スタッフ紹介

高野 和良

主な内容

高齢化する地域社会の現状分析と、そうした状況のなかで必要とされる社会システムのあり方を、高齢者の社会参加活動に注目して調査研究している。全国的にみても高齢化と世帯の極小化が進行する西日本過疎農村をフィールドとし、そこで生活する人々の意識と行動を総合的に捉えるために社会調査を重ねてきた。

経歴

1963(昭和38)年生まれ。九州大学文学部哲学科卒業。社会保障研究所(現、国立社会保障・人口問題研究所)を経て山口県立大学から2009年10月九州大学へ赴任。専門は地域福祉社会学。

主な研究テーマとその実績

テーマ1 過疎地域の地域生活構造に関する研究
概要 人口減少と少子高齢化という人口構造の変化のなかで、急速に進む世帯の小規模化や地域社会の変化に対応する社会システムについて調査研究している。
主要業績 「過疎高齢社会における地域集団の現状と課題」『福祉社会学研究』第8号2011.
テーマ2 高齢社会における社会参加活動に関する社会学的研究
概要 多様な社会的な役割が高齢者に構造的に提供され、高齢者の社会的排除状態が解消されることによって、はじめて高齢社会は維持可能となる。このようなアクティブエイジングの観点から、フィールドワークを通じて高齢者の社会参加活動の実態分析を行っている。
主要業績 「地域の高齢化と福祉」堤マサエ・徳野貞雄・山本努編著『地方からの社会学』学文社2008.
テーマ3 福祉意識に関する社会学的研究
概要 ボランティア活動に関する意識、ボランティア活動の担い手とクライエントの意識、福祉サービスの利用に対する抵抗感、高齢者介護に関する意識などの実証分析をもとに、日本社会における福祉意識の構造を明らかにすることを試みている。
主要業績 「高齢者介護に関する意識」武川正吾・白波瀬佐和子編『格差社会の福祉と意識』東京大学出版会2012.

山下 亜紀子

主な内容

現代家族が直面する福祉的課題を地域社会で支える方策について検討している。これまで、地域社会における高齢者福祉のあり方、地域社会における育児支援のあり方、障害児・病児の家族支援のあり方について実証的研究を継続して行ってきた。近年では、発達障害児の母親の支援方策を中心的研究テーマとして設定している。

経歴

1971(昭和46)年生まれ。九州大学文学部哲学科卒業。宮崎学園短期大学、宮崎大学勤務を経て2014年4月九州大学へ赴任。専門は家族社会学・福祉社会学・地域社会学。

主な研究テーマとその実績

テーマ1 障害児・病児の家族支援に関する社会学的研究
概要 育児支援が整備される中、育児支援の網の目からこぼれ落ちている障害児、病児の家族の生活実態を明らかにし、支援方策について検討する研究に取り組んでいる。現在は、主に発達障害児の家族の生活実態と支援に関する研究を実施している。
主要業績 「発達障害児の母親の対人的支援についての考察-ソーシャル・サポート分析に基づいて-」『西日本社会学会年報』第12号2014.
テーマ2 地域社会における育児支援についての社会学的研究
概要 育児を行っている家族を地域で支える方策について研究している。特に地域組織やNPOなど地域におけるさまざまな支援の担い手の実態と展望について検討する研究を実施している。
主要業績 「住民主体型育児支援組織の特徴と展開」『社会分析』第38号2011.
テーマ3 地域社会における高齢者福祉についての社会学的研究
概要 高齢者の生活を地域で支える方策について研究している。特に、農村部の高齢者福祉に焦点をあて、農村型地域福祉のあり様について、高齢者の意識調査、実際の地域福祉の担い手の検証などを通して、実証的分析をもとに検討している。
主要業績 「農村高齢者の福祉サポート資源への期待-青森県黒石市六郷地区の調査分析をもとに-」,『村落社会研究』第15号2001.

井上 智史

主な内容

ジェンダー・セクシュアリティの視点から現代社会における社会的排除の現状分析に関する調査研究を行っている。エイズアクティビズムと公衆衛生政策のアクター間の緊張関係や、性的マイノリティが形成する親密圏とそれを保護する社会制度の間の包摂をめぐるジレンマの問題などを研究対象としてきた。

経歴

1991(平成3)年生まれ、九州大学文学部人文学科卒業。中村学園大学短期大学部から2023年4月九州大学へ赴任。専門はジェンダー・セクシュアリティ研究、福祉社会学。

主な研究テーマとその実績

テーマ1 HIV・エイズをめぐる社会運動に関する研究
概要 エイズ予防対策として展開されてきた疫学者とゲイNGOの協働体制によるHIV予防啓発活動について、当事者・専門職・行政といったアクター間の緊張関係に注目して研究している。
主要業績 「HIV・エイズ予防啓発活動における疫学者とゲイNGOの協働体制の展開」『福祉社会学研究』第17号2020.
テーマ2 性的マイノリティが形成する親密圏に関する研究
概要 性的マイノリティが形成する親密圏を保護・承認する同性婚やパートナーシップ制度に注目し、性的マイノリティの社会的包摂をめぐるジレンマについて研究している。
主要業績 「性的マイノリティの承認──社会意識とパートナーシップについて」『社会分析』第47号2020.
テーマ3 性的マイノリティの生活上の困難に関する研究
概要 性別二元規範や異性愛規範といった社会規範のもとで性的マイノリティが経験する生活上の困難について研究している。
主要業績 「性的マイノリティの困難と支援」吉武由彩編『入門・福祉社会学』学文社2023.