、「沈黙の詩学」を新たに打ち立てたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
講義を通じて、みずからの思索をみずからの言葉で論述できるようにする。

(2) 個別の学習目標:
ドイツ文学に関する知見を深める。
授業の進め方 以下の順番で講義を行う予定である。括弧内に使用テキストを示す。

(1)  導入
(2)  Fr. シュレーゲル、ノヴァーリス(プリント配布)
(3)  ヘルダーリン(プリント配布)
(4)  アイヒェンドルフ(プリント配布)
(5)  シュトルム(『シュトルム選集』、伊藤武雄訳、清和書院)
(6)  補論:アンデルセン(『完訳アンデルセン童話集1』、大畑末吉訳、岩波文庫)
(7)  ホーフマンスタール1(『チャンドス卿の手紙 他十篇』、桧山哲彦訳、岩波文庫)
(8)  ホーフマンスタール2
(9)  リルケ(プリント配布)
(10) バッハマン(プリント配布)
(11) ツェラーン(プリント配布)
(12) ヘルタ・ミュラー1(『狙われたキツネ』、山本浩司訳、三修社)
(13) ヘルタ・ミュラー2
(14) 総括1
(15) 総括2
教科書等 <教科書>
特になし。

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 平常点50%、レポート50%(但し、レポートの執筆要領ならびに採点基準を授業中に数回にわけて説明するので、必ず遵守すること)
学習相談 本授業の終了後、ならびにオフィスアワー(木曜4限)にて相談に応じる。
その他 教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ文学講義 IV
講義題目:ディレッタンティズム
教授小黒 康正
後期・通常

木曜2限
授業の概要  我々の身の回り、とりわけ大学の世界には、「オタク」が少なくない。20世紀から21世紀にかけて、日本のみならず、世界的に急増した新たな人間像である。もっとも、既に19世紀から20世紀にかけて、「新しい人間」像が問題になっていた。専門的な知識や技能を有しながら、専門家とは一線を画す好事家や趣味人、すなわち「ディレッタント」である。イタリア語の語源 dilettare に相応しく、まさに「享受する」人の出現であった。

 「ディレッタンティズム」は、「デカダンス」とともに、19世紀後半から20世紀初頭にかけての重要な概念であり、同時に精神的傾向でもある。例えば、ポール・ブールジェ(1852-1935)とフリードリヒ・ニーチェ(1844-1900)から多大な影響を受けた作家トーマス・マン(1875-1955)の場合、とりわけ初期作品群において、観察するだけで決して決断せず、あるゆる営為に対して醒めた批判的まなざしを投げかけ、それでいて「認識の嘔吐」に苦しむ「デカタント」を、いわば「距離のパトス」をもって示す。

 また、独自の「観相学」を展開したオーストリアの思想家ルードルフ・カスナー(1873-1959)は、個性(Individualität)に基づく「仮面」の世界に生き、「人間の偉大さ」に無縁な近代人を「ディレッタント」とみなし、19世紀に顕著になった個人主義の産物を「ディレッタンティズム」に見出した。

 本講義は、ブールジェとニーチェを繙き、マンならびにカスナーにおける「ディレッタンティズム」を考究しながら、我々の存在を新たな光で照らし出してみたい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
みずからの思索をみずからの言葉で論述できるようにする。

(2) 個別の学習目標:
講義を通じて、ドイツの文学ならびに思想に関する知見を深める。
授業の進め方  以下の順番で講義を行う予定である。

(1)導入――「ディレッタンティズム」とは何か。
(2)予備的考察(1)――ニーチェ
(3)予備的考察(2)――アドルノ、ホルクハイマー『啓蒙の弁証法』
(4)予備的考察(3)――ポール・ブールジェ
(5)予備的考察(4)――ポール・ブールジェ
(6)トーマス・マン(1)
(7)トーマス・マン(2)
(8)トーマス・マン(3)
(9)トーマス・マン(4)
(10)ルードルフ・カスナー(1)
(11)ルードルフ・カスナー(2)
(12)ルードルフ・カスナー(3)
(13)ルードルフ・カスナー(4)
(14)総論
(15)予備日
教科書等 <教科書>
特になし。

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 平常点50%+レポート50%
学習相談 本授業の終了後、ならびにオフィスアワー(木曜4限)にて相談に応じる。
その他 対象学年:2年生〜4年生
教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ文学講義 IX
講義題目:〈プラハのドイツ語文学〉研究
大阪大学大学院文学研究科 教授三谷 研爾
前期・集中

授業の概要  この講義では、19世紀末から1930年代まで、多くのドイツ語作家たちを輩出した都市プラハの歴史と文化を取り上げます。当時のプラハ出身者としては、リルケ、カフカ、ヴェルフェルの3人が著名ですが、彼らを含め多くの作家たちが活躍したこの都市は、中欧における文学的モダニズムの重要拠点のひとつでした。そうした〈プラハのドイツ語文学〉の様相を歴史的・社会的コンテクストに照らしながら考えるのが、講義の目的です。
 授業は以下の5つの単元を設定し、後半にはドイツ語テクストの講読もおこないながらすすめます。
・〈プラハのドイツ語文学〉の研究状況
・中欧文化史のなかでのプラハの位置
・世紀転換期のプラハ・ドイツ社会とその文化
・プラハ小説の系譜(マイリンク、レッピン、ブロートなど)
・カフカ文学の位置づけ
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
20世紀ドイツ・オーストリア文学史の知見を広げるとともに、文化研究的なアプローチ方法への理解を深めます。

(2) 個別の学習目標:
中欧の典型的な多民族都市プラハの歴史と文化を知り、その理解を背景に〈プラハのドイツ語文学〉と諸相と、それを生み出した社会環境との相関をトータルに把握します。
授業の進め方 前半は、地図や画像も積極的に利用しながら、世紀転換期のプラハの歴史と文化について講じます。後半は、文学テクストを中心にドイツ語資料を用いる講読的内容も加味しながら、〈プラハのドイツ語文学〉の複眼的な理解に努めます。
教科書等 <教科書>
なし

<参考図書>
三谷研爾『世紀転換期のプラハ モダン都市の空間と文学的表象』(三元社 2010年)
成績評価方法 出席を50%、課題レポートを50%とし、総合的に評価します。
学習相談
その他 開講時期(予定):7月25日〜29日

対象学年:2年生、3年生、4年生

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ文学講義 X
講義題目:ワーグナーとドイツ近代  《ヴァルキューレ》を読む・聴く・観る
東京工業大学外国語研究教育センター 教授山崎 太郎
後期・集中

授業の概要 舞台祝祭劇《ニーベルングの指環》4部作は19世紀ドイツの作曲家・詩人リヒャルト・ワーグナーが着想から完成までに26年間を費やした文字通りのライフワークであり、北欧・ゲルマンの神話を題材に、科学文明や資本主義による人間性の疎外という近代社会の様相を寓意的に描いたそのドラマは今日にも通じる問題性を孕んでいる。今回の集中講義では第2部《ヴァルキューレ》中心に取り上げ、台本を丹念に読み解きながら、ワーグナー自身が執筆した芸術と社会に関する論文や書簡にも触れつつ、作品の原典である神話・伝説とも比較を行ない、作者の思想が作品にどう表れているかを考察する。また、《ヴァルキューレ》の音楽技法を解説しながら、言語では語り得ぬもの(深層心理等)を表現する音楽の機能について紹介する。さらには数種類の演出をDVD映像で比較鑑賞することによって、現代社会の問題がどのように舞台に投影されているかを考えながら、作品という素材(テクスト)と上演(パフォーマンス)の関係に光を当て、演出という行為の可能性を探る。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ワーグナーの作品と思想に触れることで、19世紀ヨーロッパの社会や文化とその問題性について理解を深める。詩(台本)と音楽が時に相乗し、時に亀裂を生じるオペラならではの表現効果を体感する。

(2) 個別の学習目標:
ワーグナーの台本の擬古文的な文体や論文の複雑な構文に触れることで、ドイツ語の読解力を涵養する。作品の素材となったゲルマン・北欧の神話・伝説や中世叙事詩についての知識を得る。
授業の進め方 講義形式が基本だが、出席者にドイツ語についての質問をしたり、意見・感想を求めることもある。プリント資料を配布し、パワーポイントやCD・DVDも適宜使用する。
教科書等 <教科書>
なし。プリントを授業前に配布。

<参考図書>
三光長治・高辻知義・三宅幸夫・山崎太郎編訳、ワーグナー『ヴァルキューレ』(1992、白水社)
成績評価方法 出席30%、レポート70%
学習相談 授業中、授業終了後の質問や相談を随時受け付ける。
その他 10月24日(月)〜28日(金)開講予定

履修条件:ドイツ語の基礎を習得していることが望ましい

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ文学演習 III
講義題目:ヘルター・ミュラー II
教授小黒康正
前期・通常

火曜2限
授業の概要  総じて現代の優れた文学は、新しいポエジー言語を伴いながら、「周辺」から立ち上がってくる。その意味を我々に改めて問うのが、2009年12月にノーベル文学賞を受賞したヘルター・ミュラーの文学であろう。

 1953年、ミュラーはルーマニアのバナート地方に生まれた。そこは、18世紀にオーストリアの国家的要請を受けてドイツ・シュヴァーベン地方の人々が入植した土地である。ミュラーはこうした「周辺」の地で、1987年にベルリンに移住するまでチャウシェスクの独裁政治がもたらす恐怖に曝され続けた。処女作『澱み』(1984)は、ドイツ系少数民族の村社会に渦巻く因習や権威主義や暴力を子供の眼差しで描く「反牧歌」である。第一長編『狙われたキツネ』(1992;山本浩司訳、三修社、1997)では、秘密警察と相互密告に苦しむルーマニア80年代の日常が、不気味なメールヒェンと化す。また、最新の長編『息ブランコ』(2009)は、ドイツ系ルーマニア人が第二次世界大戦時に旧ソ連で被った強制労働という政治的タブーを扱う。総じてミュラー文学は多民族の縮図の中でマイノリティーが陥った苦難を見事に証言する。

 但し、過酷な現実を書き連ねるだけでは文学は成り立たない。ミュラーは言う、「多くの人にとって私の本は証言です。しかし私は書いている自分が証言者であると感ずることはありません。私が書くことを学んだのは沈黙からです。そこから書くことが始まりました」と。『狙われたキツネ』ではルーマニアの三色旗が「赤貧の赤、沈黙を表す黄色、監視の青」として示され、長編『心獣』(1994)は「僕らは沈黙すれば腹が立つし、喋ればとんだお笑いさ」という文言で始まり終わる。ミュラー文学における「沈黙」とは、独裁政治によって強いられた寡黙や秘密警察に対する黙秘だけではない。それは、過度な恐怖によって現実が歪められた結果、加害者と被害者、自殺と他殺、光と闇、自然と人間、これらの境界が判別しがたくなったいわば「言語」を絶する状況である。

 総じてドイツ現代文学は言語ならざる「沈黙」にことばを与えようとする矛盾を意図的に犯す。ミュラーの場合、コラージュの技法を巧みに用い、エピソードを断片化し、ことばを切りつめることで、饒舌な「沈黙」を現出させる。しかもそうした「沈黙」には倦怠と沈思による「深い憂い」が伴う。芸術の霊感源と称されてきたメランコリーが、古代ローマの農耕神サトゥルヌスや時の神クロノスと深く関わる土星的資質の知的衝動であることを忘れてはならない。ミュラー文学には、農地開拓の為に辺境に移住した人々の言語ならざる「深い憂い」が、時を経て沈殿し続けている。

 本演習では、ヘルター・ミュラー『心獣』を考察の中心に据えながら、現代文学の最先端を繙くことを目指す。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ドイツ現代文学に関する知見を深める。

(2) 個別の学習目標:
ヘルター・ミュラー文学に関する知見を深めながら、ドイツ語テクストを読解する力を高める。
授業の進め方 授業は演習形式(担当者による事項説明と訳出、ならびに参加者全員による議論)によって進める。
教科書等 <教科書>
コピーを配布する。

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 平素の成績および筆記試験。
学習相談 本授業の終了後、ならびにオフィスアワー(木曜4限)にて相談に応じる。
その他 本演習は、前年度に開講された「ヘルター・ミュラー I」の続きとして行う。但し、今回からの参加者に対しては、支障がないように配慮する。

対象学年:2年生〜4年生
教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ文学演習 IV
講義題目:ヘルター・ミュラー III
教授小黒康正
後期・通常

火曜2限
授業の概要  本演習は、前期に開講された「ヘルター・ミュラー II」の続きとして行う。但し、今回からの参加者に対しては、支障がないように配慮する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ドイツ現代文学に関する知見を深める。

(2) 個別の学習目標:
ヘルター・ミュラー文学に関する知見を深めながら、ドイツ語テクストを読解する力を高める。
授業の進め方 授業は演習形式(担当者による事項説明と訳出、ならびに参加者全員による議論)によって進める。
教科書等 <教科書>
コピーを配布する。

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 平素の成績および筆記試験。
学習相談 本授業の終了後、ならびにオフィスアワー(木曜4限)にて相談に応じる。
その他 対象学年:2年生〜4年生
教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
独文学 専攻
専門科目 (2単位)
ドイツ文学演習 XIII
講義題目:Proseminar: Deutsche Alltags- und Umgangssprache verstehen und verwenden
外国人教師Sascha MONHOFF
後期・通常

金曜2限
授業の概要 Thema des Seminars ist das schwierige Feld der Umgangssprache: Wie drückt man sich mit Gelassenheit aus – aber höflich? Wie spricht und schreibt man z.B. ironisch – aber trotzdem verständlich? Welche Phänomene der Alltagssprache sind 'typisch deutsch'? Wir wollen im Seminar mit verschiedenen Medien arbeiten, um unser Deutsch 'natürlicher' zu gestalten. Nebenbei werden wir so auch die Deutschen und ihre Mentalität besser verstehen lernen.
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
Ziel: Niveau B1/B2

(2) 個別の学習目標:
授業の進め方
教科書等 <教科書>
Material: Kopiervorlage; Hörmedien; Internet

成績評価方法 Note: Die Gesamtnote ergibt sich aus der Mitarbeit im Seminar, den Hausaufgaben und einer Klausur am Ende des Semesters.
学習相談
その他 主として独文の3、4年生を対象にした中上級ドイツ語会話の授業。独文以外の学生も履修可。

文学部


文学部コア科目 (1単位)
ドイツ語初歩 I
講義題目:ドイツ語初級文法
本務なし村上 浩明
前期・通常

火曜4限
授業の概要 平成22年度後期「ドイツ語初歩U」に引き続き、ドイツ語の基礎文法について解説する。
 ・簡単な文法の説明の後、練習問題を解くことで知識の定着を図る。
 ・理解度の確認のため、各課の最後に小テストを行う。

※授業内容は前年度後期から継続しており、今学期で教科書の後半部分を終える予定である。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
独力でもドイツ語の学習を続けるのに最低限必要な基礎文法、基本語彙の習得を目指す。専攻科目ないし個人の関心によりドイツ語の原書を読む必要のある学生も多いであろうから、とりわけ、ドイツ語の原書を(辞書を引きながら)読めるだけの基礎的な力をつけることを目標とする。

(2) 個別の学習目標:
教科書の後半部分、具体的には以下の文法事項を学習する。
8.現在(過去)完了形、形容詞の比較変化
9.話法の助動詞、未来形
10.分離動詞、非分離動詞
11.再帰代名詞、再帰動詞、zu不定詞
12.定関係代名詞・指示代名詞 der、不定関係代名詞 wer, was
13.動作受動、状態受動、自動詞の受動文、受動的表現
14.接続法
授業の進め方 教科書にそって文法の説明を行った後、教科書(及び場合によっては補足プリント)の練習問題を解いてもらう。練習問題の一部は宿題とするので、十分な予習・復習を欠かさないこと。また、文章の音読、練習問題中の文章の和訳や文法的説明など様々な発言を求めるので、積極的な態度で授業に臨むこと。各課の最後に小テストを行う。

よく分からない点は、授業中・授業後を問わず積極的に質問してほしい。
教科書等 <教科書>
『改訂版・ニューシステム14(System 14 NeuNeu)』西本美彦/Nishimoto, Angelika著、同学社、2009年。

<参考図書>
『アポロン独和辞典〔第3版〕』(根本道也ら共編、同学社、2010年)などの独和辞典。
成績評価方法 平素の受講態度(小テスト・出席・授業への参加度)30%と期末試験(筆記)70%により総合的に評価する。
学習相談 授業の前後に相談に応じる。
その他 この授業は後期「ドイツ語初歩II」→前期「ドイツ語初歩I」の順なので注意すること。

対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部


文学部コア科目 (1単位)
ドイツ語初歩 II
講義題目:ドイツ語初級文法
本務なし村上 浩明
後期・通常

火曜4限
授業の概要 初めてドイツ語を学ぶ学生を対象に、ドイツ語の発音及び基礎文法について解説する。
 ・簡単な文法の説明の後、練習問題を解くことで知識の定着を図る。
 ・理解度の確認のため、各課の最後に小テストを行う。
 ・初回の授業時に独和辞典の紹介をするので、2回目以降の授業では毎回独和辞典を持参すること。

※授業内容は来年度前期まで継続するため、今学期は教科書の前半部分を扱う。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
独力でもドイツ語の学習を続けるのに最低限必要な基礎文法、基本語彙の習得を目指す。専攻科目ないし個人の関心によりドイツ語の原書を読む必要のある学生も多いであろうから、とりわけ、ドイツ語の原書を(辞書を引きながら)読めるだけの基礎的な力をつけることを目標とする。

(2) 個別の学習目標:
教科書の前半部分、具体的には以下の文法事項を学習する。原則として各課に2回の授業をあてる予定だが、この進度は変わりうる。
0.ドイツ語の文字と発音
1.動詞の現在人称変化、sein と haben の現在人称変化、動詞の位置
2.名詞の性、名詞の格変化(1格と4格)、不規則動詞 werden、ja, nein, doch の使い方
3.不規則動詞の現在人称変化、名詞の複数形、名詞の2格と3格
4.前置詞と名詞の格、副文
5.人称代名詞の3格と4格、再帰代名詞と再帰動詞、非人称の es
6.定冠詞類、不定冠詞類、否定冠詞 kein と否定文
授業の進め方 初回の授業では、授業の進め方、独和辞典の紹介等のガイダンスの後、教科書を用いてドイツ語のアルファベート・発音について解説する。
2回目以降の授業では、教科書にそって文法の説明を行った後、教科書(及び場合によっては補足プリント)の練習問題を解いてもらう。練習問題の一部は宿題とするので、十分な予習・復習を欠かさないこと。また、文章の音読、練習問題中の文章の和訳や文法的説明など様々な発言を求めるので、積極的な態度で授業に臨むこと。各課の最後に小テストを行う。
よく分からない点は、授業中・授業後を問わず積極的に質問してほしい。
教科書等 <教科書>
『ドイツ語の時間−読解編−』清野智昭/須藤温子/會田素子 著、朝日出版社、2011年。

<参考図書>
『アポロン独和辞典〔第3版〕』(根本道也ら共編、同学社、2010年)などの独和辞典。
成績評価方法 平素の受講態度(小テスト・出席・授業への参加度)30%と期末試験(筆記)70%により総合的に評価する。
学習相談 授業の前後に相談に応じる。
その他 この授業は後期「ドイツ語初歩II」→前期「ドイツ語初歩I」の順なので注意すること。

対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部


文学部コア科目 (1単位)
ドイツ語 I
講義題目:ドイツ語中級読本
本務なし村上 浩明
前期・通常

火曜5限
授業の概要 これまでに学んだ初級文法を応用し、本格的なドイツ語テクストの読解に挑戦するための授業である。

今学期は文学作品ではなく、現代ドイツ語に関するコラムを読む。昨今、日本でも「日本語の乱れ」を問題とした著書が多数出版されているが、ドイツでも「ドイツ語の乱れ」を扱った本がベストセラーとなっている。それが本授業で読む "Der Dativ ist dem Genitiv sein Tod" である。本書は SPIEGEL-ONLINE に連載中のコラムを集めたもので、現代のドイツ語母語話者がしばしば犯す誤りや表現の揺れについて、ユーモアを交えながら書かれている。したがって本書が扱う誤用は日本人学習者が犯しやすい誤りとは全く別のものだが、ドイツ語文法を日本の教科書とは違った観点から見直すことは、ドイツ語文法を再確認すると同時に、ドイツ語の奥深さを知るのに有益であろう。

なお、本書のタイトル自体も、口語では用いられるものの標準ドイツ語としては誤りとされる表現の典型的な例である。何が誤用なのか、またこのタイトルがどういう意味なのかを初回の授業までに各自考えておいてほしい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ドイツ語のテクストを、文法知識に基づいて正確に読解する力を身につける。

(2) 個別の学習目標:
これまでに学習したドイツ語の文法を、テクストの読解を通して再確認し、確実に自分のものとする。
ドイツ語の文構造を正確に把握する(一つ一つの文章を文法的に説明できるようにする)。
授業の進め方 毎回テクストの指定箇所を事前に読んできてもらい、授業中はその箇所を音読、和訳してもらう。文法について細かく質問することもあるので、十分な予習をしてくること。
教科書等 <教科書>
Bastian Sick: "Der Dativ ist dem Genitiv sein Tod". Köln 2004.
(初回の授業でコピーを配布する)

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 平素の受講態度(出席・授業への参加度)50%と期末試験(筆記)50%により総合的に評価する。
学習相談 授業の前後に相談に応じる。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:ドイツ語の初級文法を一通り学んでいること。
教職(ドイツ語)

文学部


文学部コア科目 (1単位)
ドイツ語 II
講義題目:ドイツ語中級読本
本務なし村上 浩明
後期・通常

火曜5限
授業の概要 これまでに学んだ初級文法を応用し、本格的なドイツ語テクストの読解に挑戦するための授業である。

今学期は特定の作家を扱うのではなく、様々な作家のテクストの抜粋を読む。差し当たり、昨年度のアンケートで講読の希望があった、グリム童話、エンデ、ホフマン、ゲーテなどの作品を扱う予定であるが、初回の授業でもう一度アンケートをとり、テクストを決定する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
ドイツ語のテクストを、文法知識に基づいて正確に読解する力を身につける。

(2) 個別の学習目標:
これまでに学習したドイツ語文法を、テクストの読解を通して再確認し、確実に自分のものとする。
ドイツ語の文構造を正確に把握する(一つ一つの文章を文法的に説明できるようにする)。
授業の進め方 毎回テクストの指定箇所を事前に読んできてもらい、授業中はその箇所を音読、和訳してもらう。文法について細かく質問することもあるので、十分な予習をしてくること。
教科書等 <教科書>
コピーを配布する。

<参考図書>
授業中に指示する。
成績評価方法 平素の受講態度(出席・授業への参加度)50%と期末試験(筆記)50%により総合的に評価する。
学習相談 授業の前後に相談に応じる。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
履修条件:ドイツ語の初級文法を一通り学んでいること。
教職(ドイツ語)

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス語学講義 I
講義題目:フランス語の文章作法 (Niveau 3)
外国人教師Herve-Pierre LAMBERT
前期・通常

月曜4限
授業の概要 本演習の目的は,テクストの解読と作文に関する能力を向上させることにある。とくに文章の導入部・説明・結論などの構成法や,問題提起や引例,展開などの方法について学習する。授業は,お手本となるテクストの分析にもとづいて進められるが,とくに古典的な詩作品をとりあげて,文体論的な方法と詩法について説明する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
本演習では,フランス語の語学的な運用能力(読む・書く・話す)を養う。

(2) 個別の学習目標:
テクストの読解と,それにもとづく議論を通じて論証術について学びながら,学生を「一般的・文学的小論文」へと導く。
授業の進め方 演習形式の授業
教科書等 プリントを配布
成績評価方法 授業で指示する。
学習相談 随時
その他 対象学年:2年生以上
教職(フランス語)

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス語学演習 I
講義題目:
准教授木 信宏
後期・通常

月曜5限
授業の概要 本演習の目的は,テクストの解読と作文に関する能力を向上させることにある。とくに文章の導入部・説明・結論などの構成法や,問題提起や引例,展開などの方法について学習する。授業は,お手本となるテクストの分析にもとづいて進められるが,とくに古典的な詩作品をとりあげて,文体論的な方法と詩法について説明する。
学習目標 本演習では,フランス語の語学的な運用能力(読む・書く・話す)を養う。さらに,テクストの読解と,それにもとづく議論を通じて論証術について学びながら,学生を「一般的・文学的小論文」へと導く。
授業の進め方 演習形式の授業
教科書等 プリントを配布
成績評価方法 授業中に指示する。
学習相談 随時
その他 対象学年:2年生以上
教職(フランス語)

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス語学(仏会話) I
講義題目:フランス語会話 (Niveau 1)
外国人教師Herve-Pierre LAMBERT
前期・通常

水曜4限
授業の概要 本演習は,実用的なフランス語の会話能力を高める場となろう。今日話されているフランス語の主な構造を把握し,基本的な表現を理解し,かつ使いこなせるようにする。さらには,フランス語の様々な水準を説明し,いくつかの表現のもつ文化的なコノテーションを明らかにしたい。授業はテキストやデイスカッションにもとづいて進められる。
学習目標 フランス語の基本的な会話能力の習得。
授業の進め方 演習形式の授業
教科書等 適宜プリントを配布する。
成績評価方法 授業で指示する。
学習相談 随時
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:フランス語初級文法の既習者
教職(フランス語)

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス語学(仏作文) I
講義題目:フランス語学
言語文化研究院 准教授佐藤 典子
後期・通常

水曜3限
授業の概要 ジャン・コクトーの絵物語『おかしな夫婦』を読む。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
辞書を引きながら、文法的に正確な読解を行う。

(2) 個別の学習目標:
文法力を確実にして、文学作品を読む楽しさを知る。
また文の構造をきちんと把握することで、各人の作文力も高まることが期待される。
授業の進め方 演習形式の授業。
教科書等 プリントを配布します。
成績評価方法 平常点を基本とします。
学習相談 随時受け付けます。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:フランス語初級文法の既習者
教職(フランス語)

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学講義 I
講義題目:フランス・ロマン主義研究 I
准教授木信宏
前期・通常

木曜5限
授業の概要 ロマン主義は18世紀後半から19世紀前半にかけて汎ヨーロッパ的な広がりをみせた芸術・文学の大きな運動であったが,本講義ではフランスにおける文学的な思潮の変遷を概観するにとどめる。前学期ではジャン・ジャック・ルソーからシャトーブリアンにいたる前ロマン主義の代表的な作家の文学作品をとりあげ,歴史的・社会的な背景を踏まえながら個々の作品の技法上の特徴や文学史的な意義を考察していく。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
個別の作家・作品の考察をつうじてロマン主義という文芸思潮の全体像を把握する。

(2) 個別の学習目標:
ジャン=ジャック・ルソーからロマン派へといたる系譜を展望する。シャトーブリアン,スタール夫人等の作品の抜粋を読みながら,彼らが共有する問題やテーマを探る。
授業の進め方 各時限ごとにトピックを設定して解説する。
教科書等 <教科書>
適宜プリントを配布する。

<参考図書>
適宜紹介する。
成績評価方法 出席状況(5回以上の欠席は不可)及びレポートにより総合的に評価する。
学習相談 開講時に指示する。
その他 特になし。

対象学年:全学年
履修条件:通年での受講が望ましい。
教職(フランス語)

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学講義 II
講義題目:フランス近代小説研究 I
准教授木信宏
後期・通常

金曜5限
授業の概要  前学期に引き続き、19世紀フランス文学についての講義を行う。前学期ではルソーからコンスタンにいたる前ロマン主義の思潮を概観した。後学期では、ロマン主義時代の作家ながら、次世代に先駆して新しい小説のあり方を提示したスタンダールとバルザックをまず取りあげる。それぞれの傑作『赤と黒』と『ゴリオ爺さん』の読解を通じて、両者の相違に目配せしながら、それぞれの技法的な特徴を探る。
 つぎに考察するのは、フローベールである。19世紀半ば、ロマン派文学への批判から「レアリスムRéalisme」を標榜する流派が台頭してくる。シャンフルーリーに主導された写実主義の作家たちがものした作品はしかし、その名称ほどには長生きしなかった。彼らとは方法論的に一線を画していたフローベールが長編『ボヴァリー夫人』を世に問うと、賛否両論を巻き起こしながらもレアリスムの首領格と目されることになる。授業では同小説の読解を通じて、その方法を考察する。
 最後に、写実主義に続く自然主義文学を取りあげる。ゾラの提唱した科学的方法論の文学への適用とはいかなるものか、フローベールとゾラの薫陶をうけたモーパッサンの小説世界の特徴とはどのようなものなのか、といった問題設定のもとに、『居酒屋』と『脂肪のかたまり』の解釈を試みる。
 以上の作品の読解を通じて、現実と虚構作品との関係を規定すべくもちいられる「リアリズム」という用語を再考することも、本講義の目的である。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
個別の作家・作品の考察をつうじて、19世紀フランスにおける文学思潮の全体像を把握する。

(2) 個別の学習目標:
スタンダール、バルザック等の作品の抜粋を読みながら、それぞれの問題やテーマ、技法を探る。
授業の進め方 各時限ごとにトピックを設定して解説する。
教科書等 スタンダール『赤と黒』
バルザック『ゴリオ爺さん』
フローベール『ボヴァリー夫人』
ゾラ『居酒屋』
モーパッサン『脂肪のかたまり』
<教科書>
補助教材として適宜プリントを配布する。

<参考図書>
適宜、紹介する。
成績評価方法 出席状況(5回以上の欠席は不可)及びレポート等により総合的に評価する。
学習相談 開講時に指示する。
その他 特になし。

対象学年:全学年
履修条件:通年での受講が望ましい。
教職(フランス語)

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学講義 VII
講義題目:ジョルジュ・バタイユの『空の青み』を読む
青山学院大学文学部 准教授濱野 耕一郎
前期・集中

授業の概要  ジョルジュ・バタイユ(1897ー1962)が1934年から1935年にかけて執筆し、20余年の年月ののち1957年に公刊した小説『空の青み』をさまざまな観点から考察する。フロイト精神分析学やフランス社会学を吸収することで練り上げられつつあった30年代当時のバタイユ思想、同時代の文学作品やシュルレアリスム運動、1934年の2月6日事件によって引き起こされた政治的不安など、作品執筆の背景をなす諸要素を考慮に入れつつ、作品自体の生成過程やその特異な形式に注意を払いながら分析を進める。
 授業時間に余裕があれば、バタイユの手になる他の文学作品にも言及したい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
文学作品を分析するさまざまな作業とその面白さを伝える。
バタイユという特異な作家の魅力を伝える。

(2) 個別の学習目標:
バタイユの作品について学び、いくつかの作品に触れる。
『空の青み』が執筆された両大戦間の社会的・政治的・文化的事情について理解を深める。
授業の進め方 講義形式。バタイユという作家とその作品群について概説したのち、『空の青み』の分析に取り掛かる。
教科書等 <参考図書>
バタイユ『空の青み』伊東守男訳、河出文庫
成績評価方法 出席(授業への積極的な参加)50%、レポート50%
学習相談 授業の前後に随時受け付ける。
その他 開講期間は,7月19日(火)から7月22日(金)まで。
受講希望者は、日本語訳で構わないので、『空の青み』を一度通読しておくこと。

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学講義 XI
講義題目:フランスの歴史と文化 (Niveau 2)
外国人教師Herve-Pierre LAMBERT
前期・通常

木曜3限
授業の概要 本講義では,各時代ごとにフランスの文化を考察する。その起源から始めて各世紀ごとに,フランス社会に大きな影響をあたえた重要な人物や出来事,主要な文学者を取り上げて検討する。授業は文学的あるいは歴史的なテクストにもとづいて進める。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フランスの歴史・文化・社会についての理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
基礎的な語学力の習得。
授業の進め方 初回の授業で指示する。
教科書等 適宜プリントを配布する。
成績評価方法 授業への参加度。
学習相談 随時。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:フランス語初級文法の既習者

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学演習 I
講義題目:仏文学講読
准教授木 信宏
前期・通常

火曜4限
授業の概要 詩,小説,論説文などのフランス語テクストを講読する。多種多様なジャンルの文章を抜粋で精読しながら,文法的な基礎を固めをおこなうとともに,フランス文学の魅力を味わう。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フランス語の読解力を身につけ,文学史的な知識を補強する。

(2) 個別の学習目標:
2年生はまず原典精読に必須となる仏語百科事典・仏語辞書等の使い方に慣れる。3年生以上は,卒論の作成も視野におき,テクスト解釈の方法を習得する。
授業の進め方 毎回,出席者全員に予習を義務づける。順番で担当者がテクストの訳読と解釈を示し,それをもとに議論する。
教科書等 <教科書>
授業で配布する。

