下地 理則(しもじ みちのり)

大学院人文科学研究院(伊都地区)・准教授

smz [at] kyudai.jp

2009年 Australian National University, Ph.D.(Linguistics)

研究テーマ:
言語人類学。

著書:
『南琉球宮古語伊良部島方言』(2018年、くろしお出版)、『琉球諸語の保持を目指して』(2014年、ココ出版)など。

担当科目:
学部科目(専攻2〜3年対象)科目 「言語学・応用言語学講義」など

大学院教育(人文科学府)「記述言語学特論」など

これまで授業で学生を連れて行ったことがあるフィールド:

宮崎県椎葉村(日本三大秘境の1つ),宮古島,伊良部島,久高島(以上,沖縄県),

佐賀県武雄,青森県野辺地町

学び始めようとする人への一言:
みんなは高校まで習った英語や古文,好きですか?もう聞きたくもない?英語喋る人を見かけたらフリーズするって?そんな語学トラウマを抱えたみなさん,私の授業を受けたら,英語も古文も,そして今まで聞いたこともない少数言語も好きになること間違いなしです。私の専門は言語人類学。人が使う言葉を通して,土地の気候風土,文化,そして人間そのものを知ることを目指します。みなさんは英語のboil waterを訳せ,と言われたら「お湯を沸かす」と答えるでしょう?でも,boilは「沸かす」,waterは「水」です。正確に訳すなら「水を沸かす」のはず。ここで,日本語の「お湯を沸かす」が変な表現だと気づきます。「水を沸かしてお湯になる」のに「お湯を沸かす」と表現するのだから。なんでこういう言い方になるんだろう。これって日本語だけなのかな?こうやって,何気ない言語の表現から,それを話す人たちの考え方に迫っていくことができるのです。授業では実際にフィールドに出て,多様な言語文化に出会いに行きます。毎年行ってる宮崎県椎葉村の言葉には、ヒトスビャーという単語がありますが,これを標準語に訳すのはめちゃくちゃ難しい。強いていうなら「滅多にこない客人が家に来て,それに気づいた子供達のテンションが変になること」です。険しい山間の小さな集落ならではの,人間が見せる一コマをうまく切り取った単語ですね。さあ,私の授業に出て,語学ではない言語研究の世界を体験していきましょう。