大学院入学希望者へ
教員からのメッセージ
九大・イスラム文明史学専修へようこそ
発足以来、学界の最前線で活躍する人を生み出すべく、蔵書の充実、我が国でも第一線の研究者の招聘に努力してきました。現在では「九大にイスラム文明史学あり」との高い評価を受けるようになり、他大学出身者の受験も増えています。熱意あふれる人は大歓迎で、ここ数年他大学から入学者される方があるのは、心強い限りです。一緒に研究室を盛り立てていきましょう。
さて、せっかく出願しても、論文が評価されずに、不本意な結果に終わる例がまま見受けられます。そこで、当専修では、どのようなレベルの論文を要求しているかについて簡単に触れておきましょう。
論文とは、一次史料を使って、いままで研究されなかったことを明らかにするか、従来の説をただすものをいいます。誰かの書いたものを要約するのは、単なるレポートです。史料は何語のものを使ってもいいのですが、要は、少しでも自分で発見したことを付け加えることが肝腎です。
いいかえれば、
(1)今まで誰かが明らかにしたこと
(2)史料から読みとったこと
(3)自分で分析したり考えたこと
これらがはっきりと区別できるように書いてあるのが、よい論文です。『イスラム世界』や『オリエント』に九大の院生が発表している論文は、みな卒業論文を要約したり書き直したものですから、これを参考にしてみてください。
博士課程編入学を希望される方は、学会誌に掲載できるような修士論文を書いてください。入学後は博士論文が書けるよう、日頃から心がけておいてください。福岡にイスラム研究の梁山泊を作りましょう。皆さんの力をかしてください。
(清水宏祐元教授)