<参考図書>
授業中に適宜指示する。
成績評価方法 出席状況(5回の欠席で不可)及び口頭発表・レポート等により評価する。
学習相談 随時。
その他 対象学年:2,3,4年生
履修条件:初級フランス語の既習者
教職(フランス語)

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学演習 II
講義題目:仏文学講読
准教授木 信宏
後期・通常

火曜4限
授業の概要 詩,小説,論説文などのフランス語テクストを講読する。多種多様なジャンルの文章を抜粋で精読しながら,文法的な基礎を固めをおこなうとともに,フランス文学の魅力を味わう。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フランス語の読解力を身につけ,文学史的な知識を補強する。

(2) 個別の学習目標:
2年生はまず原典精読に必須となる仏語百科事典・仏語辞書等の使い方に慣れる。3年生以上は,卒論の作成も視野におき,テクスト解釈の方法を習得する。
授業の進め方 毎回,出席者全員に予習を義務づける。順番で担当者がテクストの訳読と解釈を示し,それをもとに議論する。
教科書等 <教科書>
授業で配布する。

<参考図書>
授業中に適宜指示する。
成績評価方法 出席状況(5回の欠席で不可)及び口頭発表・レポート等により評価する。
学習相談 随時。
その他 対象学年:2,3,4年生
履修条件:初級フランス語の既習者
教職(フランス語)

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学演習 V
講義題目:20世紀の小説
教授吉井 亮雄
前期・通常

火曜3限
授業の概要 20世紀のフランス小説からの抜粋を読みながら,技法上の特徴や,とりわけ19世紀いらい急速な変貌をつづける「小説」というジャンルについて考える。とりあげる作品の生成や伝記的・実証的事実について紹介したのち,参加者による訳読をおこなう。必要に応じて日本語の関連文献を配布する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フランス語の読解力を養いながら。20世紀の小説についての理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
ジッド,プルースト,カミュ,サルトルなどの小説の読解・考察をつうじて,20世紀フランス小説の特質を探る。
授業の進め方 参加者によるテクストの訳読と作品解釈をめぐっての発表をおこなう。
教科書等 <教科書>
プリント配布。

<参考図書>
関連資料のレフェランスは教室で適宜指示する。
成績評価方法 平常点で評価。出席を重視する。
学習相談 開講時に指示する。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:少なくともフランス語初歩を学習していること。

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学演習 VI
講義題目:20世紀の小説
教授吉井 亮雄
後期・通常

火曜3限
授業の概要 20世紀のフランス小説からの抜粋を読みながら,技法上の特徴や,とりわけ19世紀いらい急速な変貌をつづける「小説」というジャンルについて考える。とりあげる作品の生成や伝記的・実証的事実について紹介したのち,参加者による訳読をおこなう。必要に応じて日本語の関連文献を配布する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フランス語の読解力を養いながら。20世紀の小説についての理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
ジッド,プルースト,カミュ,サルトルなどの小説の読解・考察をつうじて,20世紀フランス小説の特質を探る。
授業の進め方 参加者によるテクストの訳読と作品解釈をめぐっての発表をおこなう。
教科書等 <教科書>
プリント配布。

<参考図書>
関連資料のレフェランスは教室で適宜指示する。
成績評価方法 平常点で評価。出席を重視する。
学習相談 開講時に指示する。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:少なくともフランス語初歩を学習していること。

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学演習 VII
講義題目:20世紀の文学批評
教授吉井亮雄
前期・通常

木曜4限
授業の概要 20世紀の文学批評からの抜粋を読みながら,現在にいたる批評理論の進展について考える。とりあげる批評家の伝記的・実証的事実について紹介したのち,参加者による訳読をおこなう。必要に応じて日本語の関連文献を配布する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フランス語の読解力を養いながら,20世紀の文学批評についての理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
チボーデ,デュ・ボス,プーレ,ルッセ,バルト,トドロフ,ジェネットなどの論考の読解をつうじて,フランスの文学批評の特質と多様性について考える。
授業の進め方 参加者によるテキストの訳読と,おのおのの批評方法をめぐっての発表をおこなう。
教科書等 <教科書>
プリント配布。

<参考図書>
関連資料のレフェレンスは教室で適宜紹介する。
成績評価方法 平常点で評価。出席を重視する。
学習相談 開講時に指示する。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:少なくともフランス語初歩を学習していること。

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学演習 VIII
講義題目:20世紀の文学批評
教授吉井亮雄
後期・通常

金曜4限
授業の概要 20世紀の文学批評からの抜粋を読みながら,現在にいたる批評理論の進展について考える。とりあげる批評家の伝記的・実証的事実について紹介したのち,参加者による訳読をおこなう。必要に応じて日本語の関連文献を配布する。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フランス語の読解力を養いながら,20世紀の文学批評についての理解を深める。

(2) 個別の学習目標:
チボーデ,デュ・ボス,プーレ,ルッセ,バルト,トドロフ,ジェネットなどの論考の読解をつうじて,フランスの文学批評の特質と多様性について考える。
授業の進め方 参加者によるテキストの訳読と,おのおのの批評方法をめぐっての発表をおこなう。
教科書等 <教科書>
プリント配布。

<参考図書>
関連資料のレフェレンスは教室で適宜紹介する。
成績評価方法 平常点で評価。出席を重視する。
学習相談 開講時に指示する。
その他 対象学年:2年生以上
履修条件:少なくともフランス語初歩を学習していること。

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学演習 XIII
講義題目:フランス自然主義小説研究
言語文化研究院 教授森 茂太郎
前期・通常

月曜3限
授業の概要 19世紀の短編小説を読みます。前半はフロベール「聖ジュリアン伝」の去年読み残した部分、後半は、少し長いですが、メリメの「コロンバ」を予定しています。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フランス語を文法的に正確に読む力を身につけます。

(2) 個別の学習目標:
@中級文法を学ぶ。
A小説の文体に親しむ。
Bフランスの辞書、事典、文法書の活用の仕方を学ぶ。
授業の進め方 訳読が基本です。
順番に当てますが、テキストがやや面倒な場合は、担当する部分を前もって当てておきます。
解らない個所をそのままにしないで、積極的に質問してください。
教科書等 <教科書>
プリントを配布します。

<参考図書>
授業中、指示します。
成績評価方法 出席60%、発表等40%
学習相談 随時。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部
文学コース
仏文学 専攻
専門科目 (2単位)
フランス文学演習 XIV
講義題目:フランス自然主義小説研究
言語文化研究院 教授森 茂太郎
後期・通常

金曜3限
授業の概要 メリメの「コロンバ」を予定しています。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
フランス語を文法的に正確に読む力を身につけます。

(2) 個別の学習目標:
@中級文法を学ぶ。
A小説の文体に親しむ。
Bフランスの辞書、事典、文法書の活用の仕方を学ぶ。
授業の進め方 訳読が基本です。
順番に当てますが、テキストがやや面倒な場合は、担当する部分を前もって当てておきます。
解らない個所をそのままにしないで、積極的に質問してください。
教科書等 <教科書>
プリントを配布します。

<参考図書>
授業中、指示します。
成績評価方法 出席60%、発表等40%
学習相談 随時。
その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

文学部


文学部コア科目 (1単位)
フランス語初歩 I
講義題目:フランス語初歩 I
本務なし任 春江
前期・通常

水曜1限
授業の概要 本学部のいくつかの講座ではフランス語文献が講読されている。また,各自の専門的・個人的関心からフランス語の習得を必要とする学生も多いであろう。この授業では,そうした現状に対応するべく,フランス語能力の基礎を身につけられるよう指導していきたい。
〔オルセー美術館〕という教科書を使用します。名画とそのゆかりの地を訪ねる写真が,テクストの言葉とその表現対象を具体的に結び付けます.フランス語の総合的学習とフランス文化への案内を目的とする初級学習です.
初歩の段階では,名詞とそれを修飾する品詞がもつ性数の区分と,動詞の活用の多さに戸惑うかもしれないが,反復練習によって基本を習得してしまえば,例外は英語よりはるかに少ない。したがって,受講者は十分な予・復習をして真剣に授業に臨めば,初級文法の習得は確実に保証できる。モチベーションを維持して学習を続けてほしい。
なお,前・後期の1年間で教科書を終えるため,通年の受講を原則とする。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
はじめてフランス語に接する学生を対象とする。発音体系と初級文法全般を習得し,フランス語表現の理解,とりわけ文献読解能力の基礎固めをすることを目標とする。前期はフランス語の綴り字と発音の関係からはじめ,規則動詞や代表的な不規則動詞の現在形,そして命令法、近過去、近未来と比較級などを学習する。未習事項は後期開講の「フランス語初歩U」で学習する。

(2) 個別の学習目標:
課ごとに以下の事項を学習する。ひとつの課に2回の授業をあてて進む予定であるが,この進度は変わりうる。
初回.導入ー文字と発音、オルセー美術館紹介
1.名詞の性と数,不定冠詞と定冠詞,形容詞の性と数,動詞être(英語のbe)の現在形
2.否定文,疑問文,前置詞,定冠詞の縮約,と動詞avoir(英語のhave)の現在形,第1群規則動詞の現在形
3.指示形容詞,所有形容詞,命令形など
4.部分冠詞,近過去、近未来,非人称構文など
5.形容詞・副詞の比較級・最上級,関係代名詞
6.第2群規則動詞の現在形,疑問形容詞,疑問形容詞など
授業の進め方 初回時は,まず授業の進め方・学習方法・フランス語の概要等についてのガイダンスを行ったのち,さっそく教科書に入り,文字と発音について解説する。
授業では学習事項を絞り(前週に指示する),効率よく進めたい。時には前回の内容に関する小テストを行うので,十分な復習をしてほしい。
また教科書を離れ,フランス語やフランスについてのトピック(ビデオ、音楽)も紹介する予定である。教員への質問や要請を躊躇する必要はまったくない。
教科書等 <教科書>
中山真彦著『オルセー美術館にて』CD付き(朝日出版社,2500円)

<参考図書>
授業中に指示する場合がある。
成績評価方法 平素の受講、小テスト(30%)と学期末の筆記試験(70%)により総合的に評価する。
学習相談 開講時に指示する。
その他 仏和辞典必携。初回時に紹介する。

対象学生:特になし
対象学年:二年生以上
履修条件:特になし

文学部


文学部コア科目 (1単位)
フランス語初歩 II
講義題目:フランス語初歩 II
本務なし任 春江
後期・通常

水曜1限
授業の概要 上記「フランス語初歩T」に同じ。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
前期の「フランス語初歩T」から継続してフランス語を学習する学生を対象とする。発音体系と初級文法全般を習得し,フランス語表現の理解,とりわけ文献読解能力の基礎固めをすることを目標とする。後期は動詞のさまざまな法と時制の学習が中心となる。

(2) 個別の学習目標:
課ごとに以下の事項を学習する。ひとつの課に2回の授業をあてて進む予定であるが,この進度は変わりうる。
7.複合過去,人称代名詞,語順
8.代名動詞,受動態,指示代名詞
9.半過去,過去分詞の一致,関係代名詞
10.大過去,現在分詞,ジェロンディフ,中性代名詞
11.単純未来,前未来,関係代名詞,
12.条件法,直接話法と間接話法,接続法など
授業の進め方 初回時は,まず簡単に前期の既習事項を復習したのち,上記のスケジュールに沿って未習事項の学習に入る。
授業では学習事項を絞り(前もって指示する),効率よく進めたい。
時に既習内容に関する小テストを行うので,十分な復習をしてほしい。
また時おり教科書を離れ,フランス語やフランスについてのトピック(ビデオ、音楽)も紹介する予定である。教員への質問や要請を躊躇する必要はまったくない。
教科書等 <教科書>
中山真彦著『オルセー美術館にて』CD付き(朝日出版社,2500円)

<参考図書>
授業中に指示する場合がある。
成績評価方法 平素の受講、小テスト(30%)と学期末の筆記試験(70%)により総合的に評価する。
学習相談 開講時に指示する。
その他 仏和辞典必携。

対象学生:特になし
対象学年:2年生以上
履修条件:原則として前期の「フランス語初歩T」からの継続受講者を対象とする

文学部


文学部コア科目 (1単位)
フランス語 I
講義題目:フランス語 I (購読)
本務なし任 春江
前期・通常

水曜2限
授業の概要 この授業では,さまざまなジャンル・形態の比較的短いテキストを講読する。すでに初級文法を習得した学生向けのものである。
初級で学習した文法事項を振り返りつつ,語彙力を身につけて,訳読技術の向上をはかる。ある程度の根気が必要であろうが,持続していくうちに読解の楽しみを味わえるので,モチベーションを維持して受講してほしい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
時事的文献(新聞,雑誌,インターネットのテキスト等),文学作品(小説,詩),評論・エッセイ,歌詞,手紙文など,できるだけ多様な種類のテキストを読むので,それぞれに応じた日本語表現についても意識を高めるようにしてほしい。

(2) 個別の学習目標:
フランス語基本文法の再確認
動詞の活用形、時制;名詞と形容詞の形の変化。
色々な代名詞、関係代名詞。
長文読解と訳の能力を養う。
授業の進め方 初回時は,まず授業の進め方等についてのガイダンスを行ったのち,さっそく最初のテキストを読む。
それ以降は適宜プリントを配布するが,テキストの選択については受講生の関心も反映させたいので,希望があれば遠慮なく申し出てほしい。
教員への質問や要請を躊躇する必要はまったくない。積極的に授業に参加して欲しい。
教科書等 <教科書>
プリント使用。初回に使用するプリントは前期開始前に学生掛に預けておくので,各自受け取り,予習しておくこと。

<参考図書>

授業中に指示する場合がある
成績評価方法 平素の受講、小テスト、課題(30%)と学期末の筆記試験(70%)により総合的に評価する。
学習相談 開講時に指示する。
その他 仏和辞典必携。(古本でもOK)

対象学生:特になし
対象学年:二年生以上
履修条件:フランス語初級文法をすでに学習していること
教職(フランス語)

文学部


文学部コア科目 (1単位)
フランス語 II
講義題目:フランス語 II (購読)
本務なし任 春江
後期・通常

水曜4限
授業の概要 この授業では,さまざまなジャンル・形態の比較的短いテキストを講読する。すでに初級文法を習得した学生向けのものである。
初級で学習した文法事項を振り返りつつ,語彙力を身につけて,訳読技術の向上をはかる。ある程度の根気が必要であろうが,持続していくうちに読解の楽しみを味わえるので,モチベーションを維持して受講してほしい。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
時事的文献(新聞,雑誌,インターネットのテキスト等),文学作品(小説,詩),評論・エッセイ,歌詞,手紙文など,できるだけ多様な種類のテキストを読むので,それぞれに応じた日本語表現についても意識を高めるようにしてほしい。

(2) 個別の学習目標:
フランス語基本文法の再確認
動詞の活用形、時制;
名詞と形容詞の形の変化。
色々な代名詞、関係代名詞。
長文読解と訳の能力を養う。
授業の進め方 初回時は,まず授業の進め方等についてのガイダンスを行ったのち,さっそく最初のテキストを読む。
それ以降は適宜プリントを配布するが,テキストの選択については受講生の関心も反映させたいので,希望があれば遠慮なく申し出てほしい。
教員への質問や要請を躊躇する必要はまったくない。積極的に授業に参加して欲しい。
教科書等 <教科書>
プリント使用。初回に使用するプリントは後期開始前に学生掛に預けておくので,各自受け取り,予習しておくこと。

<参考図書>
授業中に指示する場合がある
成績評価方法 平素の受講、小テスト、課題(30%)と学期末の筆記試験(70%)により総合的に評価する。
学習相談 開講時に指示する。
その他 仏和辞典必携。(古本でもOK)

対象学生:特になし
対象学年:二年生以上
履修条件:フランス語初級文法をすでに学習していること。
教職(フランス語)

文学部
人間科学コース
言語学・応用言語学 専攻
専門科目 (2単位)
言語学・応用言語学講義 II
講義題目:日本語の基本構造
准教授上山あゆみ
後期・通常

木曜2限
授業の概要  文の構造というものは、研究が進むにつれて新しい側面が明らかになっていくものであるから、定まった1つの答えがあるわけではないが、ある程度、衆目の一致する面もある。この授業では、具体的にいろいろな日本語の文を取り上げ、その構造について、どういう点をおさえておかなければならないかを議論する。受講学生の制限はないが、授業の主たるターゲットとして、言語学・応用言語学専攻の2・3年生を想定している。
学習目標 (1) 全般的な教育目標:
日本語の基本的な構文ならば、大体の構造図が書けるようになることが目標である。

(2) 個別の学習目標:
  1. はじめに
  2. 樹形図に関わる用語と概念
  3. 文法と文の構造
  4. 述語と項の関係
  5. 使役構文
  6. 受動構文
  7. ノによる修飾関係
  8. 連用接続とテ接続
  9. 連体修飾節
  10. 叙述関係
  11. ハとガ
  12. さまざまな副詞表現
  13. 文の要素の階層構造
  14. さまざまな語順
  15. まとめ
授業の進め方  まず、予習課題として、授業内容と関連する例文を自分で考え、その構造について考えてきてもらう。そこで提出された例文に言及しながら、授業では、当該構文の構造について議論していく。
 文の構造図は、自分で書いてみて初めて、様々な細かい点に注意を向けることができるようになる。この授業では、毎授業の開始時に、復習テストとして構造図を書く練習をしてもらい、そこであらためて出てきた疑問点にも答えていく。この復習テストは出欠確認を兼ねており、細かい得点化はしないが、よっぽど出来の悪いものは区別したいと思っている。
 また、最低1本のレポートを仕上げて提出することを単位認定の条件の1つとする。冬休み前に課題を提示するので、レポートでは、その構文の構造図はどのようなものか、理由をつけて説明した上で、結論としての構造図を書いてもらう。
教科書等 <教科書>
授業の際にプリントを配布する。

<参考図書>
(授業のバックグラウンド的な内容のもの)
  • 上山あゆみ (1991) 『はじめての人の言語学 〜ことばの世界へ』 くろしお出版。 \2300。
  • 庵 功雄 (2001) 『新しい日本語学入門 〜ことばのしくみを考える』 スリーエーネットワーク。 \1800。
    (授業よりも進んだ内容のもの)
  • 郡司隆男 (2002) 『単語と文の構造』 現代言語学入門3、岩波書店。\3200
  • 北川善久・上山あゆみ (2004) 『生成文法の考え方』 研究社。\2800
  • 成績評価方法 学期末試験は課さない。
    単位は、予習課題・復習テスト・レポート等の提出物に基づいて判定する。
    課題の提出状況とその時点での暫定的な予想評点を表にして公開するので、気になる人は、授業終了時に参照して対策を相談してほしい。
    学習相談 質問もしくはアポイントメントの希望があれば、随時メールで連絡してもらえばよい。また、言語学研究室のSA (Study Advisor) の制度も十分に活用してほしい。
    その他 主に2・3年生を想定しているが、受講学生の制限はしない。連絡事項や細かいことはホームページに掲載するので、頻繁にチェックしておいてほしい。

    対象学年:2年生 3年生
    履修条件:特になし

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (2単位)
    言語学・応用言語学講義 III
    講義題目:音声学実習
    教授久保智之
    後期・通常

    木曜5限
    授業の概要 1.調音音声学のまとめ
    2.音響音声学
    3.音声学と音韻論
    4.未知の言語の調査
    3と4は平行して行なう。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    日本語以外の言語を観察することで、日本語の音声学的特質に対する理解を深める。受講者にとって exotic な言語の話者に教室まで来てもらい、基礎語彙を調査することで、言語調査の一端に触れる。

    (2) 個別の学習目標:
    1.国際音声字母(IPA)を使って、未知の言語の音声を記述できるようになること。
    2.音声学と音韻論の違いを理解すること。
    3.未知の言語を調べることで、音素、異音、相補分布、自由変異など、音韻論の基礎的概念を理解すること。
    授業の進め方 毎回、冒頭に小テストを行ない、前回までの授業の理解を確かめる。授業では、理論的な側面の理解とともに、実際の発音を重視する。
    教科書等 なし。随時プリントを配布する。
    成績評価方法 次の1、2を各50%として合算する。1.学期末試験(実技+筆記)、2.毎回冒頭に行なう小テスト。
    学習相談 毎週木曜日の昼休みをオフィスアワーとしている。
    その他 <準備するもの>1.手鏡、2.ペンライト。
     また、ウェッブサイトにある音声ファイルにアクセスし、予習や復習、宿題をしてもらうので、パソコンにアクセスできる環境がほしい(もちろん言語学研究室に来室してパソコンを使用して構わない)

    対象学生:学部生
    対象学年:2年生以上
    履修条件:前期の「言語学・応用言語学演習V」を履修した者
    教職(国語)(英語)(ドイツ語)(中国語)(フランス語)

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (2単位)
    言語学・応用言語学講義 IV
    講義題目:統語論・意味論インターフェイス
    教授稲田俊明
    前期・通常

    木曜3限
    授業の概要 統語構造と意味の関係に関する基本的な事項について概説する。
    また、近年議論されている問題を取り上げて、先行研究の問題点やよりよい説明とは何かを一緒に考える。特に、個別の事象と一般的制約との関わり方について取り上げる。

    (1) 文法と意味の関係について
    (2) 文法の組織について
    (3) 文の基本構造について
    (4) 意味の構造について
    (5) 省略と意味について
    (6) 省略と文構造について
    (7) 文断片について
    (8) その他の構文について

    講義は、基本的に、配布資料(Handouts)を使って行う。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    意味の問題はどのような文法の仕組みを仮定すれば、自然に説明することができるか、また先行研究では、どのような問題が研究されているかを理解させる。

    (2) 個別の学習目標:
    統語構造と意味の関係に関する基本的な事項について習熟する。
    授業の進め方 授業の概要の順番に講義する。
    教科書等 <教科書>
    なし。

    <参考図書>
    講義中に指示する。
    成績評価方法 出席30%、課題30%、期末レポート40%
    学習相談 オフィスアワー、またはメールで相談の時間を予約すること。
    その他 他学部生 可

    対象学年:2年生 3年生 4年生

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (2単位)
    言語学・応用言語学講義 V
    講義題目:心理言語学入門−言葉・心・脳
    教授坂本 勉
    前期・通常

    月曜3限
    授業の概要 「言語(language)」を「心/精神(mind)」と「脳(brain)」の観点から考察します。主なテーマは、「言語と脳(の観測)」・「言語獲得」・「失語症」の3つです。新たな視点から「コトバ」について見直すことを通して、言語の多様性と普遍性を考察していきます。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    私達が普段何気なく使っている「ことば」を客観的に見直してみることによって、様々な新しい発見がうまれてくることを学びます。

    (2) 個別の学習目標:
    1. 4/11: 心理言語学とは?−@ビデオ「いのちの言葉」
    2. 4/18: 言語と脳:言語の生物学的基盤とは?−Aビデオ「脳と心」
    3. 4/25: 言語獲得(1):人間になるための戦い(経験論)−Bビデオ「カンジ」
    4. 5/02: 言語獲得(2):人間であることの証明(生得説)
    5. 5/09: 失語症研究(1):語を失う?−Cビデオ「失語症」
    6. 5/23: 失語症研究(2):言語機能の局在性
    7. 5/30: 失語症研究(3):言葉を取り戻すために
    −現場からの報告[現役の言語聴覚士を招聘する予定]
    8. 6/06: 言語の観測(1):言葉を観る?−Dビデオ「脳の観測」
    9. 6/13: 言語の観測(2):言葉を測る?
    10. 6/20:「言語学会」<予習・復習:自習>
    11. 6/27: 赤い手触りの謎 (1) −@スライド
    12. 7/04: 赤い手触りの謎 (2) −Aスライド
    13. 7/11: 調整日
    14. 7/25: 総まとめ
    15. 8/01: 復習と小テスト(予定)
    授業の進め方 ビデオやスライドを適宜用いて講義を行いますが、通常はプリントと板書によって講義を進めます。講義終了後は、出席票(+コメント票)を提出してください。なお、様々な変更・追加・注意、等々を講義の際に行うことがあるので注意してください。
    教科書等 <参考図書>
    大津由紀雄(編)『認知心理学 3 言語』(1995)東京大学出版会
    成績評価方法 講義終了時には、毎回、講義内容に関するショート・コメントを記した出席票(+コメント票)を提出しなければならない。コメント票(出席点):50点、小テスト(持ち込み一切不可):50点、計100点で60点以上を合格とする。小テストが受けられない(なかった)場合は、すみやかにメールで連絡すること。なお、心理言語学に関する実験を行うことがあるので、被験者として実験に参加した場合は、割り増し点(extra credit)として、実験参加1回につき5点を加点します。
    学習相談 通常は、メールでの問い合わせを推奨します。アドレス: sakamoto@lit.kyushu-u.ac.jp。面談が必要な場合には、オフィスアワーを利用してください。なお、相談役として、大学院生を配置するので、活用してください。 
    その他 教室の収容人数を超過するような場合は履修制限を行う。

    対象学年:2年生 3年生 4年生

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (2単位)
    言語学・応用言語学講義 XI
    講義題目:韓国語の複雑述語の諸問題
    山口大学人文学部 准教授和田 学
    前期・集中

    授業の概要  韓国語は日本語と文法が極めて似ているといわれますが、述語の構造に注目すると様々な違いがあることが分かります。
    この授業では韓国語の述語、中でも複数の述語を含んだ複雑述語と呼ばれるものの構造を中心に、日本語と比較検討していきます。
     具体的には次の様な構文とトピックを扱い行研究などのデータをできる限り網羅的に扱い、提案された分析を比較し、問題点を指摘します。

     軽動詞構文:動作性名詞+ha-ta(する)における動作性名詞とha-taの結びつきの3段階
     複合動詞:分離できる語彙的複合動詞、意味的特徴
     助動詞構文:複文構造化単文構造か
     受動構文:分類と項構造

     
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    日本語や英語以外の言語のデータ収集、分析方法を学ぶと共に、その結果を他の言語の分析に還元する方法を学習します。

    (2) 個別の学習目標:
    授業で触れる各構文の特徴を理解し、日本語との異同を理解する。
    授業の進め方 データや分析を提示して、その問題点や、より良い解決策を考えてもらう参加型の授業を計画しています。例文にはグロスがついていますので、韓国語を知らなくても理解できる内容になっています。
    教科書等 特になし
    成績評価方法 出席20%、レポート80%です。
    学習相談 メールその他により、授業の終了後も相談を受け付けます。
    その他

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (2単位)
    言語学・応用言語学講義 XII
    講義題目:言語について「実験」によってわかること・わからないこと
    広島大学大学院教育学研究科 教授酒井 弘
    前期・集中

    授業の概要 言語学では,文献資料やコーパスデータの観察を通して得られた「仮説」を検証しようとする目的で,「実験」を行うことが多い.フィールドワークやネイティブスピーカーへのインタビューも,仮説検証の目的で行われれば実験であると言えるのだが,この授業では,「心理言語学」及び「言語認知神経科学」と呼ばれる研究領域で採用されることの多い,読文時間,視線,脳波や脳機能イメージなどを計測する研究方法に焦点を当てる.そしてそれぞれの方法を使って,「言語についてわかること・わからないこと」の例をあげて紹介する。まず研究方法の善し悪しは,設定された研究目標に応じて決まることを確認し,それぞれの方法がどのような疑問に答えるのに適しているのか説明する。まとめとして,実験を用いた研究には限界もあるが,「言語を使用したり,言語を習得したりする過程を,リアルタイムで捉えられる」という,使用や習得の結果を観察するだけに止まりがちであった従来の研究方法にはない長所を持っていることを述べる.
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    言語に対する自然科学的な研究方法に親しむ.

    (2) 個別の学習目標:
    「心理言語学」及び「言語認知神経科学」と呼ばれる研究領域で行われている言語研究の概要を理解する.
    授業の進め方 パワーポイントのスライドを映しながら講義する.授業時間内にクイズを出題し,提出を求めることで,授業に対する理解度をチェックする.持ち帰り形式の試験を実施する.
    教科書等 <教科書>
    特になし.資料を授業時間内に配布する.

