人文科学府 言語・文学専攻 西洋文学 分野
独文学 専修
専修科目 (単位数 1)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
ドイツ現代文学批評特論 IA
German Contemporary Literary Criticism (Specialized Lecture I)A
講義題目  ドイツにおける「想起の文化」とポストコロニアル文学
本務なし 副島 美由紀
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2024 前期
集中
伊都イーストゾーン 教室
M/J科目 (日本語, German)
更新情報 : 2024/3/13 (15:27)
授業の概要 1990年の東西ドイツ統一以降、ドイツでもポストコロニアリズム理論が消化されるようになり、かつてホロコーストの日陰にあって忘却されていた植民地支配の記憶が活性化されるようになった。同時にドイツ語によるポストコロニアル文学のジャンルも誕生する。この授業は、現代史の動きを背景にした文学の動向を把握しながら、ドイツ語圏のポストコロニアル小説を読んで理解することを目的としている。また、ドイツにおけるポストコロニアリズムと「想起の文化」との関連についても考察する。その際、「人種」、「空間」、「他者」、「世界文学」といった概念についても理解を深めるアプローチを試みたい。時間の節約のため、下の3つの概念、加えて日本語訳のある下の作品のうちのどれかを事前に検索して内容チェックをしておくようお願いしたい。
概念: 「リングイスティック・ターン」、「カルチュラル・ターン」、「オリエンタリズム」
作品:   『世界の測量』(D.ケールマン著、三修社、2008)
      『アフリカで一番美しい船』(A.カピュ著、武田ランダムハウスジャパン、2008)
      『緩慢の発見』(S.ナドルニー著、白水社、2013)
      『世界収集家』(I.トロヤノフ著、早川書房、2015)
      『彼女はマリウポリからやってきた』(N.ヴォーディン著、白水社、2022)

授業は、講義と文献読解(独文和訳や資料読解)、ディスカッションを組み合わせて行う。

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キーワード : 現代ドイツ文学、ポストコロニアリズム、世界文学、オリエンタリズム、想起の文化、歴史家論争
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 : 中級程度のドイツ語読解力
特記事項 7月8日(月) 2、3、4限 
7月9日(火) 2、3、4限
7月10日(水) 2、3、4限
7月11日(木) 2、3、4限
7月12日(金) 3、4、5限 
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
G_A-1 [修士:人文学と現代文化の理解]
人文学の知識をもとに、現代文化のあり方とそれへの多様なアプローチを説明できる。
授業概要に即した人文学と現代文化が良く理解出来ている。 授業概要に即した人文学と現代文化が理解出来ている。 授業概要に即した人文学と現代文化がまずまず理解出来ている。 授業概要に即した人文学と現代文化の理解に一層努力が必要である。
G_A-2 [修士:専修分野の知識と理解]
当該分野における研究史と方法論を説明できる。
授業概要に即した専修分野を良く理解している。 授業概要に即した専修分野を理解している。 授業概要に即した専修分野をまずまず理解している。 授業概要に即した専修分野の理解に努力が必要である。
G_A-2 [修士:専修分野の知識と理解]
当該分野における研究史と方法論を説明できる。
G_B-1-2a [修士:文献の読解力]
過去に蓄積された重要な文献、とりわけ古典を厳密かつ精確に読解し、先行研究を踏まえつつ批判的に考察することができる。
日本語およびドイツ語の文献読解が良く出来ている。 日本語およびドイツ語の文献読解が出来ている。 日本語およびドイツ語の文献読がまずまず理解出来ている。 日本語およびドイツ語の文献読理解において努力が必要である。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 講義と資料読解(ドイツ語または日本語)、ディスカッションを組み合わせて授業を行います。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : プリントとスライド資料を用いて授業を進めます。
参考書 : エドワード・W.サイード『オリエンタリズム 上・下』 (平凡社、1993)
ガヤトリ・C・スピヴァク『サバルタンは語ることができるか』(みすず書房、 1998年)
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 導入、3つの“転回”(言語論的転回・文化論的転回・空間論的転回)とオリエンタリズム 資料読解
2 ドイツ語圏の“空間移動”に関わる文学の紹介  資料読解
3 ドイツのポストコロニアリズムとポストコロニアル文学 資料読解
4 新しい「アフリカニズム」、『Morenga』(Uwe Timm著)読解  資料読解
5 『Morenga』(Uwe Timm著)読解 資料読解
6 ポストコロニアリズムにおける 「他者」と「サバルタン」 資料読解
7 『Der einzige Ort』(Thomas Stangl 著)読解 資料読解
8 『Der einzige Ort』(Thomas Stangl 著)読解 資料読解
9 新しい「オセアニズム」 資料読解
10 『Imperium』(Christian Kracht 著)読解 資料読解
11 ドイツ現代文学における新しい「世界文学(?)」 資料読解
12 近代中国におけるドイツの存在(「義和団の乱」と膠州湾租借地) 資料読解
13 『Der Gott der Barbaren』(Stephan Thome著) 読解 資料読解
14 ドイツの「想起の文化」と「歴史家論争2.0」 資料読解
15 まとめ 資料読解

成績評価
観点→
成績評価方法
G_A-1
[修士:人文学と現代文化の理解]
G_A-2
[修士:専修分野の知識と理解]
G_A-2
[修士:専修分野の知識と理解]
G_B-1-2a
[修士:文献の読解力]
備考(欠格条件、割合等)
授業への貢献度 70%
レポート 30%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって : 配布された資料(ドイツ語、日本語)を、毎回一定量読んできてもらう。参考文献にも目を通すことが望ましい。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)