長谷千代子(ながたに ちよこ)

大学院比較社会文化研究院(伊都地区)・准教授

cnagatani [at] scs.kyushu-u.ac.jp

2003年 九州大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)

研究テーマ:
現代中国の宗教と政治、雲南の少数民族文化と観光、中国と日本における民俗芸能と文化財制度

著書:
『文化の政治と生活の詩学:中国雲南省徳宏タイ族の日常的実践』(2007年、風響社)、『シャンムーン:雲南省・徳宏タイ劇の世界』(2014年、雄山閣)など。

担当科目:
A 基幹教育(学部生1~2年対象)科目
課題協学、基幹教育セミナー

B 大学院教育(地球社会統合科学府)
1 総合演習(包括的東アジア・日本文化研究C)
2「中華文化圏研究I~IV」
3 共通科目、基礎科目など

 

学び始めようとする人への一言:

私にとって文化人類学は厄介な学問です。

できれば敬遠したいと思いつつ、引きずり込まれてしまったようなところがあります。

なぜ敬遠したいかといえば、

学ぶべきことに限りがなく、自分の能力不足を常に思い知らされるからです。

しかしなぜ引きずり込まれるかといえば、

いったん学びだしたら文化人類学者のように学ばねば気が済まなくなるからです。

文化人類学者のような学びとは、たとえば岩田慶治さんのような学びです。

彼はこんなことを言いました。

「ここに柿を描いた一枚の墨絵があるとする。あなたは真に迫った筆運びに心惹かれる。

しかし、あなたがその絵を所望したとき、

『余白は余分だから』と柿の部分だけ切り取って渡されたら、

あなたはどう思うだろうか」。

文化人類学者は、柿の部分だけ切り取ってよしとする人々ではないので、

一見余分に見える余白にも目を凝らします。

だから大変なのですが、

絵の美しさを本当に味わうには、結局そうするしかないのです。

どうせ観念するなら、早い方がいいですよ。