    <参考図書>
    酒井弘(2010)ことばについて脳を調べてわかること・わからないこと―言語認知神経科学への招待―,第二言語としての日本語の習得研究,147-160.
    酒井弘(2006)「脳の働きから「ことば」を観る」,「言語の認知と運用の基盤」,迫田久美子編『講座・日本語教育学第3巻:言語学習の心理』,30-42, 210-227, スリーエーネットワーク.
    成績評価方法 クイズ(授業時間内に出題)20%, 持ち帰り試験80%
    学習相談
    その他 2011年度後半を予定

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (2単位)
    言語学・応用言語学演習 II
    講義題目:論文の読み方・書き方
    准教授上山 あゆみ
    前期・通常

    木曜2限
    授業の概要  この授業では、入門的な講義とは少し違った切り口から、言語学の研究というものを体験してほしいと思っている。卒論などでは、単に、書かれていることを理解するのではなく、自分で考察を進め分析をしていく能力が求められる。ただ、いきなり「自分なりの分析をまとめて主張する」と言われても、どこから手をつけていいか、迷ってしまうに違いない。この授業では、最近の学術雑誌に載った論文をいくつか取り上げ、研究を進めていく基礎体力をつけることを目標としている。
     
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    研究というものがどのように進められていくのか、そのイメージをつかむこと。

    (2) 個別の学習目標:
    授業で取り上げるそれぞれの論文については、ホームページのほうを参照してほしい。
    授業の進め方
    • 授業の前に、各自、予習課題に取り組んでもらい、前日までにメールで提出してもらう。(詳しいことは、下の説明を参照すること。)
    • 授業の開始時に、前回までの授業内容とその日の予習課題に関する簡単な復習テストを行う。これは、出欠確認を兼ねており、細かい得点化はしないが、よっぽど出来の悪いものは区別したいと思っている。
    • 授業は、第3回までが基本的に講義が中心で、第4回以降は、学生による発表が中心となる。
    教科書等 授業で読む論文の具体的な出典については、上山のホームページを参照のこと。マスターコピーは、研究室に用意しておく。
    <教科書>
    『論文を読むためのWord利用法』(上山あゆみ)くろしお出版。1680円。

    成績評価方法
    • 学期末試験は課さない。
    • 単位は、予習課題・復習テスト・グループ発表に基づいて判定する。それで点数が足りない人は、レポートを提出してもらうことになる。
    • 課題の提出状況とその時点での暫定的な予想評点を表にして公開するので、気になる人は、授業終了時に参照して対策を相談してほしい。
    学習相談 随時 e-mail で連絡を取ること。オフィスアワー以外の時間も、場合によっては面談可能である。
    その他 対象学年:3年生 4年生

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (2単位)
    言語学・応用言語学演習 III
    講義題目:音声学の基礎
    教授久保智之
    前期・通常

    木曜5限
    授業の概要 1.音声学と言語学
    2.音声器官の仕組み
    3.国際音声字母(International Phonetic Alphabet)概説
    4.子音の調音と聞き取り、記述
    5.母音の調音と聞き取り、記述
    (3と4はそれぞれ数時間を予定している)
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    多くの学生諸君の母語である日本語を主たる対象として、個々の音が出る仕組みを理解し、また個々の音やその連続を記述する方法を身につける。

    (2) 個別の学習目標:
    1.自分の発音を観察することができるようになること。声帯振動の有無、舌の位置(前後、高低)、唇の丸めの有無など。
    2.個々の子音や母音が、音声器官のどのような働きで産出されるのか理解すること。
    3.国際音声字母を使って音声を記述することができるようになること。
    授業の進め方 毎回、冒頭に小テストを行ない、前回までの授業の理解を確かめる。授業では、理論的な側面の理解とともに、実際に発音すること(聞き取りも含め)を重視する。
    教科書等 プリントを配布する。毎回数枚ずつ配布する。すべてファイルして、すべてを毎回持参すること。
    <参考図書>
    1.斎藤純男著『日本語音声学入門(改訂版)』三省堂、2006年(定価2,100円=税込)。2.Catford, J.C. 2001. A Practical Introduction to Phonetics. 2nd ed. Oxford University Press.翻訳=竹林滋ほか訳『実践音声学入門』大修館書店、2006年(定価2,625円=税込)
    成績評価方法 次の1、2を各50%として合算する。1.学期末試験(発音・聴解等の実技+筆記。一切持ちこみ不可。7月下旬実施予定)、2.毎回冒頭に行なう小テスト。
    学習相談 毎週木曜日の昼休みをオフィス・アワーに充てているので、個別の実習を希望する場合は来室すること。
    その他 <授業時に準備するもの>1.手鏡、2.ペンライト。以上2点を必ず準備すること。
     また、ウェッブサイトにある音声ファイルにアクセスし、予習や復習、宿題をしてもらうので、パソコンにアクセスできる環境がほしい(もちろん言語学研究室に来室してパソコンを使用して構わない)。

    対象学生:学部生
    対象学年:2年生以上。音声の模倣が重要なので、若ければ若いほどよい。
    履修条件:人数を20名程度に制限したいので、原則として言語学・応用言語学専攻の者としたい。しかし、他専攻で受講を強く希望する者は、久保に相談すること

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (2単位)
    言語学・応用言語学演習 IV
    講義題目:言語理論と言語獲得研究
    教授稲田俊明
    後期・通常

    火曜4限
    授業の概要 生成文法における言語研究と言語獲得研究の問題を取り上げ、論文をグループ毎にレポートしてもらう。また、論文の内容について、全体で討議して、問題点を検討する。
    生成文法における言語研究の中心的課題として、次の3つの問題が挙げられる。
    (1)個別言語に関する言語知識の内容はどのようなものか(個別文法の問題)
    (2)その言語知識はどのように獲得されるのか(言語獲得の問題)
    (3)その知識はどのように使用されるのか(言語運用の問題)
    本演習では、そのなかで (1)と(2) が関わる問題を取り上げる。
    演習の内容は、言語理論と言語獲得に関する論文を読み、その最近の成果を学ぶと当時に、問題点を討議する。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    言語理論と言語獲得の問題について理解する。

    (2) 個別の学習目標:
    言語研究と言語獲得研究の意義を理解する。
    授業の進め方 最初数回講義した後に、論文を4〜5編、グループ別にレポートしてもらう。
    教科書等 <教科書>
    なし。

    <参考図書>
    授業で指示する。
    成績評価方法 出席40%、発表30%、期末テスト30%による。
    学習相談 オフィスアワー、またはメールで相談の時間を予約すること。
    その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (2単位)
    言語学・応用言語学演習 V
    講義題目:文理解研究
    教授坂本 勉
    後期・通常

    月曜3限
    授業の概要 我々はどのようにして言葉を「理解」しているのであろうか?そもそも、相手が言ったことを聞いて(書いたものを読んで)わかるとはどのようなことであろうか?この演習では、言語理解の問題を日本語の統語現象を中心に考えていく。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    文の理解がどのようになされるのかを、実験的手法を用いて研究することの意義を理解する。

    (2) 個別の学習目標:
    最終的には、自らが文理解に関する問題を設定して、実験を行い、その結果を統計処理して、議論を展開できるようになることを目指す。
    授業の進め方 毎回、担当者が分担して発表、全員が討論する。積極的に演習に参加すること。
    毎週のレポート:担当者を含め、全員が要旨をA4用紙一枚にワープロで打ち出して、木曜日の午後5時までに文学部3階(371号室)の坂本研究室のドアの前のボックスに提出。
    教科書等 <教科書>
    (1)大津由紀雄 他 (1998)『言語科学と関連領域:岩波講座 言語の科学 11』岩波書店
    (2) 郡司隆男・坂本勉 (1999)『言語学の方法 現代言語学入門1』岩波書店

    <参考図書>
    (1)阿部純一 他 (1994)『人間の言語情報処理−言語理解の認知科学』サイエンス社
    (2)森敏明(編)(2001)『おもしろ言語のラボラトリー』北大路書房
    (3)川崎恵里子(編著) (2005) 『ことばの実験室−心理言語学へのアプローチ』
    成績評価方法 評価の基準は以下の通りで、計300点で180点以上を合格とする。
    毎週のレポート:100点・演習発表:100点
    学期末のレポート:100点(各自の選んだテーマで実験計画を立案・実行し、結果をまとめて報告する)
    学習相談
    その他 対象学年:3年生 4年生
    履修条件:言語学概論を履修していること

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (1単位)
    言語学・応用言語学実習 I
    講義題目:卒論指導
    教授稲田俊明
    前期・隔週

    水曜3限・水曜4限
    授業の概要 論文作成に関する次の各事項について、指導時間をメール等で相談しながら、個人面談などにより指導する。・研究テーマの決め方、・先行研究に関する文献情報、・関連文献の検索の方法、・論文の構成、・研究論文の書式、・参考文献表の形式など、TAを含む大学院生のサポートチームと協力して指導を行うことがあるので、面談などの約束は早めに決めておくと、十分な指導を受けることができる。また、論文のテーマについては、限られた期間内に意味のある成果が得られるように、十分に指導を受けて決定するのが望ましい。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    卒業論文作成のための指導を行う。共同で行うオリエンテーションに加えて、個別的面談により論文テーマの決め方や作成過程を指導する。

    (2) 個別の学習目標:
    卒業論文のテーマを決め、手順に従って、論文を作成する。
    授業の進め方 全員で行うオリエンテーションと個人指導による。
    教科書等 <教科書>
    なし。

    <参考図書>
    なし。
    成績評価方法 卒業論文の中間報告
    学習相談 メールで予約して個別に相談を受ける。
    その他 対象学生:専攻学生に限る
    対象学年:4年生

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (1単位)
    言語学・応用言語学実習 I
    講義題目:卒論指導
    教授坂本 勉
    前期・隔週

    水曜4限・水曜5限
    授業の概要 まず、各自がどの分野に興味を持っているのかを明確にします。次に、その分野の基礎的文献を読んでいきます。その上で、最も知りたいことを自ら解明できるようなテーマを選定します。当該の卒業研究が(応用)言語学のどの分野のどのような研究として位置付けられるかを明確にすることが求められます。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    卒業論文の作成を行うための基本的な準備をします。

    (2) 個別の学習目標:
    問題点を明確にすること。すなわち、何が分からないのかをはっきりさせること。次に、なぜそのことが問題となるのかを述べること。そして、その問題をどのように解決していくのか、論文全体の方針を明確にすること。各自が選んだ卒業論文のテーマに関連する文献を収集し、先行研究によって何が明らかになっており、どの点が未解決の問題として残されているのかを調べること。当該の研究分野において従来どのような研究がなされてきたのかを述べ、その問題点や当該の卒業研究がそうした従来の研究とどのように異なっているのかを明確にします。 
    授業の進め方 面談による個人指導が主になる。また、卒業論文の構想を発表し、その構想をレポートにまとめて、考察を深めます。
    教科書等 <教科書>
    なし。

    <参考図書>
    随時、指示します。
    成績評価方法 発表とレポート
    学習相談 随時面談を行います。メールでの問い合わせを推奨します。アドレス: sakamoto@lit.kyushu-u.ac.jp。 
    その他 言語学研究室のホームページを定期的にチェックすること。また、指導教員への連絡を怠らないこと。

    対象学生:言語学・応用言語学専攻の学生
    対象学年:4年生
    履修条件:言語学・心理学・統計学の基礎的な知識を必要とします。

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (1単位)
    言語学・応用言語学実習 I
    講義題目:卒業論文指導
    教授久保智之
    前期・隔週

    水曜3限・水曜4限
    授業の概要 4月の第1回目(4月20日(水)13時)からオリエンテーションを行なう。6月に卒業論文のテーマを決定する。あとは、原則として個別の面接、文通で指導する。テーマが似通った数人を集めて、演習形式で授業を行なうこともある。
     卒業論文作成に関わる重要な日程、通知が、言語学研究室のHPに掲載されるので、時々チェックすること。
     
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    卒業論文を作成すること。

    (2) 個別の学習目標:
    第2期(9月8日(木)15時)締め切りのレポート(400字換算で15枚)を、卒業論文の中途段階として提出する。その際、次のようなことに留意する:
    1.明確な問題意識があること。
    2.従来の研究を把握していること。
    3.しっかりした理論的枠組みを持っていること。
    4.精確なデータ収集を行なっていること。
    5.簡潔明解で論理的な文章であること。
    授業の進め方 特にない。
    教科書等 特にない。適宜指示する。
    成績評価方法 レポート等による。
    学習相談 メイルによる予約で随時。
    その他 電子メイルが使えるようにしておくこと。積極的に相談に来ること。なお、卒業を延期する場合など、状況に変化が生じた場合は、速やかに連絡すること。老婆心(老公心?)ながら、レポート締切に間に合わずに実習の単位がとれず、留年に至ったりしないように。

    対象学生:「言語学・応用言語学専門分野」の学生
    対象学年:2010年3月に卒業を予定している者
    履修条件:特にない。

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (1単位)
    言語学・応用言語学実習 I
    講義題目:卒論指導
    准教授上山あゆみ
    前期・通常

    水曜5限
    授業の概要 卒業論文作成に必要な指導を行う。
    学習目標 (1)全般的な教育目標
    卒業論文のテーマを決め、具体的な課題を設定することができるところまで、当該分野の理解を進めること。
    (2)個別の学習目標
    卒論だからと言って、大きなテーマを掲げなければならないと思うのは間違いである。とりとめのない話にならないよう、具体的な問題点をさがさなければならない。漠然とした理解では、具体的な問題には到達できないので、興味のある分野を選定したら、教員と話し合って、まず基本的な文献をおさえなければならない。先行研究を吟味する中で、どういうことが問題視されているのか、何が残る問題なのかということがわかってくると思う。
    授業の進め方 面談や電子メールなど、各個人の研究の進展段階に応じた形で指導を行う。指導教官への連絡を怠らないようにしてほしい。
    教科書等 必要があれば、随時、指示する。
    成績評価方法 数回にわたって提出する論文と発表による。
    学習相談 アポイントメントの希望があれば、随時メールで連絡してもらえばよい。
    その他 各自、電子メールが随時使えるようにしておくことが望ましい。

    対象学生:専攻学生に限る
    対象学年:4年生
    履修条件:特になし

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (1単位)
    言語学・応用言語学実習 II
    講義題目:卒論実習
    教授稲田 俊明
    後期・隔週

    水曜3限・水曜4限
    授業の概要 卒業論文を作成するため、共同で指定日にオリエンテーションとガイダンスを行う。
    また、メール等で指導時間を決め、次の諸点について、面談などで指導する。
    ・研究テーマの決め方
    ・先行研究に関する文献情報/関連文献の検索の方法
    ・論文の構成
    ・研究論文の書式/参考文献表の形式
    ・調査の方法等。

    TAと協力して指導を行うことがあるので、面談などの約束は早めに決めておくと、
    十分な指導を受けることができる。
     論文のテーマについては、限られた期間内に意味のある成果が得られるように、
    十分に指導を受けて決定するのが望ましい。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    卒業論文作成のための指導を行う。共同で行うオリエンテーションに加えて、個別的面談により論文テーマの作成過程等を指導する。

    (2) 個別の学習目標:
    卒業論文に関連した論文を読み、手順に従って、論文を作成する。
    授業の進め方 全員で行うオリエンテーションと個人指導による。
    教科書等
    成績評価方法 卒業論文
    学習相談 メールで予約して個別に相談を受ける。
    その他 対象学生:専修学生に限る
    対象学年:4年生

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (1単位)
    言語学・応用言語学実習 II
    講義題目:卒論指導
    教授坂本 勉
    後期・隔週

    水曜4限・水曜5限
    授業の概要 まず、各自がどの分野に興味を持っているのかを明確にします。次に、その分野の基礎的文献を読んでいきます。その上で、最も知りたいことを自ら解明できるようなテーマを選定します。当該の卒業研究が(応用)言語学のどの分野のどのような研究として位置付けられるかを明確にすることが求められます。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    卒業論文の作成を行うための基本的な準備をします。

    (2) 個別の学習目標:
    問題点を明確にすること。すなわち、何が分からないのかをはっきりさせること。次に、なぜそのことが問題となるのかを述べること。そして、その問題をどのように解決していくのか、論文全体の方針を明確にすること。各自が選んだ卒業論文のテーマに関連する文献を収集し、先行研究によって何が明らかになっており、どの点が未解決の問題として残されているのかを調べること。当該の研究分野において従来どのような研究がなされてきたのかを述べ、その問題点や当該の卒業研究がそうした従来の研究とどのように異なっているのかを明確にします。 
    授業の進め方 面談による個人指導が主になる。また、卒業論文の構想を発表し、その構想をレポートにまとめて、考察を深めます。
    教科書等 <教科書>
    なし。

    <参考図書>
    随時、指示します。
    成績評価方法 発表とレポート
    学習相談 随時面談を行います。メールでの問い合わせを推奨します。アドレス: sakamoto@lit.kyushu-u.ac.jp。 
    その他 言語学研究室のホームページを定期的にチェックすること。また、指導教員への連絡を怠らないこと。

    対象学生:言語学・応用言語学専攻の学生
    対象学年:4年生
    履修条件:言語学・心理学・統計学の基礎的な知識を必要とします。

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (1単位)
    言語学・応用言語学実習 II
    講義題目:卒業論文指導
    教授久保智之
    後期・隔週

    水曜3限・水曜4限
    授業の概要 原則として個別の面接、文通で指導する。テーマが似通った数人を集めて、演習形式で授業を行なうこともある。
     卒業論文作成に関わる重要な日程、通知が、言語学研究室のHPに掲載されるので、時々チェックすること。
     
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    卒業論文を作成すること。

    (2) 個別の学習目標:
    11月30日(水)締め切りのレポート(400字換算で30枚)を、卒業論文の中途段階として提出する。その際、次のようなことに留意する:
    1.明確な問題意識があること。
    2.従来の研究を把握していること。
    3.しっかりした理論的枠組みを持っていること。
    4.精確なデータ収集を行なっていること。
    5.簡潔明解で論理的な文章であること。
    授業の進め方 特にない。
    教科書等 特にない。適宜指示する。
    成績評価方法 レポート等による。
    学習相談 メイルによる予約で随時。
    その他 電子メイルが使えるようにしておくこと。積極的に相談に来ること。なお、卒業を延期する場合など、状況に変化が生じた場合は、速やかに連絡すること。老婆心(老公心?)ながら、レポート提出期限の11月30日(水)は、卒業論文の題目提出の期限でもある。

    対象学生:「言語学・応用言語学専門分野」の学生
    対象学年:2010年3月に卒業を予定している者
    履修条件:特にない。

    文学部
    人間科学コース
    言語学・応用言語学 専攻
    専門科目 (1単位)
    言語学・応用言語学実習 II
    講義題目:卒論指導
    准教授上山あゆみ
    後期・通常

    水曜5限
    授業の概要 卒業論文作成に必要な指導を行う。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    考察した内容を整理して、論文としてわかりやすくまとめ、その要点を口頭発表すること。

    (2) 個別の学習目標:
    自分の設定した課題に答えを出すことも難しいが、それで作業が終わるわけではない。自分の考えた内容を人に伝えるのは、想像以上に難しいことである。遅くとも卒論提出期限の2ヶ月前までには、書くべき内容が確定しているところまで持って行ってほしい。書く内容が決まっていても、それを整理してまとめ、適切な形式で論文としてまとめるには、最低2ヶ月は必要である。また、卒論提出の後に卒論発表会が行われるので、提出後も気を抜かないで、作業を続けてほしい。
    授業の進め方 後期は、原則的に毎週時間を決めて、「卒論ゼミ」の形式をとる。ほかの人の進捗状況が刺激になることもあるだろうし、他の人に対するアドバイスが自分にもあてはまる場合も多いので、この機会を積極的に有効に活用してほしい。
    教科書等 必要があれば、随時、指示する。
    成績評価方法 数回にわたって提出する論文と発表による。
    学習相談 アポイントメントの希望があれば、随時メールで連絡すること。自分ひとりで悩むべき局面であるかどうかを自分で決める必要はない。指導教員への連絡を怠らないようにしてほしい。
    その他 各自、電子メールが随時使えるようにしておくことが望ましい。

    対象学生:専攻学生に限る
    対象学年:4年生
    履修条件:特になし

    文学部
    人間科学コース

    コース共通科目 (2単位)
    言語学概論
    講義題目:言葉と歴史・社会・心理
    教授坂本 勉
    前期・通常

    木曜2限
    授業の概要 「コトバとは何か」という問いには、様々な方向からのアプローチが可能であり、また、必要でもあります。この講義では、従来の言語学において開発・発展させられてきた代表的な三つのアプローチを概観します。まず、「コトバは時間的に変化する」ということに注目した、歴史(学)的アプローチ。次に、「コトバは空間的に分布する」ことから生まれてきた、社会(学)的アプローチ。最後に、「コトバは心理的に実在する」という考えに基づいた心理(学)的アプローチ。この三つのアプローチを概観することによって、「言語学」という学問がどのようにして成立し、発展していったのかを解説します。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    私達が普段何気なく使っている「ことば」を客観的に見直してみることによって、様々な新しい発見がうまれてくることを学びます。

    (2) 個別の学習目標:
    (1)言語研究の多様性(2)歴史(比較)言語学(3・4)ソシュール革命T・U(5)構造主義言語学(6)方言学(言語地理学)(7)社会言語学(8・9)チョムスキー革命T・U(10)認知言語学的展開(11)思考と言語
    授業の進め方 具体的な例をあげながら、プリントと板書によって講義を進めます。
    教科書等
    成績評価方法 講義終了時には、毎回、講義内容に関するショート・コメントを記した出席票(+コメント票)を提出しなければならない。出席点:50点、小テスト(持ち込み一切不可):50点、計100点で60点以上を合格とする。小テストが受けられない(なかった)場合は、すみやかにメールで連絡すること。なお、心理言語学に関する実験を行うことがあるので、被験者として実験に参加した場合は、割り増し点(extra credit)として、実験参加1回につき5点を加点します。
    学習相談 通常は、メールでの問い合わせを推奨します。アドレス: sakamoto@lit.kyushu-u.ac.jp。
    その他 室の収容人数を超過するような場合は履修制限を行う。

    対象学年:2年生 3年生
    履修条件:特になし
    教職(国語)(英語)(ドイツ語)(中国語)(フランス語)

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (2単位)
    心理学講義 I
    講義題目:知覚心理学
    講師光藤 宏行
    後期・通常

    木曜2限
    授業の概要 人間が外界からの情報をどのように受け取り加工し、感覚世界を構築しているかについて、視覚に関する実験心理学的知見および理論を中心に概説する。色・形・奥行き・運動知覚などについて、視覚心理学の「常識」となっていることを中心に、なるべく平易に解説する。加えて、情報処理過程としての視覚を考える場合の理論的視点について解説する。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    感覚・知覚心理学の理論的枠組み、代表的な視知覚現象、およびそれらの現象を実験心理学的に扱う際の基礎的な数理モデル・考え方について理解を深める。

    (2) 個別の学習目標:
    以下の項目についての基礎的概念を理解する。
    ・光学的装置・感覚入力としての眼および網膜の構造
    ・感覚情報処理の計算論的枠組み
    ・色覚・両眼立体視・運動視・形態視・錯視・眼球運動の特性
    ・生理機構・情報処理モデルとしての処理の階層性
    授業の進め方 学生が体験・参加できる現象のデモンストレーションを交えて、講義を行う。講義の最後に質問・意見を書いた用紙(コメントカード)を提出し、次回の講義で取り上げて解説することを予定している。
    教科書等 <教科書>
    講義時にプリントを配布する。講義ノートは
    http://www.psycho.hes.kyushu-u.ac.jp/lab_mitsudo/index.html
    にあるので、必要に応じて予習・復習をすること。

    <参考図書>
    グレゴリー著「脳と視覚」ブレーン出版、大山正著「色彩心理学入門」中公新書、中溝幸夫著「視覚迷宮」ブレーン出版」、下條信輔著「視覚の冒険」産業図書
    成績評価方法 出席および平常点50%、試験50%
    学習相談 オフィスアワー等を利用した面談、および電子メールによる質問・相談を随時受け付ける。
    その他 認定心理士

    対象学年:主に2年生、3年生
    教職(公民)
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (2単位)
    心理学講義 II
    講義題目:感性認知学−アイステーシスの実証科学
    教授三浦 佳世
    後期・通常

    火曜3限
    授業の概要  アイステーシスとは広く「知覚」を意味する古代ギリシャ語である。感覚、感性、感情、思考を含み、日常生活から芸術まで、あるいは身体から社会まで、さらに意識から無意識まで、あらゆるレベルの知覚を意味する言葉であったとされる。この言葉から美学(エステティクス)が誕生している。ここでは、絵画、写真、建築などの感性表現を主な材料とし、見方・感じ方・考え方を総合的、多層的、分析的、実証的に捉え、心の理解を深める。
     基本的には昨年度の集中講義の内容をベースとして、新たな知見や考察を加味し、以下のような内容で行う予定である。なお、進捗状況により、割愛、統合、入れ替えを行う。

    1)イントロダクション:アイステーシスとしての実証科学
    2)視線知覚・視線認知:
     目玉模様(擬態、相貌視)、視線方向の判断、視線と注意、視線と感情、視線検出細胞、心の理論と他者理解、視線コミュニケーション、キューイング実験
    3)視線と感情:
     浮世絵の母子像、母子分離と愛着、無自覚的気づき(Awareness)、情報の統合と選択、共同注視と平行共視、文化と表現、社会的役割と解釈、感性とは何か
    4)視覚と表現のリアリティ:
     だまし絵と見立て、絵画的奥行手がかり、質感、遠近法錯視、知覚の恒常性、ことの恒常性
    5)ミニチュア効果とリアリティ:
     知覚要因(俯角、ぼかし、色彩)、認知要因(親近性、文脈)、社会と表現
    6)リアリティの社会性:
     写真の真実、情報提示法と情報源、VRとWeb、判断のものさし、マルチモーダル、非実在の存在証明、博物館、、事実とは何か
    7)生の感性:
     アウトサイダー・アート、イデオサバン、草むらテスト
    8)左右の構図:
     グランスカーブ、グリュンワルトの空間図式、運動方向とピクトグラム、光源と凹凸、肖像画と照明、左方過大視、構図とバランス、ラテラリティ
    9)モーションラインとオノマトペ:
     速度の視覚表現、文字情報と絵画情報の統合
    10)時間印象と時間表現:
     心的時間、速度表現と空間周波数、現実感と余白、表現意図の伝達、社会の速度、病理と時間
    11)時間知覚と速度感:
     主観的現在、同時性と時間窓、、持続時間の知覚、順序知覚、注意と時間、記憶と時間
    12)時間と意識:脳科学の解釈
     処理の速度と解像度、入力の時間的サンプリング、並列分散処理と情報統合、時間の繰り上げと後付的解釈、印象喚起の時間相
    13)よいとは何か(1):
     典型的景観(よい視点)、美の法則、フラクタル、枯山水庭園の感性知、ゲシュタルト心理学と体制化、進化心理学とベビーシェマ、バーラインの理論と中庸の美
    14)よいとは何か(2):
     住宅の外観評価、評価方法と問題点、普遍性と個人差、D/H、バリアフリー、五感と建築、パブリック・アート
    15)色の高次処理および色の知覚と印象:
     色の錯視、色の様相、色の特徴(視認性と誘目性、進出色と後退色、膨張色と収縮色、興奮色と鎮静色)、色彩環境と安全色彩、イメージと表現、色と言葉、共感覚
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    *実験心理学のオーソドックスな知識と方法論を学ぶだけでなく、日常の中で自ら問題を発見し、それを検証していく方法について学ぶ。
    *物事を一面的ではなく多面的・多層的に捉える能力を養い、さまざまな問題に対処できる応用力を伸ばす。
    *物事を分析的に考えるとともに、統合的に捉えることを学ぶ。
    *芸術と科学の両面に親しむ。

    (2) 個別の学習目標:
    *アイステーシスとしての捉え方を理解する。すなわち、見ること、感じること、考えることを複合的に捉える姿勢を学ぶ。
    *関係性の観点から多様な事象を捉え直す。
    *視覚(色知覚、形態視、空間視、運動視)の現象、特性、生理学的知識を学ぶ。
    *感性あるいは感性情報処理や感性的思考(評価判断)の定義や特徴を考える。
    *普遍的な真理と、個人による違い(文化差や地域差、時代差を含む)について考える。
    授業の進め方 パワーポイント(PPT)を用いてさまざまな作品や現象を提示しながら授業を進める。PPTの一部を資料として、授業中に配付する。ただし、下記の教科書によって情報の整理を行うことを期待する。
    また、毎回、コメントカードを配布し、質問や感想を記入してもらい、出席確認ならびに双方向の授業に役立てる。
    教科書等 教科書(三浦佳世「知覚と感性」岩波書店)の対応頁を紹介するので、予習復習や触れなかった内容についての理解を深めて欲しい。
    <教科書>
    三浦佳世「知覚と感性の心理学」(岩波書店)

    <参考図書>
    三浦佳世(編著)「知覚と感性」(北大路書房),グレゴリー「脳と視覚−グレゴリーの視覚心理学」(ブレーン出版),横澤一彦「視覚科学」(勁草書房)
    成績評価方法 授業の際に記入してもらうコメントカード(質問票)30%、最後に課すレポート70%で評価する予定。なお、レポートの採点に当たっては、講義の理解はもとより、内容のオリジナリティや切り口の新鮮さ、主体的な取り組み(実験や調査を行うなど)、論旨の客観性・論理性に着目する。
    学習相談 コメントカードを活用するとともに、直接の相談については、授業の前後を利用してほしい。
    その他 感性学府「感性心理学」への読み替え科目
    教職(公民)対応科目
    認定心理士対応科目
    人環院生の受講可

    対象学年:2年生、3年生、4年生
    教職(公民)
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (2単位)
    心理学講義 III
    講義題目:
    関西福祉科学大学健康福祉学部 教授八田 武志
    後期・集中

    授業の概要 脳と行動のしくみについての理解を目指す神経心理学の概説を行う予定である。
    中枢神経系の解剖学的基礎知識を理解した後に、@古典的神経心理学のテーマである失語・失行・失認・読み障害など大脳皮質の損傷による認知機能の障害の仕組みについて紹介する。A今日の神経心理学の発展の基礎となった離断脳研究(動物・ヒト)について先行研究を概説する。B1990年代に入って脳画像研究法は格段の進歩を見せており、それらを使用した認知神経心理学の現状と、将来を展望することを試みたい。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    神経心理学の目的、内容、目指すところについての理解を進める。

    (2) 個別の学習目標:
    @中枢神経系の解剖学的基礎知識の獲得
    A神経心理学の誕生経緯と、その学問分野の特性の理解
    B脳損傷と行動特性の理解(失語・失行・失認・読み障害など)
    C離断脳研究の意味と左右大脳半球機能の特性の理解
    D認知神経心理学の今後の動向についての理解
    授業の進め方 テキストの使用と、PPTを使っての講義形式で行う。
    教科書等 <教科書>
    八田武志 脳のはたらきと行動のしくみ 医歯薬出版 2003

    <参考図書>
    左対右 きき手大研究 化学同人選書 2008
    成績評価方法 試験による。
    学習相談 電子メールでの相談は可。
    その他 教職(公民)
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (2単位)
    心理学演習 I
    講義題目:視覚・認知心理学実験プログラミング
    講師光藤 宏行
    後期・通常

    火曜5限
    授業の概要 この演習では、本格的な視覚・認知心理学実験を自分自身で実施するための基礎的な技術の一部を学ぶことを目的としている。具体的な目標は二つ設けている。(a) 視覚刺激呈示についての常識的なことを学び、(b) 実験を実施するためのコンピュータ・プログラムを作成する。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    視覚心理学実験の実施に必要な知識と技術を習得する。

    (2) 個別の学習目標:
    (a) 視覚刺激呈示についての常識的なことを学ぶ。
    (b) 実験を実施するためのコンピュータ・プログラムを作成する能力を養う。
    授業の進め方 基本的に各授業の前半は知識および技術に関して解説し、後半は班単位で学生が課題に取り組むことを予定している。
    教科書等 <教科書>
    指定しない。授業時にプリントを配布する。演習に関係した資料は
    http://www.psycho.hes.kyushu-u.ac.jp/lab_mitsudo/index.html
    にもあるので、必要に応じて参照すること。

    <参考図書>
    C言語の入門的な解説書、OpenGLに関する入門的な解説書
    杉原厚吉 (2007). へんな立体―脳が鍛えられる「立体だまし絵」づくり 誠文堂新光社
    杉原厚吉 (2008). すごくへんな立体―「立体だまし絵」づくりでエッシャーの世界を体感する! 誠文堂新光社
    杉原厚吉 (2008). だまし絵の描き方入門―エッシャーの描法で不思議な絵が誰でも描ける 誠文堂新光社
    杉原厚吉 (2010). まさか?のへんな立体―「ありえない動き」の立体だまし絵に驚く! 誠文堂新光社
    大山正 (2010). 知覚を測る-実験データで語る視覚心理学 誠信書房
    成績評価方法 出席および課題への取り組み50%、課題50%
    学習相談 オフィスアワー等を利用した面談、および電子メールによる質問・相談を随時受け付ける。
    その他 認定心理士

    対象学年:主に2年生、3年生
    教職(公民)
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (2単位)
    応用心理学講義 I
    講義題目:知覚研究とその応用
    首都東京大学東京 都市教養学部 教授市原 茂
    前期・集中

    授業の概要 本講義では、知覚心理学の基礎的な研究を解説するとともに、その応用事例を紹介し、心理学の応用の可能性について考察する。取り上げるテーマは、視力や弱視のメカニズム、官能評価、多感覚知覚などである。視力と弱視のメカニズムについては、コントラスト感度特性や多重チャンネルモデル、乳児や老人の視力などについて解説する。官能評価は、五感によって事物を評価する心理学の測定手法を取り入れた学問領域で、製品開発などで利用されている。本講義では、官能評価で取り扱われている手法の解説と事例の紹介を行う。多感覚知覚は、官能評価とも関係する問題でもあるが、われわれの五感は、それぞれが完全に独立していることはなく、互いに影響を及ぼしあっている。このことを示す様々な知覚現象を紹介し、この研究の応用可能性について考察する。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    知覚研究の諸領域の基礎的な知識を習得してもらうことと、知覚研究の研究成果が、実際に、どのような現場で、どういう形で活かされるのか、基礎研究をどのようにすれば利用可能な応用研究になりうるのかということを考える習慣を身につけてもらうこと。

    (2) 個別の学習目標:
    知覚心理学の個々の基礎的な概念、及び、その研究手法を習得すると共に、その研究成果の応用可能性もあわせて考察できる力を身につける。
    授業の進め方 授業は講義形式で、集中授業で行う。
    教科書等 教科書は、用いない。必要な資料は、コピーを配布する。
    <参考図書>
    感覚知覚心理学(菊池正(編)朝倉心理学講座6 朝倉書店)
    官能評価士テキスト(日本官能評価学会(編) 建帛社)
    成績評価方法 出席25%、レポート75%
    学習相談 メールで受け付ける。
    その他 開講時期は、9月前半の予定

    対象学年:2年生 3年生 4年生
    教職(公民)
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (2単位)
    応用心理学講義 II
    講義題目:心理統計学入門
    准教授中村知靖
    後期・通常

    火曜4限
    授業の概要 心理学では、実証的な方法によって研究が行われるため、実験や調査によって得られたデータを証拠として理論の正しさを証明しようとする。その際に有効な道具として考えられるのが統計的方法である。心理学では様々な統計的方法が利用されており,研究を理解し,さらに独自の研究を行うためには、各種統計的な方法に関する知識が必要である。本授業では,研究方法によらず基礎的な方法である「記述統計」,「推測統計」,実験研究でよく利用される「分散分析」,調査研究でよく利用される「重回帰分析」,「因子分析」を取り上げ,各手法に関して可能な限り数式によらない概念的な説明を行う。さらに代表的な統計解析ソフトウェアを利用する場合の各手法における留意点についても解説を行う。
    1.オリエンテーション:実証科学における統計的方法の必要性を論じ,データとは何かまたデータの尺度水準について解説を行う。
    2.平均と分散・標準偏差:指標の持つ意味,計算方法,外れ値の影響を取り上げ、他の基礎統計の授業の復習を行う。
    3.相関:相関とは、相関係数の求め方、相関係数を解釈する上での注意点、相関係数に影響を与える要因を取り上げ,他の基礎統計の授業の復習を行う。
    4.統計的仮説検定:独立ならびに対応のある2標本の平均の差の検定を取り上げ,検定の基本的な考え方について他の基礎統計の授業の復習を行う。
    5.重回帰分析1:重回帰分析の基礎となる単回帰分析について解説を行う。内容としては,回帰分析とは,回帰直線の求め方,予測の標準誤差,決定係数である。
    6.重回帰分析2:重回帰モデル,重相関係数,モデル全体の評価,偏回帰係数の検定といった理論的な面を中心に解説を行う。
    7.重回帰分析3:引き続き理論面を中心に、変数の選択,抑制変数,多重共線性及びその診断方法,残差分析について解説を行う。
    8.重回帰分析4:偏回帰係数を利用した結果の解釈並びに留意点,パス解析との関係,分析するにあたっての留意点など応用面を中心に解説を行う。
    9.因子分析1:構成概念と潜在変数,質問紙調査と因子分析,因子分析の基本モデルを通して因子分析の基本的な考え方について解説を行う。
    10.因子分析2:因子の抽出法(重み無し最小2乗法),因子の回転(バリマックス回転・プロマックス回転)といった分析時に必要な理論について解説を行う。
    11.因子分析3:調査用紙の作成、データ収集と入力,分析時の留意点(因子数の決定,変数選択,回転の選択),結果の解釈の仕方といった応用面について解説を行う。
    12.分散分析1:実験と分散分析,2標本の検定との違い,さらに1要因分散分析モデルを通して分散分析の基本的な考え方(結果の見方も含む)について解説を行う。
    13.分散分析2:多重比較(Tukey, REGWQ, REGWF),2要因分散分析モデル(交互作用,単純主効果も含む)について解説を行う。
    14.分散分析3:心理学でよく利用される被験者内要因・被験者間要因を扱ったモデルと分散分析を利用する際の留意点に関して解説を行う。
    15.まとめ
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    卒業研究(卒業論文)を行うにあたって必要な統計的な方法に関する理論と方法について学び、統計に関する基本的な考え方を身につけ,分析手続きに関する知識とスキルの習得を目指す。

    (2) 個別の学習目標:
    1.オリエンテーション:心理学において統計的な方法が必要であることを理解すること。
    2.平均と分散・標準偏差:1変数データを数値によって整理・要約する方法を理解すること。
    3.相関:2変数データを数値によって整理・要約する方法を理解すること。
    4.統計的仮説検定:推測統計の基本的な考え方や手続きについて理解すること。
    5〜8.重回帰分析:予測のために利用される重回帰分析を通して多変量データ解析の基本的な考え方について理解すること。
    9〜11.因子分析:因子分析の理論と応用を学び、調査法(質問紙法)におけるデータ解析のスキルを身につけること。
    12〜14.分散分析:分散分析の理論と応用を学び、実験法におけるデータ解析のスキルを身につけること。
    授業の進め方 スライドを用いた講義形式を基本とする。内容により演習問題を課し、その解説を行うこともある。毎授業において出席確認を兼ねた質問シートを配布し、次回の授業において重要だと思われる質問の解説ならびに授業の復習を行う。
    教科書等 <教科書>
    中村知靖・松井仁・前田忠彦 (2006). 心理統計法への招待 サイエンス社
    渡部洋(編著)(2002). 心理統計の技法 福村出版

    <参考図書>
    南風原朝和 (2002). 心理統計学の基礎 有斐閣
    山田剛史・村井潤一郎 (2004) よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房
    村井潤一郎・柏木惠子 (2007). ウォームアップ心理統計 東京大学出版会
    成績評価方法 レポート50%,宿題10%,出席40%(質問シートへの記入)の割合で成績を総合的に評価する。また心理実験・調査への協力状況も成績に考慮する。
    学習相談 電子メールによる質問は随時受け付ける予定。メールアドレスは授業開始時に連絡する。研究室訪問は事前に電子メールによる予約があれば随時可能。
    その他 この授業は社会調査士資格取得のための量的データ解析の方法に関する科目ならびに認定心理士資格取得のための科目として認定されている。

    対象学年:2年生以上
    履修条件:なし:但しその他をよく読むこと。
    教職(公民)
    社会調査士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (2単位)
    応用心理学講義 III
    講義題目:性格心理学
    福岡大学人文学部教授高下 保幸
    後期・通常

    木曜3限
    授業の概要  以下の授業計画のもとに、性格(パーソナリティ)とは何か、性格の測定の仕方、性格の形成、適応のための性格の変容などの問題を概説する。
    1.性格に関する理論――類型論、特性論、因子論
    2.性格の測定――測定に関する問題、測定方法
    3.性格の発達・形成
    4.ライフサイクルにおける性格の変化――特に高齢者の性格
    5.性格の認知的側面(1)――認知スタイル
    6.性格の認知的側面(2)――問題解決能力、創造性
    7.性格の感情的側面――情動性、ディスシミック、アレキサイミア
    8.ストレス過程と性格(1)――ストレス耐性、タイプA、タイプC
    9.ストレス過程と性格(2)――ストレス対処スタイル、説明スタイル、自動思考
    10.対人関係能力・社会的スキルとしての性格(1)――感情の表出・読みとり能力
    11.対人関係能力・社会的スキルとしての性格(2)――非言語コミュニケーション能力
    12.EQ――対人関係能力・社会的スキルを測る
    13.対人魅力の要因としての性格
    14.ユーモアのセンスと性格(1)――性格としてのユーモアのセンス
    15.ユーモアのセンスと性格(2)――ユーモアの対人関係機能ならびに健康支援機能
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
     個性やひととなりを表す「性格」とはどのようなものであるのか、その測定の仕方も含めて理解することを主要な学習目標とする。

    (2) 個別の学習目標:
     心理テストの実施を通じて、受講者自身の性格の理解を深めること、さらには、その自己分析を踏まえて、対人関係における社会的スキルやストレス対処法、ユ−モアのセンスなどの心理スキルの習得も目指す。
    授業の進め方 毎回配付する講義資料に依拠して授業を進める。ときに授業内容に関連した心理テスト・実習などを実施する。
    教科書等 <教科書>
     教科書は使用せずに、講義資料を配付する。

    <参考図書>
     戸田まり他「グラフィック性格心理学」サイエンス社
     丹野義彦「性格の心理」サイエンス社
     その他の図書は授業中にあげる。
    成績評価方法 授業で提出を求めるコメント票(実施した心理テスト・実習による自己分析など)の内容[30%]、学期末授業終了後に提出を求める課題レポートの内容[70%]を総合して評価する。
    学習相談  授業後の時間に適宜応じる。
     また下記まで問い合わせされたい。
      yas-tak@jcom.home.ne.jp
    その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
    教職(公民)
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (2単位)
    応用心理学講義 IV
    講義題目:応用心理学講義W
    福岡県立大学人間社会学部 教授古橋 啓介
    前期・通常

    金曜2限
    授業の概要  生涯発達心理学の立場から高齢者の記憶を中心とした認知発達について講義する。
    第1回 認知発達心理学の理論と歴史、第2回 認知加齢と記憶モデル、第3回 感覚記憶、第4回 短期記憶と作動記憶、第5回 エピソード記憶と意味記憶、第6回 潜在記憶、第7回 符号化・検索過程、第8回 実験室研究に基づく記憶の加齢理論、第9回 展望的記憶、第10回 自伝的記憶、第11回 回想法、第12回 認知加齢の心理学的研究、第13回 認知加齢の介入研究、第14回 高齢者の生活と認知加齢、第15回 高齢者の認知発達のまとめと評価 
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    ・心理学的認知発達研究の成果を知る。
    ・心理学的な研究法に基づく理論構成の方法を理解する。
    ・加齢による認知機能の変化を理解する。

    (2) 個別の学習目標:
    ・加齢による認知機能の変化を記憶実験の結果から理解する。
    ・記憶理論に基づく各記憶過程の加齢による変化から、認知加齢の理論を理解する。
    ・認知加齢や記憶研究の方法を理解する。
    ・認知加齢に対する介入の方法と成果を理解する。
    授業の進め方 ・毎回講義内容に関するレジュメを配布し、講義する。
    教科書等 <教科書>
    ・用いない。

    <参考図書>
    ・授業中紹介する。
    成績評価方法 ・出席30%、試験70%。
    学習相談 授業終了後、または、furuhasi@fukuoka-pu.ac.jpにメールする。
    その他 教職(公民)
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (2単位)
    応用心理学演習 I
    講義題目:心の基盤−感性からの理解
    教授三浦 佳世
    前期・通常

    火曜3限
    授業の概要 感覚から感性、感情までを含めた知覚・認知(アイステーシス)に関し、あるいはそれらを通して、人の心について自ら考え、発表する機会とする。
     このため、関心のあるテーマで集まった少人数のグループ(個人も可)で議論した結果を発表する形とし、提供された話題に対し、参加者全員で議論を行う。また、発表者はコメントカードに書かれた質問や授業中に答えきれなかった質問に対し、翌週に回答や補足を加えた発表を行い、必要であればさらに議論を行う。
     実際に実験や調査を行って結果を報告してもよく、論文、出版物、ネット等で調べた内容をテーマにそってまとめてもよい。オリジナリティの高い発表を期待する。
     進め方に関しては、初日に説明を行い、テーマ設定およびグループ分けを行う。
     以下に、テーマ例を上げる。これらに限らない。

    1)心的時間(時間知覚、時間印象、速度感、拍とリズム、現代社会と時間など)
    2)空間印象(ミニチュア効果、奥行き感・広がり感、都市の形、室内空間など)
    3)よさ(破対称と文化、フラクタル、体制化、庭園、発達研究、美感など)
    4)質感・視覚的触覚感(ざらつき感、光沢感、人工材、違和感、リアリティなど)
    5)オノマトペ(感性的言語表現、文化の特徴、フォントの影響、発音と形態など)
    6)アウトサイダー・アート(自閉症や統合失調症等の作家による作品、イデオサバンなど)
    7)写真(写真空間の特徴、写真の虚構性、アルバムの物語効果、作家の分析など)
    学習目標 感性を手掛かりに多様な知覚・認知のあり方の一端を自ら追求し、あるいは他者の考えを知ることを通し、こころの基盤について考える。すなわち、自ら問題を設定し、課題を発見し、資料を集め、他者と意見交換して話題を練り上げ、それをさらなる他者に説得的に伝え、議論を通して自らの考えを再帰的に再構築し、考えを深める。
    (1) 全般的な教育目標:
    知覚し、感じ、評価判断すること、つまりは心の基盤について主体的に学び、ものごとを論理的、実証的に考える方法を身につけ、広く物事を考える際の基礎能力を得る。

    (2) 個別の学習目標:
    *テーマにそった資料や情報を収集する方法を身につける。
    *テーマにそったデータの取り方を学ぶ。
    *他者と役割を分担しながら、物事を完成させていくことを学ぶ。
    *資料や情報、自らのデータをもとに、他者に正確かつ興味を持ってもらえるように伝える方法を考える。
    *パワーポイントや配付資料などの効果的な利用の仕方を身につける
    *多様な話題に対し関心をもち、自分の意見をもち、また他者に伝えて、議論できる能力をやしなう。
    授業の進め方 報告者(グループ)の研究報告に基づき、参加者は内容に関する質疑やコメントを行い、お互い知識を共有し、考えを深める(上記の概要参照)。なお、相互評価(発表内容、発表方法)を取り入れ、毎回、受講者全員の積極的な参加により授業を進める。
    教科書等 教科書は指定しない。各自が資料を発掘すること。
    成績評価方法 発表ならびに翌週の報告を基礎点とし、コメントカードの内容ならびに議論への参加度・貢献度によって評価する。
    学習相談 授業中やその前後、評価・質問票(コメントカード)、オフィスアワーを利用すること。
    その他 この授業は、教職(公民)ならびに認定心理士の資格申請に関わる科目である。

    教職(公民)
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (2単位)
    応用心理学演習 II
    講義題目:心理測定法(質問紙法)
    准教授中村知靖
    前期・通常

    火曜4限
    授業の概要 心理測定は,人間の個人的な特徴や人間行動の共通的傾向や特性を数量的に記述することを目的としている。この授業では人間の個人的特徴である個人差に注目し,個人差の測定で利用される質問紙法(心理テスト)について,グループ単位での実習(質問紙法によるオリジナル心理テスト【心理尺度】の作成)を交えながら,技術と理論を学ぶとともに,問題点についても議論する。
    1. オリエンテーション
    2. 質問紙法とは(講義)
    3. 性格検査(グループでの発表)
    4. 発達検査・知能検査(グループでの発表)
    5. 質問紙法の手順(講義)・テーマ検討(グループ活動)
    6. 項目ならびに調査用紙作成方法(講義)・テーマ検討(グループ活動)
    7. 調査実施方法・データ入力と分析(講義)・項目作成(グループ活動)
    8. テスト理論(信頼性と妥当性)・項目作成(グループ活動)
    9. 項目作成と質問紙の作成実習(グループ活動)
    10. 質問紙の作成(グループ活動)
    11. データ入力実習(グループ活動)
    12. データ入力実習とデータ解析実習【因子分析】(グループ活動)
    13. SPSSによるデータ分析実習【因子分析・信頼性分析】(グループ活動)
    14. 発表の仕方(講義)・報告会の資料作成(グループ活動)
    15. 調査結果報告会(グループ活動)
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    質問紙法は心理学においてよく利用される研究方法で,特に個人差を扱う社会心理学や教育心理学では不可欠な研究方法と言える。本演習により,心理学における質問紙法についての理論と実践上の留意点を学び,研究法についての正しい適用方法を身につける。

    (2) 個別の学習目標:
    *質問紙法とはどのような方法なのかを理解する。
    *代表的な心理テストについて理解する。
    *質問紙法の全体の手順を理解する。
    *項目や調査用紙の作成方法について習得する。
    *調査実施の留意点について理解する。
    *コンピュータを利用したデータ入力や分析法(因子分析・信頼性分析)について習得する。
    *発表の仕方について習得する。
    授業の進め方 4から5人程度のグループに分かれてオリジナルの心理テスト(尺度)を作成する。
    1コマの前半は講義(解説),後半はグループでの活動を基本とする。
    回によっては,グループでの発表のみや実習のみとなることもある。
    教科書等 <参考図書>
    小塩・西口 (2007). 質問紙調査の手順 ナカニシヤ出版
    鎌原・宮下・大野木・中澤 (1998). 心理学マニュアル 質問紙法 北大路書房
    成績評価方法 出席50%,発表内容及び議論への参加の程度50%で評価する。
    グループ発表に関しては評価アンケート用紙を利用した学生間の相互評価を実施する予定。
    学習相談 電子メールによる質問は随時受け付ける予定。メールアドレスは授業開始時に連絡する。研究室訪問は事前に電子メールによる予約があれば随時可能。
    その他 心理学専門分野以外の方で受講希望の方は事前に相談すること。

    対象学年:2年生以上
    履修条件:なし
    教職(公民)
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (1単位)
    心理学初級実験 I
    講義題目:
    教授
    教授
    准教授
    講師
    箱田裕司
    三浦佳世
    中村知靖
    光藤宏行
    前期・通常

    木曜4限
    授業の概要 心理学は心を科学的に研究する学問であるため、実験や調査によってデータを収集し理論を構築するという手続きをとる。この授業では心理学を学ぶ上で基本となるテーマに関して実験を行い、心理学におけるこころのとらえ方や研究方法について紹介する。

    1.オリエンテーション:初級実験において何を学ぶか
    2.実験的研究法
    3.心理学研究と倫理の問題
    4.レポートの書き方
    5.文献検索
    6.Word・Excel・PowerPointの使い方
    7.記憶と自由再生
    8.ミュラーリヤー錯視
    9.性格検査
    10.一対比較法
    11.よりよいレポート作成への指針
    12.マグニチュード推定法
    13.視覚探索
    14.鏡映描写
    学習目標 (1)全般的な教育目標
    心理学の古典的な問題及び最近の研究テーマについて、自ら実験を行うことによってより深い理解に達すること、心理学実験の方法を学ぶこと、実験計画の基本を理解すること。
    (2)個別の学習目標
    1〜6,11:心理実験を行うにあたって留意すべき点を理解すること。
    7〜10,12〜14:各テーマに関する理論と具体的な実験手続きについて理解すること。
    授業の進め方 まず各授業で設定されたテーマに関する実験の説明が行われる。その後授業時間中に実験を実施し、実験で得られたデータを整理する。授業後、実験結果に対する考察を加えたレポートを作成し、翌週の授業までに提出する。

    TとUの授業は連続して行われるので注意すること。
    教科書等 <教科書>なし。但しプリント教材を配布予定。
    <参考図書>宮谷真人 他 (2009). 心理学基礎実習マニュアル 北大路書房
    成績評価方法 出席30%,レポート70%の割合で成績評価を行う。尚,レポートについては提出頻度と内容をもとに評価を行う。
    学習相談 授業時間外に教員とティーチングアシスタントに対して電子メールならびに面談による学習相談が可能。但し面談の場合は事前に電子メールで日時などを予約することが望ましい。
    その他 実験に参加することが必要なため,原則として欠席・遅刻は認められない。
    認定心理士資格取得に係る科目

    対象学生:心理学専門分野学生に限る
    対象学年:2年生
    履修条件:I〜IVの全てを必ず受講すること。
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (1単位)
    心理学初級実験 II
    講義題目:
    教授
    教授
    准教授
    講師
    箱田裕司
    三浦佳世
    中村知靖
    光藤宏行
    前期・通常

    木曜5限
    授業の概要 心理学は心を科学的に研究する学問であるため、実験や調査によってデータを収集し理論を構築するという手続きをとる。この授業では心理学を学ぶ上で基本となるテーマに関して実験を行い、心理学におけるこころのとらえ方や研究方法について紹介する。

    1.オリエンテーション:初級実験において何を学ぶか
    2.実験的研究法
    3.心理学研究と倫理の問題
    4.レポートの書き方
    5.文献検索
    6.Word・Excel・PowerPointの使い方
    7.記憶と自由再生
    8.ミュラーリヤー錯視
    9.性格検査
    10.一対比較法
    11.よりよいレポート作成への指針
    12.マグニチュード推定法
    13.視覚探索
    14.鏡映描写
    学習目標 (1)全般的な教育目標
    心理学の古典的な問題及び最近の研究テーマについて、自ら実験を行うことによってより深い理解に達すること、心理学実験の方法を学ぶこと、実験計画の基本を理解すること。
    (2)個別の学習目標
    1〜6,11:心理実験を行うにあたって留意すべき点を理解すること。
    7〜10,12〜14:各テーマに関する理論と具体的な実験手続きについて理解すること。
    授業の進め方 まず各授業で設定されたテーマに関する実験の説明が行われる。その後授業時間中に実験を実施し、実験で得られたデータを整理する。授業後、実験結果に対する考察を加えたレポートを作成し、翌週の授業までに提出する。

    TとUの授業は連続して行われるので注意すること。
    教科書等 <教科書>なし。但しプリント教材を配布予定。
    <参考図書>宮谷真人 他 (2009). 心理学基礎実習マニュアル 北大路書房
    成績評価方法 出席30%,レポート70%の割合で成績評価を行う。尚,レポートについては提出頻度と内容をもとに評価を行う。
    学習相談 授業時間外に教員とティーチングアシスタントに対して電子メールならびに面談による学習相談が可能。但し面談の場合は事前に電子メールで日時などを予約することが望ましい。
    その他 実験に参加することが必要なため,原則として欠席・遅刻は認められない。
    認定心理士資格取得に係る科目

    対象学生:心理学専門分野学生に限る
    対象学年:2年生
    履修条件:I〜IVの全てを必ず受講すること。
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (1単位)
    心理学初級実験 III
    講義題目:
    教授
    教授
    准教授
    講師
    箱田裕司
    三浦佳世
    中村知靖
    光藤宏行
    後期・通常

    木曜4限
    授業の概要 心理学は心を科学的に研究する学問であるため、実験や調査によってデータを収集し理論を構築するという手続きをとる。この授業では心理学を学ぶ上で基本となるテーマに関して実験を行い、心理学におけるこころのとらえ方や研究方法について紹介する。

    1.オリエンテーション
    2.ストループ効果
    3.変化検出
    4.大きさの錯視
    5.触2点閾
    6.奥行きと観察距離
    7.心的回転
    8.顔の認知
    9.典型性とカテゴリー群化
    10.自主テーマによるグループ実験
    (グループ【1グループ 4〜5名】に分かれ、それぞれのグループでテーマを決め、文献を探索し、実験(調査)計画を立て、実験(調査)し、データ解析をして結果をレジュメとしてまとめ口頭発表する。中間発表会(2月中)および最終成果の発表会(4月中)を行い,プレゼンテーションの手法も学ぶ。)
    学習目標 (1)全般的な教育目標
    心理学の古典的な問題及び最近の研究テーマについて、自ら実験を行うことによってより深い理解に達すること、心理学実験の方法を学ぶこと、実験計画の基本を理解すること。
    (2)個別の学習目標
    1〜9:各テーマに関する理論と具体的な実験手続きについて理解すること。
    10:自主的なテーマを設定し、心理学に関して問題発見能力ならびに問題解決能力を培うこと。
    授業の進め方 まず各授業で設定されたテーマに関する実験の説明が行われる。その後授業時間中に実験を実施し、実験で得られたデータを整理する。授業後、実験結果に対する考察を加えたレポートを作成し、翌週の授業までに提出する。自主テーマに関しては中間発表会(2月)と最終成果発表会(4月)が行われる。
    VとWは連続して行われるので注意すること。
    教科書等 <教科書>なし。但しプリント教材を配布予定。
    <参考図書>宮谷真人 他 (2009). 心理学基礎実習マニュアル 北大路書房
    成績評価方法 出席30%,レポート70%の割合で成績評価を行う。尚,レポートについては提出頻度と内容をもとに評価を行う。
    学習相談 授業時間外に教員とティーチングアシスタントに対して電子メールならびに面談による学習相談が可能。但し面談の場合は事前に電子メールで日時などを予約することが望ましい。
    その他 実験に参加することが必要なため、原則として欠席・遅刻は認められない。
    認定心理士資格取得に係る科目

    対象学生:心理学専門分野学生に限る
    対象学年:2年生
    履修条件:I〜IVの全てを必ず受講すること。
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (1単位)
    心理学初級実験 IV
    講義題目:
    教授
    教授
    准教授
    講師
    箱田裕司
    三浦佳世
    中村知靖
    光藤宏行
    後期・通常

    木曜5限
    授業の概要 心理学は心を科学的に研究する学問であるため、実験や調査によってデータを収集し理論を構築するという手続きをとる。この授業では心理学を学ぶ上で基本となるテーマに関して実験を行い、心理学におけるこころのとらえ方や研究方法について紹介する。

    1.オリエンテーション
    2.ストループ効果
    3.変化検出
    4.大きさの錯視
    5.触2点閾
    6.奥行きと観察距離
    7.心的回転
    8.顔の認知
    9.典型性とカテゴリー群化
    10.自主テーマによるグループ実験
    (グループ【1グループ 4〜5名】に分かれ、それぞれのグループでテーマを決め、文献を探索し、実験(調査)計画を立て、実験(調査)し、データ解析をして結果をレジュメとしてまとめ口頭発表する。中間発表会(2月中)および最終成果の発表会(4月中)を行い,プレゼンテーションの手法も学ぶ。)
    学習目標 (1)全般的な教育目標
    心理学の古典的な問題及び最近の研究テーマについて、自ら実験を行うことによってより深い理解に達すること、心理学実験の方法を学ぶこと、実験計画の基本を理解すること。
    (2)個別の学習目標
    1〜9:各テーマに関する理論と具体的な実験手続きについて理解すること。
    10:自主的なテーマを設定し、心理学に関して問題発見能力ならびに問題解決能力を培うこと。
    授業の進め方 まず各授業で設定されたテーマに関する実験の説明が行われる。その後授業時間中に実験を実施し、実験で得られたデータを整理する。授業後、実験結果に対する考察を加えたレポートを作成し、翌週の授業までに提出する。自主テーマに関しては中間発表会(2月)と最終成果発表会(4月)が行われる。
    VとWは連続して行われるので注意すること。
    教科書等 <教科書>なし。但しプリント教材を配布予定。
    <参考図書>宮谷真人 他 (2009). 心理学基礎実習マニュアル 北大路書房
    成績評価方法 出席30%,レポート70%の割合で成績評価を行う。尚,レポートについては提出頻度と内容をもとに評価を行う。
    学習相談 授業時間外に教員とティーチングアシスタントに対して電子メールならびに面談による学習相談が可能。但し面談の場合は事前に電子メールで日時などを予約することが望ましい。
    その他 実験に参加することが必要なため、原則として欠席・遅刻は認められない。
    認定心理士資格取得に係る科目

    対象学生:心理学専門分野学生に限る
    対象学年:2年生
    履修条件:I〜IVの全てを必ず受講すること。
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (1単位)
    心理学上級実験 I
    講義題目:
    教授
    教授
    准教授
    講師
    箱田裕司
    三浦佳世
    中村知靖
    光藤宏行
    前期・通常

    月曜5限
    授業の概要 個人ごとに興味・関心のあるテーマを独自に見つけ出し、そのテーマに関連する先行研究を調べ研究動向を発表する。その後、心理学の理論ならびに研究方法を踏まえたうえで研究計画を立て、実験(調査)を実施し、その成果を口頭発表する。
    後期の計画は以下のとおりである。
    10月〜11月に指導教員の下で研究計画を作成する(教員単位での演習)。
    12月に研究計画を全体で発表。
    12月以降、実験(調査)の実施と成果のまとめ。
    翌年4月に卒論中間発表。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    研究テーマの選定、文献の収集、構想発表、実験及び調査計画の作成と遂行、データの整理、論文のまとめ方などについての指導を受け、卒業論文作成のための能力を培う。

    (2) 個別の学習目標:
    個人研究を支援する授業なので各回の授業における学習目標は設定しない。全般的な教育目標を参照すること。
    授業の進め方 基本的には授業時間中に各自の研究の計画や経過を報告する。具体的な各自の実験は授業時間外に行うことになる。
    教科書等 <教科書>
    なし。

    <参考図書>
    なし。
    成績評価方法 授業における研究計画などの発表内容及び議論への参加の程度を考慮して評価する。
    学習相談 授業時間外に教員とティーチングアシスタントに対して電子メールならびに面談による学習相談が可能。但し面談の場合は事前に電子メールで日時などを予約することが望ましい。
    その他 認定心理士資格取得に係る科目

    対象学生:心理学専門分野学生に限る
    対象学年:3年生
    履修条件:IとIIを必ず受講すること。
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    心理学 専攻
    専門科目 (1単位)
    心理学上級実験 II
    講義題目:
    教授
    教授
    准教授
    講師
    箱田裕司
    三浦佳世
    中村知靖
    光藤宏行
    後期・通常

    月曜5限
    授業の概要 個人ごとに興味・関心のあるテーマを独自に見つけ出し、そのテーマに関連する先行研究を調べ研究動向を発表する。その後、心理学の理論ならびに研究方法を踏まえたうえで研究計画を立て、実験(調査)を実施し、その成果を口頭発表する。
    後期の計画は以下のとおりである。
    10月〜11月に指導教員の下で研究計画を作成する(教員単位での演習)。
    12月に研究計画を全体で発表。
    12月以降、実験(調査)の実施と成果のまとめ。
    翌年4月に卒論中間発表。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    研究テーマの選定、文献の収集、構想発表、実験及び調査計画の作成と遂行、データの整理、論文のまとめ方などについての指導を受け、卒業論文作成のための能力を培う。

    (2) 個別の学習目標:
    個人研究を支援する授業なので各回の授業における学習目標は設定しない。全般的な教育目標を参照すること。
    授業の進め方 基本的には授業時間中に各自の研究の計画や経過を報告する。具体的な各自の実験は授業時間外に行うことになる。
    教科書等 <教科書>
    なし。

    <参考図書>
    なし。
    成績評価方法 授業における研究計画などの発表内容及び議論への参加の程度を考慮して評価する。
    学習相談 授業時間外に教員とティーチングアシスタントに対して電子メールならびに面談による学習相談が可能。但し面談の場合は事前に電子メールで日時などを予約することが望ましい。
    その他 認定心理士資格取得に係る科目

    対象学生:心理学専門分野学生に限る
    対象学年:3年生
    履修条件:IとIIを必ず受講すること。
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース

    コース共通科目 (2単位)
    心理学概論
    講義題目:心の理解とその方法
    教授三浦 佳世
    前期・通常

    木曜3限
    授業の概要 心理学の歴史、主要な研究法、方法論の落とし穴、倫理的な問題など、心理学全般に関わる問題に続き、心理学の諸領域について講義する。
    1)イントロダクション
    2)心理学の方法
    3)感覚と知覚
    4)知覚と認知
    5)記憶と学習(1)
    6)感情
    7)心の発達
    8)心の発達(2)
    9)性格
    10)性格(2)
    11)臨床心理
    12)社会行動
    13)社会行動(2)
    14) 記憶と学習(2)
    15)まとめと試験
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    * 心理学的なものの見方を理解する。
    * 心理学による人間理解の方法を習得する。
    * ものごとを論理的、客観的、多角的に見る目を養う。

    (2) 個別の学習目標:
    * 心理学の方法論を理解する。
    * 心理学の知見を幅広く学んで身につけ、人の心のさまざまな側面を知る。
    授業の進め方 1)〜6)と14)を三浦が、7)〜13)を中村が担当する。
    教科書、配付資料、PPTを用いて授業を進める。
    また、授業中にコメントカードを配布し、コメントや質問の記入を求め、出席確認ならびに双方的な授業の助けとする。
    教科書等 <教科書>
    和田万紀(編)「心理学」弘文堂

    成績評価方法 三浦・中村の出題する試験70%、授業毎に配布回収するコメントカード30%によって採点する。
    学習相談 授業の終了後およびオフィスアワーを利用して相談に応じる。
    その他 認定心理士対応課目

    教職(公民)
    認定心理士

    文学部
    人間科学コース
    比較宗教学 専攻
    専門科目 (2単位)
    比較宗教学講義 VII
    講義題目:比較宗教学入門
    教授関 一敏
    後期・通常

    木曜2限
    授業の概要 主要トピックスに沿った比較宗教学入門をこころみる。前期概論で論じきれなかった項目の深化を図る。1.宣教師たちの到来 2.慣習と法 3.心理という罠、社会という仮構 4.ことばの力、文字の憂鬱 5.命名する根拠 6.王法と仏法
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    和魂洋才。

    (2) 個別の学習目標:
    @宗教を知る、A宗教から学ぶ、Bアジアから世界を見る。
    授業の進め方 講義形式。
    教科書等 基礎資料を配付する。
    <参考図書>
    橋爪大三郎『世界が分かる宗教社会学入門』筑摩書房,2001年
    小松和彦・関一敏編『新しい民俗学へ』せりか書房,2002年
    関一敏・大塚和夫編『宗教人類学入門』弘文堂、2004年
    成績評価方法 筆記試験。
    学習相談 随時。メールは、seki@lit.kyushu-u.ac.jp
    その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

    文学部
    人間科学コース
    比較宗教学 専攻
    専門科目 (2単位)
    比較宗教学演習 III
    講義題目:卒業論文に向かって発想を開く
    准教授飯嶋 秀治
    前期・通常

    火曜3限
    授業の概要 比較宗教学演習ではVを飯嶋、Wを関で担当し、一連の演習として行っています。4年生、3年生、2年生それぞれに一般的な課題を設定しますが、ここでの目標はただ一つ、受講生の皆さんの卒業論文を制作することです。

    このため、この演習では4年生であろうと2年生であろうと1人に30分の時間を与えますが、そこでは全員が自分が卒業論文にしたいと思っている発表を約15分してもらいます。あとの15分は質疑応答に費やします。このため、参加者には、15分間発表するためのレジュメ(草稿)を作成してもらい、参加者約30人分のコピーを作成して、演習に臨んでください。

    具体的には、既に卒業論文の主題が決まっている4年生から発表してもらいますが、4年生は論文という文書に仕上げることが課題になります。3年生は、卒業論文に向けてどこを調査地にして、どのようなことを調査するのかという調査のデザインやそれをやってみた結果、どういうことが分かったのかを発表してもらいます。2年生には、上級生の発表を聞いてもらいながら、自分がこの3年間で何を研究したいのかを考えてもらい、その主題に沿った本を選び、本の内容と、その読書を通じて、自らが問題と考えたこと、その問題をどうしたら解けると思ったのかを発表してもらいます。

    初日に発表順序を決めますので、特別な理由がない限り、4/12日の初日の授業には必ず参加してください。さぁ、愉しみましょう。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    皆さんの卒業論文を先に進めること。

    (2) 個別の学習目標:
    4年生は、卒業論文の構成を章毎に考えてもらい、2年次の文献と問題設定に基づき、3年次にどのような調査を行い、これから(人によっては就職活動と並行しつつ)卒業論文をまとめるに当たり、どのような資料を入手したり、図表を作成すると良いのかを覚えてもらいます。
    3年生は、次に、自分が2年生の時に決めた主題に基づいて、自分の調査地(フィールド)を決めてもらい、発表までに最低、1回はそのフィールドに出かけてもらい、その予備調査の報告をしてもらい、夏休みに向けての調査をデザインしてもらいます。
    2年生は、まず、自分がこの先3年間かけて研究したい主題は何なのかを決めてもらい、これまでその主題を研究してきた「先行研究」を読んで、報告することで、卒業論文を書く際の読書の仕方、ノートの取り方、引用の仕方、出典の書き方などを学習してもらいます。
    授業の進め方 4/12第1回授業の概要
    4/19第2回休講
    4/26第3回4年生2人(藤田・渡會)発表:趣味に生きる
    5/10第4回4年生2人(松岡・浜村)発表:都市の生活
    5/17第5回4年生3人(越智・澤村・山下)発表:郡部に生きる
    5/24第6回4年生3人(谷之木・田中・桑原)発表:病・癒し・自己
    5/31第7回3年生2人(中尾・吉田祐)発表:生業と交換
    6/7第8回3年生3人(永田、稲垣、川上)発表:宗教の信仰と実践
    6/14第9回3年生3人(岩崎、玉城、村上)発表:移民、まちづくり、共生
    6/21第10回3年生2人(長濱・吉田梨)発表:社会と身体
    6/28第11回2年生3人(高木・鳥越・山下)発表:起源・根源・古物
    7/5第12回2年生2人(大塚、清原)発表:仏教
    7/12第13回2年生2人(山口・田中)発表:イスラム
    7/19第14回2年生3人(笠原・岩瀬・天倉)発表:子供、文化、第六感
    7/26第15回休講(予備日)
    教科書等 <教科書>
    特になし

    <参考図書>
    学生毎に個別に推薦します。
    成績評価方法 出席は1/3以上理由なく休めば落第とします。レジュメ作成50%、質疑50%で成績を出すので、試験やレポートは課しません。
    学習相談 1)授業中に訊くようにしてください。それでも聞き忘れたら、2)shuuji@bun.lit.kyushu-u.ac.jpで訊いてください。込み入ったことなら3)木曜日のお昼をオフィスアワーとして、研究室にいますので、訪ねてきてください。
    その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

    文学部
    人間科学コース
    比較宗教学 専攻
    専門科目 (2単位)
    比較宗教学演習 IV
    講義題目:卒業論文に向かって発想をきたえる。
    教授関 一敏
    後期・通常

    火曜3限
    授業の概要 比較宗教学演習ではV(前期)を飯嶋、W(後期)を関が担当し、一連の演習として行っている。ここでの目標はただ一つ、受講生諸君の卒業論文を制作することである。各学年ごとの課題は前期のシラバスにあるとおり。総じて、生き方を学ぶための基礎的語彙の習得と発表のレッスンであり、問題発見から文献調査、現地調査をへて発表にいたる過程を、個々の関心に即して模索する。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    己事究明。

    (2) 個別の学習目標:
    課題を深める、さらに調べ、考えをまとめ、よりよく述べ、よりよく書く。
    授業の進め方 個々の発表とその準備。
    教科書等 求めに応ずる。
    成績評価方法 平常点。
    学習相談 常時。
    その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

    文学部
    人間科学コース
    比較宗教学 専攻
    専門科目 (2単位)
    文化人類学講義 V
    講義題目:オーストラリア先住民アランタ民族の歴史
    准教授飯嶋 秀治
    前期・通常

    木曜3限
    授業の概要 文化人類学の歴史を考える時、私がこの10年に渡って研究してきたオーストラリア先住民、アランタ民族は、非常に興味深い位置にいます。なので、本授業では、オーストラリア先住民アランタ民族が、人類学の歴史にどのように登場し、人類学をいかに形成し、そして忘れられていったのかをたどりなおすことで、文化人類学の一つの側面を削り出すようにしたいと思います。
    学習目標 文化人類学は、現代的なものになってから、もう90年の歴史を持ちますので、その網羅をするつもりはありません。アランタ民族という一民族を対象として、文化人類学がその時々にどのような転機を迎え、現在のような形に至ったのか、その重要なトピック(例えば、進化主義、フィールドワーク、民族誌、文化相対主義、文化を書く、社会問題と開発など)を取り上げ、具体的な資料に即して説明してい行きたいと思います。
    授業の進め方 4/21第1回自己紹介self-introduction
    4/28第2回地球考古学geo-archaeology&推測史guessing-histories
    5/12第3回DVD1
    5/19第4回「最初の」接触"first" encountering&宣教師と通信小屋missionaries and the telegraph station
    5/26第5回DVD2
    6/2第6回最初の民族誌first-ethnography&戦時人類学war-time anthropology
    6/9第7回DVD3
    6/16第8回論争controversies&周縁住民fringe-dwellers
    6/23第9回DVD4
    6/30第10回社会運動social movements&国民国家の中の先住民indigenous peoples in a nation-state
    7/7第11回DVD5
    7/14第12回自己決定主義と福祉植民地主義self-determination policy and welfare colonialism&暴力と健康の政治学politics of violence and health
    7/21第13回DVD6
    7/28第14回結論the future of cultures and anthropologies
    8/4第15回試験examination
    教科書等 <教科書>
    特になし。

    <参考図書>
    祖父江孝男1990『増補改訂版 文化人類学入門』中公新書
    武田丈・亀井伸孝編2007『アクション別フィールドワーク入門』世界思想社
    成績評価方法 出席は1/3以上理由なく休めば落第とします。15回目の小論文を100点満点で採点します。(持込みは全て可)
    学習相談 1)授業中に訊くようにしてください。2)毎回出席カードを配りますから、それに質問を書いておいていただければ、なるべくその日のうちに、Web上のQ&Rコーナーでお応えします。3)さらに突っ込んだ質問があれば、shuuji@bun.lit.kyushu-u.ac.jpで訊くか、4)メールで予約をしたうえで、木曜日のお昼のオフィスアワーの時間に研究室に来てください。
    その他 対象学年:主に2年生と3年生(4年生は単位を満たしている学生のみ)
    履修条件:私語厳禁、携帯オフ、途中退席なし

    文学部
    人間科学コース
    比較宗教学 専攻
    専門科目 (2単位)
    文化人類学講義 VI
    講義題目:英語文献を読む
    准教授飯嶋 秀治
    後期・通常

    木曜3限
    授業の概要 文化人類学を進めてゆくうえでは、対象の先行研究や、方法の先行研究を読み、自らの実践に備えることが不可欠です。その文献に、洋書が加われば、その数も質も格段に上がります。ただ洋書の読書と言うのは、一人では根気が続かないことが多い為、ここではみんなと一緒に一つの英語テキストを読み進めたいと思います。とはいえ、「英語の授業」ではないことに注意してください。むしろ、「本を読んで、考える授業」というところに力点があります。
    学習目標 宗教学の古典ミルチャ・エリアーデ『オーストラリアの諸宗教』を翻訳し、それに基づいて宗教について学問的な議論を行う。
    授業の進め方 10/6第1回自己紹介
    10/13第2回ミルチャ・エリアーデについて
    10/20休講
    10/27第3回Victor Turner「まえがき」を読む
    11/10第4回「はじめに」読む
    11/17第5回第1章「超自然の諸存在と高き神々」を読む
    11/24第6回第2章「文化英雄と神話地理学」を読む
    12/1休講
    12/8第7回第3章「通過儀礼と秘密カルト」を読む
    12/15集中講義のため休講
    12/22第8回第4章「呪医と彼らの超自然的な模範」を読む
    1/12第9回第5章「死と終末論:結論」を読む
    1/19第10回本書全体の内容についてディスカッション
    1/26第11回宗教学とエリアーデの位置
    2/2第12回全体を振り返って(含、洋文献とのつき合い方)
    教科書等 <教科書>
    Mircea Eliade1973Australian Religions:An Introduction, Cornell University Press.

    <参考図書>
    エリアーデ、ミルチャ1969(1957)『聖と俗』風間俊夫訳 法政大学出版局
    成績評価方法 出席は1/3以上理由なく休めば落第とします。評価は平常点で、英語の読み、訳、議論への参加で成績を出します。
    学習相談 授業中に訊くようにしてください。
    その他 対象学年:主に2年生と3年生(4年生は単位を満たしている学生のみ)

    文学部
    人間科学コース
    比較宗教学 専攻
    専門科目 (2単位)
    文化人類学演習 VII
    講義題目:フィールドワーク実習
    准教授飯嶋 秀治
    前期・通常

    木曜4限
    授業の概要 文化人類学ではフィールドワークという方法で、現地調査を行います。それは、理想的には2年間、異文化に住み込み、参与観察を行うものですが、学部生にはこれを求められません。なので、その雰囲気を知ってもらい、なおかつ、自らの個人調査が上達するように、今年度は共同実習を行い、8月の1週間(8/6−12を予定)を熊本県水俣市での共同調査に費やしたいと思います。初日の授業に出席してもらい、この演習に参加するかどうか決めていただいて構いませんし、知的に関心があって、聴講だけしたいという方も構いません(但し当然ですが単位は出ません)。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    文化人類学の方法として「フィールドワーク」の基礎を身につけること。

    (2) 個別の学習目標:
    1.フィールドワークに行く前に何をすべきか(文献調査)
    2.どのような質問だと相手が応え易くなるのか(質問のデザイン)
    3.フィールドワークを始める前に挨拶をする(予備調査)
    4.何をどのように聞き書き、観察するのか(フィールドノートの取り方)
    5.共同実習
    授業の進め方 *以下の進め方は一つの目安です。
    4/21第1回 文化人類学演習の概要
    4/28第2回 VTR『水俣病』視聴調査の概要(先行研究紹介)
    5/12第3回 発表1『水俣の啓示』上前半
    5/19第4回 発表2『水俣の啓示』上後半〜下前半
    5/26第5回 発表3『水俣の啓示』下後半
    6/2第6回 フィールドの文献紹介
    6/9第7回 観察の基本(景観、動植物、統計、相互行為)
    6/16第8回 聞き書きの基本(質問作成、検討)
    6/23第9回 予備調査の代わりに休講
    6/25予備調査をかねて現地に挨拶
    6/30第10回  班分け、発表担当箇所決め
    7/7第11回 発表1環境班
    7/14第12回 発表2生業班
    7/21第13回 発表3社会班
    7/28第14回  発表4宗教班
    夏休み 8/6-12日の1週間(ノート提出)
    教科書等 <教科書>
    飯嶋秀治・関一敏編2010『茂道の民俗』共生社会学講座(非売品)

    <参考図書>
    小國和子・亀井伸孝・飯嶋秀治編2011『支援のフィールドワーク―開発と福祉の現場で』世界思想社
    成績評価方法 文科省の規定は「出席は1/3以上理由なく休めば落第」ですが、この授業へは「なるべく休まない」こととします。受講態度が思わしくない学生の場合、途中で参加を諦めてもらうこともあるかもしれません。前期は、先行研究の発表で50%、予備調査と調査に参加して8日分のフィールドノートを提出することで50%評価とします。
    学習相談 1)授業中に訊くようにしてください。2)さらに突っ込んだ質問があれば、shuuji@bun.lit.kyushu-u.ac.jpで訊くか、3)メールで予約をしたうえで、木曜日のお昼のオフィスアワーの時間に研究室に来てください。
    その他 対象学年:主に2年生、3年生(4年生は単位を満たしている学生)
    履修条件:フィールドを大切にできる人(実習をアルバイトやサークルの二の次にしない人)

    文学部
    人間科学コース
    比較宗教学 専攻
    専門科目 (2単位)
    文化人類学演習 VIII
    講義題目:フィールドワーク実習(続)
    教授関 一敏
    後期・通常

    木曜4限
    授業の概要 前期の「文化人類学演習Z」(飯嶋先生)の継続と深化を図る。具体的には、現地調査で得た知見を報告書にまとめるプロセスを学ぶ。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    足もとから世界を見る方法の習得。

    (2) 個別の学習目標:
    @世間の常識を知る。A先人の蓄積を知る。B自分にできることを知る。
    授業の進め方 個々の発表と討議のつみかさねをへて、報告書作成にいたる。
    教科書等 <教科書>
    フィールドという現場。

    <参考図書>
    飯嶋秀治・関一敏編2010『茂道の民俗』共生社会学講座(非売品)
    前期のものにくわえて『社会学的フィールドワーク』世界思想社、2004年など。
    成績評価方法 平素点50%+調査レポート50%。
    学習相談 常時。
    その他 対象学年:主に2年生、3年生
    履修条件:前期の「文化人類学演習Z」を履修した者。

    文学部
    人間科学コース
    比較宗教学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会人類学講義 I
    講義題目:自然・コモンズ・グローバリゼーションを考える
    北海道大学大学院文学研究科 教授宮内 泰介
    前期・集中

    授業の概要 私たちを取り巻く社会問題のうち、この授業では「環境問題」と「グローバリゼーション」を取り上げ、それを社会的な視点から事例から考えます。
    たとえば、自然を守ろうと誰しもが言うけれど、実際のところどこのどんな自然を誰が守るべきなのでしょうか。そもそも自然とは何でしょうか。熱帯林が減少しているというけれど、そこに住んでいる人にとってそれはどういう意味をもっているのでしょうか。熱帯林の減少はグローバルな経済の動きとつながっていると言われますが、いったい誰がグローバルな経済を動かしているのでしょうか。グローバリゼーションとはいったい何でしょうか。
    この授業では、さまざまな具体的事例を取り上げ、そこから、自然、コモンズ(自然の共同管理のしくみ)、グローバリゼーションといったことについて考えます。

    具体的には、以下の内容を取り上げます。
    1. 地域における人間と自然のかかわり
    田んぼは自然か、自然とは何か、コモンズとは何か、海をめぐる紛争をどう解決するか
    2. グローバリゼーション
    タイヤ産業に見るグローバリゼーション、かつお節と植民地・日本社会
    学習目標 自然・地域社会・グローバリゼーションについて、社会的な視点に立った論理的な議論ができることが、この授業の目標です。知識を増やすことよりも、議論の視点を学ぶこと、議論のしかたを学ぶことが目標となります。
    授業の進め方 この授業は、(1)ビデオや新聞記事などの素材を見ること、(2)それをもとに教員からのテーマにしたがって個人で作業した上でグループ・ディスカッションをすること、(3)講義を聞くこと、の3つのパートに分かれます。この3つを繰り返し行いますが、中心はグループ・ディスカッションです。みなさんの積極的な参加が求められます。
    教科書等 <参考図書>
    井上真・宮内泰介編, 2001, 『コモンズの社会学』新曜社
    藤林泰・宮内泰介編, 2004, 『カツオとかつお節の同時代史』コモンズ
    宮内泰介編, 2006, 『コモンズをささえるしくみ――レジティマシーの環境社会学』新曜社
    宮内泰介編, 2009, 『半栽培の環境社会学――これからの人と自然』昭和堂
    宮内泰介, 2011, 『開発と生活戦略の民族誌』新曜社
    鳥越皓之・帯谷博明編, 2009, 『よくわかる環境社会学』ミネルヴァ書房
    鳥越皓之, 2004, 『環境社会学』東京大学出版会
    その他の参考文献は講義の中で適宜指示します。
    成績評価方法 (1)講義の内容を理解し、講義に積極的に参加しているかの評価(およそ60%)、(2)授業中に行う各種課題の評価(およそ40%)を合わせて総合的に評価します。
    学習相談
    その他 教職(社会)(公民)

    文学部
    人間科学コース
    比較宗教学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会人類学講義 II
    講義題目:病む人々への眼差しと社会(学)/人類(学)
    本務なし(日本学術振興会 特別研究員〔PD〕)有薗 真代
    後期・集中

    授業の概要 この授業では、人が生きていくうえで直面する生活困難(心身の病、老い、失業・貧困、社会的排除)を主題として取り上げる。まず、生活困難を抱える人々の経験を二つの側面に、すなわち、客体としての側面と主体としての側面に分けて考えることから始めたい。客体としての側面とは、具体的には、痛み・苦しみを受ける、政策の対象となる、差別を受けるなどの経験を指す。主体としての側面とは、自らの力で現実を変える、すこしでも状況をましなものにする、他者と協働するなどの経験を指す。
    客体としての側面を理解するためには、まず、生活困難とそれへの社会的対応(社会保障・社会福祉制度)の歴史的変遷を辿る必要がある。この授業では、19世紀の救貧法から21世紀のベーシックインカム論までを概観しつつ、受苦者を救済/迫害する機制について検討する。次に、主体としての側面を把握するための一助として、受苦者の連帯と自助努力に着目する。具体的には、コレラ一揆から自立生活運動までの運動史と、集団・組織という形態をとらないアモルフかつアナーキーな生活実践の系譜を辿りつつ、行為と現実変革の関係性について検討する。
    本授業では、上記の一連の作業をつうじて、社会学・人類学はいかにして生活困難を抱える生と向き合うことができるのかについて考えてみたい。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
     近代社会の医療・社会保障政策史について、個々の政策の内容について具体的な理解を深めるとともに、それぞれの時代において制度を支えてきた思想・理念について学習することを通じて、個々の政策を広い文脈の中において捉えることを目標とする。さらに、実際に政策の影響下にあった人々の実践に着目することによって、かつて当事者によって何が問題とされ、それが社会問題としてどのように提起されてきたのか、その問題提起によって現実がどのように変わった(変わらなかった)のかを知り、それを手がかりに、現実のダイナミズムを把握しえる社会学的・人類学的な認識枠組みについて学習・再考することを目標とする。

    (2) 個別の学習目標:
     人は誰でも病を患う。その意味で、潜在的には誰もが、社会的弱者になりうる可能性を持っている。歴史的な出来事やそれを認識するための枠組みについて、ただ受け身に学ぶだけでなく、「もし自分がその場で病者(貧困者)だったら」と想像しながら授業を受けてみてほしい。想像力を働かせながら、歴史を知り、社会学・人類学を学ぶことは、私たちが生きている現代の日常生活のありようを相対化する作業へと繋がる。受講生は本講義の内容から、身近な諸問題を考察する視点を掴んでください。
    授業の進め方 適宜レジュメを配布します。
    教科書等 <参考図書>
    有薗真代「痛みと怒りをつうじて『問い』をつかむ」
    『<体験型>社会学のすすめ―研究テーマの見つけ方』(ナカニシヤ出版 2011年)

    有薗真代「『生活者』としての経験の力−国立ハンセン病療養所における日常的実践とその記憶」『過去を忘れない―語り継ぐ経験の社会学』(せりか書房 2008年)
    成績評価方法 出席40%、レポート60%
    学習相談 講義期間中は随時受け付けます。
    その他 12月開講

    教職(社会)(公民)

    文学部
    人間科学コース

    コース共通科目 (2単位)
    比較宗教学概論 I
    講義題目:宗教史入門
    教授関 一敏
    前期・通常

    木曜2限
    授業の概要 アジア的視野にたった宗教学入門をこころみる。
    はじめに−人文学 humanities としての宗教学方法論
    1.宣教師たちの到来
     1)宗教の不在    2)宣教の理由
     3)仏陀の誘惑    4)原型と変形/差異と反復
    2.慣習と法
     1)慣習法という矛盾 2)習俗か宗教か
     3)離床する制度群  4)慣習とことば
    3.心理という罠、社会という仮構
     1)内面の加工    2)魂の世俗化
     3)行と知と信と   4)救済と安心
    4.ことばの力、文字の憂鬱
     1)ことばの始原   2)文字の力
     3)聖典       4)神話という表象群
    5.命名する根拠
     1)教会とその残余  2)悪魔祓いの舞台
     3)評判と権威    4)司祭と神秘家たち
    6.王法と仏法
     1)法源と正義    2)サンガとウンマと無教会
     3)天皇制というモダニズム 4)宗教・法・国家
    おわりに−アジアという角度。植民地的知のねじれのはずし方。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    東洋道徳、西洋芸術。

    (2) 個別の学習目標:
    @宗教を知る、A宗教から学ぶ、B世界を見る。
    授業の進め方 講義形式。
    教科書等 基礎資料を配付する。
    <参考図書>
    橋爪大三郎『世界が分かる宗教社会学入門』筑摩書房,2001年(のち、ちくま文庫)
    小松和彦・関一敏編『新しい民俗学へ』せりか書房,2002年
    関一敏・大塚和夫編『宗教人類学入門』弘文堂、2004年
    成績評価方法 筆記試験。
    学習相談 随時。メールは seki@lit.kyushu-u.ac.jp
    その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
    教職(社会)(公民)

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会調査法講義
    講義題目:社会調査法講義
    教授安立 清史
    後期・通常

    木曜2限
    授業の概要 1 社会調査とは何か

    2 社会調査の系譜

    3 社会調査の種類
      質的調査と量的調査、事例研究法と統計的方法

    4 理論と調査との関係
      演繹と帰納、普遍化認識と個別化認識

    5 調査問題の決定と仮説の構成の仕方
      変数、概念構成、操作的定義、命題構成、経験的一般化

    6 調査票の作成(1)質問文の作り方
      操作概念のワーディング

    7 調査票の作成(2)基礎的変数
      回答とコーディング

    8 標本設計
      母集団と標本と戦略的比較

    9 仮説検証型調査の論理
      クロス表の分析、量的データと統計的検定、平均値の差の検定、相関係数など

    10 実態把握型調査の論理
      観察記録、ヒヤリング、カテゴリー化、フォーマル理論と実態理論

    11 社会調査の倫理
      個人情報保護とプライバシー

    12 社会調査の実際例(1)国勢調査、世論調査

    13 社会調査の実際例(2)社会階層と社会移動調査

    14 社会調査の実際例(3)ボランティアとNPOの社会学

    15 社会調査と実践
      よりよき社会調査をめざして
    学習目標 社会調査の歴史と方法について講義する。社会学における実証研究の手段である社会調査の方法をできるだけ全貌をつかめるようにする。講義の目標は、社会的リアリティを捉える方法としての社会調査の意義と手法を理解することにある。
    (1) 全般的な教育目標:
    社会調査の基本を理解する。

    (2) 個別の学習目標:
    社会調査の歴史、社会調査の意義、社会調査の方法、社会調査の手法の理解
    授業の進め方 参加型授業を行う。講義とグループに分かれてのグループワーク、そしてグループワークの成果のプレゼンテーションを行う。
    教科書等 <教科書>
    岩井紀子・保田時男『調査データ分析の基礎演習』有斐閣

    成績評価方法 出席40%、グループワークへの参加20%、プレゼンテーションとレポート40%
    学習相談 火曜日の5時限後。原則として、Eメールによるアポイントメントを必要とする。
    その他 出席を重視するだけでなく、グループに分かれてのグループワークへの積極的な参加を重視する。

    対象学生:社会調査士資格を取得しようとする学生に限る
    対象学年:2年生 3年生 4年生
    教職(社会)(公民)
    社会調査士

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会学講義 I
    講義題目:質的調査法を通して学ぶ社会学
    福岡県立大学 准教授中村 晋介
    後期・通常

    月曜2限
    授業の概要 社会調査には、量的調査(アンケート調査)と、インタビューや参与観察、あるいは文書資料の解読といった技法を用いる質的調査という2つの技法があります。この講義では、このうち質的調査の方法を学んでいきます。くわえて、「社会学」が成立した過程についても初歩的な内容説明を行い、「社会学」的な考え方/問題設定のあり方についての理解を深めます。
    具体的には、以下のテーマを中心に講義を展開することになるでしょう。第1回の講義で、講義の進め方についてより精密な説明を提示しますので、受講希望者は、必ず出席するようにしてください。

    1.「社会学的な社会調査」の特徴:
    「社会学」とは何をする学問なのか、なぜ「社会学」と名乗るのか、「社会学的な問題設定」とは何か、人類学と社会学との違いはどこか、など。

    2.質的調査法にもとづく社会調査の準備:
    問題設定の方法、対象選定の方法、仮説構成/修正の方法など。

    3.質的調査法にもとづく社会調査の実践@:
    フィールドへの参入、インフォーマントの選び方、インフォーマントとの関係の取り方など。

    4.質的調査法にもとづく社会調査の実践A:
    インタビューの諸技法、フィールドノーツのつけ方、視覚データの収集方法、録音機器を使用する場合の注意など。

    5.質的調査法にもとづく社会調査の実践B:
    データのコード化とカテゴリー化の諸技法、アブダクションとKJ法など。

    6.質的調査法にもとづく社会調査研究の実践C:
    報告書(エスノグラフィー)の書き方、書く作業がもたらす影響など。

    7.質的調査の基礎づけと評価基準:
    選択的なもっともらしさ、信頼性と妥当性、トライアンギュレーション、社会調査の倫理など。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    単に「調査をうまく進める」「論文をうまくまとめる」ための小手先のテクニックの習得だけがこの講義の目標ではありません。講義を通して、@テクニックそれ自体を方向付ける「社会学的なものの見方・考え方」の習得、A「社会学」に関する基礎的な知識の習得を目指します。本講義を通して、受講生が「社会学を実践することの意義・重要性」を理解できれば幸いです。

    (2) 個別の学習目標:
    学習目標を2つ設定します。

    @質的調査法に基づいた社会調査研究を実践する上での認識枠組み、具体的な技法、調査結果の解釈、まとめ方などに関する知識を得ることを通して、質的調査法に関する知識を習得することが第1の目標です。とくにインタビューを用いた調査について、準備段階での認識、フィールドの選び方、調査対象との関係の作り方、インタビューの方法、分析や解釈の手法、報告書作成後の対応、調査倫理などを学びます。

    A「社会学的なものの見方・考え方」の習得。a)みなさんは「社会学」が何を目指す学問なのかを説明できますか? b)なぜ、この学問が「社会学」と名乗っているのかを説明できますか? この講義が終わる頃に、みなさん自身の言葉でそれが説明できるようになっていることを期待します。
    授業の進め方 この講義を担当して4年目になりますが、毎年、受講生の数が70人を超えています。故に、プリント(レジュメ)に基づく講義形式を取らざるを得ません。しかし、受動的に講義を聴くだけで、質的調査の方法は修得できません。受講生の主体的な取り組みを促すために、しばしば課題を出します。それ以外の部分でも、アンサーシートを通して、なるべく双方向的な意見のやりとりができるような授業を心がけます。なお、授業内で提示された課題は、授業以外の時間帯に取り組むことになります。その旨はご了承ください(「試験・成績評価の方法等」欄も参照のこと)。
    教科書等 <教科書>
    教科書はとくに使用しません。
    私が配布するプリントを保管するためのバインダー、クリアフォルダなどを準備してください。

    <参考図書>
    フリック,ウヴェ,1995=2002『質的研究入門――<人間の科学>のための方法論』春秋社.
    箕浦康子編著,1999,『フィールドワークの技法と実際――マイクロ・エスノグラフィー入門』ミネルヴァ書房.
    ロフランド,ジョン・ロフランド,リン,1995=1997,『社会状況の分析――質的観察と分析の方法』恒星社厚生閣.
    佐藤郁哉,2002,『フィールドワークの技法』新曜社.
    その他、授業中に適宜指示します。
    成績評価方法 平常点(出席・課題提出・アンサーシート)30%+期末試験70%
    期末試験は持ち込み一切不可の客観テスト
    (「社会調査士」資格に関係する科目ですので我慢してください)。

    【注意】出席や課題の提出状況を、これまでより厳密に判定します。
    ・1/3を超えて欠席した学生、課題提出が著しく少ない学生には、期末試験の受験資格を認めません。
    ・授業中に出された課題は原則として翌週の講義時に提出すること。3週間以上提出が遅れた場合は、未提出扱いとします。
    ・1月中旬に、受験資格を失った学生の学籍番号を掲示します。このような学生は、期末試験を受験した場合でも、答案を採点しません(無条件で0点とします)
    学習相談 講義時間中にアンサーシートを配布しますので、そこに質問や意見を書きこんでください。次の時間にできる限り回答します。面談を希望する方は、授業終了後の昼休み、あるいは月曜日の3限目以降にできるかぎり対応いたします(文学部の社会学研究室にいることが多いです)。本講義に直接関係のないことでも気軽に相談してください。
    その他 社会調査士資格認定科目(F:質的な分析の方法に関する科目)
    教職(社会)(公民)

    対象学年:2年生 3年生 4年生
    教職(社会)(公民)
    社会調査士

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会学講義 II
    講義題目:
    九州工業大学准教授安河内 恵子
    前期・通常

    金曜2限
    授業の概要 社会調査とは,社会事象を対象に,一次資料として現地調査でデータを直接収集し,その上でデータを処理,分析,記述する,これら全過程をさす.つまり,社会調査とは,データを直接収集する「実査過程」と,収集したデータについての「データ処理・分析過程」とから構成されている.このうち,本講義では,統計的調査の「データ処理・分析」に関する基礎的知識について,一部,実習も含めて講義を行うものである. データ収集に関しては,収集の方針,すなわち仮説構成が重要である.この重要性について言及し理解を深めてもらうとともに,必ずしも独自に社会調査を実施せずとも,既存の統計資料・統計調査の二次分析で初期の目的が達せられ,十分成果があがることもありうることを,デュルケムの「自殺論」等の検討によって検証する.また,社会調査の中でも,最も代表的な標本調査を念頭に,検定の必要性を理解させるとともに,統計的調査のデータ処理に関する基本的知識(データ収集,変数間関係に関する基礎的知識)の獲得を目指し,実際に自分で簡単なデータ処理が行えるよう実習の時間も設定する.

    以上の内容から,最終的に本講義の受講を終えた段階では,調査報告やフィールドワーク論文について,それらを十分に理解しながら読むことができるようになり,かつ,官庁統計をはじめとする調査統計資料についての加工技術も獲得でき,また,一次資料収集のために実施した統計的調査のデータについて基礎的分析を行うことも可能となる.

    授業計画は,以下の通り.
    1.データ分析の目的と資料 (問題意識,作業仮説,一次資料,二次資料) 
    2.データ分析法の種類 
    3.データ分析と仮説 (『自殺論』) 
    4.二次資料の分析(1) (『国勢調査』(人口,年齢,世帯構成,職業構成など)) 
    5.二次資料の分析(2) (その他の官庁統計,既存統計データ) 
    6.標本調査の特質と検定の必要性 
    7.データ集計の基礎(1) (度数,相対度数,代表値) 
    8.データ集計の基礎(2) (分散,偏差) 
    9.データ集計の基礎(3) (集計表(単純集計,クロス集計,3重クロス集計)) 
    10.変数間の関係(1) (散布図,相関係数) 
    11.変数間の関係(2) (因果関係,擬似相関,偏相関係数) 
    12.クロス表の分析 (有意差,カイ2乗検定を含む) 
    13.一次資料の分析(1) (データを用いての,単純集計表の作成) 
    14.一次資料の分析(2) (データを用いての,クロス集計表の作成と有意差検定) 
    15.一次資料の分析(3) (データを用いての,相関係数,偏相関係数,3重クロス集計表の作成) 
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    官庁統計をはじめとする既存統計資料に関する知識とその活用方法,活用に際しての加工技術の獲得,および,一次資料のデータ分析ができるための基本的知識の獲得,実際の基礎的集計技術の獲得を目標とする.

    (2) 個別の学習目標:
    1〜2では,データ分析を行う目的に適した資料,分析法の種類についての知識の獲得を目指す.3では,データ分析を行う際の仮説の重要性について,デュルケムの分析から学ぶ.4〜5では,官庁統計資料の種類,その活用方法について学ぶ.6では,標本調査の特質と検定の必要性について学ぶ.7〜9では,データ集計に関する基礎的知識の獲得,10〜12では,変数間の関係についての基礎的知識の獲得を目指す.13〜15では,一次資料の分析における,基礎的集計・分析の実際について,SPSS等を活用しつつ,実習を行う.
    授業の進め方 教科書,配付資料を用いての講義,および,SPSS等を用いた集計作業の実習を行う.
    ほぼ毎回,課題を課す.
    教科書等 <教科書>
    森岡清志編著『ガイドブック 社会調査(第2版)』(日本評論社)

    <参考図書>
    講義中に,適宜,指示する.
    成績評価方法 毎回,出席をとる.また,講義期間中に小レポートを10回課す(10回×5点=50点).期末には筆記試験(25点×1回=25点)とレポート(25点×1回=25点)を課す.
    学習相談
    その他 SPSS等の統計パッケージを用いてデータ分析の実習を行い,これを用いてのレポートも課すことから,SPSS(統計ソフト)を利用できる環境が必要とされる.
    社会調査士資格取得認定科目.他学部生可.

    対象学年:3年生 4年生
    教職(社会)(公民)
    社会調査士

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会学講義 V
    講義題目:量的分析と質的分析の統合の試み
    教授鈴木 譲
    前期・通常

    火曜3限
    授業の概要 一般的に社会学の分析手法は、量的分析(計量分析)と質的分析とに分類される。これらの手法についての長所・短所はこれまでにも多々議論され、両者を統合することも提唱されてはいるが、抽象的なレベルでの議論にとどまっており、具体的な提案はなされていないのが現実である。

    この授業では実験的ではあるが、計量分析の手法である回帰分析を念頭においたアンケート調査と、質的分析の手法であるエスノメソドロジーを念頭においた観察とを組み合わせ、社会現象をより良く理解することを試みる。
    学習目標 この授業の学習目標は、以下の通りである。
    (1) 全般的な教育目標:
    社会学の量的分析手法と質的分析手法とをいかに組み合わせて、社会現象をより良く理解するかを学ぶ。

    (2) 個別の学習目標:
    回帰分析を念頭においたアンケート調査の手法を学ぶ。
    このようなアンケート調査でとらえられない情報はどのようなものであり、さらにそのような情報をいかにして質的に分析するかを知るために、エスノメソドロジーを念頭においた観察の手法を学ぶ。
    授業の進め方 この授業は、科目名は社会学講義であるが、実際の進め方は、講義と実習の混合形態を想定している。

    初めに、社会学の分析手法についての一般的説明を行う。社会学の分析手法は、量的分析と質的分析に分けて説明されることが多い。しかしながら、この対比を理解するためには、そもそも社会学が思弁哲学に対する実証主義の立場からA. コントによって提唱された学問分野であること、そして、自然科学と計量的分析手法を範とする実証主義への反発として、どのような立場があるのかを理解する必要がある。そのような立場の一つとして、エスノメソドロジーを取り上げる。

    次に、実際に計量分析を念頭においた簡単なアンケート調査を学生により実施してもらう。履修者の人数に応じていくつかのグループ分けを行い、各グループでテーマを決め、それにもとづいてどのような質問項目を設定するかを決める。アンケート実施は、原則として学内で行い、実施後は、データをまとめ、分析結果を各グループごとに発表してもらう。ただし、ここでは計量分析の詳細な手法を学ぶことが主たる目的ではないので、分析手法は記述統計に関するごく基本的なものにとどめる。具体的には、平均値、標準偏差などの代表値、クロス表、相関係数、回帰分析などである。

    次に、行ったアンケート調査では、どのような前提が暗黙に仮定されているのか、どのような情報が実は欠落しているのか、どのような不確定さが実は存在しているのか、などについて各グループで検討する。そして、そこで識別された暗黙の前提、欠落情報、不確定性などをどのようにして調べることが可能かを検討し、その作業を実際に行ってみる。この作業も、原則として学内において行い、実施後は結果をまとめ、各グループごとに発表してもらう。

    この時点で、量的分析と質的分析との関係について再度検討を行い、時間に余裕があれば、「量的分析手法を利用して質的分析を行う」という一見奇妙な実験を行う。たとえば、計量分析を前提とするアンケート調査では、ダブルバーレルの質問は設定しないことが基本となっている。しかしながら、あえてダブルバーレルの質問を設定し、回答者がこのようなある種の理不尽な質問にどのように答えるかを観察することによって、回答者はどのように質問を理解し、自分なりの意味世界を構築しているのかを探ることができる。これは、エスノメソドロジーにおける違背実験の一種であり、glossing の一例とも言える。

    計量分析の手法としてのアンケート調査と、エスノメソドロジーの手法としての違背実験やglossingを組み合わせたこのような試みは、これまでに行われたという報告は聞いていない。従って、この授業は全く新しい実験的試みであり、履修者にはこのような試みに積極的に参加することが要求される。
    教科書等 <教科書>
    前田泰樹・水川喜文・岡田光弘編 『エスノメソドロジー: 人びとの実践から学ぶ』 2007年,新曜社.

    成績評価方法 成績評価は、発表とレポートにもとづいて行う。
    学習相談 メールなども含めて適宜学習相談に応じる。
    その他 授業の進め方にも記載した通り、科目名は社会学講義であるが、実際の授業は講義と実習の混合形態を想定しており、単に講義を聞くという受け身の姿勢ではなく、調査や観察に積極的に参加し、その結果を発表するという自発的・能動的な姿勢が不可欠である。

    対象学年:3年生以上

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会学講義 VI
    講義題目:統計学の基礎概念
    教授鈴木 譲
    後期・通常

    木曜3限
    授業の概要 社会学における分析は、量的分析と質的分析に大別される。量的分析、あるいは、計量分析は、統計学、確率論などを用いた分析手法が主なものであり、実際の分析作業はコンピュータのソフトウエアを用いて行うことになる。しかしながら、道具としての統計解析ソフトウエアを十分に使いこなすためには、統計学の基礎概念をまず理解することが必須である。

    授業では上記の点を念頭におき、平均値(相加平均、相乗平均、調和平均)、標準偏差、分散、平均偏差、変動係数、変数の標準化、共分散、相関係数、単純回帰分析の回帰係数、多重回帰分析(独立変数が2つの場合)の回帰係数などの記述統計について、概念を理解するとともに、実際に計算を行う。ただし、理解を深めるために、計算においてはコンピュータ・ソフトウエアは用いずに、関数電卓を用いる。

    原則として、毎回の授業の最後に練習問題を行い、授業内容を確実に身につけられるようにする。なお、高等学校の数学 I, II, A, B の知識を前提として授業を進めるので、必要ならば各自復習しておくこと。
    学習目標 この授業の学習目標は、以下の通りである。
    (1) 全般的な教育目標:
    全般的な教育目標は、社会学における計量分析を行う際に、統計解析ソフトウエアを十分に使いこなせるだけの統計学的概念の理解を得ることである。

    (2) 個別の学習目標:
    個別の学習目標は、記述統計としての基本的な概念、指標を理解することである。具体的には、平均値(相加平均、相乗平均、調和平均)、標準偏差、分散、変動係数、平均偏差、変数の標準化、共分散、相関係数、単純回帰分析の回帰係数、多重回帰分析(独立変数が2つの場合)の回帰係数などである。
    授業の進め方 毎回の授業は講義形式であるが、授業の最後に練習問題を行う。
    扱う題目の順序は、おおよそ以下の通りである。

    1.平均値(相加平均、相乗平均、調和平均)
    2.標準偏差、分散、平均偏差
    3.変数の標準化
    4.共分散、相関係数
    5.単純回帰分析
    6.多重回帰分析(独立変数が2つの場合)

    時間に余裕があれば、一般の多重回帰分析、および、推測統計についても簡単に説明を行う。
    教科書等 教科書は特に使用しないが、計算のために関数電卓が必要であるので、各自購入し授業に持参すること。関数電卓がない場合、あるいは、持参しなかった場合には、毎回の練習問題の計算を行うことは難しいので、この点十分に注意すること。関数電卓としては、カシオ製 Casio fx-290-N もしくは、これと同等の機能を持つものを持参すること。関数電卓は、九大生協には在庫がないかも知れないが、家電量販店であれば通常は問題なく購入できる。ただし、関数電卓の使い方自体は、授業では取り上げない。関数電卓の使い方は、各自説明書を読み、試してみることにより身につけておくこと。初回の授業に限り、関数電卓の購入が間に合わない場合には、通常の四則電卓(メモリー、平方根付き)を必ず持参すること。メモリーの使い方は、あらかじめ調べておくこと。
    第一回目10月6日(木)にも簡単な練習問題を行うので、電卓を必ず持参すること。
    <教科書>
    教科書は、特に指定しない。

    <参考図書>
    岡田泰栄 『統計学概論』 共立出版 (ただし、あくまで参考書であり、必ずしも「この授業のために購入しなくてはならない」ということではない。)
    成績評価方法 毎回授業の最後に行う練習問題を回収し、その総合点を100点満点に換算して成績評価を行う予定である。従って、毎回の授業に出席し、練習問題を解き、これを提出することが必要である。レポート、学期末試験は、授業の進行上特に必要が生じた場合にはこれを課すが、成績判定は原則として練習問題の結果により行う。
    学習相談 メールなども含めて適宜相談に応じる。
    その他 この授業は、社会調査士資格の登録科目ではないので、その点注意すること。
    また、すでに述べた通り、以下の点に注意すること。
     ・ 高等学校の数学 I, II, A, B について必要ならば復習しておくこと。
     ・ 関数電卓を購入し、毎回授業に持参すること。
     ・ 関数電卓の使い方は、各自で身につけておくこと。 
     ・ 授業の最後に練習問題を行い、成績判定はその結果にもとづいて行われる。


    対象学年:2年生以上
    履修条件:高等学校の数学 I, II, A, B の理解を前提とする。

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会学演習 III
    講義題目:社会学の古典
    教授鈴木 譲
    前期・通常

    木曜2限
    授業の概要 この授業では、社会学の古典的作品を英語で読み、その内容を理解する。Emile Durkheimの『自殺論』、『社会分業論』や、Max Weberの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』などは、社会学の講義で必ず取り上げられる著作であり、学生がこの著作についての解説を読むことは多いかも知れない。しかしながら、学生が授業でこの著作そのものを読む機会は、現在のカリキュラムではほとんどないに等しい。確かにこの著作全部を読むことはカリキュラム上難しいが、その一部分、抜粋部分を読み、古典的名著の本質に少しでも触れることがこの授業の目指すところである。
    学習目標 この授業の学習目標は、以下の通りである。
    (1) 全般的な教育目標:
    社会学の古典的作品を英語で読み、その議論が今日の社会にどこまで適用可能で、どこからは適用可能でないかを理解する。

    (2) 個別の学習目標:
    社会学の代表的古典作品であるEmile Durkheim, Max Weberなどの著作を読み、これらの議論の基本を理解する。
    授業の進め方 毎回、2人ないし3人の発表者を決め、発表と質疑応答を通して、古典的作品の理解につとめる。これに加えて、フランスの大学で社会学を専攻し、現在九州大学に留学中のフランス人の大学院生を2回ないし3回ほどゲストとして招待し、フランスではこれらの古典が実際どのように教えられているのかについて説明してもらい、質疑を行う予定である。この際、説明と質疑は英語で行う予定である。
    教科書等 <教科書>
    Terry Ochs・岡田新『Classics of the Social Sciences―英語で読む社会科学の古典―』,1999,嵯峨野書院.

    成績評価方法 成績評価は、発表とレポートにもとづいて行う。
    学習相談 メールなども含めて、適宜相談に応じる。
    その他 特になし

    対象学生:専攻学生に限る
    対象学年:2年生以上

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会学演習 IV
    講義題目:合理性と非合理性
    教授鈴木 譲
    後期・通常

    火曜3限
    授業の概要 前学期の社会学演習IIIでは、社会学の古典として、Max Weber の The Protestant Ethic and the Spirit of Capitalism をとりあげ、宗教的価値合理性から経済的目的合理性への転換に関して学習した。

    後学期は、Dan Ariely の The Upside of Irrationality: The Unexpected Benefits of Defying Logic at Work and at Home をとりあげ、社会心理学、および、行動経済学の観点から、人間の行動に見られる非合理性について学習し、合理性と非合理性についての理解を深め、社会現象を社会学的に分析するための訓練を行う。

    「社会学的分析」のためには、2つの条件が必要である。第一は、社会現象に対する観察・考察が単なる印象・感想の水準から、客観性・論理性を備えた分析の水準に引き上げられることである。第二は、分析において用いられる手法、要因、仮説などが社会学の領域に属することである。この演習では、合理性と非合理性に関する具体的な事例を通して理解を深める。授業での討議の内容をふまえ、各自の興味に応じたテーマを選択し、そのテーマに関して合理性と非合理性の議論を適用することにより、学期末のレポート作成を行う。
    学習目標 この授業の学習目標は、以下の通りである。
    (1) 全般的な教育目標:
    社会学的分析とは何かを概念的に理解し、実際の社会現象に対して具体的に分析を行えるようになること。

    (2) 個別の学習目標:
    1.分析と印象的・感想的観察とは何が異なるのかを理解する。
    2.分析における客観性・論理性とはどのようなものかを理解する。
    3.合理性と非合理性とは、そもそもどのような基準によって区別できるものなのかを理解する。
    授業の進め方 毎回1名ないし2名程度の発表者を割り当て、教科書の担当箇所に関する発表を行い、質疑・応答を通じて理解を深める。
    教科書等 教科書としては、以下のものを用いる。
    <教科書>
    Dan Ariely, 2010, The Upside of Irrationality: The Unexpected Benefits of Defying Logic at Work and at Home, New York: Harper.

    成績評価方法 成績評価は発表、および、レポートにもとづいて行う。レポートでは、各自の興味に応じたテーマを選択し、そのテーマに関して合理性と非合理性の議論を適用することにより、社会学的分析を行う。
    学習相談 メールなども含めて適宜相談に応じる。
    その他 第一回目10月4日(火)には、二回目以降の発表者と担当箇所を決めるので、あらかじめ教科書を購入し、Introduction (pp. 1-13) を読んでおくこと。当日は、必ず教科書を持参すること。なお教科書は生協文系書籍部で購入でき、9月15日(木)時点で入荷済みである。

    対象学生:専攻学生に限る(学部生に限る)
    対象学年:2年生以上
    履修条件:特になし

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会学演習 IX
    講義題目:大学生の環境・国際化・福祉・家族意識の構造
    教授安立 清史
    前期・通常

    月曜2限
    授業の概要  社会調査の一連の過程を、調査の準備段階から始めて調査報告書の作成まですべて学習する授業である。主に調査票にもとづく量的調査を行う。前期の社会学演習XIでは、アンケート調査票の作成と調査実施の作業に焦点を当てる。後期の社会学演習XIIでは調査実施後のデータ入力、集計、分析の作業に焦点を当てる。質問票の配布による調査の実施、データ収集は、前期の終盤に当大学の全学共通教育科目の授業中に、集合調査の形で実施する。九州大学の箱崎文系キャンパスには、約1,500人程度の学部1年生学生が存在する。このうち、文学部の一年生全数を調査対象母集団として全数調査を行う。また法学部、教育学部、経済学部などの学部一年生にも、適切な標本を何らかの無作為性を用いて抽出し、対照群として設定する。必要におうじて、二年生、三年生、四年生や大学院生にも、適切な標本を何らかの無作為性を用いて抽出し、対照群として設定する。分析手法としては、回帰分析、因子分析、分散分析を用いる。将来的に時系列分析を行うことも考慮し、継続的な調査を念頭におき、授業を行う。
     テーマは、現代大学生の環境・国際化・福祉・家族意識の構造である。NHK放送文化研究所が長年にわたって調査してきた「現代日本人の意識」調査の基本的な調査項目を一階部分として採用する。そして独自の二階部分として、現代の大学生が関心をもっている様々なテーマ(環境、国際化、福祉、家族など)のオリジナルな調査項目を設定する。この一階部分と二階部分とをあわせた調査票を設計し、現代の大学生がどのように、日本人一般と共通性と相違点をもっているのかを調べる。また、多変量解析をもちいて、意識の構造的な側面の解明にあたれるように調査設計する。具体的には、属性や学部、出身地や年齢、家族構成などによって、環境や福祉、国際化や家族についての意識や行動、がどのように変わるのかを、適切な規範意識を従属変数として設定し、個人属性などを独立変数として、独立変数が従属変数におよぼす影響を分析する。
     履修人数は例年20人弱なので、全体を4つのグループに分け、各グループが上記4つの場のいずれか1つを担当し、グループごとに作業し発表を行う。ただし、実際の調査においてはグループ同士の連携が当然必要になるので、各グループ内でリーダー、サブリーダー、プレテスト担当者などの役割分担を決め、各グループの役割分担者同士の連携によりグループ相互の連携を図る。このように履修者全体を、分析上の観点からと、作業に関する役割の観点からの2つの軸によるマトリックス組織として編成し、授業を運営する。
    学習目標 社会調査士資格を取得するための社会調査実習である
    (1) 全般的な教育目標:
    調査のテーマとしては、大学生の環境・国際化・福祉・家族意識の構造である。

    (2) 個別の学習目標:
    大学一年生の環境・国際化・福祉・家族意識を、二年生、三年生、四年生や大学院生と対比して、年齢や経験、性別や出身地などによって「環境・国際化・福祉・家族意識」に有意な違いがあるかどうかを調べる。また、NHKの実施している過去30年間の「現代日本人の意識」調査と比較することを通じて、現代の大学生と、日本人一般の共通点や相違点などを考察する。さらに、発見された問題については、大学生へのインタビュー調査など質的調査も併用して、さらに考察を深める。
    授業の進め方 全体で15回を想定している。主な構成は以下の通りである。
    1回目:前期・後期を通しての授業目的、スケジュールの説明。グループ分けの作業。
    2回目〜4回目:NHKの「現代日本人の意識」調査、その他の世論調査など「環境・国際化・福祉・家族」に関する先行研究の調査と発表。
    5回目〜6回目:先行研究の調査にもとづく問題設定、仮説などの準備と発表。母集団、標本、標本抽出方法についての発表。
    7回目〜8回目:具体的な仮説にもとづく質問文の準備と発表。
    9回目〜11回目:プレテストの実施、および、その結果に関する発表。
    12回目〜13回目:分析指針(従属変数、独立変数、分析手法など)についての発表。
    14回目:調査実施のための準備事項(調査票の配布手順、回収手順など)に関する発表。
    15回目:調査実施場所の視察、および、全体のまとめ。
    教科書等 教科書、参考書などは、演習の進度に応じて適宜紹介する。
    教科書等 <教科書>
    岩井紀子・保田時男『調査データ分析の基礎演習』有斐閣

    成績評価方法 出席、演習への参加度、および、調査報告書執筆などにもとづいて、総合的に判断する
    学習相談 メールなども含めて、適宜相談に応じる
    その他 社会調査士科目(認定科目記号G)であり、社会調査士の要件としては、前期の社会学演習XI、後期の社会学演習XIIの両方を同一年度内に履修することが必要である。

    対象学生:社会調査士資格を取ろうとする学生に限る
    対象学年:社会調査士資格を取ろうとする3年生に限る
    教職(社会)(公民)
    社会調査士

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会学演習 X
    講義題目:大学生の環境・国際化・福祉・家族意識の構造
    教授安立 清史
    後期・通常

    月曜3限
    授業の概要  社会調査の一連の過程を、調査の準備段階から始めて調査報告書の作成まですべて学習する授業である。主に調査票にもとづく量的調査を行う。前期の社会学演習XIでは、アンケート調査票の作成と調査実施の作業に焦点を当てる。後期の社会学演習XIIでは調査実施後のデータ入力、集計、分析の作業に焦点を当てる。質問票の配布による調査の実施、データ収集は、前期の終盤に当大学の全学共通教育科目の授業中に、集合調査の形で実施する。九州大学の箱崎文系キャンパスには、約1,500人程度の学部1年生学生が存在する。このうち、文学部の一年生全数を調査対象母集団として全数調査を行う。また法学部、教育学部、経済学部などの学部一年生にも、適切な標本を何らかの無作為性を用いて抽出し、対照群として設定する。必要におうじて、二年生、三年生、四年生や大学院生にも、適切な標本を何らかの無作為性を用いて抽出し、対照群として設定する。分析手法としては、回帰分析、因子分析、分散分析を用いる。将来的に時系列分析を行うことも考慮し、継続的な調査を念頭におき、授業を行う。
     テーマは、現代大学生の環境・国際化・福祉・家族意識の構造である。NHK放送文化研究所が長年にわたって調査してきた「現代日本人の意識」調査の基本的な調査項目を一階部分として採用する。そして独自の二階部分として、現代の大学生が関心をもっている様々なテーマ(環境、国際化、福祉、家族など)のオリジナルな調査項目を設定する。この一階部分と二階部分とをあわせた調査票を設計し、現代の大学生がどのように、日本人一般と共通性と相違点をもっているのかを調べる。また、多変量解析をもちいて、意識の構造的な側面の解明にあたれるように調査設計する。具体的には、属性や学部、出身地や年齢、家族構成などによって、環境や福祉、国際化や家族についての意識や行動、がどのように変わるのかを、適切な規範意識を従属変数として設定し、個人属性などを独立変数として、独立変数が従属変数におよぼす影響を分析する。
     履修人数は例年20人弱なので、全体を4つのグループに分け、各グループが上記4つの場のいずれか1つを担当し、グループごとに作業し発表を行う。ただし、実際の調査においてはグループ同士の連携が当然必要になるので、各グループ内でリーダー、サブリーダー、プレテスト担当者などの役割分担を決め、各グループの役割分担者同士の連携によりグループ相互の連携を図る。このように履修者全体を、分析上の観点からと、作業に関する役割の観点からの2つの軸によるマトリックス組織として編成し、授業を運営する。
    学習目標 社会調査士資格を取得するための社会調査実習である
    (1) 全般的な教育目標:
    調査のテーマとしては、大学生の環境・国際化・福祉・家族意識の構造である。

    (2) 個別の学習目標:
    大学一年生の環境・国際化・福祉・家族意識を、二年生、三年生、四年生や大学院生と対比して、年齢や経験、性別や出身地などによって「環境・国際化・福祉・家族意識」に有意な違いがあるかどうかを調べる。また、NHKの実施している過去30年間の「現代日本人の意識」調査と比較することを通じて、現代の大学生と、日本人一般の共通点や相違点などを考察する。さらに、発見された問題については、大学生へのインタビュー調査など質的調査も併用して、さらに考察を深める。
    授業の進め方 全体で15回を想定している。主な構成は以下の通りである。
    1回目:グループごとに、アンケート調査データのチェックとクリーニング作業
    2回目〜3回目:グループ作業。アンケート調査データのエクセルへの入力作業とコーディング、変数名作成作業
    4回目〜6回目:グループ作業。エクセルデータのSPSSへの変換作業、単純集計、基礎統計量などの出力と確認作業
    7回目〜8回目:グループ作業。グループごとに、クロス集計の実施、因子分析、回帰分析などの多変量解析の実施
    9回目〜11回目:グループごとに、仮説の検証や多変量解析の結果などに関する発表。
    12回目〜13回目:グループ作業。分析結果の発表とグラフ化、報告書作成の分担、執筆者の決定など、報告書作成作業
    14回目:グループごとの分析結果の発表と検討
    15回目:報告書の概要の発表と、全体のまとめ。
    教科書等 教科書、参考書などは、演習の進度に応じて適宜紹介する。
    教科書等 <教科書>
    岩井紀子・保田時男『調査データ分析の基礎演習』有斐閣

    成績評価方法 出席、演習への参加度、および、調査報告書執筆などにもとづいて、総合的に判断する
    学習相談 メールなども含めて、適宜相談に応じる
    その他 社会調査士科目(認定科目記号G)であり、社会調査士の要件としては、前期の社会学演習XI、後期の社会学演習XIIの両方を同一年度内に履修することが必要である。

    対象学生:社会調査士資格を取ろうとする学生に限る
    対象学年:社会調査士資格を取ろうとする3年生に限る
    教職(社会)(公民)
    社会調査士

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    地域福祉社会学講義 I
    講義題目:
    福岡大学教授平田 暢
    後期・通常

    金曜3限
    授業の概要 1 講義の目的
      社会調査の目的について整理。講義全体の構成、既存の調査、参考文献などの紹介。
    2 調査研究の流れ
      調査研究の流れと社会調査の性格、実査の手順を紹介。
    3 社会調査の種類
      調査対象とデータの性格による分類、調査の進め方による分類、データ回収方法による分類などについて整理。
    4 社会理論と作業仮説(1)
      社会理論とは何か。記述と説明、独立変数と従属変数について説明。
    5 社会理論と作業仮説(2)
      因果関係が成立する条件、作業仮説の構成について説明。
    6 測定と尺度
      測定の概念、尺度の妥当性と信頼性について説明。
    7 調査票の作成
      調査票作成の手順と質問文の類型、コーディングと質問形式、ワーディングと回答の歪みについて整理。
    8 標本抽出(1)
      標本調査の位置づけと無作為抽出の考え方について紹介。
    9 標本抽出(2)
      標本抽出の具体的な方法について説明。
    10 比較分析による理論(仮説)の創出(1)
      理論(仮説)創出の方法としてのブール代数について説明
    11 比較分析による理論(仮説)の創出(2)
      ブール代数の使い方の説明と分析事例の紹介。
    12 調査データの整理(1)
      基本的な調査データ整理の方法、見方、帰無仮説と危険率(有意水準)について説明。
    13 調査データの整理(2)
      χ2検定の行い方、クロス表を用いた項目分析と尺度の作成について説明。
    14 調査データの整理(3)
      第3変数によるエラボレーションも含めた、クロス表を用いたさらなるデータの分析について説明。
    15 全体のまとめ
      講義全体のまとめと、社会調査における全体的な注意点の整理。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
     社会調査とは独立した技術ではなく、現実の(社会)現象を知る、理解する、あるいは研究するというという目的がある。社会調査とはその目的をいかにして達成するか、という大きな枠組みをもつものであることを理解してもらいたい。

    (2) 個別の学習目標:
     社会調査の目的を理解した上で、社会調査の種類やその特徴を学び、自分の問題意識を理論や仮説の形に整理し、検証する方法を身につけてもらう。
     具体的には、
      1)調査研究の流れと実査の手順
      2)社会調査の種類
      3)社会理論と作業仮説
      4)測定の概念と尺度
      5)調査票の作成
      6)標本抽出
      7)ブール代数を用いた比較分析による理論(仮説)の創出
      8)調査データ整理の方法、クロス表の使い方
    といったことを学んでいく。
    授業の進め方 講義形式(配付資料に沿って進めていく)
    教科書等 <教科書>
    特に指定しない

    <参考図書>
    大谷信介・木下栄二・後藤範章・小松洋・永野武,1999,『社会調査へのアプローチ』,ミネルヴァ書房.
    盛山和夫,2004,『社会調査入門』,有斐閣ブックス.
    高根正昭,1979,『創造の方法学』,講談社現代親書.
    Bohnstedt,G.W.& D.Knoke,1988,Statistics For Social Data Analysis,2nd.edt.,海野道郎・中村隆監訳,1990,『社会統計学−社会調査のためのデータ分析入門−』,ハーベスト社.
    原純輔・海野道郎,1984,『社会調査演習』,東京大学出版会.
    Ragin,C.C.1987,The Comparative Method,鹿又伸夫監訳,1993,『社会科学における比較研究−質的分析と計量的分析の統合に向けて−』,ミネルヴァ書房.
    佐藤郁哉,1992,『フィールドワーク−書を持って街へ出よう−』,新曜社.
    成績評価方法 学期末レポート
    学習相談
    その他 社会調査士科目

    対象学年:2年生以上
    教職(社会)(公民)
    社会調査士

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    地域福祉社会学講義 VIII
    講義題目:地域福祉社会学入門
    准教授高野 和良
    後期・通常

    金曜2限
    授業の概要  日本社会における家族の小規模化、少子高齢化といった人口構造の変化、社会移動の増大に伴う流動化などの実態を確認したうえで、人口減少社会である過疎地域の事例などを取り上げつつ、地域福祉に関する現状と課題を検討する。
     さらに、地域社会分析の基本的な考え方、方法などについても、具体的な事例を挙げながら説明することとしたい。
    学習目標  この講義の学習目標は次の通りである。
    (1) 全般的な教育目標:
     社会学、地域福祉社会学の基本的な概念、地域社会の分析方法などを習得する。

    (2) 個別の学習目標:
     農村社会学、家族社会学などの基本的な概念と方法を修得しつつ、地域社会における多様な福祉現象の現状と課題についての理解を深める。
    授業の進め方  およそ次のような順序で展開する。
     ・家族形態の変動
      日本社会における家族形態の変動の方向性とと家族機能の変化を示す。
     ・農村の変動
      農村分析の基礎的な概念を示す。
     ・過疎化の背景と現状
      過疎地域の現状と過疎対策の変遷をふまえ、過疎社会の直面する諸問題を示す。
     ・農村高齢化と福祉問題
      世帯の小規模化、生活圏の広域化といった構造変化と、福祉サービス利用の諸問題について西日本農村の事例に基づいて示す。
    教科書等 <教科書>
     開講時に指示する。

    <参考図書>
     開講時に指示する。
    成績評価方法  成績評価は出席15%、期末レポート85%で行う。
    学習相談  随時相談に応じる。
    その他 履修条件:2年生 3年生 4年生

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    地域福祉社会学演習 III
    講義題目:社会学的分析研究
    教授安立 清史
    前期・通常

    木曜4限
    授業の概要 社会学・地域福祉社会学専攻の学生が、社会学・地域福祉社会学とは何かを理解し、それを自分の調査研究テーマに応用できるような基礎能力を身につけることを目標とする。
    社会学とは何か、社会学的な分析とは何かを、社会学の専門的な論文を読むことを通じて学ぼう。
    日本社会学会の機関誌『社会学評論』に掲載された論文の中から、過去9年間に研究奨励賞を受賞した論文9編を選び、その論文を読むことを通して、社会学とはどのようなものであるかを学ぶ。先行研究のレビューとは何か、そして社会学のリサーチやフィールドワークはどのように行い、どのようなデータを集めて、社会学の理論やモデルをどのように使うのか。そして社会学的分析とはどのように行うのか、注や参考文献は、どのようにつけるのか、など、4年生になってから卒業論文作成に役立つように、いまから社会学の調査・研究そして論文の書き方を学んでいくことにする。
    学習目標 社会学とは何か、社会学の専門論文を読むことを通じて理解する
    (1) 全般的な教育目標:
    社会学および地域福祉社会学の理論と方法の基礎を習得する。

    (2) 個別の学習目標:
    自分の調査研究テーマの発見や形成。先行研究のレビュー。フィールドワークの仕方やプレゼンテーションの仕方を学ぶ。
    授業の進め方 日本社会学会の機関誌『社会学評論』に掲載された論文の中から、過去8年間に研究奨励賞を受賞した論文8編を選び、その論文を読む。
    8編を、2人で1編づつ担当して報告する。担当以外の人も必ず読んでくること。報告する前に、全員が読んできていることを前提に質疑応答を行う。その上で、報告者はレジュメを準備して、その論文の概要、特徴や当該論文の優れているところだけでなく、問題や課題、弱点なども指摘する。このようにして優れた社会学論文とは、どのようなものなのかを、学んでいく。
    教科書等 教材は、日本社会学会の機関誌『社会学評論』
    成績評価方法 出席点が50%、授業への参加度が30%、授業での報告と学期おわりのレポートが20%。
    学習相談 オフィスアワーは、木・金の12時〜13時の間とする。ただし必ずEメールあるいは電話にてアポイントメントをとること。
    その他 対象学生:専攻学生にかぎる
    対象学年:2,3,4年生
    履修条件:出席を重視する

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    地域福祉社会学演習 VII
    講義題目:地域福祉社会学入門
    准教授高野 和良
    前期・通常

    金曜4限
    授業の概要  人口減少、世帯の小規模化などによって、様々な生活課題、福祉課題が顕在化している。これらの課題解決のための手段として地域社会の機能に対する期待が高まりつつあるなかで、社会関係資本が注目されている。しかし、例えば社会関係資本と「まちづくり」との関係を検証した研究はそう多くはなく、概念のみが一人歩きしているように思われる。
     本演習では、社会関係資本に関する理論、調査研究に関する文献の購読を通じて、この概念の有効性を検討することとしたい。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    社会学、地域福祉社会学の理論、基本的な分析方法などを習得する。

    (2) 個別の学習目標:
    社会関係資本概念の理解と、応用可能性について理解する。また、社会参加活動、中間集団といった関連する基本的な概念についても理解する。
    授業の進め方 演習形式。
    教科書等 <教科書>
    開講時に指示する。

    <参考図書>
    随時指示する。
    成績評価方法 成績評価は出席、発表に基づいて総合的に行う。
    学習相談 随時相談に応じる。
    その他 特になし。

    対象学生:専攻学生に限る
    対象学年:2年生以上
    教職(社会)(公民)

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    地域福祉社会学演習 VIII
    講義題目:地域福祉社会学的分析の方法
    准教授高野 和良
    後期・通常

    木曜4限
    授業の概要  社会学、地域福祉社会学的に社会現象を分析するための基本的な概念と方法を理解する。
     最初の数回は、受講者自身の問題意識を整理し、その妥当性などについて検討する。その後、その問題意識に関して報告を行い、受講者全体で討議する形式で演習を展開する。討議の内容等をふまえ、各自でさらに分析を行い、学期末にはレポートの作成を行う。
    学習目標  この演習の学習目標は次の通りである。
    (1) 全般的な教育目標:
     社会学、地域福祉社会学の概念、基本的な分析方法などを理解し、実際にそれらを用いて社会現象に関する分析を行えるようになることを全般的な目標とする。

    (2) 個別の学習目標:
     ・社会学、地域福祉社会学の基本的な概念と方法を理解する。
     ・問題意識を明確化し、経験的な説明から理論的な説明が
    授業の進め方  毎回1〜2名程度の発表者が、各自の問題意識に基づいて報告を行い、受講者全員による質疑応答を行う。
    教科書等 <教科書>
     特になし。

    <参考図書>
     随時指示する。
    成績評価方法  成績評価は出席、報告内容に基づいて総合的に行う。
    学習相談  メールなども含めて随時相談に応じる。
    その他  特になし。

    対象学生: 専攻学生に限る
    対象学年: 2年生以上
    履修条件: 特になし。
    教職(社会)(公民)

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    社会学研究法演習 I
    講義題目:社会学研究法
    教授鈴木 譲
    前期・通常

    木曜5限
    授業の概要 卒業論文の執筆自体は、実際には後学期に始まる場合がほとんどであるが、前期の内に十分な準備をしておくことが必要である。卒業論文のテーマは各自の興味に応じて様々であるが、テーマ設定に応じて適切な方法論は何かをあらかじめ考えておくことが重要である。たとえば、分析を行う場合に質的な分析を中心とするのか、量的な分析を中心とするのか、また、分析のためのデータはどのようにして収集するのか、分析のための作業仮説はどのようなものを想定するのか、などである。各自の興味に応じてテーマを設定し、そのテーマにふさわしい方法論とは何かについて討議する形式をとる。
    学習目標 この授業の学習目標は、以下の通りである。
    (1) 全般的な教育目標:
    卒業論文の執筆に関連する社会学的方法論を学習することを全般的な目標とする。特に、各自のテーマ設定に応じた方法論を身につけることに焦点を置く。

    (2) 個別の学習目標:
    1.テーマの設定から始めて、仮説の設定、方法論の設定への展開を習得する。
    2.量的な分析と質的な分析とのバランスを習得する。
    3.データ収集の方法を習得すると同時に、その限界について理解する。
    授業の進め方 履修者各自が卒業論文のテーマにもとづいて準備した内容を発表し、それに関して討議する形式をとる。
    教科書等 <教科書>特になし。
    <参考図書>特になし。
    必要な文献、資料等については、適宜指示する。
    成績評価方法 成績評価は発表、および、レポートにもとづいて行う。
    学習相談 メールなども含めて適宜相談に応じる。
    その他 特になし

    対象学生:専攻学生に限る
    対象学年:4年生
    履修条件:卒業見込みであること

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    地域福祉社会学研究法演習 I
    講義題目:卒業研究・卒業論文の作成指導
    教授安立 清史
    前期・通常

    火曜5限
    授業の概要 卒業論文作成に必要な指導を行う。
    学習目標 卒業論文作成に向けた研究指導
    (1) 全般的な教育目標:
    論文作成に必要な社会調査、論文執筆の方法の習得

    (2) 個別の学習目標:
    論文の構成、記述、分析の方法を習得する。
    授業の進め方 安立研究室での集中的な指導を行う。
    教科書等
    成績評価方法 出席を重視する。
    学習相談 随時行う。Eメールによるアポイントメントを必要とする。
    その他 対象学生:社会学・地域福祉社会学専攻で卒論を作成する専攻学生に限る

    文学部
    人間科学コース
    社会学・地域福祉社会学 専攻
    専門科目 (2単位)
    地域福祉社会学研究法演習 II
    講義題目:地域福祉社会学研究法
    准教授高野 和良
    前期・通常

    金曜5限
    授業の概要  主として卒業論文執筆に必要な指導を行う。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
     卒業論文執筆に必要な地域福祉社会学的な方法論の習得を目標とする。

    (2) 個別の学習目標:
     履修者各自の問題意識の醸成を行うために必要な理論と方法を習得する。

     仮説設定、適切な検証方法の選択、社会調査法の理解などを習得する。
    授業の進め方  履修者各自の問題意識に基づいて順番に報告を行い、履修者全員で検討を行う形式とする。
    教科書等  必要に応じて適宜指示する。
    <教科書>
     特になし。

    <参考図書>
     各自の問題意識についての関連文献を随時紹介する。
    成績評価方法  出席および報告内容によって総合的に評価する。
    学習相談  随時相談に応じる。
    その他 対象学生: 4年生
    対象学年: 専攻学生に限る
    履修条件: 卒業見込みであること

    文学部
    人間科学コース

    コース共通科目 (2単位)
    社会学概論
    講義題目:社会学概論
    准教授高野 和良
    前期・通常

    木曜3限
    授業の概要  社会学を学ぼうとする学生に向けて、社会学の概論を講義する。
     社会学の基本的な概念、理論や方法について、学説史もあわせて講義する。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
     社会学、地域福祉社会学、家族社会学、都市・農村社会学の基本的概念、分析方法を習得する。

    (2) 個別の学習目標:
    授業の進め方  授業はおよそ次のような順序で展開する。
     ・社会学の対象と方法の概要
       デュルケム『自殺論』などを例に、実証科学としての社会学の展開を示す。
     ・社会学と社会問題
       逸脱行為とラベリングなどから社会学的な視点について説明する。
     ・現代社会と家族
       家族分析に必要な諸概念を説明する。
     ・地域社会の変動
       地域社会研究を概説し、地域社会の変化の状況を示す。
    教科書等 <教科書>
     特に指定しない。

    <参考図書>
     開講時に参考図書リストを配布する。
    成績評価方法  成績評価は出席15%、期末レポートもしくは試験85%で行う。
    学習相談 随時相談に応じる。
    その他 対象学年: 2年生 3年生 4年生
    教職(社会)(公民)

    文学部


    文学部コア科目 (2単位)
    哲学基礎
    講義題目:哲学基礎
    准教授
    准教授
    教授
    准教授
    講師
    教授
    准教授
    教授
    准教授
    教授
    教授
    准教授
    准教授
    岩田圭一
    倉田剛
    細川亮一
    宮島磨
    吉原雅子
    岡野潔
    片岡啓
    柴田篤
    南澤良彦
    後小路雅弘
    井手誠之輔
    京谷啓徳
    東口豊
    前期・通常

    月曜2限
    授業の概要 西洋哲学・倫理学・インド哲学史・中国哲学史・美学美術史を専門とする各教員が、それぞれの専門性を踏まえながら、各学問領域の基礎的な内容を平明で分かり易く講義する。教員が一人一回ずつ授業を担当する。なお、各教員の専門および授業日程は次の通り。
    4/11, 4/18 岩田圭一(西洋古代哲学)
    4/25,5/2 倉田剛(西洋近現代哲学)
    5/9 細川亮一(西洋近現代倫理思想)
    5/23 宮島磨(日本倫理思想史)
    5/30 吉原雅子(現代倫理思想)
    6/6 岡野潔 (インド仏教)
    6/13 片岡啓 (インド思想史)
    6/20 柴田篤 (中国近世思想史)
    6/27 南澤良彦 (中国古代中世思想史)
    7/4 後小路雅弘 (アジア近代現代美術史)
    7/11 井手誠之輔 (東洋美術史)
    7/25 京谷啓徳 (西洋美術史)
    8/1 東口豊 (美学、音楽学)
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    それぞれの学問領域の基礎的な内容を学ぶことによって、それぞれの学問の特色や独自性を理解するとともに、広い意味での哲学、すなわち、事柄をその根本から捉え、徹底的に考える姿勢の重要性を学ぶ。

    (2) 個別の学習目標:
    授業の進め方 講義形式で行なう。
    教科書等 教科書はないが、各教員が必要に応じて資料を配布する。参考図書も必要に応じて指示する。
    成績評価方法 出席50%レポート50%で評価する。したがって、毎回出欠を取る。またレポートは、全授業終了後に各教員が出す課題の中から一つを選んで提出することとする。レポート提出期限は第一期締切日。提出先は伊都の教務係。
    学習相談
    その他 教職(社会)(公民)

    文学部


    文学部コア科目 (2単位)
    歴史学基礎
    講義題目:
    准教授清水 和裕
    後期・通常

    月曜1限
    授業の概要 文学部歴史学コースに所属する各専攻の研究内容・研究法・重要論点などについて、紹介・解説する。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    歴史学コースの各専攻の研究内容・研究法・重要論点などについて基礎的な知識を身につける。

    (2) 個別の学習目標:
    各担当教員の掲げる講義テーマはそれぞれ独自の意図にもとづいている。各教員から発せられるメッセージを自ら理解する努力が求められる。
    授業の進め方 日本史学、東洋史学、朝鮮史学、考古学、西洋史学、イスラム文明学の教員が、それぞれ2回ずつ開講する。開講の日程は次の通り(題目は追って公開する)。
    第1回(10月3日) 教員全員オリエンテーション
    第2回(10月17日) 日本史学(佐伯):東アジアのなかの日本史T−外国人が見た中世日本−
    第3回(10月24日) 日本史学(岩ア):東アジアのなかの日本史U −近世大名の漢籍収集について−
    第4回(10月31日) 朝鮮史学(濱田):”朝鮮漬け”から”キムチ”へ−韓流の背景を考える−
    第5回(11月7日) 朝鮮史学(濱田):”変わる認識””変わらぬ認識”−古代史研究の世界から−
    第6回(11月14日) 東洋史学(川本):日中の歴史認識 1
    第7回(11月28日) 東洋史学(川本):日中の歴史認識 2
    第8回(12月5日) 考古学(辻田):考古学とはどのような学問か 1
    第9回(12月12日) 考古学(辻田):考古学とはどのような学問か 2
    第10回(12月19日) 西洋史学(神寳):異文化理解とドイツ国制史=統治体制史 1
    第11回(12月26日) 西洋史学(神寳):異文化理解とドイツ国制史=統治体制史 2
    第12回(1月16日) イスラム文明学(清水):イスラーム史から社会をみる
    第13回(1月23日) イスラム文明学(清水):イスラーム史から世界史を見る
    第14回(1月30日) 予備日
    第15回(2月6日) 予備日
    教科書等 必要な資料は授業中に配布ないし掲示する。
    成績評価方法 出席点30点(欠席4回までは30点、欠席5回以上は0点)
    期末筆記試験70点
    学習相談 全般的なことは今年度の世話役である清水和裕准教授が、個別の授業内容については各担当教員が、それぞれ授業終了後ないしはオフィスアワーで受け付ける。
    その他 文学部1年生の専門分野決定には文系基礎科目4単位が必修であり、歴史学基礎はその専攻決定の参考に資するように開講するものであることを重々承知されたい。
    対象学年:1年生

    対象学年:1年生
    教職(社会)(地理歴史)

    文学部


    文学部コア科目 (2単位)
    文学基礎
    講義題目:文学基礎
    教授
    准教授
    教授
    准教授
    教授
    准教授
    教授
    准教授
    准教授
    高山倫明
    青木博史
    辛島正雄
    静永健
    竹村則行
    高野泰志
    西岡宣明
    鵜飼信光
    高木信宏
    後期・通常

    月曜2限
    授業の概要 文学コース担当の各教員が、国語学・国文学,中国文学,独文学,英語学・英文学,仏文学それぞれの研究方法に関する基礎的知識を,リレー形式で講義する。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    各専門分野における入門的な知識と考え方について把握する。

    (2) 個別の学習目標:
    講義を通して,受講者各人が専門分野決定の指針を得ることを目標とする。
    授業の進め方 第1回〜第3回:国語学・国文学
    日本語と日本古典文学についての研究方法を紹介する。
    10月3日(高山)
    日本語音韻史の方法を紹介しつつ,平安時代京都方言の発音に迫る。
    10月17日(青木)
    文法的な観点から,言語変化の仕組みの一端について解説する。
    10月24日(辛島)
    くずし字の資料を用いて,日本古典文学の研究方法について講義する。

    第4回〜第6回:中国文学
    10月31日(静永)
    中国文学と日本
    11月7日,11月14日(竹村)
    中国文学史上屈指の名作数篇を取り上げ、作者・時代・梗概・特徴・影響等について解説する。

    第7回〜第9回:独文学
    11月28日,12月5日,12月12日(小黒)
    メールヒェンとは何か。もともとは小話の意味であった「メールヒェン」は、フランス啓蒙主義期の妖精物語がドイツに流れ込むと、1812年初版の『グリム童話』を範に、不特定多数の無名の民衆による伝承、「民衆メールヒェン」として新たに解さる。しかし、ことはそう単純ではない。ゲーテやロマン派の実作によって、特定の著名な個人による創作、「創作メールヒェン」とも解されたのだ。しかも、その間、民衆啓蒙運動からの影響、ナショナリズムの高揚、自然ポエジー論争などがある。本講義は、ドイツ文学入門を兼ねて、「メールヒェン」の成立と展開における複雑な背景を繙く。

    第10回〜第12回:英語学・英文学
    12月19日(高野)
    ヘミングウェイ作品を中心にして文学作品の読解を考える
    12月26日(西岡)
    英語の文法現象を取り上げ、構造的考察の重要性を考える。
    1月16日(鵜飼)
    エミリー・ブロンテ『嵐が丘』に描かれる意識と無意識の乖離について考える。

    第13回〜第15回:仏文学
    1月23日,1月30日,2月6日(高木)
    フランスの小説作品をとりあげ,研究方法を紹介する。
    教科書等 <教科書>
    授業中に資料を配付する。

    <参考図書>
    中国文学:『中国名文選』(興膳宏,岩波新書,2008)/『中国文学十二話』(奥野信太郎,NHKブックス,1968)/『中国の古典名著』(自由国民社,1992)/『わかりやすくおもしろい中国文学講義』(九州大学中国文学会,中国書店,2002)/東アジア地域間交流研究会編『から船往来―日本を育てた ひと・ふね・まち・こころ』(中国書店,2009)/静永健『漢籍伝来―白楽天の詩歌と日本』(勉誠出版,2010)
    成績評価方法 出席50%,レポート50%。毎時間出欠を確認し,欠席が3分の1を超えた場合は受講資格を失う。
    レポートの課題は,授業中に指示する。いずれも,2000字程度にまとめることが要求される。出された課題の中から1つを選び,貝塚地区事務部学生第一係に提出する。
    学習相談 講義終了後に相談を受け付ける。
    各教員のオフィスアワーについては,別途日時を確認のこと。
    その他 対象学年:1年生
    教職(国語)(英語)(ドイツ語)(中国語)(フランス語)

    文学部


    文学部コア科目 (2単位)
    人間科学基礎
    講義題目:人間科学の基礎
    教授坂本 勉
    前期・通常

    月曜1限
    授業の概要 人間科学に関わる以下のテーマについて、言語学・応用言語学、地理学、心理学、比較宗教学、社会学・地域福祉社会学の立場から解説を行う。

    言語学・応用言語学: 音や文法に関わる現象を例に、言語学的な言語の見方の一端を紹介する。

    地理学: 地理学的な考え方の基本的事項について紹介するとともに理解を深める。

    心理学: こころの科学である心理学を理解するために必要な基礎的な理論について学ぶ。

    比較宗教学: 宗教学・人類学・民俗学の基本的な世界のとらえ方について学ぶ。

    社会学・地域福祉社会学: 社会学とは何か、社会現象をどのように分析するか、などについて学ぶ。

    授業日程
    (オリエンテーション)
    1. 4月11日 全教員
    (言語学・応用言語学)
    2. 4月18日 坂本
    3. 4月25日 久保
    4. 5月2日  上山
    5. 5月9日 稲田
    (地理学)
    6. 5月23日 高木
    7. 5月30日 遠城
    (心理学)
    8. 6月6日 光藤
    9. 6月13日  中村
    10. 6月20日 三浦
    (比較宗教学)
    11. 6月27日 関
    12. 7月4日 飯島
    (社会学・地域福祉社会学)
    13. 7月11日 安立
    14. 7月25日 高野
    15. 8月1日 鈴木
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    人間科学というダイナミックな研究分野における学問の特徴を平易に解説することにより、これらの研究分野の特徴や研究の可能性を理解してもらう。

    (2) 個別の学習目標:
    言語学・応用言語学: 言語学が言語をどう分析するか、その一端を理解すること。

    地理学: 地理学が地域や場所をどのように位置づけ、分析しているのかについて、その一端を理解すること。

    心理学: こころを様々な方法で実証科学的に解明する心理学の基本的な考え方について理解すること。

    比較宗教学: 鳥の目と虫の目をあわせもつ。

    社会学・地域福祉社会学: 社会学的分析が、個人的感想や印象とどのように異なるかを理解すること。
    授業の進め方 言語学・応用言語学、地理学、心理学、比較宗教学、社会学・地域福祉社会学の教員が、それぞれ2〜3回の講義を担当し、リレー方式で授業を行なう。
    教科書等 <教科書>
    特になし。必要な資料は、担当教員が適宜配付する。

    <参考図書>
    担当教員が、授業中に適宜紹介する。
    成績評価方法 授業の初回時に必ずウエブシステムから履修登録をすること。学期末に提出するレポートにより評価を行う。レポートの題目は一覧表にまとめ学生第一係掲示板に掲示する。それらの題目の中からひとつを選んでレポートを作成すること。
    学習相談 詳細は各教員の授業で案内する。
    その他 対象学年:1年生
    教職(社会)(地理歴史)(公民)

    対象学年:1年生
    履修条件:特になし
    教職(社会)(地理歴史)(公民)

    文学部


    文学部コア科目 (2単位)
    人文学 I
    講義題目:東アジア世界の交流と変容
    准教授
    教授
    教授
    教授
    教授
    准教授
    教授
    教授
    准教授
    教授
    准教授
    教授
    教授
    森平雅彦
    宮本一夫
    川本芳昭
    濱田耕策
    佐伯弘次
    中島楽章
    高木彰彦
    竹村則行
    岩崎義則
    井手誠之輔
    南澤良彦
    高山倫明
    久保智之
    後期・通常

    水曜2限
    授業の概要 現代社会では地球規模のグローバル化が進み、人びとの活動範囲を規定してきた国家や人種・民族といった枠組みが相対化される一方、異なる文化・価値観をもつ人間どうしの摩擦もめだってきている。日本もまた過去の歴史に対する認識、国家間の権益対立、国境をこえたヒト・モノ・情報の動きをめぐり、身近な周辺地域との間でさまざまな課題をかかえている。わたしたちはいまあらためて、身近な「他者」について知り、「他者」との関係性のなかでの「自己」の位置をみつめなおすべき段階にきている。
    この授業では,日本とその身近な周辺地域をあわせた空間を便宜的に「東アジア」とよぶが,その見え方は視点・論点のとりかた次第でいかようにも変わってくる。しかし大切なのは,そのような見方の多様性を認識し、みずからも必要に応じて自由自在にさまざまな視点へシフトして物事を考える能力・姿勢である。
    このように柔軟で複眼的な「東アジア」へのアプローチは,アジアに開かれた九州大学の人文学において,主要な柱のひとつとなるものである。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    「東アジア」を理解する多様な視点・論点の存在を知り,日本をふくむその成り立ちを再認識する。

    (2) 個別の学習目標:
    現代の東アジアにおける国家・民族の区分やその差違を自明視することなく,それらが地域間の耐えざる交流と変容を通じて歴史的に形成されてきたきたことを理解する。
    授業の進め方 リレー講義の形式で進めていく。
    第1回:10月5日   全体ガイダンス
    第2回:10月12日  宮本
    第3回:10月19日  濱田
    第4回:10月26日  川本
    第5回:11月2日   森平
    第6回:11月9日   佐伯
    第7回:11月16日  中島
    第8回:11月30日  竹村
    第9回:12月7日   高木
    第10回:12月14日 岩崎
    第11回:12月21日 井手
    第12回:1月11日  南澤
    第13回:1月18日  高山
    第14回:1月25日  久保
    第15回:2月1日   予備日
    教科書等 下記の教科書を各自で購入すること。
    <教科書>
    森平雅彦・岩崎義則・高山倫明編『東アジア世界の交流と変容(九州大学文学部人文学入門1)』九州大学出版会,2011年

    <参考図書>
    各教員より適宜紹介する。
    成績評価方法 出席50%、レポート50%とする。毎回出席調査を行い、欠席4回以上の者は受講資格を失う。15分以上の遅刻は欠席とする.レポート課題は担当教員がそれぞれ提示するので、そのうち一つを選択すること。分量は2000 字以上。締切は第一期締切日。提出先は学生第一係。
    学習相談 各授業終了後、ならびに各教員のオフィスアワー。なお担当代表森平のメールはmorihira*lit.kyushu-u.ac.jp(*は@に直してください)
    その他 対象学年:2・3・4年生

    文学部


    文学部コア科目 (2単位)
    人文学 II
    講義題目:生と死の探求
    准教授片岡 啓
    後期・通常

    水曜2限
    授業の概要 生まれ、そして、死ぬ。外から見れば、一つの生命が誕生し、そしていずれ死にゆく、それだけの問題なのかもしれません。冷めた視線で見ればそうでしょう。しかし「生と死」は、そのような客観的な対象として問題なのでしょうか。時に「生と死」は、一人一人が孤独の中で対面する、逃げられない問題として襲いかかってくることがあります。「生老病死」「生死事大」、古今の聖賢が主体的にこの問題に取り組み、様々な見方を我々に残してくれています。文学部の教員は、この普遍的でしかも個人的なテーマにどう答えるのでしょうか。哲学者は何を問い、何を答えるのでしょう。文学において「生と死」はどのように提示されてきたのでしょうか。宗教はこの悩みを果たして解決してくれるのでしょうか。そして美術は「生と死」をどのように具象化してきたのでしょうか。文学部の哲学コース、歴史学コース、文学コース、人間科学コースから選りすぐられた精鋭講師陣がガイドとなって世界の時空を皆さんとともに巡ります。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    生と死に関する総合的知見を得る。

    (2) 個別の学習目標:
    生と死をめぐって人類が残してきた知的営為について多種多様な見方を吸収する。
    授業の進め方 教科書に基づいて、文学部教員がリレー形式で担当する。

    1. 10 月5 日  全員初回ガイダンス
    2. 10 月12日  円谷裕二 生と死の哲学
    3. 10 月19日  宮島 磨 親鸞における生死
    4. 10 月26日  片岡 啓 インド人が見た生と死
    5. 11 月 2日  柴田 篤 古代中国人の死生観 静永 健 竹取物語「月の顔見るは忌むこと」考
    6. 11 月 9日  後小路雅弘 描かれた死─アジア美術
    7. 11 月16日 京谷啓徳 キリスト教美術における死と生
    8. 11 月30日 辻田淳一郎 墓地と社会関係
    9. 12 月 7日  清水和裕 イスラーム社会における生と死
    10. 12 月14日 静永 健 竹取物語「月の顔見るは忌むこと」考 柴田 篤 古代中国人の死生観
    11. 12 月21日 鵜飼信光 ジョージ・マクドナルドの幻想と死生観
    12. 1 月11日  高野泰志 戦争と死
    13. 1 月18日  小黒康正 ドイツ文学におけるエロスとタナトス
    14. 1 月25日  関 一敏 生命の海へ
    15. 2 月1 日  飯嶋秀治 永遠のいのち
    教科書等  
    <教科書>
    第1回目の授業の際に配付する。

    <参考図書>
    各教員が適宜指示する。
    成績評価方法 出席50%、レポート50%とする。毎回出席調査を行い、欠席4回以上の者は受講資格を失う。15分以上の遅刻は欠席とする.レポート課題は担当教員がそれぞれに提出するので、そのうち一つを選択すること。分量は2000 字以上。締切は第一期締切日。提出先は学生第一係。
    学習相談 授業終了後、ならびに各教員のオフィスアワー。
    その他 対象学年:2年生以上

    文学部
    歴史学コース

    コース共通科目 (2単位)
    史学概論
    講義題目:歴史学入門
    教授神寳 秀夫
    後期・通常

    金曜3限
    授業の概要 (1)歴史学という学問的営みの特質、歴史学の対象とその範囲、歴史研究と叙述との関係、歴史研究における研究者の視角と因果関係定立との関連、歴史理論としての地理的環境論、時代区分論と文化相対主義などを骨子としながら、歴史学の発展に大きな足跡を残した研究の紹介と、現段階におけるその批判的摂取について議論を展開する。
    (2)第一次世界大戦と伝統的な近代歴史学への批判とがいかにして「新しい歴史学」――総称としての「社会史」――を生み出し、その後、この歴史学がいかなる展開を遂げてきたのかを講義する。
    (3)「社会史」台頭以前の歴史学の到達を重要な諸基本概念として提示し、今日の歴史学界が「社会史」から何を受容すべきかを考える。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    歴史学とはどういう学問かということを、一方では歴史学方法論の歴史として、他方では具体的な史料批判や歴史叙述の例示を通して理解することを目的とする。

    (2) 個別の学習目標:
    1)歴史学の枠組み、伝統的な近代歴史学と「新しい歴史学」との形成・相克を修得し、思考する。
    2)社会経済史、政治・法制史、文化史に関わる歴史学の基本概念を修得する。
    3)今日の学界において、「新しい歴史学」から何を受容すべきかを考える。
    授業の進め方 資料を配布し、講義する。
    教科書等 <教科書>
    特に指定しない。

    <参考図書>
    太田秀通『史学概論』學生社、1965年;セニョボス/ラングロア著、八本木浄訳『歴史学研究入門』校倉書房、1989年;竹岡敬温『『アナール』学派と社会史』同文館、1990年;二宮宏之『歴史学再考』日本エディタースクール出版部、1994年;神寶秀夫「新たな近世国制史の構築に向けて」『創文』 No.460,2003年;福井憲彦『歴史学入門』岩波書店、2008年など。
    成績評価方法 毎回出席が前提である。学期末に筆記試験を行ない、理解力、問題発見能力、探求力を評価する。
    学習相談 随時、相談に応じる。
    その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
    教職(社会)(地理歴史)

    文学部
    人間科学コース

    コース共通科目 (2単位)
    人間科学統計入門
    講義題目:統計解析の基礎
    新潟国際情報大学情報文化学部 准教授二瀬 由理
    前期・集中

    授業の概要 人間科学や社会科学などにおける量的データの基本的分析方法について概観する.実際の計算は,エクセルなどの表計算ソフトあるいは関数電卓等を用いて行う.なお,全体で15回を想定し,各回以下のような内容で行う.

    1.イントロダクション(講義の目的、内容などの説明):人間科学や社会科学における統計的手法の位置づけ。

    2.度数分布についての基本的説明:分布表とグラフの作成と読み取り方。

    3.代表値と散布度についての基本的説明:代表値の意味と種類について。散布度の概念について。

    4.代表値としての平均値と標準偏差:相加平均と相乗平均、およびその応用について。標準偏差の定義と意味。平均偏差との比較。

    5.相関関係と相関係数について:散布図と相関関係。正と負の相関。無相関の意味。

    6.確率概念についての基本的説明1:経験的確率。統計的確率などの例とそれらの比較。

    7.確率概念についての基本的説明2:離散的確率分布と連続的確率分布の比較。

    8.標本抽出について:標本のランダム性と代表値との比較。

    9.推測統計の基礎概念と統計的仮説検定について:母集団の設定と帰無仮説の棄却。

    10.クロス表とカイ二乗検定について:クロス表を用いた期待値の計算と独立性の検定。

    11.平均値の差の検定と適合度検定について:正規母集団、標本数が多い場合などの比較。

    12.実験計画と分散分析:分散分析に必要な知識の概要、及び実験計画と分析の対応などについて。

    13.クロス表における様々な指標について:順序属性、純粋属性の比較。属性相関係数の紹介。

    14.回帰分析の理論と実践上の注意について:偏相関係数、変数の統計的制御の概念。

    15.全体のまとめ:代表値、クロス表、相関係数、回帰分析、記述統計と推測統計などについて。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    統計学の基礎を習得し,基本的な概念と方法について正確な理解を得ることを全般的な目標とする.さらに,人間科学や社会科学などの諸分野において統計学を適切に用いることができるようになることを期待する.

    (2) 個別の学習目標:
    個別の目標は次のような点である.
    1.与えられた量的データに対して,適切な分析方法の選択を習得する.
    2.実際に表計算ソフトや関数電卓を用いて,代表値などの計算を行う技術を習得する.
    3.人間科学,社会科学の分析における計量分析の位置づけと,その限界とを理解する.
    授業の進め方 平均値,標準偏差などの代表値から説明を始め,実験や調査を行う際に必要となる平均値の差の検定やクロス表,相関係数,単純回帰分析など2変量を扱う多変量解析の説明も行う.時間に余裕があれば,3変数以上を扱う多変量解析についても紹介する.テーマごとに具体的な数値例を示し,実際に表計算ソフトや関数電卓を用いての計算の仕方を説明する.
    教科書等 特になし.必要な資料等は授業中に配布する.
    成績評価方法 成績評価は授業中に適宜行う確認テスト(20%),レポート(70%)にもとづいて行う.
    学習相談 メールなども含めて,随時相談に応じる.
    その他 社会調査士

    対象学年:「2年生 3年生 4年生」
    社会調査士

    文学部


    文学部コア科目 (1単位)
    古典語(ギリシア語) I
    講義題目:
    本務なし (高等教育開発推進センター非常勤講師等)國越 道貴
    前期・通常

    火曜2限
    授業の概要  この授業で学習するギリシア語は、紀元前4−5世紀のアッティカ方言を中心とする古典ギリシア語であり、アテネを中心とするギリシア文化盛期のギリシア語です。これはそれ以前のホメロスのギリシア語、またその後の『新約聖書』のギリシア語を学ぶためにも基本となります。
     
     かつて西洋人にとっての教育の主要内容は(ちょうど日本人にとって漢文がそうであったように)ギリシア・ラテンの古典でした。その教養は西洋人の著作に深く浸透しています。とりわけギリシア文化の影響は今日に至るまで直接的にも(ラテン語などを介し)間接的にも甚大であり、古代ギリシアの遺した文学・歴史・哲学などの著作は、専門家ばかりではなく、翻訳を通じて広く人々に読み継がれています。また現在では、古典文献サイト Perseus などインターネットを通じて、原文で古典を閲覧することが手軽にできるようになっています。是非、ギリシア語を学びましょう。

     授業で文法事項を説明しますので、各自短文の問題練習を通じて理解を定着させていきます。小テストを実施しますので、必要な変化・活用を暗記しましょう。文法学習と並行して、古代ギリシアの生活や文化がもりこまれた教材用ギリシア語(プリント配布)を読んでいきます。ギリシアの文化にも関心をもってくれることを期待します。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    基本的な文法事項を習得し、ギリシア語に慣れる。

    (2) 個別の学習目標:
    ・名詞・形容詞の基本的変化(第1・2変化)を習得する。
    ・動詞の直説法各態各時制の活用を習得する。
    ・ギリシア文学への理解を深める。
    授業の進め方 次のような仕方で、教科書に従い少しずつ文法事項を増やしていきます。

    1.文法事項の説明と練習
    2.教材講読(プリント)
    3.練習問題(自宅学習)
    4.小テスト(次回授業)
    5.練習問題解説(次回授業)

    小テストは、学習事項に関する暗記問題です。
    教科書等 <教科書>
    田中美知太郎・松平千秋『ギリシア語入門(改訂版)』岩波全書, 1962.
    九大生協に依頼していますので、履修者は購入してください(初回はこちらで用意します)。


    <参考図書>
    松本仁助・岡道男・中務哲郎編『ギリシア文学を学ぶ人のために』世界思想社, 1991.
    M. C. Howatson and Ian Chilvers eds., The Concise Oxford Companion to Classical Literature, Oxford, 1993.
    その他、授業で紹介します。
    成績評価方法 出席10%、練習問題など宿題の学習状況30%、小テスト20%、定期試験40% を目安に評価します。
    学習相談 授業の前後ほか、e-mail によって質問してください。e-mail アドレスは授業時で伝えます。
    その他

    文学部


    文学部コア科目 (1単位)
    古典語(ギリシア語) II
    講義題目:
    本務なし (高等教育開発推進センター非常勤講師等)國越 道貴
    後期・通常

    火曜2限
    授業の概要  この授業は「古典語(ギリシア語)T」の続講です。分詞や不定詞の構文、また関係詞や従属節の構文などを学びます。文法学習と並行して、引き続き、古代ギリシアの生活や文化がもりこまれた教材用ギリシア語(プリント配布)を読んでいきます。文学・歴史・哲学の古典から原文も少し読んでみる予定です。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    辞書を用いながら独力で古典ギリシア語文献を解読できるようになり、古典ギリシア語文献の演習などに参加できる基礎力を習得する。

    (2) 個別の学習目標:
    ・動詞の接続法・希求法活用を習得する。
    ・名詞・形容詞(第3変化)、分詞の変化を習得する。
    ・基本動詞の主要部分を習得する。
    ・古典の原文に慣れる。
    授業の進め方 次のような仕方で、教科書に従い少しずつ文法事項を増やしていきます。

    1.文法事項の説明と練習
    2.教材講読(プリント)
    3.練習問題(自宅学習)
    4.小テスト(次回授業)
    5.練習問題解説(次回授業)

    小テストは、学習事項に関する暗記問題です。
    教科書等 <教科書>
    田中美知太郎・松平千秋『ギリシア語入門(改訂版)』岩波全書, 1962.


    <参考図書>
    田中美知太郎・松平千秋『ギリシア語文法』岩波書店, 1968.(「第3部 文章法」は教科書とほぼ同程度の体系的整理として役立ちます。長く品切れですので、図書館で利用しましょう。)
    松本仁助・岡道男・中務哲郎編『ギリシア文学を学ぶ人のために』世界思想社, 1991.
    M. C. Howatson and Ian Chilvers eds., The Concise Oxford Companion to Classical Literature, Oxford, 1993.
    その他、授業で紹介します。
    成績評価方法 出席10%、練習問題など宿題の学習状況30%、小テスト20%、定期試験40% を目安に評価します。
    学習相談 授業の前後ほか、e-mail によって質問してください。e-mail アドレスは授業時で伝えます。
    その他 履修条件:「古典語(ギリシア語)T」履修済または同程度の者

    文学部


    文学部コア科目 (1単位)
    古典語(ラテン語) I
    講義題目:
    本務なし矢野 太一
    前期・通常

    火曜3限
    授業の概要 ラテン語は、ローマ共和国とローマ帝国の公用語だったので、その勢力の及んだ地域で広く用いられ、豊かな古代ラテン文学を花咲かせました。中世期に口語ラテン語がイタリア語・スペイン語・フランス語を始めとするロマンス語へと姿を変え、民族(言語)国家が成立したのちも、大学や教会の言語として存続し、20世紀初頭までは学位論文の多くはラテン語で書かれていました。したがって、ラテン語は古代から近世にわたるヨーロッパの文学、歴史、哲学等を学ぶものには必須であり、ラテン語なしにはこれらの分野においてその名に値する学問的研究はありえません。
    また、ラテン語の知識は、現代ヨーロッパ諸言語を専門とするものに、有益かつ必要でもあります。有益というのは、現代語の文法がより容易に理解されるからであり、必要であるというのは、単に現代語を巧みに操るだけなら、ヨーロッパでは大学的教養のないものととしかみなされないからです。
    さらに、ラテン語学習は、ヨーロッパの言語と文化の奥行きを学ぶことであり、ひいては日本の言語と文化の奥行きにたいする感性を磨くのにも役立ちます。したがって、いかなる分野の学生諸君にも有益です。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    ラテン語の文法の基礎を身につける。

    (2) 個別の学習目標:
    主に、名詞・形容詞の変化、動詞直接法の活用等を学ぶ。
    授業の進め方
    教科書等 <教科書>
    中山恒夫『標準ラテン文法』白水社1987年

    <参考図書>
    田中秀央『羅和辞典』研究社1952年
    その他、適宜授業中に案内する。
    成績評価方法 出席30パーセント、筆記試験70%。
    学習相談 時間が許せば、授業後も受け付けるが、メールでの相談も可。
    その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
    履修条件:なし

    文学部


    文学部コア科目 (1単位)
    古典語(ラテン語) II
    講義題目:
    本務なし矢野 太一
    後期・通常

    火曜3限
    授業の概要 ラテン語は、ローマ共和国とローマ帝国の公用語だったので、その勢力の及んだ地域で広く用いられ、豊かな古代ラテン文学を花咲かせました。中世期に口語ラテン語がイタリア語・スペイン語・フランス語を始めとするロマンス語へと姿を変え、民族(言語)国家が成立したのちも、大学や教会の言語として存続し、20世紀初頭までは学位論文の多くはラテン語で書かれていました。したがって、ラテン語は古代から近世にわたるヨーロッパの文学、歴史、哲学等を学ぶものには必須であり、ラテン語なしにはこれらの分野においてその名に値する学問的研究はありえません。
    また、ラテン語の知識は、現代ヨーロッパ諸言語を専門とするものに、有益かつ必要でもあります。有益というのは、現代語の文法がより容易に理解されるからであり、必要であるというのは、単に現代語を巧みに操るだけなら、ヨーロッパでは大学的教養のないものととしかみなされないからです。
    さらに、ラテン語学習は、ヨーロッパの言語と文化の奥行きを学ぶことであり、ひいては日本の言語と文化の奥行きにたいする感性を磨くのにも役立ちます。したがって、いかなる分野の学生諸君にも有益です。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    基礎的な文法事項の学習を仕上げ、ラテン文解読の基本能力を身に着ける。

    (2) 個別の学習目標:
    前期で学んだ動詞直説法につづいて接続法を学び、前期で読んだテキストより少し複雑な文を読解する力を身につける。そのため、実際に古代ないしは中世の著者の原典も講読する。
    授業の進め方 文法事項の解説、練習問題とその解説。
    原典購読。
    教科書等 <教科書>
    中山恒夫『標準ラテン文法』白水社1987年

    <参考図書>
    田中秀央『羅和辞典』研究社1952年
    その他、適宜授業中に案内する。
    成績評価方法 出席30%、筆記試験70%。
    学習相談 時間が許せば、授業後も受け付けるが、メールでの相談も可。
    その他 対象学年:2年生 3年生 4年生
    履修条件:なし

    文学部


    文学部コア科目 (1単位)
    古典語(サンスクリット) I
    講義題目:サンスクリット初級
    本務なし北野 新太郎
    前期・通常

    木曜5限
    授業の概要  言葉を知ることは、その国の文化を知るために必ずくぐらねばならない、入り口である。従って、古代インドの文学・哲学作品や神話、さらには医学や科学文献の読解には、サンスクリット語の学習は必須条件である。
     インドの宗教・思想・文学・科学・医学などに興味を持ち、それらの文献を原語で読んでみたいと思っている学生、あるいは、古典語としてのラテン語やギリシア語を学び、同じ印欧語に属するサンスクリット語への言語的な興味を持つ学生にとっては、知的興奮を味わえる内容である。
     さらに、ドイツ語やフランス語の文献を研究する学生にとっても、それらの言語とサンスクリット語との共通点を知ることは、今後の研究を進める上で決して無駄ではないと思われる。また、仏教語・仏教思想が日本文化に与えている影響は計り知れない。日本語・日本文学を研究する学生にとっても、かけがえのない学習機会を提供したいと考えている。
     なお、初級の段階では授業中はローマ字表記を用いるので、インド文字を覚えなくてよい。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    (1) 全般的な教育目標:
     初学者を対象として、サンスクリット語の文法を学ぶ。英語や日本語などの既知の言語とサンスクリットを比較しながら、サンスクリット語の特徴を知る。基本的な文法事項、単語を習得する。

    (2) 個別の学習目標:
    (2) 個別の学習目標:
     サンスクリット初級文法の学習は、次の文法事項習得を目標とする。
    1. 単語の内部・隣接する単語間で発生する音韻変化(整然とした音韻規則。)
    2. 名詞・形容詞の格語尾の変化(前置詞や助詞を用いず、単語自体が変化する。)
    3. 動詞の態・時制などに伴う人称語尾の変化(単数・複数の他に、両数の概念が存在する。)
    授業の進め方  授業は下記の教科書を使って進める。文法事項の解説と、練習問題(宿題)の答え合わせを繰り返すことにより、サンスクリット文法を習得する。
     授業の中でインド文化やインド人の思考方法を随時紹介し、単調な授業とならないように心がける。

    【授業進行表】(予定)
    [第 1回]イントロダクション、文字、数字
    [第 2回]音論(§§1.-20)、名詞・形容詞の変化[母音曲用](§§21-22)
    [第 3回][練習題T、U]の答え合わせ、名詞・形容詞の変化[母音曲用](§§23-26)
    [第 4回][練習題V、W]の答え合わせ、名詞・形容詞の変化[母音曲用](§§27-31)
    [第 5回][練習題X、Y]の答え合わせ、名詞・形容詞の変化[子音曲用](§§32-45)
    [第 6回][練習題Z、[]の答え合わせ、比較法・代名詞・数詞(§§46-56)
    [第 7回][練習題\、]、]T]の答え合わせ
    [第 8回]動詞の活用[現在語幹・第一種活用](§§57-61)
    [第 9回][練習題]U、]V]の答え合わせ、動詞の活用[第二種活用](§§62-70)
    [第10回][練習題]W、]X]の答え合わせ、動詞の活用[一般時制・未来・アオリスト・完了・受動態](§§71-96)
    [第11回][練習題]Y、]Z]の答え合わせ、動詞の活用[第二次活用動詞の語幹(使役動詞、意欲動詞など)、準動詞(現在分詞、動詞的形容詞、絶対詞など)(§§97-106)
    [第12回][練習題][、]\]の答え合わせ、複合法(動詞の複合・名詞の複合)(§§107-113)
    [第13回][練習題]]]の答え合わせ
    [第14回]まとめ
    [第15回]筆記試験
    教科書等 <教科書>
    J. ゴンダ『サンスクリット語初等文法』(鎧淳訳、春秋社)。
    <参考図書>
    辻直四郎『サンスクリット語文法』(岩波全書)
    ゴンダ文法よりも詳細な文法書である。インド哲学史専修の学生には必須であるが、それ以外の専修学生は購入する必要はない。
    成績評価方法 平常の予習実施状況(70%)、学期末の筆記試験(30%)により成績評価をする。
    学習相談 授業前後の空き時間、及び電子メールで受け付ける。アドレスは履修者に公開する。
    その他

    文学部


    文学部コア科目 (1単位)
    古典語(サンスクリット) II
    講義題目:サンスクリット語中級
    本務なし北野 新太郎
    後期・通常

    木曜5限
    授業の概要  サンスクリット語初級で身に着けた文法知識を元に、実際にインド文学の原典に当たり、習得した知識の定着を目指す。
     この授業では、インド古典叙事詩『マハーバーラタ』中の挿話、「ナラ王物語」を冒頭から読み進める。
     インド哲学史専修の学生にとっては、卒業論文作成に向けての基礎学力を養う場となる。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    (1) 全般的な教育目標:
     サンスクリット文学を原典から読み解くトレーニングを行うことにより、教科書末尾の解説や語彙集を駆使して独力で翻訳(和訳)が作成できるようになることを目標とする。
    (2) 個別の学習目標:
     具体的には、以下の事項を到達目標とする。
    1. サンスクリット語表記に用いられるデーヴァ・ナーガリー文字が正確に判読できる。
    2. 音韻変化の規則に基づき、連続して表記された文章から各単語を分割し、本来の語形に戻すことができる。
    3. 名詞・形容詞の性・数・格を判別できる。
    4. 動詞について、態・時制及び人称語尾を正確に判別できる。
    5. 動詞について、活用形を動詞語根に還元し、辞書を引くことができる。
    6. 分詞の用法、格語尾の用法などの文法事項を理解する。
    7. 複合語を正確に分解し、その種類を判別できる。

    (2) 個別の学習目標:
    (2) 個別の学習目標:
     具体的には、以下の事項を到達目標とする。
    1. サンスクリット語表記に用いられるデーヴァ・ナーガリー文字が正確に判読できる。
    2. 音韻変化の規則に基づき、連続して表記された文章から各単語を分割し、本来の語形に戻すことができる。
    3. 名詞・形容詞の性・数・格を判別できる。
    4. 動詞について、態・時制及び人称語尾を正確に判別できる。
    5. 動詞について、活用形を動詞語根に還元し、辞書を引くことができる。
    6. 分詞の用法、格語尾の用法などの文法事項を理解する。
    7. 複合語を正確に分解し、その種類を判別できる。
    授業の進め方 受講生はサンスクリット原典を予め読解し、翻訳を作成する。
    授業ではその翻訳を発表してもらい、より正確な翻訳の完成を目指す。
    教官は文法的解説・補足を行い、随時、文化的背景等を紹介する。

    【「ナラ王物語」のあらすじ(教科書抜粋部分のみ)】
    ヴィーラセーナ王の息子ナラ王は、ビーマ王の娘ダマヤンティー姫に恋焦がれ、いつしか結婚をしたいと願うようになる。ダマヤンティー姫もナラ王の噂を聞き、恋わずらいにかかる。姫の様子を見た父王は「婿選びの式」を行い、ナラ王との結婚を実現させようとする。「婿選びの式」に出たいと願う者はナラ王だけではなく、諸王、さらには神々達も同じであった。神々はその力を利用して、ナラ王を使いの者としてダマヤンティー姫の元へ派遣し、神々の中から婿を選ぶように伝えさせる。「婿選びの式」当日、神々はダマヤンティー姫から指名されようと、ナラ王とまったく同じ姿を取って邪魔をしようとする。ダマヤンティー姫は無事にナラ王を選ぶことが出来るのか。。。
    教科書等 <教科書>
    Charles Rockwell Lanman: A Sanskrit Reader, Text and Vocabulary and Notes, 1996(1884 1st), Delhi.
    <参考図書>
    J. S. Speijer: Sanskrit Syntax, Delhi 1998(1886 1st).
    William Dwight Whitney: Sanskrit Grammar, Delhi 1997(reprint of 1924, 1879 1st).
    成績評価方法 平常点
    学習相談 授業前後の空き時間、および電子メールで受け付けます。アドレスは履修者に公開します。
    その他 履修条件:サンスクリット語初級を履修した者。あるいは同等の学力を有する者。

    文学部


    文学部コア科目 (1単位)
    古典語(漢文) I
    講義題目:中庸章句を読む
    久留米工業高等専門学校 准教授小宮 厚
    前期・通常

    火曜2限
    授業の概要 『中庸章句』(朱熹註)を読む。
     「礼記」の一篇として伝えられてきた「中庸」は古くから学者に注目されて来た。儒家の経典でありながら、仏家にも「中庸」の解釈を著すものがあることなどから「中庸」の説く内容が一学派に局限されない普遍性を持つことが窺われる。そのために古くから表章されてきたのでもあるし、儒教の革新が起こってくる宋代になると「中庸」はいよいよ重要な経典の一として儒家に尊重されるようになる。そうしてここに、先儒の「中庸」に関する諸見解を「集大成して、ついに『中庸』を宋代の新儒学、いわゆる性理の学の中枢に定着させたのが朱熹である。」(赤塚忠「中庸解説」『大学 中庸』明治書院・新釈漢文大系)。
     朱子(朱熹)によって成った『中庸章句』は朱子「自ら再思参考するとともに益友の意見を徴して、しばしば改修し、二十数年の攻苦を経て、淳熙十六年(1189)に到って初めて序を冠して完成稿本とした。それが今に伝わっている『中庸章句』である。黄震は『晦庵(朱子の号)は命世特出の才をもって万世道統の託に任ず。平生の用力は尽く四書に在り。四書の帰宿は中庸に萃まる』(『黄氏日抄』巻之二十五)という。」(同)といはれるものである。
     また「漢の鄭玄以来の諸学者の説、とりわけ宋代の先儒の諸説を総合し、一言一句もおろそかにせず、緻密で洗練した注釈を施した」(同)といはれる書である。
      
     多少の煩雑さを感じるかもしれないが、上記の書に見られる漢文の格調高い理路を読んでいきたい。

     
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
     漢文訓読法を習得し、中国思想史に関する知識を深めることを目標にする。

    (2) 個別の学習目標:
     「中庸章句」を読むことで、漢文訓読の基礎を身に付ける。
    授業の進め方  講義形式だが、受講者に訓読・訳などを発表してもら。
    教科書等 <教科書>
     補註学庸章句( 簡野 道明 補註 明治書院 )

    <参考図書>
     大学・中庸(島田 虔次  朝日新聞社 中国古典選)
     大学・中庸(金谷 治 岩波書店 岩波文庫)
     大学・中庸(赤塚 忠 明治書院 新釈漢文大系2)
    成績評価方法  出席30%、試験70%
    学習相談  授業後の質問だけでなく、メールでの学習相談をうけつける。
    その他 教職(国語)

    文学部


    文学部コア科目 (1単位)
    古典語(漢文) II
    講義題目:中庸章句を読む
    久留米工業高等専門学校 准教授小宮 厚
    後期・通常

    火曜2限
    授業の概要 『中庸章句』(朱熹註)を読む。
     「礼記」の一篇として伝えられてきた「中庸」は古くから学者に注目されて来た。儒家の経典でありながら、仏家にも「中庸」の解釈を著すものがあることなどから「中庸」の説く内容が一学派に局限されない普遍性を持つことが窺われる。そのために古くから表章されてきたのでもあるし、儒教の革新が起こってくる宋代になると「中庸」はいよいよ重要な経典の一として儒家に尊重されるようになる。そうしてここに、先儒の「中庸」に関する諸見解を「集大成して、ついに『中庸』を宋代の新儒学、いわゆる性理の学の中枢に定着させたのが朱熹である。」(赤塚忠「中庸解説」『大学 中庸』明治書院・新釈漢文大系)。
     朱子(朱熹)によって成った『中庸章句』は朱子「自ら再思参考するとともに益友の意見を徴して、しばしば改修し、二十数年の攻苦を経て、淳熙十六年(1189)に到って初めて序を冠して完成稿本とした。それが今に伝わっている『中庸章句』である。黄震は『晦庵(朱子の号)は命世特出の才をもって万世道統の託に任ず。平生の用力は尽く四書に在り。四書の帰宿は中庸に萃まる』(『黄氏日抄』巻之二十五)という。」(同)といはれるものである。
     また「漢の鄭玄以来の諸学者の説、とりわけ宋代の先儒の諸説を総合し、一言一句もおろそかにせず、緻密で洗練した注釈を施した」(同)といはれる書である。
      
     多少の煩雑さを感じるかもしれないが、上記の書に見られる漢文の格調高い理路を読んでいきたい。

     
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    漢文訓読法を習得し、中国思想史に関する知識を深めることを目標にする。

    (2) 個別の学習目標:
    「中庸章句」を読むことで、漢文訓読の基礎を身に付ける。
    授業の進め方 講義形式だが、受講者に訓読・訳などを発表してもら。
    教科書等 <教科書>
     補註学庸章句( 簡野 道明 補註 明治書院 )

    <参考図書>
     大学・中庸(島田 虔次  朝日新聞社 中国古典選)
     大学・中庸(金谷 治 岩波書店 岩波文庫)
     大学・中庸(赤塚 忠 明治書院 新釈漢文大系2)
    成績評価方法 出席30%、試験70%
    学習相談  授業後の質問だけでなく、メールでの学習相談をうけつける
    その他 教職(国語)

    文学部


    共通科目 (2単位)
    西洋古典学講義 IV
    講義題目:フランスルネサンス研究―古典文芸はいかに受容されたか
    大阪大学大学院言語文化研究科 教授岩根 久
    後期・集中

    授業の概要 西洋古典文学の伝統はヨーロッパ中世を通じて脈々と保たれてきたが、ユマニスム(神を中心に据える中世以来の思想と対峙する人間中心の思想:人文主義)の発展および印刷術の発明により、16世紀フランスにおいて新たな展開を見た。こうしたフランスにおける古典文学の受容と独自の展開を文学史的な見地から考察する。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    西洋古典文学およびルネサンス期ヨーロッパにおけるその受容についての理解を深める。

    (2) 個別の学習目標:
    16世紀フランスにおける古典文学の受容の実態を具体的に探る。
    授業の進め方 ヨーロッパにおけるルネサンスの持つ歴史的な意味を考察したのち、当時のフランスでいかなる形で古典文学が受容されたかを論じる。
    教科書等 <教科書>
    プリントを配布する。

    <参考図書>
    関連資料等については授業中に適宜指示する。
    成績評価方法 平常点およびレポートで評価。
    学習相談 開講時に指示する。
    その他 11月7日(月)〜11月10日(木)

    文学部


    学芸員に関する科目 (2単位)
    博物館概論
    講義題目:これからの博物館を考える
    九州国立博物館 文化交流展室長河野 一隆
    前期・通常

    木曜1限
    授業の概要  今、博物館は大きな転換期に立っている。何十万人もが殺到する超大型の特別展に光が当たる一方で、地域の歴史や文化の普及啓発の役割を担ってきた博物館・資料館が経営的な危機に陥り、閉館の危機に瀕している。博物館の前身である東京上野の湯島聖堂博覧会(明治5(1872)年)から約1世紀半、日本の博物館を取り巻く社会的な状況は、今までに類がないほどの複雑かつ困難な問題の解決に迫られていると言って過言ではない。本講義では、博物館が歩んできた歴史と現状を実例を挙げて紹介しつつ、その中からいくつかのさまざまな現代的課題を抽出する。たとえば、「博物館の目的は研究か、ビジネスか」、「展覧会(展示)の満足度は量的基準ではかれるか」、「博物館展示は実物か、バーチャルか」など、かつての「博物館のイメージ」とは、一見かけはなれた問題提起をしながら、博物館の将来像を拓くための可能性について受講者と一緒に考えていくことにしたい。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
     単に博物館の概説を聴講するだけでなく(それは既に不要であろうから)、博物館をリベラルな立場から俯瞰できるような見方、考え方を身に付けてもらいたい。博物館学芸員にとって個別の学術分野の専門的知識が必要なことは言うまでもないが、それだけでは喫緊の現代的課題を解決することはできない、という自己認識を出発点にして、博物館の社会的使命とは何かを問いかけてみたい。

    (2) 個別の学習目標:
     博物館の概説的な知識だけでなく、博物館を自発的・積極的に訪問し、各自の学術専門領域に照らし合わせて、問題意識を持って展示や館の活動を評価できるような知識基盤を身に付けたい。自分だったらどのような博物館を設計するか、どのような展覧会が自己表現に最適であるか、などの「博物館を考える」視点をもって積極的に授業参加をしてもらいたい。
    授業の進め方  授業では、現代社会の諸問題を踏まえて博物館の課題を設定し、それを実例紹介や意見交換等の方法を交えて受講者と共に考えながら、将来の博物館の可能性を導き出すような授業にしたい。また、単に授業に出席・聴講するだけでなく、各自、自発的、積極的に展覧会や博物館を訪れて問題意識を触発し、考える体験をしてほしい。
    教科書等
    成績評価方法 博物館・展覧会の実地取材を踏まえて、現代社会と関わりを持った課題を見出し、考察を加えたレポートを提出していただきたい。
    学習相談 メールでの質問や、当館を訪れての相談も歓迎します。
    その他 学芸員

    文学部


    学芸員に関する科目 (1単位)
    博物館経営論
    講義題目:
    本務なし(元北九州市立自然史・歴史博物館参事)藤丸 詔八郎
    前期・隔週

    火曜2限
    授業の概要 近年、社会の情勢は高齢化、情報化、国際化へと向かっている。近年、所得水準の向上や自由時間の増大に伴い、精神的、文化的な豊さを求めて学習する人々が著しく増加した。また、学校週5日制が定着し、地域活動への期待がさらに高まっている。こういった社会情勢の変化にともない地域における生涯学習事業推進の中核的な拠点として博物館施設の果たす役割がクローズアップされてきた。一方、行政全般の効率化をはかる動きもある。とくに、最近、地方自治法が改正され、公共施設の経営にNPOや民間事業者が参入できるようになり、また、博物館法が一部改正され、博物館経営へ評価制度が導入されるなど、博物館施設のあり方も大きく変わろうとしている。
    講義では、全国に数多くある博物館・美術館施設のなかでもとくに歴史系博物館を中心にその現状や課題を取り上げて、博物館に勤務してきた私自身の経験等も参考にしながら、博物館経営のあり方や博物館を評価する視点などを検討し、博物館の将来像を描いてみたい。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    博物館施設の現状や課題について分析を加えながら、博物館経営のあり方や博物館を評価する視点などを説明し、学芸員としての認識度を深めたい。

    (2) 個別の学習目標:
    1なぜ、博物館経営なのか、また、博物館を経営するとはどういうことなのか
    2博物館施設を評価する視点について
    3博物館施設の現状と課題について
    4公立博物館施設と指定管理者制度の課題について
    主に上記4項目について学習し、理解を深めたい。
          
    授業の進め方 授業はパワーポイントを使用して進めるが、必要に応じてプリントを配布する。
    教科書等 <教科書>
    別にテキストは使用しない。

    成績評価方法 出席状況と試験で評価する。(出席状況6割、試験4割を目安とする)
    学習相談
    その他 授業に積極的に出席すること。

    学芸員

    文学部


    学芸員に関する科目 (2単位)
    博物館資料論
    講義題目:
    総合研究博物館 教授岩永 省三
    後期・通常

    水曜5限
    授業の概要  博物館資料は博物館が行う様々な活動、すなわち収集・保存・展示・調査研究の基本となるものである。したがって博物館学芸員は、博物館資料について十分な知識を持たねばならない。
     本講義では、博物館資料の@概念と分類、A収集・製作、B整理・登録、C保存・保管、D修復、F展示・公開・活用等に関する基礎的理論や方法について概説する。
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    博物館資料にいかに情報を取り込み、また資料からからいかに情報を取り出し、調査研究を行い、その成果を展示として公開するのか、その連関について学ぶ。

    (2) 個別の学習目標:
    博物館学芸員として博物館資料を取り扱う際に求められる多種多様な知識や技術について、初歩的・基礎的な事項を習得する。それらは机上の学習のみでは不十分であり、授業中に紹介する各地・各種の博物館を目的意識を持って訪問し、現場からの情報と照合しながら学習してほしい。
    授業の進め方 講義形式で進めるが、大学内に博物館があるので、現場の見学を行い、博物館の表と裏の実情とそこでの活動について実感してもらう機会を設けたい。
    教科書等 特に用いないが、参考図書は適宜紹介する。
    成績評価方法 学期末に筆記試験を行う。
    学習相談 随時相談に応じるが、教員は通常、大学博物館にいるので、研究室を訪問してもらえば、現場で実物を示しながら対応する。
    その他 履修条件:特になし。
    学芸員

    文学部


    学芸員に関する科目 (1単位)
    博物館情報論
    講義題目:博物館情報論
    北九州市立自然史・歴史博物館 歴史課長松井 和幸
    前期・集中

    授業の概要 1博物館情報論
     A博物館における情報の位置
     B情報活動の重要性
     C情報技術のインパクト
    2博物館活動と情報の諸相
     Aコレクション・ドキュメンテーション(資料の記録をとる行為)
     B博物館附属図書館
     C展示活動と情報
     D教育普及活動と情報
     E調査・研究活動と情報
     F他機関との相互協力活動と情報
    3博物館における情報の種類
     A一次情報と二次情報
     Bフロー情報とストック情報
     C公開情報と非公開情報
    4今後の課題
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    実際の博物館が抱える問題点などに関して、実践的に把握する。

    (2) 個別の学習目標:
    授業の進め方
    教科書等
    成績評価方法 出席50%、レポート50%
    学習相談
    その他 6月11日(土)、12日(日)

    学芸員

    文学部


    学芸員に関する科目 (1単位)
    視聴覚教育メディア論
    講義題目:博物館とマルチメディア
    北九州市立自然史・歴史博物館 歴史課長松井 和幸
    前期・集中

    授業の概要 1博物館とマルチメディア
     Aマルチメディアとは何か?
     B博物館のマルチメディアにはどんなものがあるのか?
     Cマルチメディアの企画、制作、運用
     Dマルチメディアの対策
    2博物館資料のデーターベース化と活用
     A博物館の資料と情報
     Bなぜデーターベース化が必要か
     Cデーターベース構築のプロセス
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    実際の博物館施設の抱える問題点も含め、より実践的に博物館、視聴覚施設を把握する。

    (2) 個別の学習目標:
    授業の進め方
    教科書等
    成績評価方法 出席50%、レポート50%
    学習相談
    その他 7月2日(土)、3日(日)

    学芸員

    文学部


    教職に関する科目 (2単位)
    情報機器操作入門
    講義題目:
    福岡大学人文学部 教授佐藤 基治
    前期・通常

    水曜3限
    授業の概要 情報機器の基本操作、よく使用されるソフトウェアの基本について学ぶ。
    1. イントロダクション
    2. 情報機器の基本操作
    3. 文字の入力
    4. 特殊な文字の入力
    5. 文章作成ソフトの基礎(1)
    6. 文章作成ソフトの基礎(2)
    7. 文章作成ソフトの応用
    8. プレゼンテーションソフトの基礎(1)
    9. プレゼンテーションソフトの基礎(2)
    10. プレゼンテーションソフトの応用
    11. 表計算ソフトの基礎(1)
    12. 表計算ソフトの基礎(2)
    13. 表計算ソフトの応用
    14. データベースの利用
    15. まとめ

    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    情報機器に関する基礎的知識と使用方法を身につける。

    (2) 個別の学習目標:
    情報機器の基本的操作ができるようになる。
    文書作成ソフトで専門領域のレポートを作れるようになる。
    プレゼンテーションソフトを使った発表ができるようになる。
    表計算ソフトで関数を使用したり、美しい図表を作れるようになる。
    授業の進め方 各授業の前半は講義(担当者による説明)、後半は実習(課題の遂行)、授業終了時に結果を提出。
    教科書等 特になし。必要な資料等は授業中に配布する。
    成績評価方法 授業中に指示する課題によって評価する。
    学習相談 Eメールで質問や相談を受け付ける(最初の授業でメールアドレスをお知らせする)。
    その他 対象学年:2年生 3年生 4年生

    文学部


    教職に関する科目 (2単位)
    総合演習(歴史学の方法)
    講義題目:九州の歴史家・歴史学者のひとと業績
    教授濱田 耕策
    前期・通常

    月曜4限
    授業の概要 ○E・Hカーは『歴史とは何か』(清水幾太郎訳。岩波書店、1962年、1刷り)の「まず歴史家を研究せよ」の節のなかで、「歴史の書物を読む時は、歴史家の頭の中のざわめきに耳を傾けた方がよろしい」と言っている。また、「歴史家を研究する前に、歴史家の歴史的および社会的環境を研究してください」とも言っている。
    ○学生が歴史に関心をもって、歴史を考察する素材は書籍から得る知識のほかに、身近にもしっかりとあるのではないか。そこで、九州に縁のある歴史家・歴史研究者をここでは取り上げたい。先学が日本近代史のなかで、どのように歴史に向き合い、歴史をつかみ取って、評価したのか、そのことを人を通して理解しよう。
    ○九州の文化と風土は多様である。この九州を背景として、育ち、或いは生活し、広い範囲で歴史学および歴史に正面から取り組んだ歴史家・歴史研究者たち、例えば、沖縄では伊波普猷、東恩納寛惇、宮城栄昌、鹿児島では重野安繹、長崎では黒板勝美、橋本増吉、浦廉一、佐賀では久米邦武、熊本では徳富蘇峰・狩野直喜・高群逸枝、石牟礼道子、大分では小野武夫、羽原又吉、また長く九州大学の教壇に立ち、教育と研究に大きな業績をあげ、後進に影響を与えた研究者では、日本史学の竹岡勝也、長沼賢海、竹内理三、東洋史学では日野開三郎、越智重明、考古学では鏡山猛、岡崎敬や中山平次郎、古野清人等の名前が浮かんでくる。この先人の人と業績について社会と研究史を背景として基礎的な考察を行ない、歴史および歴史学への関心を培う。
    ○時間が取れれば、歴史学関連施設(文書館、博物館)の仕事を見学します。 
    学習目標 (1) 全般的な教育目標:
    「歴史」は身近にも発見できる糸口があることを学びます。

    (2) 個別の学習目標:
    歴史家・歴史研究者とはどのように社会に関わり、研成果をあげてきたのか、その研究と生き方を学びます。
    授業の進め方 複数人で歴史家・研究者の一人を担当して、報告し、討論に移ります。
    教科書等 <参考図書>
    @E・Hカーは『歴史とは何か』(清水幾太郎訳。岩波書店、1962年)
    A永原慶二、鹿野政直編著『日本の歴史家』岩波書店、1976年>
    B江上波夫『東洋学の系譜』大修館書店、1992年
    C江上波夫『東洋学の系譜』第2集、大修館書店、1994年
    D今谷 明ほか『20世紀の歴史家たち』日本編(上・下・続)刀水書房、1997、1999、2006年
    E日本歴史学会編『日本史研究者辞典』吉川弘文館、1999年
    F永原慶二『20世紀日本の歴史学』吉川弘文館、2003年
    成績評価方法 出席20%,報告30%、レポート50%で評価します。
    学習相談 オフィスアワ−を利用して下さい。
    その他 対象学年:3年生 4年生
    履修条件:特段の履修条件はありません。
    教職(国語)(社会)(地理歴史)(公民)(英語)(ドイツ語)(中国語)(フランス語)